あらすじ
20代の頃の恋愛、作家デビュー、そして母との別れ……。川端康成の『掌の小説』に触発された著者が「ささやくように」書きつづった、美しく、ちいさな24の物語。私小説のような味わいを持つ掌篇のストーリーと切れを楽しみながら、人気作家の素顔を垣間見ることができる、あなたのための特別な1冊。(講談社文庫)
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再読。石田衣良さんは好んで読んでいるのですが、手元に置いているのはこの1冊だけ。「書棚と旅する男」にほれ込んで、いつでも好きな時に読めるように購入しました。連作短編集やスピンオフ短編集ではなく、貫くテーマもなく、多様性に満ちた完璧な、お手本のような短編集。必ず好きな一編が見つかるでしょう。おすすめです。
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石田衣良さんが書きたいようにかいた
ショートショート。どの作品もスピード、テンポ感が良くて何より実体験の素材に色づけしてファンタジーやホラーを描いていて、小説家の頭の中を見ているようだった。話の前にかかれているエピソードも面白かった。
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久しぶりに読み返した一冊。
以前に読んだ時よりもより内容の理解度が深まった気がした。
そして掌篇小説の魅力を再発見。石田さんが書かれているように、晩年にこんな素敵な掌篇集が沢山読めると良いなと思った。
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この本読んで、浜崎あゆみの本が気持ち悪かった理由わかった。
石田衣良の実際にあったことをフィクションにしてショートにまとめて書いてある本なんだけど、その中に失恋話もあり、たった3ページのこの石田衣良の話のなんと面白いことかと。
そうか、ここが違うんだ。
20年前の恋心って20年経つうちに発酵して、カビて、それでも輝いてるのかもしれないけど、本人自体も20年経ってしまっている今の状態で振り返る大恋愛って、やっぱり視点が今なんだけど、浜崎あゆみのあの本、視点が17歳のままで、書いてるのが40すぎのおばんなんだ。そのなんとも言えない気味悪さは、
20年前に作ったケーキを、おいしいんだよーどーぞ召し上がれ。
とか言われてる感覚に近いのかも。
イチゴとか原型ないくらいドロドロになってかびて何かわからないような状態なのに、本人はウキウキで
これ超美味しくできたんだよー!
とかいう感じの怖さ。これ。これ!!!!これだ!!!
その点、さすがの石田衣良はたった3ページで大恋愛、失恋、切なさそんな想いがダーーーーっとこちらに流れてくるように描く。
最初の実母の病院の話ですら、そんな感じだった。
母が死にそうっていうのを、全く違う視点から描き出すことでめちゃくちゃ悲しい気持ちが溢れすぎる。
たった3ページでここまでに。っていう。
読みやすいし、石田衣良本人の雰囲気がとっても手に取るようにわかる一冊でした。
ラストのお母さんへのメッセージで、石田衣良って、石平さんだったんだ!っていう発見が1番鳥肌たったわ。笑笑
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短編集です。
実はこの作者さんは、テレビ番組に出てるのをみることの方が多くて、作品をそんなに読んだことないんですが、この短編集は好き。素直にそう思える作品でした。
「小説」は「小説」なんですけど、作者さんの実体験を下にしたものであるとか、どちらかというと「私小説」に近い形。
作者さんの人柄が滲み出してくるような小説でした。
おまけに、一つ一つの小説の前に、作者さんが何を思ってその小説を書いたのか、解説がついている。
普段、後書き等で作者さんの想いを見ることが多いのですが、多くの小説は、作者さんが小説を書き終わってから随分経ってから書かれていることが多いようで、皆さん「あとがき」を苦手としている人が多いような気がするんですよね。おまけに、時間が経っているので、何を思って作者さんがこの小説を書いたのか、とかいうそういうフレッシュさは失われていて、それはそれで楽しいんですが、この短編集の解説は、その小説の短編を書き始める前か、書き終わった直後に書かれているように感じられるもので、その作者さんの言葉まで含めて一つの作品なんだなあ……という感じ。
かきむしられるような切なさも、ミステリーにつきものな、ハラハラドキドキ感もないですが、ほっと一息つきたくなるような、肩の力を抜きたくなるような時に読むのにはオススメの小説です。
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面白かった♪
いわゆる『ショートショート』と呼ばれる、
ページにしたら10ページくらいの超短編が24話。
どれもこれもコンパクトに仕上げてるだけあって、
ピンポイントで分かりやすく、とても読み易い。
僕が一番好きだったのは『旅する本』。
悩める人や困った人が『今、出逢うべき本』へと姿形を変え、
時代から時代、人から人へと旅をする本。
もしかしたら、世界中の何億冊という本の中の1冊くらいはそうかも知れないな?
僕にとっては、あの頃に読んだあの本がそうなんじゃないかな?
すごく感動して人生に迷ってたのを救って貰ったのに、なぜか手元にはもう無い。
また誰かを救いに行ったのかな?
米粒ほどの大きさだけど、
とてつもない光を放つ宝石の様な素敵なファンタジーだと思った。
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ショートショート結構好きかも知れない
その話のテーマや背景が先に書かれていてなんだか石田衣良の本質を少しだけ知れた気がする
例え10ページにも満たない文章でもこうも人の心を惹きつけられるんだなって
確かに誰もが胸の中にしまっている文章は
例えば友達からの手紙だったり
例えば恋人からのささいな言葉だったり
そんな長いものは多くないはずだ
日本語って綺麗だなって再認した
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原稿用紙わずか10枚のショートストーリー。
石田衣良の私小説的(家族・恋愛、作家になったきっかけ)な話もあれば、
メルヘンちっくな話もあったり、著書の懐の深さを垣間見れる作品集。
各話の最初には著書自らの解説が入っており、まぁそこはややネタバレというか、
読み方の誘導的なキライがなくもないですが、
舞台裏を覗いているようで面白い面もあり。
著者のファンには嬉しい一冊でした。
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短編集、というかショート・ショート集。各話の冒頭に、その作品を執筆した背景とか執筆当時の作者の状況について、作者本人によるコメントが書かれていて、ある意味エッセイ集としても読めるお得な本である。私の場合は、作品そのものよりも、石田衣良の人生が凝縮された各話コメントの方が面白かったけど、楽しみ方は人それぞれだと思う。
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石田さんの解説がひとつひとつについている短編集。奇妙な話からエッセイのようなものまで粒ぞろいで楽しめます。石田さんのパーソナリティが垣間見えるどころかがっつりわかってしまうかもしれないです。横浜に行きたくなる。
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石田衣良の手のひらの迷路を読みました。掌編とそれに対する解説という形のエッセイ集でした。掌編だけで読むと普通のショートショートなのですが、解説があるので、それが書かれたときの状況やその物語にこめられた意味などが想像できて面白く読めました。物語の中では、会社を辞めたときの開放感を描いた掌編が気に入りました。私は辞表をたたきつけて会社を辞めるということは今までもなかったし、たぶん今後もないと思うので、そういう開放感にあこがれてしまいます。とは言え、石田衣良のように才能のある人でなければ、すぐに路頭に迷ってしまうんだろうなあ、と思いました。小説を書くのが楽しくてしょうがない、ということがわかる掌編もあって、うらやましくなってしまいます。
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超ショートショートな短編集。でも短い文章の中にも石田衣良ワールドがあり、それぞれのお話にじんわりくるものがありました。物語を作っていくステップを描かれた短編や、石田衣良さんが小説家になった経緯が描かれた短編もあり、ややエッセイ的な要素もあり、スラスラと読めました。
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24の掌篇小説です。
私が好きなのは「完璧な砂時計」「銀紙の星」「最後と最後のひとつ前の嘘」です!
短い物語はどれも読みやすく、短い中にも良い言葉が沢山落ちていました!
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石田衣良の短編集。ショートショートならではの面白さがあったり、スッキリ終わらないものまで、様々な物語。作者の体験談のものまであり、作者が小説家になったこともわかり、中々面白かった。
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ショートショートだから読みやすかった。ショートショートだからすっきり終わらない話もあるけれど。
それぞれの話の前にある解説などはエッセイのようで面白い。作者の創作活動が垣間見れたようでした。
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石田衣良を軽いところから入ってみようと手に取った一冊。
一作品10ページ足らずのショートショート集。
それぞれ、話が始まる前に短いコメントがあって、それのおかげでストーリーにすっと入りこめます。
著者自身も言っているように、これは読者のことを全く考えずに作った本らしいです。
確かに、強烈なオチがあるわけでもないし、ショートならではっていう話がほとんど。
けれど、こういうのもいいかもと思える一冊でした。
『書棚と旅する男』が好きになりました。
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毎回、原稿用紙10枚分のショートショート。各話の最初に天声人語ぐらいの短さの前書きが書かれているのがちょっと変わってる。書いた時の設定とか、きっかけとか。
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石田衣良さんの作品をはじめて読みました。
思ったことをそのまま、伝えているところに、大変共感を得るところが多くありました。
24編ある物語のなかで、
「最後と、最後のひとつ前の嘘」
が、一番好きです。
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期待とは少し違った、石田衣良の賞編集。
賞編集といえど、多くが石田衣良の私小説的なもの。ただ一般人と遭遇する日常はさして変わらない(テレビに出た、とかは違うけれど)のに、その捉え方や文章へ変換するチカラがやっぱり石田衣良は違う。日常があんなにも違うものになる。
また本書は毎月10枚の原稿を2年間集めたものということで、もうそれがすごいと私は思う。最後のほうはネタに困っていたみたいだけど。笑
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直木賞作家が原稿用紙10枚に一筆書きしたショートショート。構成をあまり考えずに書き上げているようで、ほかの小説以上に石田衣良
の趣味指向が表れている。
それぞれの編で文体の質感が違っていて面白い。ベタベタしたりサラッと終わったりする。
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友人から貰った本。
友人の評価はイマイチだったが、個人的には楽しめた。
特に「旅する本」「最後と、最後のひとつまえの嘘」が印象的。
短編が24話も入っており、好みの作品とそうでもない作品が入り乱れてしまっているため評価3。
Posted by ブクログ
ひさしぶりの石田衣良さんの作品。
原稿用紙10枚の短いストーリーが24篇。
それぞれのストーリーの前に本人の解説付き。
私小説のようなものも多かったのだけれど
わたしのお気に入りは「タクシー」。
タクシー運転手の会話というかおしゃべりを書いたもの。
なんというか、空気感やリズム感が好き。
逆にいえばその作品くらいしか強い印象に残ったものはないかも。
ショートショートだからそんなものかな。
まあ、お風呂タイム用の本だったから、というのもあるけれど。
Posted by ブクログ
ショートショート集です。もとは連載ものなので、締切ギリギリでやっつけ仕事だったんだろうなあというものもありますが、色々挑戦していて飽きないです。切り抜け方を見るのも有りかなあと。
私小説要素が強いですが、どこまでが現実かわからない不思議な感じ。どこかシャープで攻撃的な感じが見え隠れするのは、やっぱり石田さんだなあと思います。短編集というより試作集?
個人的当たりは少なかったのですが、「終わりのない散歩」が好きでした。
石田衣良ファンには楽しめそうですが、初めて石田作品を読む人にはついていけないかも。何冊か他のを読んでから手を出すのがおすすめです。
Posted by ブクログ
大好きな石田衣良の作品で、この本はショートショート+エッセイです。なかなか面白い趣向なのですが、残念ながら文章がない部分が多くて残念です。
でも内容は一編一編に工夫があって、結構面白いです。
個人的には長編のほうが好きで、ショートショートはイマイチかなぁ?なんだけど、石田衣良は短編が上手い!で、ショートショートも上手い!!
さすが石田衣良だな、なのでした。
でも、なんかこの連載でなんとか一本の作品集として出版するってコトが商業主義なのかなぁ?ってなって、少しシラケちゃったりもするのでした。
作品自体は良いんだけどなぁ…。
もっと一冊でもっと読みたいなぁ…。