あらすじ
美丘、きみは流れ星のように自分を削り続けた……平凡な大学生活を送っていた太一の前に突然現れた問題児。大学の準ミスとつきあっていた太一は、強烈な個性と奔放な行動力をもつ美丘に急速に魅かれていく。だが障害を乗り越え結ばれたとき、太一は衝撃の事実を告げられる。彼女は治療法も特効薬もない病に冒されていたのだ。魂を燃やし尽くす気高い恋人たちを描いた涙のラブ・ストーリー。
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美丘を読んで
この物語は原作もドラマもありますが、原作の方が圧倒的に読み応えもあり、深さもあります。私の中ではおそらく一番感動できる恋愛小説です。
たった1人の人と出会ったことで大きく太一の人生は変わり、恋愛観、人としとも大きく成長する過程はとても見どころです。また美丘の生き方は誰もがしたいけど出来ない、美丘だからこそできる生き方で心の中で燃えている灯火がひしひしと伝わってきます。
ただ自分の将来のために学ぶ場ではない大学という一つの社会。人間関係の葛藤も一つの見どころと言えるでしょう。
何回も読み繰り返しても飽きない石田衣良さんのこの小説はイチオシです。
Posted by ブクログ
最近、石田衣良さんの作品を読んでいなかったので手に取りました。
いいドラマを見たような気分です。死に向かっていくお話は辛いですね。 出版当時なら太一目線で読めたんでしょうが、今は親目線になってしまいました。 美丘を好きに生かせてあげたいと思っていたとしても自分にはできるだろうか。
モテていましたが僕には太一が魅力的だとは思わなかった。約束ねぇ…
Posted by ブクログ
太一の語り口調で物語に引き込まれた。
美丘の台詞にひらがなが増えていき、ぎこちなさを感じる度に、どんどん弱っていく様子を連想させられて辛くなった。
なぜかバッドエンドに思えず、幸せな気持ちでいっぱいになった。
解説もとても良かった。
Posted by ブクログ
久方ぶりに感動しました、数年ぶりに刹那い系の小説に手を出したのが美丘です、ドラマがあったのは知ってるけど観てないので先入観なく丁度良かった。
美丘みたいに強くいられる自信はないけど強くいられたのは太一のお陰だよね、太一がいたから強い美丘もいた…そう感じたかなぁ。
ありがとう、美丘、ありがとう…の最後の太一のセリフが全てを表現してると思う。
Posted by ブクログ
「今、生きている」という紛れもない事実を、深く考えることになった作品だった。
何不自由なく生きている今、「生きていることは当たり前じゃない、もっと今を生きろ!」といったよくあるメッセージに強く心を動かされることはあまりない。
でも常に今を生きている美丘をそばで見ていると、今を生きるってこういうことなんだなあと思わせられた。
後先考えずに行動している、というよりは、先のことを考えているからこそ今を生きて、今動いているのだと感じた。
Posted by ブクログ
面白かった。自分が自分ではなくなる事が分かっているから全てに全力で生きる。美丘ずっとかっこよかった。まぁ、美丘は魅力的だから当たり前か。
Posted by ブクログ
自分の生き方を考えさせられる物語だった。人生はいつまで続くかわからない。だからこそ、自分の好きなことを好きなだけしながら生きていくべき。このことは頭で分かっていても、本心から理解することは難しいと思う。でも、それは紛れもない事実で、死ぬ直前に痛感するのだと思う。いつ終わるかわからない、頭に入れて過ごしていきたいと思う
Posted by ブクログ
美しい言の葉で流れる四季、世界を表現した物語。
美丘の人生は短かったが、人はそれぞれの季節を生き、人生を終える。できれば、燃焼し尽くして、生を全うしたい。
Posted by ブクログ
読む前は美丘を可愛らしい女の子と思っていたが、実際は行動力や積極性のある力強い女性であった。太一と美丘はやたらと欲望に飲まれることが多く、ラストにどのような感動があるのかと不思議に思っていたが、美丘が病気を告白した後から物語のスピード感が増し、病状も悪化していった。脳がスポンジのようになるという病気で次第に体の自由がきかなくなる美丘は今までの快活さもなく、物語前半の美丘と別人みたいだった。太一が美丘の約束から逃げていた最中、美丘の家族集まっての病院で美丘が「やー、やー、やー」「やー、くー、くー、そー」と言った場面は一番苦しかった。クリスマスに太一が美丘の約束を果たす場面では、2人の愛が苦しいほど伝わってきた。
Posted by ブクログ
何か新しい作品を読んでみようと軽い気持ちで手に取った一冊でしたが、いい意味で期待を裏切られました。自分は今まで書籍を読んで涙を流すことは無かったのですが人目を憚らず泣いてしまいました。主人公の恋や揺れる心など設定はありふれたものかもしれませんが、性描写や人の汚い部分まで描かれていて共感できる部分が多い点が他の作品とは違う部分かもしれません。
ほっておけない子
美丘が一番ということではない。
でも、ほっておけない。
もっとましな子がいるのに、
ほっておけないから
美丘を選んでしまう気持ちもわかる。
欠けたところがあるから惹かれるのかもしれないし。
とんでもないことをするのはそれで魅力だ。
極端な状況は続かないし、
彼女も崖っぷちにいるが、
悲愴というよりとても強い。
強いのも魅力だ。
バランスが崩れた状態で
人が普通はしないことをやってしまう
ぞくぞくする感じ。
意外にと言っては何だが
情があるし。
単に性的にリミッターが
外れているだけじゃない。
だから、
存在がなくなっても
やわらかい体の感触と、
強いだけじゃなくて優しい心も
あかあかと蘇える。
電子書籍で読むべし
今連続して2回目を読んでいる途中で思ったこと、物語の始まりはエピローグだった。2回は読むことをお薦めしたい。
それと電子書籍で読む方が良い。
本だと終わりに近づくと残りページでもう終わってしまう事がページをめくっている間に分かってしまう。
デジタルであれば残りのページが分からないようもできる
突然の最後の1ページに号泣してしまった。
死期は分かっていてもだ。
石田衣良氏の構成と表現力に感謝。
Posted by ブクログ
石田衣良さんの作品は、数年前に「約束」を読んでちょっと苦手かも…と敬遠していました。でも、レビューが良かったからと読んでみて正解。印象としては、約束よりもクセがない、くどくないという感じ?(過去の記憶なので違ったらすみません)ですっと入ってきた。美丘の強さ、主人公の想いのまっすぐさに後半ずっと泣かされました。
Posted by ブクログ
言葉選びが綺麗な作品で、情景や登場人物の感情が思い浮かびやすい。美丘が美丘でなくなっていく場面は涙なしでは読めなかった。深く考えさせられる「何か」があって、それを確かめたくてこれからも生きていこうと思った。
Posted by ブクログ
吉高由里子さん、林遣都さんでドラマ化された作品✨
破天荒な美丘に惹かれていく太一。
そんな美丘は、難病だった…。
吉高由里子さんのイメージにピッタリだった。
1リットルの涙とは違うまた感動したお話だった
Posted by ブクログ
主人公の大学生が、学校の屋上でちょっと変わった子と出会い、その子に振り回されながら、次第にひかれあっていく。
心に響いたフレーズ
「時間は永遠にはない。わたしたちはみんな火のついた導火線のように生きている。普通の一日だって、全部借り物、借りた時間は誰かがいつか取り立てに来る」
「愛情なんて、別に難しいことではない。相手の最後までただ一緒にいればそれでいい。それだけで愛の最高の境地に達している。僕たちはそれに気づかないから、いつまでも自分が人を愛せる人間かどうか不安に感じるだけ」
Posted by ブクログ
太一の語りから始まるこの物語は最初から悲しい結末が待っていることを彷彿させる。だが、非常に美しい文体である。自然と美丘に感情移入してしまう。また、石田衣良さんは難病を扱うことが多く、今回もその難病が登場人物を悩ませた。このようなジャンルは少し苦手だが、重い話なのにも関わらず一瞬で読み終わってしまったのでさすが石田衣良さんの作品と思った。
Posted by ブクログ
燃やし尽くす様な刹那的生き様
青春18切符を使い、1人で卒業旅行をした時に電車内で呼んだことを覚えています。
読み進めていく内に涙が止まらなくなり、車中でありながらサングラスをかけて休憩しながら呼んだのはいい思い出です。笑
Posted by ブクログ
半日で一気読み。読みやすくて面白かった。やや古臭いトレンディドラマみたいな言い回し。2006年ってそんな時代だったのか、、、。
野蛮で奔放で、結局ものすごくピュアな美丘。ストーリーとしては安易なお涙頂戴モノな感じもするが、それでも美丘の生の強さで、一日一日を大切に生きる意味と、生きていることの有り難さを改めて思い知らされた。でもあれ、犯罪だよね?逮捕されたのかどうかが気になり泣けない。
あの完璧なお嬢様の麻里ももっと幸せになってくれたらいいな。
Posted by ブクログ
ドラマをリアタイしていたけど、またこれも記憶を出来る限りゼロにして読んでみました。
まずドラマと違った点として
・親が途中でほんとに1回出てくるだけ
・美丘の病気の描写は真ん中過ぎないと出てこない
・映せない映像になるからだと思うけど、小説の表現が生々しいところがちょいちょい…
生きてることが奇跡
愛情なんて別に難しいことない
素敵な表現がたくさんあって、今良くない4文字が頭に浮かんでる人は読んでみて。
Posted by ブクログ
映像化されそうな話だなと思っていたら既にドラマ化されていたんですね。自由奔放に見えていた女の子が実は不治の病を抱えていたなんて悲しい恋愛小説でした。
Posted by ブクログ
泣かない、泣けない、涙が出てくるほどに 共感が持てない。
そんな、現実離れした物語
せつない、やりきれないというのが正直な感想。
こんなことが起きて良いのか?と思うのだが、 実際にはあってもおかしくないし、あったのだろう。
ただ、生きたことへの感謝、命あることへの感謝がない。
自由に躍動するだけでは、生きて行けない
若者たちの、こわいもの知らずの面を出したかったのかも知れない、と思い至った。 美しさはメインではなく、商場、怖いもの知らずな 直進が記憶に残る。
約束を守ることが、命とひきかえだ。
これを背負って生きて行くことは、自分にはできない。
うばってしまうことが愛なのか? 肉親ではそうはいかないだろう。
Posted by ブクログ
涙でぐしゃぐしゃになった。明日は確実に目が腫れる。
美丘の精一杯生きる姿とそれを支える太一に本当に勇気をもらえる。もっと精一杯生きていきたいと思った。
2人のドラマチックな生活に溢れる一つひとつの振る舞いが、優しくて温かくて、自分とも重ね合わせて、心がじんわりとした。
Posted by ブクログ
人物描写がとても魅力的な本だった。美丘以外は主人公も含め凡庸で、特に直美なんて空気レベルで数合わせのようで可哀想だが、美丘は確かにいきいきとしており頁を進めるごとに彼女に惹かれていく太一に共感できる。
あらすじは、美丘に太一が惹かれていき交際を始めるも、彼女は不治の病に侵されているというありきたりなもの。しかし、ありきたりな設定でこそ著者の力量が試されるもの。結末は予想できても涙が溢れた。戸田恵梨香が出てた若年性アルツハイマーのドラマを観ていた時も感じたが、どんどん自分が自分でなくなっていく恐怖は計り知れない。ちゃんと約束を果たした太一の深い愛情に胸を打たれた。
Posted by ブクログ
主人公のぼくは大学2年生の橋本太一、ある日峰岸美丘という自由奔放な女性に出逢う。太一は麻理という誰が見ても素敵だと思うであろう女性とつきあってみて、はじめて美丘へ抱く恋心に気づく…。太一は麻理に別れを告げ美丘と結ばれるが、子供のころ交通事故で移植手術を受けたことにより、クロイツフェルト・ヤコブ病を発症する可能性がある…もし発症した場合は脳がスポンジのようになり歩行障害からはじまり記憶障害、日常生活が送れなくなり、最期には食事もとれず息もすることもできなくなるという…。どうあろうとも2人でこれからも過ごしていこうと決意したが、不幸にも美丘が発症してしまう…。
「…生きていることは奇跡で永遠に続くものではない。…命には終わりがあるって頭ではわかっている。でも心と身体の底から限界を感じているのはわたしだけ。…この世界ってきれいだね。」この美丘の言葉…美丘だからこその感じ方なんでしょうね!
美丘を支える太一が健気で献身的…美丘も当たり前なんだけれど発症前と発症後では全く違う印象が異なる…ラストが切なすぎて、心が震えました(泣けはしなかったけど)…。
Posted by ブクログ
再読。
初めて読んだのは高校生の時、
部屋で1人で泣きながら読んだ。
2度目は社会人になってまた読みたくなって購入。
そしてまた5年ぶりに3度目の美丘!
石田衣良さんの描くラブストーリーが本当に好き。
“大学生”と“日本の四季”って
合わさるとなんでこんなに美しいのか……
ドラマとは違ったよさ
ドラマをみてから原作が読みたくなり本屋に言ったのですが少し表紙で躊躇してしまい電子書籍で購入しました。 原作はドラマのような美しいけど荒々しい感じではなくただただ美し言葉が似合うような感じでした。ドラマは最後は普通の終わり方というかベターな感じでしたがやっぱり小説だからかラストの終わり方はすごいおどろかされました。また読み返したくなる本です。
Posted by ブクログ
2025年3冊目。
恋愛小説、病気、ハッピーエンドではない展開の本を久しぶりに読んだ。
美丘が最後まで強く生きれたのは、家族、友だち
恋人の支えてくれる人たちが周りにいたから。
恵まれた環境で亡くなったので、読んだ後涙は出なかった。
支えてくれる人、心の拠り所となる人を大切にしないと行けないなぁと思わされた作品。
Posted by ブクログ
読み始めたら、読みたい願望が盛り上がらない作品かと思いました。
途中から悲しい後半に向かう内容に考えさせられる。
石田さんの作品は何冊も読んでいるが、この作品も展開が読めない一冊でした。
Posted by ブクログ
人間の弱さ、強さがしっかりと表現されてた。悲しい結末を想像しながら読んでいたけど、美丘はずっと元気な女の子だ。性描写は多いけど下品さは無く、むしろそれが二人の生きた証としてとても印象に残る。
Posted by ブクログ
この本のおかげで、自分は、現実とかけはなれすぎてる小説は嫌いだと分かった。リアルでは言わないようなセリフやファンタジーみたいな展開があると、感情移入できないから。
だけど、描き方がうまいから最後は感動した。
太一「こういうのは面倒で、あまりぼくの趣味じゃないな。いちいちプレゼントしたり、気を使ったり。そういうのでなくて、もっと自然に、変に力を入れたりせずに女の子とつきあえないものかな」
美丘「あのさ、最近の男子って、みんなそういうんだよね。恋をする時でも、楽ばかりしようとする。自分を変えたくない、新しいことはしたくない。それなのに、Hだけはしたがるんだから、たちが悪いよ」(94)