あらすじ
死を宣告された男に残されたのは、夢見る力
悪性の脳腫瘍で死を宣告された男の意識が、
突然200年後にタイムスリップする。
そこは黄魔という死亡率87%のウイルスが猛威を振るう、
外に出ることは死を意味する世界。
人類は「塔」の中で完全な階級社会を形成して暮らしていた。
その絶望的な世界に希望を見出すため、男は闘いを決意する!
長編SFファンタジー。
解説・香山二三郎
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
石田衣良先生のSF小説。
1度手放してしまったけど、また読みたくなって再読。
前に読んだ時はコロナ前で、こんな世界怖いなくらいの印象だったけど、コロナ禍を経験するとあの時の恐怖が甦ってくるよう。
9.11でできた作品なのに、
後にコロナで似たような状況になるなんて。
"弱みを見せるわけにはいかないんだ
どんなに後悔したって、出てきた血を飲み込めば誰も分からない"
この言葉だけはずーーーっと忘れず心に残ってる。
しんどい時に思い出して頑張る力になってる。
石田衣良先生はIWGPシリーズが好きだけど
多分1番好きなのはこの作品。
Posted by ブクログ
余命宣告された主人公が、200年後の東京に意識だけが行き来しながら、未来を救っていくという感じのSFもの。
兵器化されたインフルエンザウイルスというネタも、コロナ騒ぎに通じるものがあったが、2004年に書かれた作品であることに驚き。
石田衣良がSFって意外な感じもするけど、なかなか面白かった!
それにしても、石田衣良の小説はどれをとっても読みやすくて面白い!
Posted by ブクログ
イラ作品三作目。いや〜ホント面白かったッ!現代パートの瀬野も未来パートの瀬野もどちらも良い。メインは謎のウイルス黄魔を軸に、格差社会、国際問題、戦争、宗教…など、多様なテーマを取り込みとても読み応えがある。最後は希望が持てる終わり方で清々しい。IWGPシリーズ以外も読んでみよう、そう思えました!傑作。
Posted by ブクログ
脳腫瘍を持ち余命数ヶ月の周司が、200年後のセノシューとして生きる。周囲の人物も現代の中に生きる周司をとりまく人物。人と人の繋がりが200年後にも生きているところが魅力。
あり得ない200年後の世界は、もしかしたらあり得るのでは!?と思う部分も多々あります。
石田衣良のファンタジー作品は、映画よりもはるかに壮大といえます。
格差社会がひろがることの恐怖を覚えました。
Posted by ブクログ
めちゃくちゃ面白かった!!
現在の世界で病により死が近付いている男の意識だけがタイムスリップし、
200年後の世界を救う為に働くという物語。
物語としては全然違うけど、
『ネバーエンディングストーリー』みたいな感じ。
主人公本人も病による悪夢なのか、
本当に未来にタイムスリップしているのかハッキリ分からない状態だけど、
「ただ死を待つだけの暮らしよりも、生きている実感が感じられる。」
と理由から世界救出の物語が始まる。
人が一番『自分らしく生きれてる』って感じるのって、
自分の為に生きてる時じゃなく、
他人の為に生きてる時なんだなと思った。
Posted by ブクログ
看板や建屋が残骸ながら残ってて、全ての記録にアクセスできるヤツもいるなら、後世に情報残すのなんて容易なはずですが…
アレ出しときゃ一発解決してるやん!っていうツッコミをドラ◯もんの映画にしちゃいけないのと同じで、主人公には苦労してもらいましょう。
この点抜けば、好きなストーリーです。
たまたまこの本読んだのがマンションから引越す時でして、事後的ながら戸建でよかったなと(笑)
Posted by ブクログ
映画化できないと思った作品の一つ。でもホログラムとか2020年ぐらいになったらできるって話聞いて、技術進歩って恐ろしいと思った。人って環境でこんなに変われるんだな。私も変われるかな。
Posted by ブクログ
石田衣良さんの始めてのSF作品、ということで購入しました。
SFが苦手だったのも忘れ手にとり、最初はなかなか入り込めませんでしたが
苦手だったことを忘れ途中からはどっぷり「青の塔」の世界にはまり。
読み終わって数日たちますが、未だに「青の塔」が頭の中にあって
また再度読みたくなってます!
ラストの終わりは、「え?え?あれ・・?」って感じもありますが、面白かったです。
Posted by ブクログ
脳腫瘍で余命数か月と言われた男が、
数百年後の世界に精神だけタイムスリップする。
そこは進化したインフルエンザウイルスが人々を脅かす世界が広がっていた。
ウイルスを閉ざした青い塔の中には階層化された社会が存在。
そこから排他的差別を受ける地の民のなかでは、
いつかウイルスから人々を救う救世主が現れるという伝説があった。
SF小説としてすごく面白かったです。
ただ、もっと長編にして細部まで細かく書いてほしかった…。
後半部分が駆け足気味で少し残念。
近未来の話はあまり手に取らないけど、一気に読んでしまいました☆
Posted by ブクログ
2016年。2/30冊目。
悪性の脳腫瘍を患った瀬野周司が、脳腫瘍の痛みをきっかけに精神だけ200年後の荒廃した世界(日本)を行き来できるようになる。脳腫瘍によって死を待つだけの周司が200年後を救うために様々な壁に立ち向かい、悩みながら乗り越え、成長していく姿が胸を打つ。
以下、好きな言葉。
「仕事にいつか必ずぶつかる壁がある。さいしょは手も足も出なくて苦しいが挑み続けることで必ず越えられるし、越えるとプロと一生続ける自信ができる」
「人間はたくさんのおろかな事をしでかすが、それでも誰もが必死に生きようとしているのは間違いない」
「人間の価値を決めるのは全てを奪われ裸にされたときに自分から進んで何をするか」
「人間は矛盾に満ちた存在。憎しみながら愛し、壊しながら創る。最低と思われていた者が次の瞬間には別人に変身し、頂点に立つ。崇高さと愚かさ、醜い欲望と透明な憧れに引き裂かれ、日々を生きている」
「人は環境によって作られるが、与えられた環境を乗り越えるのも人の力」
「誰かのために働くことが実は自分自身を救うこと」
また、1人で悶々と色々考えることが増えそうです笑。
Posted by ブクログ
初めて石田衣良作品を読みます。久しぶりにどっぷりはまってしまいました。設定としてはよくあるタイムスリップなのですが、読みながら頭の中でその場面を描写する時、妙にリアルな世界が広がる。過去と未来を行き来する度に生まれる緊迫感も心地よい。他の作品も読んでみたいと思った。
Posted by ブクログ
石田さんには意外なSF。(少年時代の一時期、SF漬けだった日々があるそうです)
現在と200年後の世界を結ぶ物語。
出来事の必然性が薄い部分もところどころ感じましたが、総じて面白かったです。
パーソナルライブラリアンのココが自我に目覚める部分もわくわくしました。(一瞬、ココが暴走したらどうしようと心配しましたが)
ラスト、ココが200年の時を超えて交信してくるシーンが素敵でした。
(シューさま、しばらくのお別れです。また次回、交信いたします)
未来を感じるこの言葉が好きです。
Posted by ブクログ
これがコロナ前に書かれた小説ということに驚いている。当時この小説のことを知っていたら、塔の世界に押し込められるんじゃないかと思ったかもしれない....
純粋に手に汗を握ってドキドキワクワクしながら楽しめた本だった。40代のおじさん主人公が若い女の子に積極的にアプローチされまくる設定は気になったけど。。
Posted by ブクログ
悪性の脳腫瘍で死が迫っている男が、突然200年後に飛ばされる。そこにはウイルスが蔓延してて、タワーの中でないと生きられない。絶望的な格差社会の中で立ち上がり、戦いに挑む。SFファンタジー感が満載でした。コロナ禍の今、どの時代でもウイルス
Posted by ブクログ
タイムスリップ、200年後の世界、2キロのタワー、テクノロジーの進化…、明らかにSFなんだけど、コロナ禍の今、感染病の描写にはSFだと割り切れない怖さや身近さがあって、今読めたからこそ楽しめた部分もすごくあった。
なかなかに設定や言葉が難しく、細かく、読むのには少し時間がかかった。
Posted by ブクログ
寿命わずかなおじさんが200年のタイムスリップを繰り返して、世界の平和のために蔓延したウイルスと闘う。
ヒーローにしては本当に大事ときはいつも周りの人に助けてもらって、もう少しシュー自身も頑張って欲しかったかな。
世界を救ったにしてはあっさりしたラストで、若い女の子しか勝たん!て感じで笑えてしまった。
SFは好きじゃ無いけど…
あまりSF小説は好きじゃないので、著者「石田衣良」というだけで読み始めた事に、最初後悔しました。
でも読み続けるうちに、まるで何年も前から今の新型コロナウィルスの世界的流行を予言するかのようなストーリーに、ずんずんのめり込んでいきました。
最後は、IWGPのような心地よい終わりかたで…、やはり石田衣良氏の著書は好きです。
ただ、やはりSFが好きで無いので星3っにしました。
Posted by ブクログ
「池袋ウェストゲートパーク」なんかで有名な石田衣良作品。石田作品は初かも。
脳腫瘍で余命数ヶ月の主人公・瀬野周司。
ある時彼は頭痛の末に意識を失い、精神だけが200年後の世界へ飛ぶ。
その世界では“黄魔”という名の生物兵器が蔓延し、人々はそれを避ける為に2kmに及ぶ巨大な塔を建設していた。
塔の上層部には階級の高い人物だけが住むことが出来、下に行くにつれて階級が低いとみなされているのであった。
周司はその世界で「セノ・シュー」という、ブルータワー最上階近くに住む特権階級の人物になっており、
未来の世界の様々な問題を目の当たりにする。。。
いわゆるSFである。
「精神だけ未来へ行っちゃう」なんていうあたり、受け入れられる人とそうでない人が出そうな気はする。
ストーリー的には、
主人公の瀬野周司が現実世界でも未来の世界でも懸命に戦って、目の前にある壁を乗り越えて行く…という
まあ予定調和的なモノ。
特に未来の世界を救う方法なんかはもうちょっと捻ると思ったのだが、結構ストレートな方法だった。
それでもこの作者の“読ませる力”が強く、先へ先へと読み進めたくなる。そこは流石であると感じた。
ラストもハッピー。読後感は良い。
作者あとがきによると、この小説は9.11のテロに触発(?)されて書かれたものだという。
確かに、塔の崩壊や無差別な殺戮、報復の繰り返しなど
当時の現実社会とリンクする部分が散見される。
まだ年端も行かぬ子供達が戦わざるを得ないタワー内での悲劇は、作者が書きたかった部分なのであろう。
強くオススメはしないが、SF好きならば一読の価値はあるのではないか。
現代作家による真っ直ぐなSFである。
Posted by ブクログ
脳腫瘍で余命数ヵ月の周司。痛みで意識がとび目を覚ますとそこは、地上がウイルスに汚染され、塔の上層に住む特権階級の人間と下層や地表で暮らす貧しい人々の間で争いの絶えない200年後の世界だった。時間切れ間近の周司は未来を救うことができるか。
大人向けライトノベル、というか大人が主人公のライトノベルという感じ。面白かったのは面白かったが、ご都合主義な感じも否めない。現代にしても未来にしても、妻の存在がよくわからず、少なくとも現代の妻は、家のためだけに周司の世話をしていたとも思いがたいのだけれど、特にフォローもなく終わった。でも、ココが可愛いから、いいか。
Posted by ブクログ
まず最初に。
本編で描かれなかったので。
きっと美紀は最初周司を思って荻原に近づいたんだろうと思う。
周司に配慮してほしいと荻原に頼んだことがきっかけで美紀と荻原の仲は深まったのではないだろうか。
全体としては文章よりも映像で見た方がわかりやすいと思った。
世界観がややこしく、アクションシーンが多いから。
R指定が入るかもだけど笑
意識を失う度に21世紀と23世紀を超える展開に『火の鳥』(太陽編だったかな?)を思い出した。
23世紀は現代社会の縮図そのもの。
塔の高層部に住む一部の支配者層が下層部に住む多数の被支配者層を支配し、多くの富を独占している。
核兵器が何度も使用され、致死率88%のウィルスが散乱しているからなおさらたちが悪い。
この本で描かれている徹底的な抗戦のさまはまさに世も末だと感じるほど恐ろしく、現代社会の問題を解決できる方法を提示できていない。
それでもシューの奮闘ぶりは世の中を生きるエネルギーになると思った。
きっと人は他人のために生きているんだろうなぁ。
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久しぶりに石田衣良さんの本読んだ。他の人も書いてたけど、石田衣良さんにしては珍しいSF…?未来的な話。面白くてどんどん読んじゃったけど、最後のところが微妙だった。結局奥さんの心の動きがわからないままだったし、最後はあっけなさ過ぎた。未来からも通信できるってのも…
Posted by ブクログ
近未来。高い塔に住む人々。建物の外では普通に暮らすことができない。癌で死期の近い主人公の意識が、現在と未来を行き来する話。
いまの自然環境、政治とかから想像すると近い未来に起こりそうでもある。
Posted by ブクログ
SFだから仕方無いのだろうけれど、状況説明がくどいのに想像しづらく、また連載作品なので度々おなじ説明が入るのが煩わしかった。
話の内容的には、物語中盤には未来を救う可能性を掴むのに、主人公が全くその事を気にもせず何ら活かせないまま多数の被害者を出して絶望しているのが共感出来ない。
いくら普通の人間とはいえ、40半ばで某有名会社で働いているのだから交渉術なり持ってるだろうと。
やっと後半になって、どうしよう?→覚えよう→2万4千ちょっとある→無理→裸体で覚えよう というのは強引すぎるような。
CD-ROMで渡されていて、舞台は現在地と変わらないのだったら、穴に埋めるとか、研究施設に隠しておくとかそういう物理的な事も可能だったのではないのかなーと。少なくとも可能性に賭けるという普通の人が考える事をやってダメだったから覚えるしかないという流れの方がすんなり話に入れた。
SF自体があまり好きではないというのもあるけれど、とにかく全てが強引に進んで行ってしまって不完全燃焼感が否めない。
Posted by ブクログ
石田衣良×SFってことで興味を惹かれて。
彼らしい作風でした。
救世主じみてない人間臭いところが良かった。
嘘つき王子が救った二三世紀。
うーん…、と思うところもいっぱいありはしたけど、
全体的に面白く、さくさく読めたかな。
ソークが個人的には一番好き。
Posted by ブクログ
脳腫瘍を患い、死までのカウントダウンの中生きる主人公が、
200年後の世界に精神だけタイムスリップ。
そこはウイルスに侵された世界で、
人々は生きるために地を離れ、高さ2キロの塔に暮らす。
とはいえそんな塔の中は
自分が生きるための殺し合いや憎しみ合いが溢れていた。
それを終わらせるために、主人公が一肌脱ぐ。
そんなお話。
お話の間中、ずっと生への執着が肌にまとわりついてた感じ。
死を覚悟している主人公だけさらっとしてて。
他の人はみんな、安らかに生きたくて、エゴや憎しみや復讐がにじみ出てくる。
そういうキレイごとじゃないところがリアルで。
でも、どうにか事を収めてくれそうな主人公に
どんどん期待してしまう。
その期待で、後半は一気に読めちゃいます。
人間は、希望を追うのをやめられないんだろうな、って思いながら。
ちなみにこの本、9.11のビル崩壊を目の当たりにした後、
「高い塔」を題材に書かれたんだとか。
生きたいと思う無数の人たちを、一瞬で闇に陥れた日。
それをTV中継とはいえ目撃した私たち。
あのときのショック。止まってしまった思考回路。
何だか、それを踏まえて読むと、
とてもじゃないけど現実離れしているように思えなくて
リアルに感じるものがあります。
最初読み進めにくかったとしても、とにかく半分読んでみて。
怒涛の後半が待ってます!
Posted by ブクログ
日常の話が多い石田衣良のSFファンタジー。ありきたりなのかもしれないけれど、文体が好きだから入り込めた。ファンタジーの中にも切り詰めた人々の心情がとても新鮮だった。
Posted by ブクログ
ブルータワー 石田衣良
瀬野周司(この物語の主人公)は、脳腫瘍を患い、車いす生活をしていた。ある日、頭の激痛により、と200年後の未来へ精神のみタイムスリップしてしまう。
そして、セノ・シューという人物へ精神が乗り移り、物語は続く。200年後の未来は、黄魔という病魔が蔓延していた。22世紀の中ごろに行われた、東中国と西中国の戦争を起こした際に、西中国が開発中の生物兵器[黄魔]を使用したことが事の始まり。
最初のパンデミックで人口の55%が死亡するほど感染力は凄まじかった。
セノ・シュー(瀬野周司)は、この病魔のワクチンを手に入れるため、現代へ戻り、ワクチンの座標 約2万4千の好転を覚える必要があった。果たして、無事、座標を覚え、未来を救うことができるのか。