石田衣良のレビュー一覧
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購入済み
きたがわ翔の作品。
ずっと読みたかった作品だったのですが紙版が無く、今回初めて電子版で購入することにしました。
もともとTVドラマ版が好きだったことと、好きな漫画家のひとりであるきたがわ翔が作画を担当していることが大きかったです。
読み始めてみるとTVドラマ版が重なって懐かしい気分になります。 -
購入済み
電子書籍で読むべし
今連続して2回目を読んでいる途中で思ったこと、物語の始まりはエピローグだった。2回は読むことをお薦めしたい。
それと電子書籍で読む方が良い。
本だと終わりに近づくと残りページでもう終わってしまう事がページをめくっている間に分かってしまう。
デジタルであれば残りのページが分からないようもできる
突然の最後の1ページに号泣してしまった。
死期は分かっていてもだ。
石田衣良氏の構成と表現力に感謝。 -
Posted by ブクログ
順風満帆、挫折知らずで大学生活を終えようと言う時に訪れる最初の挫折が就活。
多くの人が七転八倒するわけですが、この小説では、水越千晴、ほか仲間7人の七転八倒を描いています。
文系の学部(四大の院でない)卒としての就活。
時代背景や、実情などは、文庫の森健の解説が網羅的に親切でわかりやすいです。
僕の場合は、理系の学部卒。卒業研究でやるような実験室の仕事はマスター以上じゃなきゃ仕事としてはありません。が、そんな無理を望まなければ、推薦入学のような就職でした。
小説は、私立のトップの大学をモデルにしていると思います。公立の大学ではだいぶ様子が異なるでしょうし、マスター卒や専門性の高い勉強をしている人たちも異なるでしょう。さらには、大学以外の学校の人の場合はもっとだいぶ違うでしょう。むろん僕のような私立理系とも違います。しかし、とても面白く拝読しました。
ハイライトは、関東テレビの最終面接で失敗し不合格となった後の千晴だと思います。
挫折をどのように乗り越えるのか。人それぞれの性格が反映されるシーンです。
二種類の人がいると思います。
恨みに思い、敵と認識し、戦いを決意する人。
それとは対象的に、自分の課題として認識し、自分でできる対処法を考える人。
この二種類の人間の間には、深くて大きな溝があります。が、僕がそうと気がついたのは、だいぶ歳を取って、近年になってからです。
ちなみに、この小説のヒロイン水越千晴は後者で、失敗の原因を分析し(本人が分析するのではなく、事実が地の文で解説されるのですが)いくつか、学習し、最終的にはほかのものがうらやむような就職先から内定を二つもゲットします。
この逆転劇までの千晴の変化をどう読むか、がこの小説の味わいになると思います。もちろん人それぞれだと思いますが。
今で言えば、少し盛って「この本読みました。」と書いた、失敗のネタについて。
「ずうずうしく適当な感想でもいっておけば合格だったんだろう」
と言う良弘に対し、
「あんなにつまらない本で見栄を張ったわたしが悪いんだし。」
と、自分の中で整理しています。
こういう人と一緒に仕事をしたいな。と僕は思いました。
全ての不具合の原因を他者に求めて、自らは唯我独尊を装い、ハッタリ、口八丁手八丁でうまく泳ぐ人も、
正直に実力で勝負する人も、
就職した後のそれぞれの人生は、それぞれ。うまくいく場合も、失敗する人もそれぞれの場合でいろいろです。一概にどちらが成功し、失敗するとは言えないようです。
ただし、ハッタリが効く人が実績評価も高く、出世する傾向にあるようです。つまり、そこそこ出世した人は皆ハッタリが効く人です。が、評価されなくてもまじめに仕事に取り組んでいる人もいるはずです。(はったりが利くのは、実効性のある仕事をしている人がいるからです。)
このバランスをどう取るかは、もっとえらい経営者層の手腕次第ですので、ぼくらにはなんともすることはできません。それぞれの会社の特徴って、この二種の人間のバランス具合によるところが多いようです。
現場で働く自分としては、千晴のような人と一緒に働けたら気持ちが良いだろうな、と思います。
世の中にはいろんな人がいます。外に出れば七人の敵がいると言いますが、正直に実力で勝負する方向に切り替えた、千晴のような人となら仕事も楽しい、と思いました。 -
Posted by ブクログ
一気に引き込まれて読破。
Podcastでも折に触れて話されていた東京大空襲の物語。
空襲について、戦争を知らない世代である僕達は、どこか遠い昔のことのように、他人事のように思ってしまっている。
空から爆弾を落とすという視覚的な情報ではなく、空襲によって奪われていく一人ひとりの命。
死というものを生々しく身近に感じさせられた。
この生々しさは、どこから来るのかということは、あとがきを読んで納得。
このような人々の悲惨な死に様を知らなければ、戦争を知らない世代の僕らはまた同じことを繰り返してしまう。
そのことに気付き背筋が凍った。
70年前という遠くない日本で起きた出来事を覚えていたいと心から思った。 -
Posted by ブクログ
小学生の時、「戦争の話を取材する」という宿題があった。
都営住宅に住んでいた私は、母と相談して「13階の高橋さんのおじさん」にお話を伺うことにした。
高橋さんは、少年時代に第二次世界大戦を経験。
航空機に追いかけられて、すぐそばに爆弾を落とされ、九死に一生を得た体験を語って下さった。
この小説を読んで、高橋さんのことを思い出した。
戦争が、ただの歴史でなく、人と人が殺し合う最高にむごいことであることを実感したのだ。
時は、1945年3月。
物語の舞台は、東京の本所区(現在の墨田区)。
主人公のタケシは14歳。
アメリカ人の父、日本人の母のもとに生まれた。
9歳の時にシアトルから東京本所に母と引っ越してきた。
父の国と母の国が戦争をしている。
「鬼畜米英の子」「スパイ」などと酷い言葉を浴びせられながらも、中学生の青春の日々は続く。
そのささやかな日常を、戦争が全て奪っていく。
1945年3月10日未明。
東京大空襲。
タケシの住む地域では半分の方がなくなり、9割の家屋が焼き尽くされた。
父の国の飛行機から焼夷弾が落とされ、町中が火の海に包まれる。
目の前で人が死んでいく。たった数時間のうちに何度も何度もだ。
これが戦争だ。
著者は、文化の力で絶対悪の戦争に切り込んでいく。
「池袋ウエストゲートパーク」にも必ず登場するクラシックの名曲を、戦時下のタケシの部屋に登場させる。
戦争に立ち向かう文化の力。
暴力に対する対話の力。
戦争は美談なんかではない。
青年の未来を奪い、子供の希望を打ち砕き、母に涙を流させる。
語り継いでいかなければならないものがある。
戦争ほど残酷なものはない。
戦争ほど悲惨なものはない。
タケシ、ミヤ、テツ、登美子。
1945年の4TEEN。
石田文学の金字塔がまた一つ。
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