石田衣良のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレシリーズ9作目。段々と角が取れて丸くなっている感じです。平たく言えば私の苦手な暴力描写が少なくなっている気がします。それが良いのか悪いのかは人それぞれでしょうけれど、私は読みやすくて安心します。
さて、今回も社会問題満載でした。そしてその被害者はやはり弱者で、これらの話が書かれてから数年経っているけれど、未だ過去の話になっていない現実を思うと、やりきれなくなります・・。
どの話も考えさせられましたが一番は表題作『ドラゴン・ティアーズ』です。登場人物の言葉に自分が知らなかった現実を思い知らされました。
“フェアトレード”という言葉が頭の中でグルグルと回っていました。でも 同じものなら安いもの -
Posted by ブクログ
[2016年22冊目]
清浄な表の生活と、淫猥な裏の生活の間を行き来する興奮と葛藤とスリルを描いた作品。
わかりやすく伝わるセクシーな表現と展開のスピード感で、ページ数を思わせぬ読み方をさせるのが石田衣良流。最後のページをめくるまで結論を焦らされ、大変満足。
話の設定こそありきたりなものの、人間が情欲の深さで葛藤する姿を見るのが好きな人はハマる一冊。
個人的には島波院長が一番いい味を出している。
彼の一言がこの本を表しているので一部抜粋。
『多くの男たちは、女性の魅力を取り違えている。…問題はその女性のなかにどれほどの欲望と熱量が潜在しているか。その欲望がどんな形でねじれ、表現されるとき -
Posted by ブクログ
や、とてもいいお話でした!
★5つにプラスアルファしたいくらい。
本を書くこと、書き続けることの喜びと迷い、苦悩。
それは作家にとって、人生そのものの試練なのだろう。
作家の内面の葛藤とお構いなしに、小学校高学年の息子を持つやもめでもある主人公は、ご飯を作り、洗濯をし、眠い目をこすりながら授業参観にも出掛ける。
この、息子・カケルとの日常がていねいに描かれているのがとても良い。
それにからめて、カケルの母・亡き妻に対する、「君はどうして逝ってしまったのか」という喪失感とキリのない問いかけが、じんわりと染みわたってくる。
この後も幸せに暮らして欲しいなあ、と、青田耕平の明日を願ってやまな