石田衣良のレビュー一覧
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無料版購入済み
この作品は…
この作品は、かつて映画化もされましたが…
個人的には、映画版よりも好きです(⋈◍>◡<◍)。✧♡
先ず、主人公がセクシーだし、娼夫に対する考え方が斬新だった…
この作品によって、行っている事の結果は同じでも、考え方ひとつによって全く印象が変わってくることを教えてもらいました。
色々と考えさせられる作品ですね… -
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タカシが何故絶対王者になったのか、マコトが何故友達なのか、すごく良い作品。
個人的には巻末の辻村深月さんの解説も良かった。確かにこのシリーズはマコト目線で、軽やかで、痛快に描かれることが多い。シリアスで、怖くて、重い表現は極力減らされて(今回で言うと「おれは震えながら言った」とか。状況的に思うこと多そうだけど、それを1行で済ませてる。こういうの本当多い)、明るくて、くだらなくて、フワフワしてる部分に焦点を多く当ててる。マコトのキャラ設定のせいだと思ってたけど、やっぱり作者さんが描きたいことがあって、このキャラ設定にしたんだなぁと改めて納得しました。
物語+解説含めて満点です。 -
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「一冊に4篇」というのは、シリーズの最初から確立されていて、最近の作品にも受継がれている。
この一冊には…ネットで女性の居る部屋の様子の画を配信する商売を巡るトラブルを何とかしようとする一件…計数機を手に何でも数えているという不思議な少年と出くわして、その少年が巻き込まれた事件を何とかしようとする一件…続発していたオートバイを使うひったくりの被害に遭った老女が思わぬ大怪我を負ったことに憤慨している、同じ老人ホームに居る男性に協力する一件…、「女子高生監禁暴行」という凶悪な事件を起こした経過の在るグループが、ストリートギャングを襲撃、更に方々で強盗ということを仕出かしていて、その正体を探るという -
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第3作でも、最近作まで受け継がれている一冊に4篇を収める体裁は変わっていない。
ホームレスを襲うという事件が続発する中、明らかになって行く意外な真相という一件…マコトが知り合った小学生の少女の水商売に携わる母親がトラブルに巻き込まれ、小学生の少女に危害を加えようとする者が現れて激怒し、対決するという一件…“地域通貨”というモノを創る地域運動のNPOが注目されるのだが、その背後で不穏なモノが蠢いている状況を何とかしようとする一件…“レイヴ”(狂乱)というムーブメントの他方で蠢く新種のドラッグを巡る一件…という4篇だ。
この第3作の中では、2篇目の『西一番街テイクアウト』と4篇目の『西口ミッドサマ -
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例によって一冊に4篇が収まっているが、各篇各々に面白い。
ラーメン店の一件の物語は、シリーズを原案に制作されたテレビドラマが好評であったことから、少し経って続篇特番的なモノが登場した時に原案にされたということが在ったらしい。
そして「傑作選」で読んだ時に「味わい深い…」というように思ったが、他界した男を巡り、その死に纏わることを調べるという物語の『ワルツ・フォー・ベビー』は、好い意味での「古典的ハードボイルド」という味わいが好かった。これは最近制作されているアニメ版で原案になったらしい…
残る2篇…弱い立場の者を脅かしているような卑劣な振る舞いを許す訳にも行かないと、身体を張ってでも何とかしよ -
Posted by ブクログ
本作も例によって一冊に4篇を収めた体裁である。
“スカウト”という仕事に携わる若者が巻き込まれたトラブルをどうにかしようとする物語…往年の大人気シンガーが関わってしまった一件を巡る物語…大人気の玩具の製造工程の裏に在る問題を告発しようとする物語…ネットの掲示板で人を募って集団自殺をすることを仕掛けている謎の人物の正体を暴いて阻止しようとする若者達の物語…そういう4篇である。
本作は、発表された時代の新しい風俗、新奇に見える事象を採り入れるようにしている。そういう意味で、年月を経てから作品に触れると、発表当時に新奇であったモノが古い感じに視える場合がないでもない。が、発表年次と無関係に、このシリ -
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これも4篇が一冊に収まるという体裁で纏まっている…
“訳アリ”な小学5年生が、一部に悪名高い凶悪な男に強請られている一件の解決を目指す物語…通り魔的に強盗傷害の罪を犯してしまった若者と、被害者の青年、その妹を巡る物語…夜の街で働く女性に向けた無認可の保育所でアルバイトをする若者に向けられた、幼児性愛者による事件に関する疑いを晴らそうとする一件の物語…ホストクラブにハマって借金をしたことから、半ば監禁で風俗の仕事をする羽目になっている姉を助けてという依頼から拡がる、街で進んでいた動きを巡る一件の物語…というような4篇だ。
今般は各篇、何れも「このシリーズらしい!」という感で、なかなかに面白い。殊 -
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例によって4篇が収まった一冊となっている。
電話による特殊詐欺に関わった若者の物語…絵画販売の詐欺に関する物語…自宅の放火という事件に関わってしまった少年を巡る物語…池袋のストリートギャングの世界に巻き起こった騒動に関する物語…という4篇である。
今般は「事件の“加害者”の立場に在った人物」が、犯してしまった罪を罪として受け止め、それを乗り越えた先へ進むという様子に、主人公のマコトが寄り添うような、そういう感じの物語が2篇在った。過去は、何をどうやっても変わらないが、未来は自身の考えと行動次第で如何様にもなるという訳だ…
という感じなのだが、最初に収められた篇、『要町テレフォンマン』に登場する -
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実を言えば、本書には「傑作選」で読んだ篇が2つ在り、それは再読になったが、それぞれに愉しんだ。
シングルマザーの物語…街のゴミ拾いをしようという運動を起こした青年を巡る物語…交際相手の男が撮った性行為の写真で強請られている女性を巡る物語…非正規雇用、「派遣」の若者達を巡る物語…こういう4篇だ。
4篇の何れも「最近、問題ではないのか?」という小説が発表された時期の事象を取り込んだ物語で、その顛末を介して「どうしてこういう時代になった?」、「本当にこういう感じで人々は幸せか?」と問うような感で、更に人生の価値」のようなモノを問う内容でもあると思う。
主人公のマコトは、母親と2人という家庭で育ち、一 -
Posted by ブクログ
例によって4篇が一冊に収められている体裁になっている。そして4篇各々が面白い。
「スキャンダル」と「バッシング」というような問題…異常な欲望を発散させる人物を懲らしめる一件…「怪現象?」と思われた事柄に向き合って明かされた意外な事実…そして「ネット上」の「賞賛」という何か訳の判らないことのために無理をする事象を食い止めようとする一件…そんな4篇である。
「どうしてこういう時代になった?」、「本当にこういう感じで人々は幸せか?」、「こういう様子が“正しい”のか?“正しくない”でも構わないかもしれないが、納得し悪い?」というような、「人生を見詰める材料」というのか「“材料”になり得るかもしれな -
Posted by ブクログ
例によって4篇を収めた一冊で、4篇各々が面白い。
今般の4篇…離婚せざるを得なくなってしまった男と、その息子や元妻が再婚しようとしていた男に関する顛末…母子家庭の中学3年生の娘が母親の行動に不信を抱いたことから起こる顛末…主人公の知り合いの妙な話しから起こった“霊能者”というような顛末…街の若者を巻き込む「不審な依頼」を巡る顛末…というような具合だ。
このシリーズでは、所謂「ハッピーエンド」と言い切れるのか、否かが微妙な感じがしないでもない篇が幾つも見受けられるような気がする。今般は、そうした「所謂“ハッピーエンド”と言い切れるのか、否か?」という感の篇が目立っているような気がする。が、同時に -
Posted by ブクログ
このシリーズについては、市井の、特別な地位や立場という程でもない若者が、何やらのトラブルをどうにかすべく奔走してみるという様子を介して、「どうしてこういう時代になった?」、「本当にこういう感じで人々は幸せか?」、「こういう様子が“正しい”のか?“正しくない”でも構わないかもしれないが、納得し悪い?」というような、「人生を見詰める材料」というのか「“材料”になり得るかもしれない何か」を供してくれるような気もするという辺りが、酷く気に入っている。本書に所収の各篇もそういう感じだ。或いは「何処となくモヤモヤしている…」に「一定の形」を与えてくれているというような気がしないでもない…
主人公のマコト達 -
Posted by ブクログ
「小説が上梓されたような頃の“話題”」が巧みに容れられ、“街の探偵”的な動きもしている市井の若者の目線で様々な出来事が展開する、シリーズの読者には馴染みのスタイルの作品である。
市井の、特別な地位や立場という程でもない若者が、何やらのトラブルをどうにかすべく奔走してみるという様子を介して、「どうしてこういう時代になった?」、「本当にこういう感じで人々は幸せか?」、「こういう様子が“正しい”のか?“正しくない”でも構わないかもしれないが、納得し悪い?」というような、「人生を見詰める材料」というのか「“材料”になり得るかもしれない何か」を供してくれるような気もするという辺りが、酷く気に入っている。