石田衣良のレビュー一覧
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朗らかな物語は、いいものである。
行き当たりばったりで生きているということは、そのときその場を精いっぱい「生ききっている」ということにつながるのかも知れない。あたふたしながらも自分を飾らず、自分に正直な言動をすることが、結果的には人々の心を動かしていく。
先生とか医者とか専門的な職業を扱った作品は、本当にその職業の人が読むと、リアリティに乏しすぎて鑑賞に堪えないことがあるのではないかとよく思う。この小説がどうなのかは、私は教師をやったことがないのでよくわからないけれども、爽やかな読後感はとても気に入った。
いけすかないヤツかなと思っていた人物が意外といい人間でしかも苦労人だったり、新しいタ -
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これぞ究極の愛…かな?
リョウの友人、メグミによってクラブ・パッションは摘発されオーナーの御堂静香は拘留される。
御堂静香の娘、咲良とリョウとアズマの3人でクラブ・パッションを再開させ追加でホストを1名、それとクラブ・パッションを追い込んだ原因のメグミが加わりだんだんと軌道に乗せていく。
やがて御堂静香は出所するがエイズを発症し余命幾許の状態に、最後の最後にリョウと御堂静香は結ばれる。
エイズを発症している相手とのセックス
かなり危険な行為だけどそれを超越した2人の愛がこの本のメインの話になります。
たしか続編があったように思うので読んでみよう。 -
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2020.02.24
〔北口スモークタワー〕
脱法ハーブ、危険ドラッグの話。
関係なさそうな場所での被害、ギャンブルのような快楽に溺れる若者
結末は案外シンプル
〔ギャンブラーズ ゴールド〕
ギャンブル依存の父親の救済の物語
日常の崩壊の種は、そこかしこに転がっている
〔西池袋ノマドトラップ〕
新しい働き方、その裏にも暗いビジネスがある
…が、この話はGボーイズ
とりわけキングの真骨頂が光る
〔憎悪のパレード〕
正直マコトがする仕事か?とは思う
現代社会にかなり突っ込んだ現在進行形のトラブルだ
パレードは止まらないだろう
正義は炎となりあらゆるものを焼き尽くすだろう
されどその裏の怪 -
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この本読んで、浜崎あゆみの本が気持ち悪かった理由わかった。
石田衣良の実際にあったことをフィクションにしてショートにまとめて書いてある本なんだけど、その中に失恋話もあり、たった3ページのこの石田衣良の話のなんと面白いことかと。
そうか、ここが違うんだ。
20年前の恋心って20年経つうちに発酵して、カビて、それでも輝いてるのかもしれないけど、本人自体も20年経ってしまっている今の状態で振り返る大恋愛って、やっぱり視点が今なんだけど、浜崎あゆみのあの本、視点が17歳のままで、書いてるのが40すぎのおばんなんだ。そのなんとも言えない気味悪さは、
20年前に作ったケーキを、おいしいんだよーどー -
購入済み
官能小説か、純愛小説か?
こんな壊れた女性は実際いないよなぁと思いつつ、いたらいたで主人公のようにはまっていきそうな気もする。確かに刺激の少ない日常の繰り返しの中で、ナギのような女性が突如現れたら理性も羞恥心も捨てて男も壊れてしまうかもしれない。こういうぶっ飛んだ女性も個人的に嫌いではない。中盤からはストーカーの正体やナギの秘密、主人公の仕事の成否など気になって気になって読むスピードが加速する。
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IWGPの12作目
今回のテーマは現代アート、Youtuber、美容整形、ブラック企業の4本
Youtuberってそんなに新しい話題だったか?
この小説の発表当時は2015年
もっと前からいたような気がするんだけど、タカシが詳しく認識してなかったあたり、情報のアンテナは大丈夫かね?
ま、キングは俗世間の事は知らなくてもいいってことか?
PVを稼ぐためにどんどん過激な方向にいく理屈はわかってはいるけど、なんとかならないものかね?と思う
その昔、テキストサイト全盛期でも同じような事があったよなぁ
別にお金が発生するわけではないけど、自分のWEBページのアクセス数を増やすために大手に喧嘩売ったり -
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夫の友人からお借りしました。
ラノベぽいけど、それを受け入れて読めば、荒唐無稽な展開も雑な設定も許せ、青春&エンタメ小説としてとても面白かったです。
前半はオタクたちが特技を生かしてベンチャー企業を立ち上げ、AI搭載のサーチエンジンを作り上げていくお話です。
メンバーが少しづつ増えていく様は定番の桃太郎構成ですが、自分たちの弱点を補いながら支えあい信頼しあって成功してゆく姿は青春小説の王道。
最後まで仲間割れ等がなかったところがよかったです。。
そして後半は、彼らが作ったサーチエンジンを大企業に奪われ、それを取り返すという展開。
悪者に立ち向かう弱者、という構図が分かりやすく -
ネタバレ 購入済み
水のなかの目は特に読む価値有り
全4話 収録されており、どれもテンポが良く
心情風景や情景が浮かびやすくて一気に読んでしまう。
特に『水のなかの目』は10年以上前に読んだ時とはかなり印象が変わって面白かった。
(初見の時はかなりショッキングな内容だと感じた)
ミナガワという用心棒が出てくるが、良いキャラをしていたので1回きりの登場は勿体なく感じた。だからこそ光るモノを見せてくれたのだが……
また、この話の核となるアツシというキャラの空虚さが妙にリアル。
こういう気持ち悪さを持ったヤツは何らかのトラウマを抱えているのが普通だと思うが、アツシそうでもない。
それ故に歪な存在感が増したが、最後は後味の悪さを残しつつも -
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石田衣良氏が語る東京大空襲。
1945年3月の東京。主人公のタケシは日本人の母とアメリカ人の父をもつハーフの少年(中学生)。アメリカでの日本人排斥の動きを避けて、父と別れ、母と二人日本に戻り、帝都東京の下町の親戚の家に厄介になっている。タケシは子どもの頃、遊んでいて溺れたものの、タケシだけが助かったので アンダイング・タケシ → アンディ・タケシと呼ばれた強運の持ち主だ。
東京大空襲は3月9日の夜から10日未明にかけて、アメリカが行った無差別爆撃。東京が一晩で一面の焼け野原となった。この作品は3月7日の朝から始めて、タケシを中心として当時の東京下町の暮らし様子、少年たちの日常生活として、極限 -
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人生を追い詰められた人々の様々なLASTが描かれてある
大抵は借金をした人
雰囲気的にはIWGPっぽいんだけど、マコトみたいに解決してくれる人はいない
前に読んだときには、真っ当に生きてる人には関わりのない話だなぁと思ったものだけど
今や住宅ローンとは言え高額な借金をして月々の返済をしてる立場としてはちょっと身につまされる思いも少々
やはり僕としては借金のために家族は売れないなぁ
それをするぐらいなら死ぬとは思うけど、実際にそんな状況になったら揺らぐのだろうか?
まぁ、流されて危ない橋を渡る事はあるかもしれないけど
借金を返しても結局は悪い人たちからつけこまれる未来が見える
とまぁ暗 -
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解説を読んで、シリーズにマンネリを感じてるのはみんないっしょなんだと知り何だかホッとした( ´ ▽ ` )ノ
前巻のレビューで「水戸黄門」になぞらえてみたけど、解説氏もまったくおんなじこと書いてた( ´ ▽ ` )ノ
まあ、改めて考えてみると、毎回向こうからトラブルが持ち込まれるというパターンだから「天才バカボン」(バカ田大学の後輩が相談事をしにパパを訪ねてくるってのがお約束)スタイルといったほうが近いかも( ´ ▽ ` )ノ
主人公はじめレギュラー陣が固定、まったく成長も変化もしないところもバカボンといっしょだ( ´ ▽ ` )ノ
一巻ごとに一年が経過してるってのは、今回始めて知 -
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例によって例のごとく、主人公がOP過ぎるほどOP(チーマー、ヤクザ、かてて加えて警察までがバックについてる)なところが(致命的に)玉に瑕ながら、なんだかもう、どうでも良くなってきた( ´ ▽ ` )ノ
趣向としてはマーロウやヴィク的正統派ハードボイルドの日本版なんだけど、孤独のコの字も虚無のキの字もなく、むしろ「水戸黄門」みたいな義理と人情、忠義と礼節、有無を言わせぬ勧善懲悪ドラマと割り切って読んだほうがいいのかもしれない、このシリーズ( ´ ▽ ` )ノ
お話としては、ごくありきたりな第一話と第二話はともかく、社会の闇=移民問題に踏み込んだ第三話、心の闇=変態問題に切り込んだ第四話が