石田衣良のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
この本を初めて読んだ時のわたしは中学生で、「へえ就活って大変そうだなあ〜」くらいの感想しか持たなかった気がする。覚えてないだけかもしれないけど。
実際に就活を齧ってからこの本を思い出して、今読むのは自殺行為かもなと思いつつも気になっちゃって読んでみた。
端的に言えば、ぜんっぜん違う作品に見えた。
一つ一つの場面で揺れ動く登場人物の心に、理解する以上に共感してしまう。
自分の将来が不確実で、しかもそれは努力でなんとかなるものでもなかったりして、そんな日々への不安とかプレッシャーとか、いろんな立場の人間のそれぞれの葛藤が手に取るようにわかる。
本を読むのは自分の生きられない世界や人生を体験する -
Posted by ブクログ
すごく良かった。
ラスト泣きました。
私の年齢が、作品にぴったり当てはまっていたからかもしれない。
シリーズ物の作品というのは、映画でも小説でも、1番目は続編の「前提」であり、続編にはそれを上回るテーマが入り込んでくる。
なので、シリーズは続編から益々面白くなってきますよね。
冒頭は、前作のようにクラブを再建し、お客様を取って若いスタッフで運営して行く、少し「IWGP」を思い出すような軽いスタートだったのだけれども、スカウトした相手がGDI(ジェンダー・アイデンティティ・ディスオーダー)性同一性障害で、FTM(フィーメイル・トゥ・メィル)心が男性なのに、肉体が女性である状態の人であり、彼が -
購入済み
とにかく面白い!
何気に、フォーティーンを読んでみて、石田衣良氏にはまってしまい、池袋WSPも全部読みました。
どの作品も面白い。でも、アキハバラ@DEEPはミッション-インポッシブルとマトリクスの世界が一緒になったような作品で、一番面白かったです!
でも、活字より映像の方が向いてるように感じました。映像化されてるようなので、探してみようと思います。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ重い。
こんなにも衝撃的な内容とは思ってもいなかった。
両親から虐待を受け育った北斗の視点で描かれた作品は幼少期からの虐待をリアルに描き、その中で自分の生存本能と親子関係の中で生きるために重ねた重い鎧。
そんな鎧を着た北斗に人としての温もりと、家族としての温もりを与え、短くも北斗が人として過ごす時間と場所を与えてくれた里親である綾子。
ようやく1人の人間として生きる機会を与えられた北斗の幸せは綾子の死と、気がつけば綾子の為に関わってしまった医療詐欺によって再び奈落の底へと突き落とされる。
負の連鎖によって引き起こされてしまった殺人(理由がどうであれ、人を殺める事を肯定してはいけない)