石田衣良のレビュー一覧
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IWGPシリーズ、18巻目。
いつもの通りに世相を切り取る話だが、3話までは、祖母を介護するヤングケアラー、技能実習生制度に翻弄される外国人労働者、マッチングアプリを利用した美人局、といった話題。
相変わらずとサクサク読めるが、これらの話ではタカシ&Gボーイズを頼んで事を収める場面がいつもより少なめ。その代わりに、ちょっとほっこりする場面がいつも以上に楽しめる。
高校生の頃におごってもらったラーメンの借りを返すという展開やその対価は手づくりコロッケという結末(神様のポケット)が微笑ましく、ヤングケアラーの女子高生のギリギリの心情(常盤台ヤングケアラー)やゼロワンが出会った少女の天真爛漫な反応 -
Posted by ブクログ
ネタバレ正統派の学生による就職活動を題材とした小説として、面白かった。
主人公の千晴含め、シューカツプロジェクトのチームは皆、マスコミ志望のためその辺りの就活事情が主だったストーリーではあるものの「働く」ということがどういうものか、就活の流れなどという原点に立ち返って話が進んでいくためリアリティがあってとても良い。
ただ、千晴がどこを合格し、どこを不合格になるかみたいな部分が透けて見える感じの文体なのでワクワク感はあまりないかも…。
プロパーをまだまだ大事にする日本社会の構図の中で新卒採用をゴールデンチケットと称するところもすごく地に足がついていて現実的な物語だった。 -
Posted by ブクログ
【2025年9冊目】
ヤングケアラーと売春アプリ、外国人アルバイトと賽銭泥棒、凄腕ハッカーとマッチングサイト、命を金と見るペットショップビジネス――池袋ウエストゲートパーク第18弾。
本屋さんに行ったら、18弾目が文庫化してたので、やったーと思いながら購入し、速攻読みました。解決が早くなってる気もしますが、トラブルシューターとしての腕が上がってるからなのかもしれません。それにしても、表題作といい、酷い話が多い。現実にはない話、ではないので池袋を舞台にしていながらもどこかで実際に起こっていることなんだと思うと、単純なエンタメとして楽しむには些か重い気もします。
そんな中でキャラクターの魅力に -
Posted by ブクログ
安定の、面白さ。
一時期はどれもつまらなくて、失速してしまったなーと感じたこともあったが、失礼しました、って感じ。時代を映す短編集。
マコトもキングも健在で、どうしたってマコトは長瀬くん、キングは窪塚くんが自然に浮かんできてしまう。またそれもよし。
時代を反映した事件が起こり、マコトが解決に向けて動いていくのだが、白黒はっきりさせて大団円、とならないのが本当に好きだ。
マコトはその時、その時で一番最善を選ぶ。
それは世間一般的に清く正しいやり方じゃないこともある。
だがそれがこの世界なのだ。
清濁あって、この世界が成り立つ。
悪事を勧めているわけじゃない。
IWGPを読むといつも連想するのは -
Posted by ブクログ
リクルート社発行のフリーマガジン「R25」にて連載されていた直木賞作家、石田衣良さんのエッセイ『空は、今日も、青いか』の単行本化第3作目になります。2008~2010年当時の世相が分かって面白いです。
この本はフリーマガジン「R25」に連載されていたエッセイ「空は、今日も、青いか」を単行本化したもので、これで三冊目になるのだそうですね。
僕は前の2作もすべて読んでいるのですが、いつものことでこの本から紹介させていただくことをお許しください。今は「R25」をリアルタイムで読むことができないのですが、東京に暮らしていたときは「R25」の発売日になると毎週、コンビニに行ってもらってきては熱