石田衣良のレビュー一覧

  • 池袋ウエストゲートパーク

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    中学生の頃に本作が原作のドラマが放送されていました。 ヤンキー物のイメージでしたが少し違いました。
    最近、石田衣良さんのラジオで今のマコトについて言及されていて親心のようなものを感じ心が温かくなり、興味を持ちました。
    長く続いているのを知っていたので、ハマると大変そうだなと考えていましたがやはりハマってしまいました。 マコト以外のキャラクターたちも今後活躍するようなので楽しみです。

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    2024年09月08日
  • 娼年

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    ネタバレ

    リョウは、ニュートラルなところが良い。
    偏見なく、どんな姿もそのまま受け入れる。
    その、リョウの視線が、この作品全体を優しくしている。

    リョウは、女性の性の多様さと不思議さに魅了され、憂鬱だった世界から一歩踏み出す。
    それは、御堂静香に対する憧れであり、亡くなった母への思慕でもある。
    でも、そうやってすべてを受け入れて愛することは、何も愛していないことと同義でもあると思うのだ。
    誰かひとりを、特別に愛することはない。

    でも、何にも興味を持てずに、ただ憂鬱に過ごしていた少年時代から、彼は一歩を踏み出した。
    それは、とても大きなことだ。

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    2024年08月29日
  • キング誕生 池袋ウエストゲートパーク青春篇

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    タカシの過去を掘り下げた内容。
    彼が池袋の王となった経緯やバックボーンが明らかとなる。また、学生時代の青っぽい姿も描かれており新鮮。とりあえず、キングファン必読。

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    2024年08月14日
  • 北斗 ある殺人者の回心

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    一生続く地獄の中に時折見せる人の温かみが心に沁みました。自分が思ってるよりも、周りには自分の力になりたい、そう考えてくれてる人がいる。北斗のこの先の人生に幸せだと思えることだけが起こるといいのに。
    読むのにすごくエネルギーが必要で今すごく疲れてます。でも読んでよかった

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    2024年08月13日
  • 美丘

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    「今、生きている」という紛れもない事実を、深く考えることになった作品だった。
    何不自由なく生きている今、「生きていることは当たり前じゃない、もっと今を生きろ!」といったよくあるメッセージに強く心を動かされることはあまりない。
    でも常に今を生きている美丘をそばで見ていると、今を生きるってこういうことなんだなあと思わせられた。
    後先考えずに行動している、というよりは、先のことを考えているからこそ今を生きて、今動いているのだと感じた。

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    2024年08月05日
  • アキハバラ@DEEP

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    社会からドロップアウトしたように描かれたキャラクターたちが小さな世界から羽ばたこうとする話。 大きく羽ばたこうとは思ってなかったのがミソで、彼らは多くを求めてなかった。 彼らが開発したAIを用いた検索エンジンが優秀で将来的があると見込んだ時代の優が彼らを掻き回す。
    大切な価値観を共有し続けられる仲間たちがいる彼らは幸せだ。 これは冒頭から書かれていた。 仲間の個性を尊重できる彼らは美しい。

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    2024年08月02日
  • 非正規レジスタンス 池袋ウエストゲートパークVIII

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    ネタバレ

    活字欲を満たしながらコミックを読むくらいするすると楽しい話が読めるので重宝しているシリーズ。でもビターエンドで終わる話とか社会問題に切り込む話とかも好き。表題の話は後者の方。2007年に書かれた話でも日雇労働者の問題ってまだ大きくて、でも2024年になっても見えないけれどそんな状況に置かれた人はきっといるはずなのかなと考えた。考えるだけ。

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    2024年07月29日
  • 6TEEN

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    面白かった4TEENの続編を見つけたのですぐに手に取りました。 石田衣良さんの作品は一気に読んでしまう事が多いです。 魅力的なキャラクターと彼らが使う言葉が素敵で文章が美しい。
    近々、横浜へ行く予定なので月島に寄り道して4TEENと6TEENを読む聖地巡礼をしようかな。

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    2024年07月28日
  • 4TEEN

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    ネタバレ

    4人の中学2年生たちの最高の青春小説です。
    ダイが道を外れかけたとき3人の仲間がそれを許さなかったシーンが最高でした。
    本当はしっかり道を外れたって構わないんだけれど、彼らがダイを繋ぎとめたのは良かった。
    可愛い性欲まみれの少年たちの青春ストーリーです。

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    2024年06月25日
  • 美丘

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    ネタバレ

    面白かった。自分が自分ではなくなる事が分かっているから全てに全力で生きる。美丘ずっとかっこよかった。まぁ、美丘は魅力的だから当たり前か。

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    2024年06月07日
  • 娼年

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     久々の星5。まさかこんなに好みだとは! 石田衣良はお人柄が大好きでテレビ出演やエッセイは追っていたんだけど小説はあまり読んでこなくて、その理由が本作を始めとした性愛描写の強そうな作品を読まず嫌いしていたからなのですが、読んでよかった。いま読んでよかった。若い頃読まなくてよかったと思いました。若さゆえの潔癖でこの作品の美しさを受け取れなかったらと思うと勿体ない。
     人と人がつながる話だった。誰にも言えない性癖や欲望は孤独そのもの。リョウくんはそんな孤独を受けとめて寄り添い共有することができる。他人に孤独を見せるのは簡単じゃなく見せてもらうのも簡単じゃない、亡くした母への想いを一人孤独に抱え続け

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    2024年06月07日
  • 清く貧しく美しく(新潮文庫)

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    解説文を読んでぞっとした。
    けど同時に、それもいいじゃないかって思った。
    自分の選択に責任を持てるならどんな選択でもいい、けどその選択ができるだけ正しく、ベターなものであるためには、自分の価値観が明瞭になってなくてはいけないのかも、そうじゃないと他人の価値観が気がついたら内製化してるかもしれない。

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    2024年05月31日
  • 波のうえの魔術師

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    ネタバレ

    石田衣良さんのPodcast番組でこの作品のタイトルを耳にしたので読みました。
    主人公は普通の大学を5年かけて卒業し、パチンコをしながら就職浪人をしていたチャランポラン。
    何故かトレードのプロである老人に見初められてトレードのイロハを教わる。
    老人はある銀行に恨みがあり、復讐するための右腕が欲しかった。
    イリーガルな仕手戦を企てて銀行に挑む。開戦までの過程が読んでいて楽しかったです。
    知らない言葉が多く、調べながら読んだので勉強になりました。

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    2024年05月26日
  • 清く貧しく美しく(新潮文庫)

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    読み終わった直後は反発を覚えるものの、時の経過とともにじんわり沁みてくる母の優しさのような小説である。物語の終盤に主人公2人がそれぞれ決断をするのだけど、読みながら「いやいやいや、なんでやねん」と盛大にツッこんだ。

    お金を稼ぐとこが卑しいという考え方はあまり好きではないが、お金を使わずに精神的に豊かな生活を送っている人がいることも知っている。ただ、後者の場合は清貧生活を自分で選択しているか、選択の余地なく強いられているかで随分幸福度は変わってくる。

    雇われの身としては、もっと給料上げてほしいな〜とか、もっと優秀な人たちと働きたいな〜とか、日々思うことはあるけど、今より給料が高くて、意識高い

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    2024年05月25日
  • 炎上フェニックス 池袋ウエストゲートパーク17

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    第1作のIWGPを読んでから2作目に本書を手に取った。
    まずこんなにもシリーズがあることを知らなかったので驚き。

    コロナ禍の時制を色濃く描いていることから他の作品も時代背景を投影して書かれているのかと想像するとより楽しみにもなる。

    本書のタイトルでもある炎上フェニックスでは、まさに現代の抱える大きな闇の部分を取り扱っている。
    どこにでもいる普通の人間がネットという画面を被ると悪魔になってしまうのはまさに現代のリアル。

    普通の人間である自分がネットの悪魔にならないよう心掛けていくことも必要な時代だと感じた。

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    2024年05月18日
  • 清く貧しく美しく(新潮文庫)

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    恋愛小説です。 貧しい同棲をしているカップルのお話。 明確に彼女が浮気をしているシーンは辛かったな。 衣良さんがこの程度は浮気の内に入らないと考えていそうだけど、好意を持ってしまっていたから読んでいてしんどかった。
    彼らは一緒にはなれない。 現代が彼らを一緒にさせない。
    人が幸せを求める時、必ず邪魔をする他者がいる。
    読み終えてから妻と手を繋いで近所を散歩しました。
    僕は誰にも邪魔をされずに妻と幸せな日を送っている。気が付いていないだけで本当は違うのかもしれない。
    気が付かないままでたくさん本を読んでたくさん音楽を聴いて過ごしていきます。

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    2024年05月14日
  • 清く貧しく美しく(新潮文庫)

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    人生観が変わった1冊。

    人生に求めるものは、家族であっても親しい友達であってもパートナーであっても、本当に人それぞれで、価値観を押し付けたり誰かに合わせたりする必要はなくて、ありのままの自分を大切にすること、かつ、それを受け入れてくれる大切な人がいることはすごく幸せなことだよなって、
    当たり前のことだけど改めて考えさせられた。

    今の自分は「普通」に縛られてて、勝手に焦って、劣等感を感じてる最中だったから、今この本に出会えたのはラッキーだった。

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    2024年03月26日
  • 池袋ウエストゲートパーク

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    Netflixでドラマを見て原作も気になり手に取った。

    ドラマとは違って派手さには欠ける印象。
    しかし、譲れない物、若き日の情熱感、愛する地元を想う姿がしっかりと描かれていて、共感し、打ちひしがれるものがあった。

    ハードボイルドな文体で描かれているところは主人公であるまことのイメージと合っていて、作品を一層引き立ていた。
    あんな風な物語を1度は書いてみたい。

    石田先生の作品は過去に娼年を読んだが、違う人が書いているような印象を受けた。

    池袋ウエストゲートパークの他のシリーズも読んでみようと思う。

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    2024年03月18日
  • 清く貧しく美しく(新潮文庫)

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    久々にいい作品に出会えた気がした。

    自分を消費していくことと、自分が消費されていくことは違う。
    幼少期から決められたレールに乗って生きていける人が私は心底羨ましいと思う反面、つまらないと思っていたこともあった。
    自分が何に対してキラキラワクワクできるのかは、人それぞれ違うなんて当たり前なのに忘れる。

    最後まで通して私が日頃から考えていることの具現化のようで読んでいて惹き込まれた。
    「普通の幸せ」とはなにか。
    考えても考えても答えが出ないのは、人類皆共通の幸せなんてこの世に一つも存在しないからだということを再認識させられた。

    人生に何を求めるか。
    私も、日菜子や堅志のように「やりがい」や「

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    2024年03月12日
  • 空は、今日も、青いか?

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    たまたま古本屋で出会って手に取ったエッセイ。一つ目の文章を読んだ瞬間に、涙が流れそうになったのを覚えている。社会人三年目も終わりかけの今の自分に、心から響くエッセイ集だった。

    正直好きな言葉が多すぎて選びきれないので、あえて印象に残ったフレーズは今回はまとめない。フレーズだけ切り取るとチープに感じてしまうのが嫌だから。

    そして私は今まで、正直自分のことは自分しかわからない、と言って、壁を作りかけていることが多々あった。だけどそんな寂しいこと言わないで、孤独を感じてばかりいないで、その人にはなれなくても、その人の気持ちを想像することはできるって、ただの希望でもいいから、そう思おうって改めて感

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    2024年02月24日