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石田衣良の十八番、過激な性に溺れる恋愛小説。臨場感と細かい描写のおかげで、最後まで飽きずに読めた。実際にTwitterとかを除くとそういう人たちは腐るほどいるわけで、誰もが胸の内に孕んでいる異常性をこれでもかと突き付けられる作品だった。
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やっぱり石田衣良さんは綺麗。
人間の奥底から湧く力と
汚いエネルギーさえも綺麗に見える。
どん底に落ちたことのある人にしか
わからないことって絶対あるから、
なんだか少しナギの気持ちが分かる。
けどそんなこと言うとこの世の中では
大批判でしょうから、言えませんけどね
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ついさっき読み終わった。
途中、中だるみのような部分や無駄だなぁと思われる箇所があったり結末がちょっと陳腐な印象を受けたが、俊也やナギの生きた世界に本気で入り込んだことがない人間が書くことの限界というものがそこには感じられた。
自分には俊也の気持ちもナギの気持ちも分かる。現実にナギのような女性に出会ったら、自分も彼女を心から愛することになるだろうと思った。
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石田衣良作品は久しぶり。娼年シリーズは鮮烈であったが、本作も負けずとも劣らずな骨太な作品。
端から見ると絶対に恋愛対象とならないような女性に強烈に惹かれていく描写が印象的で、強引さが感じられないのも石田衣良ならではの筆致によるものなのだろう。
性的な描写はさすがと唸るばかりだが、主人公の俊也が一人でいる時の心情描写は、「面白い」よりも「勉強になる」という感じであった。
他の石田衣良の同ジャンルの作品も漁りたい。
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[2016年22冊目]
清浄な表の生活と、淫猥な裏の生活の間を行き来する興奮と葛藤とスリルを描いた作品。
わかりやすく伝わるセクシーな表現と展開のスピード感で、ページ数を思わせぬ読み方をさせるのが石田衣良流。最後のページをめくるまで結論を焦らされ、大変満足。
話の設定こそありきたりなものの、人間が情欲の深さで葛藤する姿を見るのが好きな人はハマる一冊。
個人的には島波院長が一番いい味を出している。
彼の一言がこの本を表しているので一部抜粋。
『多くの男たちは、女性の魅力を取り違えている。…問題はその女性のなかにどれほどの欲望と熱量が潜在しているか。その欲望がどんな形でねじれ、表現されるときにどんな歪みを生むのか。
異性としての女性のおもしろさは、そこにある。』
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【水を抱いたことがない人には必要がない物語】
この話を薄っぺらいと言うのは、きっとこれがフィクションだと言える幸せな人なんだろうと思う。私はちょっと前まで水を抱きしめようと四苦八苦していた。彼は水を抱くことを諦めていないようだけど、私は草臥れて手を伸ばすのをやめてしまった。
この作品の官能的なシーンになんの魅力があるだろうか。それこそ私にはわからなかった。ただ、やはりわかりやすくセックスは心の近くにある。確かに様々なデリケートな話題を作中では荒っぽく扱っている。けれどそれこそ作者の強い意思を感じた。あくまでも主観ではあるが、震災に対して、セックスに対してもう少し違ったアプローチをしてもいいのではないだろうか。そう問われている気がした。彼と別れて私は1度も異性と二人きりの食事をしていない。異性に見せるための洋服を買っていない。異性を笑わせるためのプレゼントを買っていない。だからなに?と別にそれの何が悪いと思う自分もいる。だけど、虚しいさみしい辛いと泣いてる自分もいる。
弱い人だとありきたりな人だと笑われるかもしれない。読み終わってそんな自分が変わるわけでもない。だけど、不毛だとわかりきった悩める夜を明かした人だけが(明かさない方が断然幸せだと思うけど)、得られる何かがこの本には詰まってると思う。
官能小説か、純愛小説か?
こんな壊れた女性は実際いないよなぁと思いつつ、いたらいたで主人公のようにはまっていきそうな気もする。確かに刺激の少ない日常の繰り返しの中で、ナギのような女性が突如現れたら理性も羞恥心も捨てて男も壊れてしまうかもしれない。こういうぶっ飛んだ女性も個人的に嫌いではない。中盤からはストーカーの正体やナギの秘密、主人公の仕事の成否など気になって気になって読むスピードが加速する。
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綺麗な表紙と帯に書かれた壇蜜に惹かれ、あらすじも自分の好きそうな恋愛小説だと感じたので後日購入した。
内容としては、都内で医療メーカーの営業として働く俊哉と、性に奔放な5歳年上の女性、ナギとの恋愛物語である。
読み始めて感じた印象は、今まで普通の女性としか付き合ったことのない俊哉が、性に対して今までにない様々な刺激を与えてくるナギと出会い、その強烈さに惹かれ、他の女性じゃ満足できない身体に調教されてしまったというだけの話だと感じた。物語の前半は、ほぼそんな印象だ。
誰に対してもセックスに抵抗はなく、ワンナイトは当たり前。男と寝てないと不安になると感じるナギの様な女性は、自分にとって当たり前の存在だと思っているので、ヤってもないのにナギと付き合っていると勘違いしてるこの人(俊哉)は何なんだろうと思った。今までにないやり方でイかされて、それにハマってるだけだろ。と、最初読み進みている時感じていた。
しかし後半になると、ナギの性に対する執着はただのメンヘラ気質という訳ではなく、過去のある出来事に心が病み、その不安を紛らわすため。または自分を罰するためだと分かる。それを理解して、今まで以上にナギを愛する俊哉の愛情は本物なんじゃないかと思い始めた。心が壊れてしまったナギにとって愛情を与えてくれる俊哉という存在は、恐ろしくもあり、救世主の様な存在でもあったんだろうなと感じる。
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ネットで知り合った妖艶で魔性な女性に耽溺していく男。
快楽、痴情、背徳、過激、抑圧、煩悶、寛容。
登場人物が愛おしく切ない。
共感度高い一冊。
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・清純な女性は地球上に存在しない。いむも得するよう計算している女を清純とか清楚なんていわない。
・男は地位と金、女は若さと処女性
・金も地位も手に入れた年寄りはなにより若さと健康が欲しい
登場人物から発せられる鋭い切り口は斬新で印象的でした。
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3.11など、みんなが知っている日時、時代設定。
ナギと同じように、読み手を終始掻き乱し、振り回す作者。焦らして焦らして…残り50ページあたりで真実を知る。
アマチュアの書き手としては理想的な構成だなと。
でも内容は終始、男女のストーリー。
「実際にありそうだよね!」
っていうフィクション作品でした。
だから男は見る目がないとか、バカだとか言われちゃうんだよなと思いつつ、これ読めば男の心理も結構わかるかも。
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東京の医療メーカーに勤める営業マン「俊也」とネットで知り合った年上の女性「ナギ」の恋愛もの。
通勤中の電車の中で読むのはオススメしません。いろんな意味で。
小説ではあるけれど、色んな形の恋愛があるな〜と改めて。
「ナギのいない不幸より、いる不幸の方が良いんだ。」
この言葉はぐっとくるなぁ。
不幸を背負える人は、カッコいいと思う。
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石田衣良作品だなぁ、と。
途中まではいつもの感じで、これはこれで良かったんだけど、結局のところのナギの言動の理由が、個人的な感想としては、なんというか、ドラマティックにしてるのに、それが余計に安っぽくて、面白くないと思ってしまった。じゃあ何が正解なのかと言われると分からないので批評するのもあれですが。
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主人公のドMさに共感できない。
途中まではこれからどうなるんだろうというハラハラドキドキ感があった。
最後はあっさりしすぎていてガッカリ
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ちょっと過激すぎて胎教に悪そうやったから読むんやめよかと何度も思ったけどやめられず…笑
でもただただ官能的なだけじゃなく、なにかに依存して生きる人の人生をしっかりと見た感じ。
そして社会勉強になりました。笑
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ある種の心の闇を綴った作品。
自分は体験も出会ったことま無いけれど、徹底的に己を責める負のエネルギーには大きな魅力があるのかもしれない。
たぶん自分は耐えられる強さを持っていないと思うので、未知であることを悔やむより感謝したい。
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初対面で彼女は、ぼくの頬をなめた。29歳の営業マン・伊藤俊也は、ネットで知り合った「ナギ」と会う。5歳年上のナギは、奔放で謎めいた女性だった。雑居ビルの非常階段で、秘密のクラブで、デパートのトイレで、過激な行為を共にするが、決して俊也と寝ようとはしない。だがある日、ナギと別れろと差出人不明の手紙が届き……。石田衣良史上もっとも危険でもっとも淫らな純愛小説。
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ネットで知り合ったミステリアスな女性「ナギ」と出会った医療メーカーの営業マンのお話。
営業先のクリニック院長がクソすぎる。
最後まで読んで、他の伏線がどうなったかが気になった。
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文庫裏のあらすじ文には「……純愛小説」とあるが・・・いやはやなんとも“どこがよっ?”とツッコミたくなるような冒頭3分の1(笑)。
でも……読み進めると……最後まで官能描写満載であるにも関わらず、確かにれっきとした純愛小説だった。
謎めいたヒロインとの恋の行く末が気になり過ぎて、一気読み。
誠司くん、いいヤツだなぁ。
で、やっぱり、石田さんのストーリーテリングは好きらしい。
★4つに近い★3つ、7ポイント半。
2016.08.24.古。
それでもやはり、最後に一言……
石田衣良は、“街もの”の方が好きだ、と、声を大にして。
※もう1つ収穫が。
巻末解説文を読む分には……(ゴーストでなければ)檀蜜さんの文章が、読みやすく分かりやすく惹かれるところがあったという点。
彼女が性愛小説なり自伝なりを描いたら……売れそう。
Posted by ブクログ
自分を責め続けるナギとの幸せになることを祝われない恋が辛かった。最終的にナギと俊也はお互いが好きだと認める。が、そこに幸せであることを感じさせる描写は一つもなく、切ない終わり方。「水を抱く」というタイトルに込められたナギの秘密は、ナギ自身の口から知りたかった。