石田衣良のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレリョウは、ニュートラルなところが良い。
偏見なく、どんな姿もそのまま受け入れる。
その、リョウの視線が、この作品全体を優しくしている。
リョウは、女性の性の多様さと不思議さに魅了され、憂鬱だった世界から一歩踏み出す。
それは、御堂静香に対する憧れであり、亡くなった母への思慕でもある。
でも、そうやってすべてを受け入れて愛することは、何も愛していないことと同義でもあると思うのだ。
誰かひとりを、特別に愛することはない。
でも、何にも興味を持てずに、ただ憂鬱に過ごしていた少年時代から、彼は一歩を踏み出した。
それは、とても大きなことだ。 -
Posted by ブクログ
久々の星5。まさかこんなに好みだとは! 石田衣良はお人柄が大好きでテレビ出演やエッセイは追っていたんだけど小説はあまり読んでこなくて、その理由が本作を始めとした性愛描写の強そうな作品を読まず嫌いしていたからなのですが、読んでよかった。いま読んでよかった。若い頃読まなくてよかったと思いました。若さゆえの潔癖でこの作品の美しさを受け取れなかったらと思うと勿体ない。
人と人がつながる話だった。誰にも言えない性癖や欲望は孤独そのもの。リョウくんはそんな孤独を受けとめて寄り添い共有することができる。他人に孤独を見せるのは簡単じゃなく見せてもらうのも簡単じゃない、亡くした母への想いを一人孤独に抱え続け -
Posted by ブクログ
読み終わった直後は反発を覚えるものの、時の経過とともにじんわり沁みてくる母の優しさのような小説である。物語の終盤に主人公2人がそれぞれ決断をするのだけど、読みながら「いやいやいや、なんでやねん」と盛大にツッこんだ。
お金を稼ぐとこが卑しいという考え方はあまり好きではないが、お金を使わずに精神的に豊かな生活を送っている人がいることも知っている。ただ、後者の場合は清貧生活を自分で選択しているか、選択の余地なく強いられているかで随分幸福度は変わってくる。
雇われの身としては、もっと給料上げてほしいな〜とか、もっと優秀な人たちと働きたいな〜とか、日々思うことはあるけど、今より給料が高くて、意識高い -
Posted by ブクログ
恋愛小説です。 貧しい同棲をしているカップルのお話。 明確に彼女が浮気をしているシーンは辛かったな。 衣良さんがこの程度は浮気の内に入らないと考えていそうだけど、好意を持ってしまっていたから読んでいてしんどかった。
彼らは一緒にはなれない。 現代が彼らを一緒にさせない。
人が幸せを求める時、必ず邪魔をする他者がいる。
読み終えてから妻と手を繋いで近所を散歩しました。
僕は誰にも邪魔をされずに妻と幸せな日を送っている。気が付いていないだけで本当は違うのかもしれない。
気が付かないままでたくさん本を読んでたくさん音楽を聴いて過ごしていきます。