あらすじ
数百キロ離れて暮らすカップル。久しぶりに再会したふたりは、お互いの存在を確かめ合うように幸せな時間を過ごす。しかしその後には、胸の奥をえぐり取られるような悲しみが待っていた――(表題作)。16歳の年の差に悩む夫婦、禁断の恋に揺れる女性、自分が幸せになれないウエディングプランナー……。迷い、傷つきながらも恋に生きる女性たちを描いた、10のショートストーリー。
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ストーリーよりもまえに、読んで一番最初におもったことは「上手い」だ。なんて上手に文章をかく作家さんなんだろう。無駄がない引き締まった文章はスピード感にあふれていて、10編あったけどすぐによめてしまった。
30代の大人の恋愛がテーマということもあって、話の内容は大人向け。
一番印象的だったのが「スローガール」。すべての動作がスローになってしまうという、ちょっと変わった女の子にナンパ師の主人公が惹かれてゆくというのがよかった。
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10人いれば10通りの恋愛ストーリーがある。
恋愛する時の年齢も大きく影響するし。置かれている環境、立場によっても違う。
けど 読んでみて思ったのは、恋愛はいくつになっても嬉しかったり温かかったり、切なかったり苦しかったりして…。
人生終わるまで、そんな気持ちの揺れを素直に受け入れてみるのも悪くないな。ということ。
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衣良さんは、細かな目を沢山持っている人なんだろう。まるでドラマを見ているように細部までカラーで情景が思い浮かぶのは私の目のせいではなく、衣良さんの目を通して見てるから。難しい言葉や表現じゃないのに、伝わる言葉を持っている。
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アラサーの恋愛短編集。
片思い、遠距離、同棲、年の差、腐れ縁。
いろんな形の恋愛が詰まってて、共感ポイントが多々。
ほっこりして、恋がしたくなります。
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劇的なことは起きない恋愛短編10作。起から承、承から転くらいの小さな変化だけど、人の恋愛話をもの凄い臨場感で聞いてるみたいで良かった。短編集は気軽に読めるから職場で昼休みに読むのにも向いてるかなと。
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30代の恋愛がテーマの短編小説10ストーリー
いろんな恋愛模様を覗き見できた気がしておもしろかった。
特に「スターティング・オーバー」の終わり方が素敵でお気に入り。
約15年前の作品ということもあり時代を感じる場面が多々出てくる為その部分も読んでいて楽しかった。
(固定電話、ガラケー、ファックス、パソコンに関するところ等…)
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スローグッバイに続く続編の短編集。30代女性の切ない恋の物語。恋愛モノを描かせても作者はよく捉えられてると思う。ハッピーエンドも割とあったかな?
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石田衣良の短編が読んでみたいと思って、ジャケ買いした一冊。予想を裏切らない、洒落た雰囲気の恋愛短編集だった。そのほとんどが、30代女性の恋のはじまりをほのめかすストーリーで、仕事や趣味と恋愛の間に揺れる女心を描いていたように思う。解説にもあるように「筆のおき方」がこの本全体の空気感を物語っていて、洗練されたなかに人のぬくもりを感じさせる。情景文で終わる小説集としても参考になりそう。
個人的には東京の街や人を思い出す短編集だった。けっこうリアルな描写が多くて、スキマ時間に読むはずが、ついつい一気読みしてしまった。
他にも石田衣良さんの本を読んでみたい。
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石田作品はこれがはじめて。
テレビや新聞でみたことがある作家さんだが、やはり娼年のイメージが強い。
こちらの作品は短編でさくさく読めるが、実にひと作品が濃厚。登場人物の真髄みたいなものを的確にとらえて、ものすごい勢いと場面の切り取り方で伝えてくる。
印象的なのは性の描き方と女性の描き方。男性作家が30代の女性の心情をこんなにも繊細に描けるのかと信じられなかった。一見サバサバしてみえるタイプの女性が多く登場するが、彼女の繊細な心や葛藤を見事に描いている。
こんな男性が世の中にいるのか。。。
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久々の短編小説。数日で読み上げました。
最初は少しずつ味わいながら、後半は新しい物語の登場人物やシチュエーションを頭に描きながらストーリーを読み進めるのが面白くて。一気に読んでしまいました。
テレビドラマが好きで、映像や演技として人間を捉えるのが好きだと思っていたけど、活字から自分の映像を動かしていくのもドキドキする。
そして何より作者の巧みな言語表現に心動かされる瞬間があり、とてつもなく素敵な気持ちになった。
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学生の時にこの本を見つけた時は
短編集にも30代の人達の生活や葛藤にも
全く興味がなかったのに
10年以上経った今、興味を持って
前から知ってたこの本を
買って読む気になって
読んだら
いろいろ考えさせられて
あの時と比べて
自分も何かが変わったのかな、と思った。
石田衣良さんは富裕層の表現がうまいので
自分の生き方と登場人物の生き方を比べて
今までの人生、違うの選択肢を選んだ方が
もっと幸せに生きられたのではないか。
と考えさせられることもあるけど
自分はこんな人生を選んだ
違う人はあんな人生を選んだ
っていうことを
客観的に見れれば
もっと楽に生きられるのかもしれないですね。
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いがみ合ったり、傷つけたり、恋愛のドロリとした感情の描写がない短編集です。
恋愛に疲れている人でも、「そうだ、恋愛ってこんな楽しいこともあるんだったな」と思い出させてくれるような、そんな作品でした。
恋愛に消極的になっている人におすすめしたいです。
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アラサー恋愛短編集。劇的ではない、ほんのりハッピーなお話が多いので爽やかに読めます。寝る前に一編ずつ読むのにも良さそう。
『ふたりの名前』なんにでも所有権を明記する同棲カップルが猫を飼うはなし。
『誰かのウェディング』退屈な結婚式で出逢ったプランナーの恋。
『十一月のつぼみ』花屋で交わされる視線、乾いた日常に潤いを与える存在、捨てることのできない現実の価値。良くも悪くも転びきらない切なさがリアル。
『声を探しに』ポップな印象だけど、琴線に触れる言葉もあった。かわいいカップル。
『昔のボーイフレンド』元サヤに戻る話。
『スローガール』ほんとうの嘘でも、似たのがあったな、文脈を読めない美人のはなし。今回は会話がスローな純真美女とプレイボーイとのハートフルラブ。
『1ポンドの悲しみ』遠恋カップルの一月ぶりの逢瀬。この方の書くセックスはかなり官能的だけど不愉快にならないのは男性目線のエゴや押し付けがましさを見せないからかな。
『デートは本屋で』本好き女子とコピー機営業の初デート
『秋の終わりの二週間』愛情溢れる歳の差カップル。
『スターティング・オーバー』元仕事仲間たち三人が月日を経て成長させた恋愛観を交換する。
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2024.11.12
恋愛の短編集。
さくさく読めてちょうど良かった。
この前ドラマで、友情は関係に終わりがないけど、恋愛は事あるごとに関係性が変わって終わりもあると言っていた。確かにな。
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少し前に読んだ『愛がいない部屋』がとても良かったので同じような短編集を選択。
それよりかは心に響くものは無かった。
慣れかマンネリか。
でも読み易いのは相変わらずなので、隙間時間に読むにはもってこいの作品。
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『スローグッドバイ』に続く恋愛短編集。30代の恋愛がテーマというだけあって、落ち着いた感じで、藤田香織さんが解説で書かれているように、三十代の恋は、「あなただけ」しか見えなかったころとは異なり、「あなたとわたし」が見えている恋なんですね。毎日の生活に少し〝うるおい″を分けていただきました。
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30代前半の恋愛がテーマとなっている10の短編。タイトルになっている『1ポンドの悲しみ』は自分的には好みではなかった。『11月のつぼみ』『声を探しに』がよかった。10も短編があるから感想は色々だろうけどなんとなく著者の作風がわかった気がする。もう少し上の年代がテーマになっている作品もあるようだから機会があったら読んでみようかな。
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『スローグッドバイ』(集英社文庫)につづく、恋愛短編集第ニ弾。前作は20代の男女の淡い愛のかたちがえがかれていましたが、今回は30代前半の男女の恋がテーマになっています。前作のような甘くてさっと溶けてしまう綿菓子のようなストーリーだけでなく、クセ球もまじえているように感じます。
表題作の「1ポンドの悲しみ」は、遠距離恋愛で1か月ぶりにホテルで一夜を過ごす男女の物語。けっこうエロい描写があります。
「ふたりの名前」は、合理主義的な同棲生活を始めた男女が、飼い猫の病気がきっかけでお互いの気持ちを一つにすることの大切さに気づく話。「誰かのウエディング」は、同僚の結婚式に出席した男が、ウェディング・プランナーの女性と出会う話。
「十一月のつぼみ」は、仕事しか頭にない夫と長男の世話に少しくたびれた、花屋で働く女性が、毎週店を訪れる男性に心をときめかせます。後口がとてもきれいなストーリー。「声を探しに」は、ストレスで声が出なくなった女性の話。こちらはユーモラスな雰囲気に仕上がっている。個人的には、この2編がとくに気に入っています。
「昔のボーイフレンド」は、タイトルのままのストーリー。気取らない恋の始まりを描きます。最終章の「スターティング・オーバー」も同じような雰囲気の話。こちらは、テレビ番組を制作する仕事をしている男一人と女ニ人が飲みに出かけたときの話。
「スローガール」は、遊び人の男がバーで白痴の女性と出会う話。古典的なテーマですが、後味が悪くて個人的にはあまり好きになれませんでした。
「デートは本屋で」は、本と本好きの男性が好きな一人の女性の話。「秋の終わりの二週間」は、16歳年上の夫と誕生日を過ごす話。この夫は年相応にオヤジっぽいところもあるのに、作品全体の雰囲気は上品な仕上がりになっているのはさすがだと感じました。
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スーパー内の書店の平台に「短編工場」という文庫本があった。その中に、この短編の「ふたりの名前」が収められていて思い出した。
同棲して一年弱の朝世と俊樹。二人は全てのことにおいて、所有権をはっきりさせたいと、家の中にある「物」にイニシャルのAとTを書き記していた。あるとき、ひょんなことから子猫を飼う運びとなる。子猫と楽しい時間を過ごしたひと時だったが、子猫が突然・・。
この出来事をきっかけに二人は、理屈ではなく目に見えない大切なものに気づく。
私的に・・夫婦間で名前を書くって、ありえないけど。
命の重さが二人を救った。
子猫の名前がまだ付いていなかった。二人は最高の名前を付けた。
名前は誰かの所有物を表すものだけでなく、
「好きな人の名前って、それだけで幸せの呪文」
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少し大人の恋愛小説。
年齢を重ねた人たちの
大人にしか出来ない恋愛の数々。
大人だからうまくいかないこと。
そういう1つ1つの物語の雰囲気が
良かったな。
若いころ憧れた恋愛、みたいな。笑
私は、
・誰かのウエディング
・11月のつぼみ
・デートは本屋で。
オススメです。
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悲恋の話がなくてよかったです。「スローグッドバイ」よりもこちらのほうが好きです。あらすじを読んだ時にドキドキしていたけれど、想像していたものと違ってよかったです。
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読まず嫌いの石田衣良さん。これは恋愛短編集で、普通に読み易い。悪くはないと思うけど、どの話もこれといったオチがないから、正直途中で退屈してきた...。あえてお気に入りを挙げるなら、猫をめぐる同棲カップルの『ふたりの名前』と、主婦に恋の予感!?の『11月のつぼみ』は結構好き。
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表皮が「大阪のあの場所!」と思い読みました。
タイトルから、
悲しいストーリーばかりで泣き続けるのかしらと心配していましたが、まったく。
ハッピーエンドというか
みんな頑張ってる。
嫌な気持ちになる話はまったくなく。
アラサー女子、独身にオススメ。
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どの作品もキレイにまとまっている。
穏やかなハッピーエンド。
私自身もアラサーであり、憧れとして読むにはあまりにも近い。
自分が落ち着いてからでないと、うまく感情移入が出来ないな、と感じた。
私なりのハッピーエンドを迎えたら、また読み返したい物語。
Posted by ブクログ
30代の女性の恋愛短編集。
日常の中に潜んでいる恋愛のきっかけ。
情動が動く時の描写が、男性筆者と思えないほど繊細。
映画のようなワンシーンは日常に潜んでるんだと思える作品。
Posted by ブクログ
10話からなる恋愛短編集。
30代の恋愛を描いていて、いろんなタイプの女性が登場するものの、なんだかリアルさにちょっとだけ欠ける気もした。
10話な中では、「11月のつぼみ」が個人的には好き。その気持ち分かりますよ。
でもね、素敵すぎてこんなエピソード、現実には起こらないよ、きっと。もっと人間ってドロドロした生き物だから。