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時代の風が冷えこんで、ぼくたちの社会は余裕を失い、仕事に就くことも続けることも難しくなった。恋愛に向けるエネルギーさえ減っている。そんな若い世代に、人気作家があたたかなエールをおくるエッセイ集。社会に格差が存在しても、どうか心にまで格差を持ちこまないで――。やさしく力強い言葉が、明日へ踏み出す勇気をくれる。東日本大震災後の「今」を見つめた文庫版あとがきも収録。
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Posted by ブクログ
世相を題材にしたエッセーはほんのりと肯定したり否定したりしながら読めて面白い。ただ時々ドキっとさせられるテーマもあったりするが。たとえば「知らなくていいこと」。知るべきことと知らなくていいことを線引きする力は、人が生きていく上で身につけなければならない力だが、一方でこれほど哀しい力は他に類を見ない。...続きを読むだからタイトルが「傷つきやすくなった世界で」なのかも。
エッセイ『空は、今日も、青いか?』の第2弾になります。ここに収録されているものはすべて『R25』に掲載されたものですが、あの雑誌のクオリティの高さをこの本を読んで改めて思い知りました。 この本はリクルートから発行されているフリーマガジン「R25」にて筆者が連載しているエッセイ「空は、今日も、青い...続きを読むか?」のうち、20006年1月~2008年2月に掲載されたものを加筆・修正した上でまとめたものです。今回、読み返してみて、ここに掲載されている文章を僕はほぼ、リアルタイムで読んでいたことを思い出しました。 思えば「格差社会」「ネットカフェ難民」という言葉は、このアタリから取りざたされてきたなということを、読みながら考えておりました。そして、この時期の自分はいったいどんな生き方をしていたのだろうと、思いをはせるのと同時にあんなこともやっちまった。こんなこともやっちまったと。自分の「恥じ多き生涯」に関することも思い出されてきて、あまりそう遠くない出来事であるはずなのに、もうそんなに前の出来事になってしまったのかということがいくつもあって、時の流れというものを痛切に感じました。 その中で特に僕が面白かったエッセイは「牛丼マイウェイ」と銘打たれたエッセイで筆者独自の牛丼に対するこだわりが読んでいて「いいなぁ」とおもっだ次第です。彼は並盛で汁は普通。生野菜サラダとドレッシングはゴマ風味を半分。二日酔いのときはけんちん汁を頼んで七味唐辛子を豪雪地帯の初雪のようにかけてさらにその上に子供の握りこぶし大の紅しょうがをまぶして食べるのだそうである。 僕は最近牛丼屋に言っていないので(車で行かなければならないところにあるため)牛丼特盛に生野菜サラダとけんちん汁かもしくは豚汁。そしてさらに大盛りのライスをプラスして特盛牛丼にかけたあと、七味唐辛子としょうゆを親の敵のようにかけてわしわしとかき込む。さすがにそんな食生活を毎日のようにすれば体重はすぐに0.1トンをオーバーするけれど。筆者も言うように 「シンプルな牛丼のたべかたには、無限のバリエーションがある」 という言葉を読んで、そういう蛮行をしていたことを思い出したのでした。 もちろん、世相や恋愛に関すること。さらには女優でありモデルの山田優ちゃんとフォトセッションをしたときのことも書かれていて、石田衣良さんの小説が好きな方はもちろん、そうではない方が読んでも楽しめるエッセイ集だと思います。
エッセイなのかな 雑談じゃないけど、どことなく私は読みやすく感じた ふと読み返したくなる時が来るねこれ。 自分だけのお気に入りのページをご紹介 ・仕事と生きがいのバランス ・ハイヤーの趣味人 ・大人の真剣な遊び、下北サンデーズ
石田衣良さんの日々のエッセイ。ほんとうにここ数年で格差社会とか、分断するような言葉がいつの間にか出て来て。誰が決めたんだろう。息苦しくなるような表現に心が溺れないようしなやかに過ごしていきたいなと改めて思い出させてくれたエッセイです。疲れた時に読み返したい1冊です。
石田衣良の日々の生活、物事の捉え方・価値観がよく伝わってくるエッセイだった。下の世代へ文章を通じてメッセージを届ける姿勢が紳士的で読み心地がよかった。 1つひとつのエッセイは短くて読みやすかったが、全体を振り返ってみると少しぼんやりした印象で、どんな内容かあまり思い出せなかった。
R25に掲載されていたコラムだそうです。 電車の待ち時間に購入して 読み始めました。 石田衣良さんの 文章や言葉はすごく優しい。 時に怒り、悲しみ、同調し、 それでも自分らしさをと 石田さんだけの言葉で伝えてくれます。 あたらしい言葉や流行が次々と生まれ、 人間の粗を探して攻...続きを読む撃して、 息詰まったり 不安を抱える人がどんどん増えてきて 私ももれなく 不安や不満にばかり 心をとらわれがちになってしまっていたけど。 「どれほど気のきいた残酷な言葉でも、 あなたという人間全体をあらわすことなどできないのだ。」 危うく私も、 なんやかんやのカテゴリーに自分をあてはめて 知ったかぶったりをしそうになってました。 「政治家はもっと言葉の力と感受性を磨いてほしい。」 「しかも、おたがいに宣伝文句を投げあうばかりで、 肝心の議論はちっとも深まっていかないのだ。」 数年前の言葉なのに。 「どんなに偉大なアートも、 日々のよろこびや悲しみなど、 人のちいさな心の動きから生まれていると きっと気づくだろう。」 ハッとさせられたり、 反省させたれたり、 なんだか なんとも言えない気持ちになったり。 石田さんという作家さんが 身近で リアルタイムで語りかけてくれているような一冊。
石田衣良氏の作品は「ウェストゲートパーク」シリーズを何冊か読んだことがある。しかしこの作品はエッセイである。小説の作風とは違いとてもフラットな人間的な感覚にあふれた暖かい考え方をつたえてくれる。すこし迷ったとき、自分を見失いそうになったとき、この本を読むと、きっと自分に優しくなれると思う。 せわしな...続きを読むく移り変わる世の中で様々な価値観、分類がなされる今、そんなに簡単に分けられないよ、と教えてくれる。自分らしさを取り戻し、自分らしく生きていくことに自信を持とうよ、と応援してくれる。すべての人へ語りかけてくれる。 タイトルにもなった「傷つきやすくなった世界で」というエッセイで、こう言っている「今求められているのは、傷つきやすくなった世界で、やわらかな心を回復させていく方法なのだろう。人間らしく成功や失敗を繰り返しながら、変化する自分を受けいれ、諦めることなく未知の可能性を追っていく。それが新しい一年の目標になるかもしれない。」 そういった気持ちを受けいれてくれる世の中であって欲しいと願う。
悩んでいるときに本に答えを求めようと書店に行って、ふと積まれていたこの本を手にとってぱらっと読んだら、石田衣良さんからの若者へのメッセージに思わず泣いてしまいそうになりました。そして即買いです。 全部読み終わってみると、本当に温かい目線で若者を激励してくださっている素晴らしいエッセイでした。 若い...続きを読むというだけで可能性はたくさんあるし、悩む権利も時間もある。 そのことに感謝しながら、若いこの時間を無駄にしないようじっくり考え楽しみ生きていかなければならないと、奮い立たされました。 と同時に、この年齢にもなって、自分の知識のなさ、世の中に対していかにアンテナを張らずに生きているかということを恥ずかしく思いました。 堂々巡りになって悩み疲れている若者は読んでみるといいと思います!
『R25』 連載エッセイ 「空は、今日も、青いか?」に、2006/01~2008/02の間に掲載された作品をまとめた1冊。 完全に同世代ビジネスマン向けに書かれた作品であるからか、とても読みやすかった。 また、50歳を過ぎている(執筆当時は40代後半。)とは思えない語り口調で全く押しつけがましくな...続きを読むい。 疲れたな、息苦しいな、と思った時、手に取るのにピッタリの作品。
生き難い現代の若者を、無理なく優しく元気づけてくれる。 R25で実際に読めたらもっといいんだけどな~。私が住んでるトコではGetできんし・・ 「残業禁止にして、夜ちゃんと遊べるようになったら恋愛も結婚も活性化するだろうに」ってニュアンスな話が何回もあって印象的。
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石田衣良
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