石田衣良のレビュー一覧

  • 少年計数機 池袋ウエストゲートパークII

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    石田衣良のマコトシリーズの2冊目。短編が3つ。

    裏風俗に押し入る目出し帽の少年たち。彼らの特定にあたり、マコトは少年院からでてきたばかりのアツシと接触する。アツシの姉はアキラという柔道に長けた少年らに拉致監禁された過去があり、アキラらが怪しいと踏んで調べていくのだが、風俗強盗だけでなくマコトの仲間のアジトへ火が放たれるなど、様相は激化していく…。

    一作目(一冊目)では「ちょっと価値観が古いな」と感想を書いていたが、この作品では2作目から、急に臨場感と勢いを伴った作風に少しずつ変わっていった感じがあり、推理小説と言うかノワール小説として楽しめる作品になっている。

    目を合わせたらいきなり喧嘩、美人局やドラッグといったような話は鳴りを潜め、冷静に動かないと命も危ないというヒリヒリした緊張感がでてきているからだろう。

    マコトの家の果物屋の話などもほとんど出てこなくなって、移動移動で有るのもその一因だ。

    一方で、本の序盤において、歌詞のような断片的な文章で、誰がどうしたというのが伝わらない部分もある。それが後半でも時々見られ、マコトが電話をしているときにマコトの母親の描写が挟み込まれるもんだから、母親がなにか言ったんか?と戻って読むもそういう話もなく、何なんだ?と引っかかる部分も有った。

    クロムハーツとか懐かしいねー、なんていうところもあり、1990年代後半のあの雰囲気を知る人にはより楽しめるだろう。

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    2025年11月10日
  • 娼年

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    人間の欲には際限がない。
    私にはその欲があまりない。
    しかし、この際限ない欲を、小説にて覗き見る欲は背徳感も相まって非常にあるようだ。二時間ほどで読み切ってしまった。 
    この様な狂気を孕んだ事象が実際に日々起こっているなんて、どんな荒唐無稽な設定のSF映画よりも信じられない。
    普通過ぎる自分が少し悔しくもある。

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    2025年11月09日
  • 禁猟区

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    不倫をした人の末路が一般的に見たハッピーエンドで終わると思いきや、最後が僕の中で救われる展開になっていて、少しうれしかった。男女の関係は社会的である前に、本能的であると、あとがきにもあったが、そのとおりだと思った。浅はかな行動をするつもりはないが、自分の心に正直に、幸せを積み重ねていきたいと思った。

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    2025年11月07日
  • 逝年

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    【2025年132冊目】
    摘発された男娼クラブをもう一度復活させる――リョウはクラブのオーナーとして、売れっ子のアズマ、元オーナーの静香の娘である咲良と共に男娼クラブを再スタートさせる。問題は男娼のスカウトだったが、徐々に軌道に乗り始め、ついには元オーナーの静香も刑務所から戻ってくることに。だが、静香とは別れが近づいていて――「娼年」続編。

    まさかの続編を見つけてしまったので速攻で手に取りました。「これは創作、これは創作」と言い聞かせながら読みましたが、やっぱりsexを題材にした話って面白いんですよね。めちゃくちゃ人の感情が乗ってくる、しかも男娼クラブがテーマなので、未知過ぎる世界で、これぞ小説!って感じです。

    いやどんな価値観やねんみたいな風に思うこともしばしばなのですが、「この世界では普通の価値観や倫理観をあてはめないで欲しい」という主人公から別のキャラクターへの言葉もあったりして、しっかり釘を刺されたり。

    石田衣良さん、表現が豊かというか、人間の感情をよく描かれてますね。そんなに分厚くもないので「娼年」を読んだ方はお手にとってみると良いと思います。

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    2025年11月04日
  • 少年計数機 池袋ウエストゲートパークII

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    IWGP2作目。PHSが時代を感じます。 テンポよく進み、毎回出てくる登場人物がユニークで自分は好きです。池袋に行きたくなります!

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    2025年10月29日
  • 神の呪われた子 池袋ウエストゲートパークXIX

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    年に一度のIWGP文庫を楽しむ。フェイスタトゥー男と神の呪われた子が熱くて面白かった。根底にある仲間や友達を大切にする気持ちってのは幾つになっても大事にしたい。

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    2025年10月28日
  • 爽年

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    欲望に忠実に生きる人を羨ましいと思うのは、自分もどこかでそうなりたいと思ってるのかもしれない。ないものねだりではなくて、憧れなのかなと思ったり。
    とりあえずお気に入りの3冊でしたありがとうございます、、

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    2025年10月26日
  • 神の呪われた子 池袋ウエストゲートパークXIX

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    時事ネタ版水戸黄門かも知れないけど、なんか読んでしまうシリーズ。マコトやタカシよりいつの間にか歳上(多分)になってるけど……。

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    2025年10月20日
  • 禁猟区

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    性を切り口に、人間の孤独と欲望を静かに暴いていく。
    刺激的な題材でありながら、描かれるのは肉体よりもむしろ心の揺らぎだ。
    登場人物たちは誰もが愛を求めながら、同時に他者との距離に怯えている。
    一瞬の熱に身を委ねることが、救いであり罪でもあるような矛盾が胸に刺さる。
    性を“快楽”ではなく“人間そのもの”として描く筆致に、石田衣良の成熟した感性を感じた。

    読んでいて背徳感と共感が同居するような、不思議な読後感が残った。

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    2025年10月14日
  • 憎悪のパレード 池袋ウエストゲートパークXI

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    久しぶりのIWGP。とうとう連絡手段がスマホになった!と時代を感じる。笑
    表題のパレードは登場人物が多すぎ&ややこしかったけど、他のはサクサクよめて相変わらず。

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    2025年10月13日
  • コンカツ?

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    最近婚活の本をよく読むような…
    結婚に焦って失敗している人を見ていると、なぜか安心してしまう…

    良い人に出会うって、とっても難しいなと思いました。

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    2025年10月12日
  • 神の呪われた子 池袋ウエストゲートパークXIX

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    マコトがいつもご丁寧に東京の天気と気温を記録してくれるのが愛おしい。
    サルくんにもそろそろ会いたいなぁ。

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    2025年11月28日
  • 5年3組リョウタ組

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    クラス内の問題だけでなく教師間のいじめ問題にも触れている物語。
    熱血な訳ではないけど子供たちを最優先に考えている先生って1番良いかもしれない。のんびりしてるけど子供の特性を考えて対応しているのが伝わって、クラスも団結していく様子は、当時小学生だった頃を思い出す。似たような経験をしていたかも。

    家庭内問題・教師いじめ・放火事件、色々な問題があったけど、もう少し踏み込んだ話も読んでみたかった。家づくりがどうなったのか知りたかったし、染谷先生のその後もどうなったんだろう。

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    2025年10月09日
  • 神の呪われた子 池袋ウエストゲートパークXIX

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    大塚ウヰスキーバブル/〈私生〉サセン 流出/フェイスタトゥーの男/神の呪われた子

    どんな問題もえーっとと考えながら解決を探る男マコト
    タカシとGボーイズ、周りの助けを受けながらでもキッチリとまとめるのはサスガかな

    カッコ良くなくても 頼りにしてるよ♡

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    2025年10月08日
  • 絶望スクール 池袋ウエストゲートパーク15

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    I.W.G.PシリーズXV作。
    そろそろ読むのをやめようかとおもいつつ、やはりてにとってしまうシリーズ。
    ドラマ化されているので、読むときに窪塚君や長瀬君の顔が思い浮かぶ。
    べたながらしっかり感動させられたり、考えさせられたりするお話。

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    2025年10月05日
  • 美丘

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    言葉選びが綺麗な作品で、情景や登場人物の感情が思い浮かびやすい。美丘が美丘でなくなっていく場面は涙なしでは読めなかった。深く考えさせられる「何か」があって、それを確かめたくてこれからも生きていこうと思った。

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    2025年10月01日
  • 爽年

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    娼年シリーズ3作目の完結巻
    
    以下、公式のあらすじ
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    映画化(R-18指定)で話題の「娼年シリーズ」最終章
    最後の、夜。
    
    始まりはこのバーだった。
    娼夫として7年もの歳月を過ごしたリョウ。御堂静香の後を引き継ぎ、非合法のボーイズクラブLe ClubPassion(「クラブ・パッション」)の経営を一手に引き受けるまでに。男性恐怖症、アセクシュアル…クラブを訪れる女性たちにも様々な変化が。
    リョウは女性の欲望を受けとめ続ける毎日の中で、自分自身の未来に思いを巡らせ始めた。
    性を巡る深遠な旅の結末に、リョウが下した決断とは……。
    大ヒットシリーズ『娼年』『逝年』続編。
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    「娼年」「逝年」ときて「爽年」
    果たして、「爽」の物語だろうか?
    
    リョウが新たにお店を開き、これまでのお客さんや新たなお客さんと性で繋がる
    
    そして、仲間としてのアズマや同志としての咲良
    果たして、物語はどんな結末を迎えるのか?
    
    
    女性の深堀りはこれまでの作品に比べるとそんなでもない
    リョウの仕事に対する姿勢も今までと変わらないので、いい意味でマンネリ化している
    
    これまで登場した人々の現在とその後
    「締め」のための作品としてはそこは描きたいよね
    
    お客さん、仲間など様々な出会いがあったけど
    死別という別れもある
    
    内容としては「葬年」でもいいような気もするなぁ
    
    
    そして、リョウの新たな道という人生
    普通の大学生をしていたら得られなかったものだろうし、こんな物語もあっていい
    
    
    全部読み終わって思ったけど
    この物語は「性」をモチーフにしているものの
    世の中は一人一派の属性が存在するというマイノリティの物語なのかもと思った
    性というのは秘めれるべきものという規範があるからこそ、余計見えにくくなっているだけでね
    なので、世間には色々な人がいるなぁと改めて思う

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    2025年09月26日
  • 神の呪われた子 池袋ウエストゲートパークXIX

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    毎年文庫化されるたびに楽しみに読んでます。今回も、行き過ぎた推し活の背景に潜む闇、宗教2世など現代をうまく切り取ったテーマを扱っていて、かつ読みやすく楽しい短編ばかりでさすがの石田さんでした。

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    2025年09月16日
  • 逝年

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    何年か前に娼年を読んで以来。オーナーの御堂静香がHIVに感染し、タイムリミットが迫る中、リョウとアズマとアユムが戦力となり、クラブパッションは元通りに営業できるようになった。リョウは複数の女性と身体を重ね、女性の老いや、欲望と向き合う。どの女性も自分全てを受け入れてくれる存在が欲しいのだと気付かされる。アユムがいたら私も好きになってしまうのだろうな。FTMや同性愛が描かれていて、新しい娼夫の仕事もできるようになった。静香さんとの最初で最後のセックスは美しくも儚く散っていった。リョウの女性の見方や、年齢を重ねることが怖くなくなるような優しい文章が好き。

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    2025年09月16日
  • 炎上フェニックス 池袋ウエストゲートパーク17

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    IWGPシリーズ本編17作目
    毎度のツッコミだけど、10作目を区切りにサザエさん時空に突入したという認識なので、マコト達は今も20代後半くらい
    
    以下、公式のあらすじ
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    ――炎上、上等!
    
    ストーカーと化したADが自殺。
    「悪女」「尻軽」と大炎上し焼かれた女子アナ。
    マコトが接触したネット放火魔のなかに
    真の“モンスター”が存在した!
    ネット社会の闇にGボーイズが打った手とは――-
    
    半グレ集団に脅かされる“パパ活女子”、
    女性ばかりを狙う“ぶつかり男”、
    トラブルに巻き込まれた“デリバリー配達員”……
    現代を鮮やかに切り取る4編収録。
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    相変わらず、現代の社会問題の一端を描く4編の連作短編集
    ・パパ活
    ・ぶつかり男
    ・Uber、外国人の強盗
    ・ネット炎上
    
    タカシとGボーイズ、ゼロワンが頼りになるのも相変わらず
    
    そして今作は、新型コロナ禍の真っ最中という背景もある
    
    パパ活と名前は変わっても、やってることは以前の援助交際と変わらないし
    グラデーションはあるものの、結局は自分の若さと身体を売ってる事に変わりはない
    
    ただ、その中には貧困や困窮から致し方なくやってる人もいるという事
    全てを一括に否定できないかなー
    
    
    ぶつかり男っはいつ頃から認知されるようになったんだっけ?
    実際の実態はどうかはわからないけど、ネットでも度々論争になる
    
    明らかな傷害罪の場合は然るべき対応でいいと思う
    
    
    食品デリバリーサービスと外国人の強盗犯罪
    コロナ禍でUberEats他、仕出しの配達サービスがスタンダードになったなぁ
    ただ、今作であるような、店の近くのユーザに連絡が行くというシステムも、地蔵行為の迷惑化によってなくなった
    あと、配達のインセンティブも低くなったし、以前に比べて稼げなくなったようだ
    まぁ、この時代を表すテーマ性がこのシリーズの持ち味だよな
    
    
    ネット炎上
    これはずっと昔からあるものだけど
    近年は炎上対象が無差別だし、速度、規模も酷いことになっている
    謝罪しても、むしろ謝罪したからこそいくら叩いてもいいという認識でより炎上するし
    まったく、難儀な世の中になったものだ
    
    そして今作では、事実誤認による炎上被害
    実際はストーカーが地元に帰らざるを得なくなり自殺したわけだけれども
    ネット上では、アナウンサーがたぶらかしたという事になっている
    この辺のファクトチェックの甘さも現実でもあることなんだろうな
    片方の言い分のみを信用するとか、自分の解釈したいように認識するとかね
    
    それにしても、炎上させている人たちの姿
    何と言うか、どの人も幸せそうに見えない
    
    実際問題、今の生活が満たされてる人は他人への攻撃的な投稿なんてしないと思うんだよね
    そんな意味では個人の問題だし、社会全体が不幸せになっている
    
    
    このシリーズ
    今のところ単行本は20作まで、文庫化は18作まで
    まぁ、これからも読むとは思うんだけど
    やはりリアルタイムに読んだほうがいい作品ではあるなぁ

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    2025年09月16日