石田衣良のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
石田衣良のマコトシリーズの2冊目。短編が3つ。
裏風俗に押し入る目出し帽の少年たち。彼らの特定にあたり、マコトは少年院からでてきたばかりのアツシと接触する。アツシの姉はアキラという柔道に長けた少年らに拉致監禁された過去があり、アキラらが怪しいと踏んで調べていくのだが、風俗強盗だけでなくマコトの仲間のアジトへ火が放たれるなど、様相は激化していく…。
一作目(一冊目)では「ちょっと価値観が古いな」と感想を書いていたが、この作品では2作目から、急に臨場感と勢いを伴った作風に少しずつ変わっていった感じがあり、推理小説と言うかノワール小説として楽しめる作品になっている。
目を合わせたらいきなり喧嘩、美人局やドラッグといったような話は鳴りを潜め、冷静に動かないと命も危ないというヒリヒリした緊張感がでてきているからだろう。
マコトの家の果物屋の話などもほとんど出てこなくなって、移動移動で有るのもその一因だ。
一方で、本の序盤において、歌詞のような断片的な文章で、誰がどうしたというのが伝わらない部分もある。それが後半でも時々見られ、マコトが電話をしているときにマコトの母親の描写が挟み込まれるもんだから、母親がなにか言ったんか?と戻って読むもそういう話もなく、何なんだ?と引っかかる部分も有った。
クロムハーツとか懐かしいねー、なんていうところもあり、1990年代後半のあの雰囲気を知る人にはより楽しめるだろう。 -
Posted by ブクログ
【2025年132冊目】
摘発された男娼クラブをもう一度復活させる――リョウはクラブのオーナーとして、売れっ子のアズマ、元オーナーの静香の娘である咲良と共に男娼クラブを再スタートさせる。問題は男娼のスカウトだったが、徐々に軌道に乗り始め、ついには元オーナーの静香も刑務所から戻ってくることに。だが、静香とは別れが近づいていて――「娼年」続編。
まさかの続編を見つけてしまったので速攻で手に取りました。「これは創作、これは創作」と言い聞かせながら読みましたが、やっぱりsexを題材にした話って面白いんですよね。めちゃくちゃ人の感情が乗ってくる、しかも男娼クラブがテーマなので、未知過ぎる世界で、これぞ小説!って感じです。
いやどんな価値観やねんみたいな風に思うこともしばしばなのですが、「この世界では普通の価値観や倫理観をあてはめないで欲しい」という主人公から別のキャラクターへの言葉もあったりして、しっかり釘を刺されたり。
石田衣良さん、表現が豊かというか、人間の感情をよく描かれてますね。そんなに分厚くもないので「娼年」を読んだ方はお手にとってみると良いと思います。 -
Posted by ブクログ
娼年シリーズ3作目の完結巻
以下、公式のあらすじ
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映画化(R-18指定)で話題の「娼年シリーズ」最終章
最後の、夜。
始まりはこのバーだった。
娼夫として7年もの歳月を過ごしたリョウ。御堂静香の後を引き継ぎ、非合法のボーイズクラブLe ClubPassion(「クラブ・パッション」)の経営を一手に引き受けるまでに。男性恐怖症、アセクシュアル…クラブを訪れる女性たちにも様々な変化が。
リョウは女性の欲望を受けとめ続ける毎日の中で、自分自身の未来に思いを巡らせ始めた。
性を巡る深遠な旅の結末に、リョウが下した決断とは……。
大ヒットシリーズ『娼年』『逝年』続編。
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「娼年」「逝年」ときて「爽年」
果たして、「爽」の物語だろうか?
リョウが新たにお店を開き、これまでのお客さんや新たなお客さんと性で繋がる
そして、仲間としてのアズマや同志としての咲良
果たして、物語はどんな結末を迎えるのか?
女性の深堀りはこれまでの作品に比べるとそんなでもない
リョウの仕事に対する姿勢も今までと変わらないので、いい意味でマンネリ化している
これまで登場した人々の現在とその後
「締め」のための作品としてはそこは描きたいよね
お客さん、仲間など様々な出会いがあったけど
死別という別れもある
内容としては「葬年」でもいいような気もするなぁ
そして、リョウの新たな道という人生
普通の大学生をしていたら得られなかったものだろうし、こんな物語もあっていい
全部読み終わって思ったけど
この物語は「性」をモチーフにしているものの
世の中は一人一派の属性が存在するというマイノリティの物語なのかもと思った
性というのは秘めれるべきものという規範があるからこそ、余計見えにくくなっているだけでね
なので、世間には色々な人がいるなぁと改めて思う -
Posted by ブクログ
何年か前に娼年を読んで以来。オーナーの御堂静香がHIVに感染し、タイムリミットが迫る中、リョウとアズマとアユムが戦力となり、クラブパッションは元通りに営業できるようになった。リョウは複数の女性と身体を重ね、女性の老いや、欲望と向き合う。どの女性も自分全てを受け入れてくれる存在が欲しいのだと気付かされる。アユムがいたら私も好きになってしまうのだろうな。FTMや同性愛が描かれていて、新しい娼夫の仕事もできるようになった。静香さんとの最初で最後のセックスは美しくも儚く散っていった。リョウの女性の見方や、年齢を重ねることが怖くなくなるような優しい文章が好き。
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Posted by ブクログ
IWGPシリーズ本編17作目
毎度のツッコミだけど、10作目を区切りにサザエさん時空に突入したという認識なので、マコト達は今も20代後半くらい
以下、公式のあらすじ
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――炎上、上等!
ストーカーと化したADが自殺。
「悪女」「尻軽」と大炎上し焼かれた女子アナ。
マコトが接触したネット放火魔のなかに
真の“モンスター”が存在した!
ネット社会の闇にGボーイズが打った手とは――-
半グレ集団に脅かされる“パパ活女子”、
女性ばかりを狙う“ぶつかり男”、
トラブルに巻き込まれた“デリバリー配達員”……
現代を鮮やかに切り取る4編収録。
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相変わらず、現代の社会問題の一端を描く4編の連作短編集
・パパ活
・ぶつかり男
・Uber、外国人の強盗
・ネット炎上
タカシとGボーイズ、ゼロワンが頼りになるのも相変わらず
そして今作は、新型コロナ禍の真っ最中という背景もある
パパ活と名前は変わっても、やってることは以前の援助交際と変わらないし
グラデーションはあるものの、結局は自分の若さと身体を売ってる事に変わりはない
ただ、その中には貧困や困窮から致し方なくやってる人もいるという事
全てを一括に否定できないかなー
ぶつかり男っはいつ頃から認知されるようになったんだっけ?
実際の実態はどうかはわからないけど、ネットでも度々論争になる
明らかな傷害罪の場合は然るべき対応でいいと思う
食品デリバリーサービスと外国人の強盗犯罪
コロナ禍でUberEats他、仕出しの配達サービスがスタンダードになったなぁ
ただ、今作であるような、店の近くのユーザに連絡が行くというシステムも、地蔵行為の迷惑化によってなくなった
あと、配達のインセンティブも低くなったし、以前に比べて稼げなくなったようだ
まぁ、この時代を表すテーマ性がこのシリーズの持ち味だよな
ネット炎上
これはずっと昔からあるものだけど
近年は炎上対象が無差別だし、速度、規模も酷いことになっている
謝罪しても、むしろ謝罪したからこそいくら叩いてもいいという認識でより炎上するし
まったく、難儀な世の中になったものだ
そして今作では、事実誤認による炎上被害
実際はストーカーが地元に帰らざるを得なくなり自殺したわけだけれども
ネット上では、アナウンサーがたぶらかしたという事になっている
この辺のファクトチェックの甘さも現実でもあることなんだろうな
片方の言い分のみを信用するとか、自分の解釈したいように認識するとかね
それにしても、炎上させている人たちの姿
何と言うか、どの人も幸せそうに見えない
実際問題、今の生活が満たされてる人は他人への攻撃的な投稿なんてしないと思うんだよね
そんな意味では個人の問題だし、社会全体が不幸せになっている
このシリーズ
今のところ単行本は20作まで、文庫化は18作まで
まぁ、これからも読むとは思うんだけど
やはりリアルタイムに読んだほうがいい作品ではあるなぁ