石田衣良のレビュー一覧
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簡潔で淡麗な表題に、きれいな写真。ぜひ手元で飾っておきたい一冊。
昔見た恋愛ドラマのような展開だったけど、心情が文字で丁寧に表現されているので、そのドラマよりも登場人物の感情にのめり込めた。
日菜子の考え方にも賢志の考え方にも、共感できるところが多かった。でもコロナ禍やら物価高騰やら言われている現代で、二人のような人生の選択の仕方で生きていけるかなとも思ってしまった。(私のこの本への理解の浅さもあるかと思います、愚かな一読者の感想としてご了承ください…)
いやそういう世の中だからこそ、生活がつらかろうと、自分の意思に沿った行動をしている方がよいのかな。
石田衣良さんの本はひさしぶりでしたが -
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ネタバレどの作品もラストは続きが気になる終わり方。「この後の主人公の行動や人生はどうなるんだ!?」と想像を掻き立てられた。
主人公たちに共通してるのは、多額の借金を抱えていること。人間どん底まで追い込まれたら、なんでも出来るのだと勇気を与えてくれる。
売春、テレクラ、障害者の性、ホームレスなど、ふつうに生活してたらなかなか接触することのない人間の生活を見れたのも新鮮だった。
印象に残った作品は、『ラストジョブ』『ラストシュート』『ラストバトル』の3つだ。
【ラストジョブ】
官能小説みたいでドキドキした。歳上女性好きの私からしたらたまりませんなぁ。歳下男歳上女性の人妻ってシチュエーションだけ -
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主人公のぼくは大学2年生の橋本太一、ある日峰岸美丘という自由奔放な女性に出逢う。太一は麻理という誰が見ても素敵だと思うであろう女性とつきあってみて、はじめて美丘へ抱く恋心に気づく…。太一は麻理に別れを告げ美丘と結ばれるが、子供のころ交通事故で移植手術を受けたことにより、クロイツフェルト・ヤコブ病を発症する可能性がある…もし発症した場合は脳がスポンジのようになり歩行障害からはじまり記憶障害、日常生活が送れなくなり、最期には食事もとれず息もすることもできなくなるという…。どうあろうとも2人でこれからも過ごしていこうと決意したが、不幸にも美丘が発症してしまう…。
「…生きていることは奇跡で永遠に続 -
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ネタバレ目次
・目白キャットキラー
・西池袋ドリンクドライバー
・要町ホームベース
・絶望スクール
池袋の町は変わっても、マコトたちは変わらないのかと思った。
そうしたらGボーイズも年をとり家庭を持つものも出てきて、逆に少子化の成果若者は入ってこないので高齢化が進んでいるらしい。
なんか少し安心した。
一緒に同じ時代を生きているのね。
動物を虐待してその姿をSNSに上げて喜ぶ「キャットキラー」を懲らしめる『目白キャットキラー』
住宅街の細い道を傍若無人に猛スピードで走り抜ける車のドライバーを探す『西池袋ドリンクドライバー』
引きこもり問題を解決すると言って家庭に入り込み、巨額の料金支払いを強要する -
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ネタバレ目次
・泥だらけの星
・鏡のむこうのストラングラー
・幽霊ペントハウス
・七つの試練
似顔絵かきのシュンとか、天才ハッカーのゼロワンとか、懐かしいメンバーも出てきてちょっと嬉しい巻。
未成年との飲酒&淫行問題で俳優活動を脅かされているイッキを救う(泥だらけの星)
出会いカフェを利用した連続首絞め犯を探す(鏡の向こうのストラングラー)
高級億ションの最上階の天井裏からの異音の謎を解く(幽霊ペントハウス)
SNS上の「いいね」をエサに危険行為に若者を誘導する(七つの試練)
この中で時代性が一番強く出ているのが表題作。
「もっと」「もっと」と親から尻を叩かれ、敷かれたレースのうえを走らされる子 -
購入済み
あきらめからの再生
あきらめからの再生というような基調を持つ12編の短編集。
やや重苦しいテーマを扱っているが、やや明るさの見える終わり方をしている作品が多いので読後感は悪くない。
中でもタクシー運転手の話が気に入った。 -
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すべての親は、ただの普通の人間に過ぎない。
女性としての一番美しい時期をすべて母は父に捧げたのだ。だとしたらそのあとの盛りを越した長い人生だって、責任を取るべきだ。
アラサーのリアルな雰囲気が感じられて面白かった。
ロマンスと経済的安定。みんなこの二者択一に悩んでいる。
ともかが最終的にけんととくっつくのが面白い。現実でも第一印象でシャッターを閉めずに付き合い続けたら案外良かったなんてことは多いだろう。
個人的にはともかの高飛車な一面があまり好きではないかな。こういう人っているよなぁ。高い自己評価と同じぐらい他人が須く自分を評価してると思い込み、上から目線をかましてくるやつ。
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この物語をただのビッチな女と風変わりな男の物語と表すのには勿体ない。
世間から理解されない関係に憧れを抱いている自分は可笑しいのだろうか。
本当に好きな人ほど結婚をしてはいけない、なぜならばそれはきっといつか壊れてしまうから。
幼ながらもこの結論にたどり着いた2人は何を見て、何を感じていたのだろうか、そのような事を考えてしまう。
結婚もしなければ体の関係も持たない、
それであって心の奥深くで2人は強い絆で繋がっているのである。果たしてこれは友情なのだろうか。
それとも言葉では表す事の出来ない何かなのだろうか。
この不思議な関係に名前が付かなくともミノリとカイの2人にとってはどうだっていい