【感想・ネタバレ】傷つきやすくなった世界でのレビュー

あらすじ

時代の風が冷えこんで、ぼくたちの社会は余裕を失い、仕事に就くことも続けることも難しくなった。恋愛に向けるエネルギーさえ減っている。そんな若い世代に、人気作家があたたかなエールをおくるエッセイ集。社会に格差が存在しても、どうか心にまで格差を持ちこまないで――。やさしく力強い言葉が、明日へ踏み出す勇気をくれる。東日本大震災後の「今」を見つめた文庫版あとがきも収録。

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Posted by ブクログ

世相を題材にしたエッセーはほんのりと肯定したり否定したりしながら読めて面白い。ただ時々ドキっとさせられるテーマもあったりするが。たとえば「知らなくていいこと」。知るべきことと知らなくていいことを線引きする力は、人が生きていく上で身につけなければならない力だが、一方でこれほど哀しい力は他に類を見ない。だからタイトルが「傷つきやすくなった世界で」なのかも。

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2019年12月01日

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エッセイ『空は、今日も、青いか?』の第2弾になります。ここに収録されているものはすべて『R25』に掲載されたものですが、あの雑誌のクオリティの高さをこの本を読んで改めて思い知りました。

この本はリクルートから発行されているフリーマガジン「R25」にて筆者が連載しているエッセイ「空は、今日も、青いか?」のうち、20006年1月~2008年2月に掲載されたものを加筆・修正した上でまとめたものです。今回、読み返してみて、ここに掲載されている文章を僕はほぼ、リアルタイムで読んでいたことを思い出しました。

思えば「格差社会」「ネットカフェ難民」という言葉は、このアタリから取りざたされてきたなということを、読みながら考えておりました。そして、この時期の自分はいったいどんな生き方をしていたのだろうと、思いをはせるのと同時にあんなこともやっちまった。こんなこともやっちまったと。自分の「恥じ多き生涯」に関することも思い出されてきて、あまりそう遠くない出来事であるはずなのに、もうそんなに前の出来事になってしまったのかということがいくつもあって、時の流れというものを痛切に感じました。

その中で特に僕が面白かったエッセイは「牛丼マイウェイ」と銘打たれたエッセイで筆者独自の牛丼に対するこだわりが読んでいて「いいなぁ」とおもっだ次第です。彼は並盛で汁は普通。生野菜サラダとドレッシングはゴマ風味を半分。二日酔いのときはけんちん汁を頼んで七味唐辛子を豪雪地帯の初雪のようにかけてさらにその上に子供の握りこぶし大の紅しょうがをまぶして食べるのだそうである。

僕は最近牛丼屋に言っていないので(車で行かなければならないところにあるため)牛丼特盛に生野菜サラダとけんちん汁かもしくは豚汁。そしてさらに大盛りのライスをプラスして特盛牛丼にかけたあと、七味唐辛子としょうゆを親の敵のようにかけてわしわしとかき込む。さすがにそんな食生活を毎日のようにすれば体重はすぐに0.1トンをオーバーするけれど。筆者も言うように
「シンプルな牛丼のたべかたには、無限のバリエーションがある」
という言葉を読んで、そういう蛮行をしていたことを思い出したのでした。

もちろん、世相や恋愛に関すること。さらには女優でありモデルの山田優ちゃんとフォトセッションをしたときのことも書かれていて、石田衣良さんの小説が好きな方はもちろん、そうではない方が読んでも楽しめるエッセイ集だと思います。

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2012年01月11日

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20代向けに書かれた連載のエッセイ集みたいで、ライフステージとしても今読んでよかったなという本。石田衣良さんは性欲を含めた欲望にも何に対してもフェアに向き合って率直な言葉を持っている素敵な人だなと思う。連載当初からすると約20年程度が経過しているけれどとても響いた。

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2025年03月01日

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エッセイなのかな
雑談じゃないけど、どことなく私は読みやすく感じた
ふと読み返したくなる時が来るねこれ。

自分だけのお気に入りのページをご紹介

・仕事と生きがいのバランス
・ハイヤーの趣味人
・大人の真剣な遊び、下北サンデーズ

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2023年04月12日

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石田衣良さんの日々のエッセイ。ほんとうにここ数年で格差社会とか、分断するような言葉がいつの間にか出て来て。誰が決めたんだろう。息苦しくなるような表現に心が溺れないようしなやかに過ごしていきたいなと改めて思い出させてくれたエッセイです。疲れた時に読み返したい1冊です。

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2023年03月29日

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ネタバレ

毎日の中で、がんばりすぎず自分の楽しみを見つけたり、社会の変なところに疑問をもったり、仕事を頑張ったり、気持ちに正直になって勇気をだすことなど、もうすこし頑張ろうと思えた。

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2021年07月19日

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石田衣良の日々の生活、物事の捉え方・価値観がよく伝わってくるエッセイだった。下の世代へ文章を通じてメッセージを届ける姿勢が紳士的で読み心地がよかった。
1つひとつのエッセイは短くて読みやすかったが、全体を振り返ってみると少しぼんやりした印象で、どんな内容かあまり思い出せなかった。

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2018年08月05日

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R25に掲載されていたコラムだそうです。
電車の待ち時間に購入して
読み始めました。

石田衣良さんの
文章や言葉はすごく優しい。

時に怒り、悲しみ、同調し、
それでも自分らしさをと
石田さんだけの言葉で伝えてくれます。

あたらしい言葉や流行が次々と生まれ、
人間の粗を探して攻撃して、
息詰まったり
不安を抱える人がどんどん増えてきて
私ももれなく
不安や不満にばかり
心をとらわれがちになってしまっていたけど。

「どれほど気のきいた残酷な言葉でも、
 あなたという人間全体をあらわすことなどできないのだ。」

危うく私も、
なんやかんやのカテゴリーに自分をあてはめて
知ったかぶったりをしそうになってました。


「政治家はもっと言葉の力と感受性を磨いてほしい。」

「しかも、おたがいに宣伝文句を投げあうばかりで、
 肝心の議論はちっとも深まっていかないのだ。」

数年前の言葉なのに。

「どんなに偉大なアートも、
 日々のよろこびや悲しみなど、
 人のちいさな心の動きから生まれていると
 きっと気づくだろう。」

ハッとさせられたり、
反省させたれたり、
なんだか
なんとも言えない気持ちになったり。

石田さんという作家さんが
身近で
リアルタイムで語りかけてくれているような一冊。

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2012年08月16日

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石田衣良氏の作品は「ウェストゲートパーク」シリーズを何冊か読んだことがある。しかしこの作品はエッセイである。小説の作風とは違いとてもフラットな人間的な感覚にあふれた暖かい考え方をつたえてくれる。すこし迷ったとき、自分を見失いそうになったとき、この本を読むと、きっと自分に優しくなれると思う。
せわしなく移り変わる世の中で様々な価値観、分類がなされる今、そんなに簡単に分けられないよ、と教えてくれる。自分らしさを取り戻し、自分らしく生きていくことに自信を持とうよ、と応援してくれる。すべての人へ語りかけてくれる。
タイトルにもなった「傷つきやすくなった世界で」というエッセイで、こう言っている「今求められているのは、傷つきやすくなった世界で、やわらかな心を回復させていく方法なのだろう。人間らしく成功や失敗を繰り返しながら、変化する自分を受けいれ、諦めることなく未知の可能性を追っていく。それが新しい一年の目標になるかもしれない。」
そういった気持ちを受けいれてくれる世の中であって欲しいと願う。

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2012年05月10日

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悩んでいるときに本に答えを求めようと書店に行って、ふと積まれていたこの本を手にとってぱらっと読んだら、石田衣良さんからの若者へのメッセージに思わず泣いてしまいそうになりました。そして即買いです。
全部読み終わってみると、本当に温かい目線で若者を激励してくださっている素晴らしいエッセイでした。

若いというだけで可能性はたくさんあるし、悩む権利も時間もある。
そのことに感謝しながら、若いこの時間を無駄にしないようじっくり考え楽しみ生きていかなければならないと、奮い立たされました。
と同時に、この年齢にもなって、自分の知識のなさ、世の中に対していかにアンテナを張らずに生きているかということを恥ずかしく思いました。

堂々巡りになって悩み疲れている若者は読んでみるといいと思います!

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2012年03月09日

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『R25』 連載エッセイ 「空は、今日も、青いか?」に、2006/01~2008/02の間に掲載された作品をまとめた1冊。

完全に同世代ビジネスマン向けに書かれた作品であるからか、とても読みやすかった。
また、50歳を過ぎている(執筆当時は40代後半。)とは思えない語り口調で全く押しつけがましくない。
疲れたな、息苦しいな、と思った時、手に取るのにピッタリの作品。

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2012年03月08日

Posted by ブクログ

生き難い現代の若者を、無理なく優しく元気づけてくれる。
R25で実際に読めたらもっといいんだけどな~。私が住んでるトコではGetできんし・・
「残業禁止にして、夜ちゃんと遊べるようになったら恋愛も結婚も活性化するだろうに」ってニュアンスな話が何回もあって印象的。

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2012年02月16日

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格差が叫ばれ、金銭や学歴ではない【心の格差】がある時代に石田衣良が送る一冊。(奇しくも、今日はX'mas。勝ち組、負け組などない。心豊かなX'masを過ごそう。)情報過多の時代に過剰のまでの一極集中。国民総損したくない症候群で、みんなが同じ方を向いている時代に、あえて時代の流れと逆をいってみる。そうしると、だいたいうまくいく。だから、無理をしてあわせる必要はない。自分らしく生きればいいんだ。

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2011年12月24日

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R25のコラムを中心に、この社会の一片を眺めて綴るエッセイ集
作者が人や出来事を眺める視線に温かさを感じる。
優しい雰囲気で押し付けでなく さぁ がんばって と声をかけてくれる。

はい がんばってみます。くじけずに 落ち込まずに 自分を大事に

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2011年12月09日

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◎メモ

・「おすすめの本」や「おすすめの仕事」など、みんな正解を選ぼうとし過ぎている。失敗しないように行動しているけど、それが1番失敗。失敗というか上手くいかないこと、寄り道に面白さがあるし、上手くいかないことを乗り越えるからこそ、楽しい。ショートカットし過ぎても、人生トータルで退屈になると思った。効率を求めすぎると、結局大事なことは手に入らない。

・子供を持つことは、合理的に考えたらデメリット。だけど、子供を育てることで感じる成長や育っていく過程が見えるのは面白いのかも。見返りを求めない楽しさもあるはず。そう思うと、結婚していない若者が言ってる幸福って薄いし、その場しのぎだなと思う。

・自分なりの仕事をスタイルを見つけていくこと自体が人生ではないだろうか。周りが言ってることよりも、自分で考え自分で決断すれば、全部正解では?


◎ページ
27,49,63

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2025年04月24日

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ネタバレ

石田衣良さんのエッセイ。
池袋ウェストゲートパークがネットフリックスで公開されて、突然人気に。そんな中で、彼の小説は読んだことがあまりなくて、時たま読む恋愛短編小説くらいだったなと思い手に取った本。まさかR25に掲載されていたものとはつゆ知らず。
格差と差別が進む中、何を社会としてどう捉えるか。色々気がつく、これは素晴らしいエッセイ達だと思う。
スクラップをちゃんと取っておく
アフターファイブ働き過ぎ、少子化の一因じゃないか。アフターファイブに、家で着替えてまた出掛けていく。そんな社会でもいいんじゃないか。週2回、残業禁止という法律を作ったらどうか。というご提案。ま、もちろんビジネスしたことないから仕方ないけど、それは解決策ではないんだろうなと思う。むしろ、彼の鋭い感性が叫んでいるように、人の多様性がカギだと思う。いろんな人がいて、それぞれの活躍の仕方を許容する。会社が女性だけ、男性だけ、20代だけ、ではだめだ。男性も女性も、LGBTも。20代も50代も。アフターファイブを楽しむ人も、残業しまくるワーカホリックも、小説が好きで家でゆっくりしているのが好きな人も、夜のバーで飲むのが好きな人も、土日に遊んで力尽きて仕事に生が出ない、そんな人が出てきにくい社会を作る。
そう言えばそうだったなと思い出したのが、二子玉川の高島屋。子供をマーケットとしてみているのはやめませんか?という問い。子供に不必要な可愛らしさで、もはや子供がどうこうではなくて、子供が素敵であることを親が見せたいんですね、という感覚。非常にいらない、全く価値のない感覚にお金を投じているのが気になったが確かに、真っ直ぐ言われてそうだよねと。アメリカで、子供をどう見せたいかを考えている親はいないんじゃないかと思うくらい、ものすごく現実的に素敵だなと思う程度の格好の人が多い。
 石田さんからの若手へのメッセージ、非常にわかりやすくて、これなら伝わっているんじゃないだろうかと思った。

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2023年08月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

R25のエッセイ集


短編なので読みやすい、しかし本能に訴えるような表現が上手い

ある一節をよんだ後は無性に牛丼が食いたくなった。

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2015年09月17日

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石田衣良さんとは親と子ほどの年齢が離れているけれど、古臭さとか説教っぽさがなくて、読んでいてとても気持ちがいい。石田さんの良さは世代や年齢、性別に関わらず、同じ目線に立って話ができるところ。落ち込んでいる時とかにふと読み返したくなる一冊。

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2014年06月23日

Posted by ブクログ

若者向けのエッセイ。政治社会や雇用問題、少子化対策など。なかでも「子どもは手間がかかる。時間と金もかかる。子どものためにあきらめることも、犠牲にしなければならないこともたくさんある。子どもはお荷物で厄介者だ。それでも、ぜんぜん悪くない。仕事とは違い、ただ与えるばかりで見返りのない関係というのも、たまにはいいものだ」というくだりが印象的だった。

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2012年03月29日

Posted by ブクログ

相変わらず優しい人だなぁ。
優しくて厳しくて、なんだろう、すごい近い感じがある。

政治にあんまり関心がないだけに、衣良さんに教わることが多い。

現在進行形で深傷を負ってる日本、さらに世界。
傷ついても、傷つけても人と共に
前を向いていこうと、今もちょっと昔も変わらずに語りかけてる。

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2011年12月24日

Posted by ブクログ

R25の連載が単行本化されて文庫化されたもんだから、内容が多少古いのは仕方ない。

石田さんは優しいね。

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2011年12月15日

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