石田衣良のレビュー一覧
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現代版「ロミオとジュリエット」
六本木ヒルズに住む社長令息で大学生の澄雄と、パン工場で働きながら借金まみれの父親と暮らすジュリア。
出会い系サイトで知り合った二人が、愛し合い、二人の幸せな未来を願いながらも…最後は心中するまでの物語。
1ページ目、最初から結末がわかっています。
出会った二人がどんなに未来を望んでも、そのためにどれほど頑張っても…最後はそうなるんだってわかってるんです。
わかっているのに、二人の未来を、幸せを望まずにはいられない。
光が見えたと思ったら閉ざされる。
そんな悲し過ぎる運命に翻弄される二十歳の恋愛に、涙なしでは読めません。 -
Posted by ブクログ
悪性の脳腫瘍で死を宣言された主人公の周司が200年後の世界に意識だけスリップする。200年後の未来の世界は地表に殺人ウイルスが蔓延し、人々は高さ2キロメートルの塔の中で階層社会を形成して暮らしていた。
このような話。
話の展開とかおもしろくて一気に加速して読めました。寝る前読んでたら朝になってたり(笑)
この話は非現実的なただのSF小説として読んでいるならとてもおもしろいんだけど、世界で今も続いてる紛争やテロを考えると小説の世界だからというわけにもいかない。
テロに対する報復攻撃、それに対するさらなる報復テロ、憎しみの負の連鎖。この小説の中の世界の希望は周司が鍵を握っていたが、現実の世界 -
Posted by ブクログ
それが答えだ!
小学校が舞台ですが、先生が主人公の本です。4章あって、それぞれ四月、七月、十二月、三月なんですが、読み進むたびに、あー終わりが近づいてきたなぁ、と思ってしまいました。読み終わりたくない、ずっと希望の丘小学校5年3組を見守っていたい、という気持ちにさせられます。
事件のときの記者会見で、「先生にも責任があるということなんでしょうか」という記者の質問に、良太が毅然と答え返したシーンはグッときます。いま「責任」という言葉が「持つもの」から「取るもの」に変わってきてしまっている時代に、「あります」と言い切ることができる大人がどれほどいるのだろうかと考えると、胸がスカッとしました。また、 -
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エッセイ『空は、今日も、青いか?』の第2弾になります。ここに収録されているものはすべて『R25』に掲載されたものですが、あの雑誌のクオリティの高さをこの本を読んで改めて思い知りました。
この本はリクルートから発行されているフリーマガジン「R25」にて筆者が連載しているエッセイ「空は、今日も、青いか?」のうち、20006年1月~2008年2月に掲載されたものを加筆・修正した上でまとめたものです。今回、読み返してみて、ここに掲載されている文章を僕はほぼ、リアルタイムで読んでいたことを思い出しました。
思えば「格差社会」「ネットカフェ難民」という言葉は、このアタリから取りざたされてきたなという -
Posted by ブクログ
リクルートの発行する『R25』にて連載されているエッセイを中心に収録した筆者初のエッセイ集です。ホリエモンや村上ファンド…。「時代」を感じさせるキーワードが多かったです。
この本は「R25」を中心に発表された石田衣良さんの初のエッセイ集になります。この本は発行されたときに読んでいたんですけれど、ちょっと思うところがあって、また再読をしていました。ここに収録されているエッセイがリアルタイムで発表されていたのは主に2003年から3006年までの世相に関することで堀江貴文氏のニッポン放送株争奪問題やら、村上ファンドに関する話は僕もあの当時堀江さんの公演を聴きに行った事があったので、
「そういうこと