石田衣良のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
恋愛小説です。 貧しい同棲をしているカップルのお話。 明確に彼女が浮気をしているシーンは辛かったな。 衣良さんがこの程度は浮気の内に入らないと考えていそうだけど、好意を持ってしまっていたから読んでいてしんどかった。
彼らは一緒にはなれない。 現代が彼らを一緒にさせない。
人が幸せを求める時、必ず邪魔をする他者がいる。
読み終えてから妻と手を繋いで近所を散歩しました。
僕は誰にも邪魔をされずに妻と幸せな日を送っている。気が付いていないだけで本当は違うのかもしれない。
気が付かないままでたくさん本を読んでたくさん音楽を聴いて過ごしていきます。 -
Posted by ブクログ
久々にいい作品に出会えた気がした。
自分を消費していくことと、自分が消費されていくことは違う。
幼少期から決められたレールに乗って生きていける人が私は心底羨ましいと思う反面、つまらないと思っていたこともあった。
自分が何に対してキラキラワクワクできるのかは、人それぞれ違うなんて当たり前なのに忘れる。
最後まで通して私が日頃から考えていることの具現化のようで読んでいて惹き込まれた。
「普通の幸せ」とはなにか。
考えても考えても答えが出ないのは、人類皆共通の幸せなんてこの世に一つも存在しないからだということを再認識させられた。
人生に何を求めるか。
私も、日菜子や堅志のように「やりがい」や「生きがい」を求めてるのだと思う。
豊かな国に生まれて自分の人生をいくらでも選べる今に生きているからこそ
消費される立場が故に付いてくる価値ではなく、自分が自分自身を消費していく上で生じる価値を重んじて生きていくのも悪くないと思う。 -
Posted by ブクログ
たまたま古本屋で出会って手に取ったエッセイ。一つ目の文章を読んだ瞬間に、涙が流れそうになったのを覚えている。社会人三年目も終わりかけの今の自分に、心から響くエッセイ集だった。
正直好きな言葉が多すぎて選びきれないので、あえて印象に残ったフレーズは今回はまとめない。フレーズだけ切り取るとチープに感じてしまうのが嫌だから。
そして私は今まで、正直自分のことは自分しかわからない、と言って、壁を作りかけていることが多々あった。だけどそんな寂しいこと言わないで、孤独を感じてばかりいないで、その人にはなれなくても、その人の気持ちを想像することはできるって、ただの希望でもいいから、そう思おうって改めて感じた。
人生の意味とか、生き方とか迷ったときに、手に取ってほしい、読んでみて欲しいエッセイです。おすすめです。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ北斗、読むのに半年以上かかってしまった。理由は虐待シーンが過酷で、手が進まなかったから。至高の怖さに一緒になって怯えてしまい、気持ちに余裕のある時じゃないと読み進められなかった。それくらい描写がリアリティのあるものだった。
北斗の半生は過酷極まりない。さらに様々な偶然が重なり、殺人へと至る道を思うと、人生はなんて不平等なんだと憤りを感じる。実際、殺人事件は幸福な人が犯すものではないし、北斗のように様々な不幸が重なった人によって引き起こされる。そこを思うと、人間社会の歪さや、人生の不条理を見せつけられる思いがする。
北斗は、素直な人間だと思う。自分のしたことを反省する心があるし、被害者やその遺族に対する謝罪の気持ちがある。北斗の境遇は本当に恵まれないものであったけれども、北斗の人間としての良さは確実にあったし、綾子に対する愛情もあるごく普通の人だと感じた。
虐待通報は年々増加している。それは軽微なものであっても通報されることが増えた訳でもあるが、やはり、北斗のような酷い事例ももちろんある。北斗のような被虐待児が人生で躓かないように、里親になったり、その子を見守る大人が深く関われたりする必要性がよく分かる本だった。北斗も綾子や、明日実、高井弁護士など、北斗のことを本当に想ってくれる人との出会いで生きている。
北斗は綾子に出会ったことで、心の平穏を見つけたし、救われた。人間には出会うべき人というのがいるのだなと思った。北斗の過酷な人生は続くけれど、大切な人との思い出と支えてくれる人を頼りに、生きていってほしいと思った。
実際の被虐待児の子の人生も過酷であるとは思うが、自分を本当に想ってくれる出会うべき人に出会い、平穏を見つけ出せることを祈る。 -
Posted by ブクログ
面白かった。タピオカもサンタフェもホストも良かったけど、最後のコロシアムの話がやはり良かった。それぞれの話に共通して、マコトの根底にもあるものなんだろうけど、人を想うということがとても好き。自分がおっさんになっても若いままのマコトは少しずるいけど、相変わらずカッコよくて、それでいて友達・家族・困っている誰かに共感して、困ってる奴がいたら助けて一緒に笑いたいだろ?と何の躊躇いもなく言ってくれそうなマコトが相変わらずかっこいい。自分の仕事やプライベートに置き換えても、人を想うことや一緒に笑うことが本当に大事だよなと改めて考えさせてくれる気がした。石田衣良はいっとき表現にキレがなくなった期間も感じたけど、この作品とその前くらいはビビッドな雰囲気が蘇った印象。
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もうすぐクリスマス~ってことで、吉村和敏さんのクリスマス写真集「SILENT NIGHT」です。カナダのクリスマスが楽しめます。そして、石井衣良さんの3つの短編、すごーく短いものだけれど、クリスマスにまつわるストーリーも読めます♪
写真の方は、吉村和敏さんが18年間カナダのクリスマスを撮りためたもの…カナダではクリスマスは家族と過ごすのが定番なんですって…。日本のように恋人や友達と過ごすものではなく、クリスマスに外を歩いていると、なぜ家族と過ごさないんだ??と言われ、家の中に招き入れてくれることもあるらしいです…。あ、これ最後のお二人の対談からです。異国とはいえ、ちょっとだけあたたかさを感じますよね。写真はクリスマスならではの、ツリーやイルミネーション、雪景色等とっても素敵です。表紙は真っ赤、じゃなくて、実は真っ白!赤はカバーなんだけれど、中身はとってもキレイですよ。
そして石井衣良さんの短編は「CANADIAN STAR」と「30回目のクリスマス」「東京で会いましょう」の3作品…。「CANADIAN STAR」は前述の対談の内容を想起させるもの、「30回目のクリスマス」は、道ならぬ恋に終わりを告げるもの、「東京で会いましょう」はカナダに一人旅していた女性と写真家の出会いを描いたものです。一番好きなのは「CANADIAN STAR」かな…でも短い、ホント超短いです。
発売されたのが、2005年とだいぶ前なんだけれど、古さは全く感じない…あ、唯一対談のお二人が若いことはあるかな…でも、内容は古さを感じさせないものです。きっと来年のクリスマス前にはまたこの作品開いてみるんだろうなぁ…と思える、大好きな作品です(*^^*) -
Posted by ブクログ
シリーズ本編16作目
以下、公式のあらすじ
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――闇の虐待ショーをぶち壊せ!
ダークウェブの深奥にある「逆隊コロシアム」。
通常の手段ではアクセスできないサイトでは、競うように児童虐待動画がアップされている。
「逆隊コロシアム」を潰して、その一部始終をドキュメンタリーにしたいというテレビ・ディレクターの梅原から依頼を受け、3人の虐待サバイバーの若者とともに調査に乗り出したマコトは、ある日テレビで見た子どもの虐待死のニュースが、「逆隊コロシアム」の動画に映っていた少女のことだと気づく。
小さな命を救えなかった悔しさと怒りを胸に、マコトはタカシや仲間たちと巨大なウェブに巣くう獣たちに戦いを挑む。
表題作のほか、
池袋の路上で繰り広げられたタピオカ抗争の顛末、
日本屈指のラブホ街を狙った強盗団との闘い、
恋人のいない若い女性を狙ったバースデイコール詐欺を描いた4編を収録。
累計430万部突破のIWGP16弾!
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いつも通り、表題作含む4遍収録
・タピオカミルクティの悪夢
サルが始めたタピオカミルクティ屋で働きたいと言ってきたおじさん
大企業で人員整理の追い出し部屋で就職活動をさせられているという
そして、サルを勝手にライバル視しているヤクザが丸パクリの店を近所で開店
追い出し部屋が取り沙汰されたのって、もっと前だった気がするけど
まぁ、出社しても何もすることがなく、ただ転職活動をする事だけというのも辛いものがあるな
・北口ラブホ・バンディッツ
ラブホテルを狙った強盗が池袋で連続して発生
マコトの同級生の女性の実家がラブホをやっていて、用心棒代わりに夜間のバイトに雇われる
狙われるラブホの共通点とは……
何だかんだ言って、やはりマコトのお母さんが大部分の話題をかっさらっていくなw
・バースディコールの甘いわな
孤独な若い女性を狙ったホストによる特殊詐欺
真面目に生きてきた人ほどハマると疑いの目を向けなくなってしまう罠
デート商法とかロマンス詐欺と呼ばれるのでしょうけど、若い女性もこんな詐欺に遭ってしまうのか……
それにしても特殊詐欺って、その手間と得られる金額と捕まるリスクが合ってない気がするんだけどなぁ
まぁ、それは末端の捕まる人間を見てそう思っているわけで、金主や組織としては儲けてるのでしょうねぇ
・獣たちのコロシアム
児童虐待動画を趣味で共有しているクソ野郎達のコミュニティーをぶっ潰す話
読んでいてマジで気持ちが悪くなってた
マコトの気持ちがよくわかる
今回意外だったのがゼロワン
ここまで熱くなるのも珍しい
もしかして石田衣良さんの想いが若干入ってしまったか?
ま、フィクションであってもクソ野郎共が裁かれる展開は必要ですからね
一番の着目点は、新型コロナウイルスによる影響の描写かな
2019年から2020年にかけてのエピソードなので、後半は人々が外出を控えて街には人が疎らな様子が描かれている
現代の世相を若者視点での物語に昇華するのが今作なので、現実と地続きになっているように感じられるのがいいですね
あと、解説でマコト達が歳を取らなくなった事に関する言及もされている
私の感覚としては、10作目まではちゃんと1作1年で1歳の歳を取ってたけど、それ移行はサザエさん時空になったと思っている
もしくは、それまでとは別の作品という解釈をした方がいいのかもしれないなぁ