石田衣良のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
[2016年22冊目]
清浄な表の生活と、淫猥な裏の生活の間を行き来する興奮と葛藤とスリルを描いた作品。
わかりやすく伝わるセクシーな表現と展開のスピード感で、ページ数を思わせぬ読み方をさせるのが石田衣良流。最後のページをめくるまで結論を焦らされ、大変満足。
話の設定こそありきたりなものの、人間が情欲の深さで葛藤する姿を見るのが好きな人はハマる一冊。
個人的には島波院長が一番いい味を出している。
彼の一言がこの本を表しているので一部抜粋。
『多くの男たちは、女性の魅力を取り違えている。…問題はその女性のなかにどれほどの欲望と熱量が潜在しているか。その欲望がどんな形でねじれ、表現されるとき -
Posted by ブクログ
や、とてもいいお話でした!
★5つにプラスアルファしたいくらい。
本を書くこと、書き続けることの喜びと迷い、苦悩。
それは作家にとって、人生そのものの試練なのだろう。
作家の内面の葛藤とお構いなしに、小学校高学年の息子を持つやもめでもある主人公は、ご飯を作り、洗濯をし、眠い目をこすりながら授業参観にも出掛ける。
この、息子・カケルとの日常がていねいに描かれているのがとても良い。
それにからめて、カケルの母・亡き妻に対する、「君はどうして逝ってしまったのか」という喪失感とキリのない問いかけが、じんわりと染みわたってくる。
この後も幸せに暮らして欲しいなあ、と、青田耕平の明日を願ってやまな -
Posted by ブクログ
めちゃくちゃ面白かった!!
現在の世界で病により死が近付いている男の意識だけがタイムスリップし、
200年後の世界を救う為に働くという物語。
物語としては全然違うけど、
『ネバーエンディングストーリー』みたいな感じ。
主人公本人も病による悪夢なのか、
本当に未来にタイムスリップしているのかハッキリ分からない状態だけど、
「ただ死を待つだけの暮らしよりも、生きている実感が感じられる。」
と理由から世界救出の物語が始まる。
人が一番『自分らしく生きれてる』って感じるのって、
自分の為に生きてる時じゃなく、
他人の為に生きてる時なんだなと思った。