石田衣良のレビュー一覧

  • 1ポンドの悲しみ

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    劇的なことは起きない恋愛短編10作。起から承、承から転くらいの小さな変化だけど、人の恋愛話をもの凄い臨場感で聞いてるみたいで良かった。短編集は気軽に読めるから職場で昼休みに読むのにも向いてるかなと。

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    2023年04月08日
  • 清く貧しく美しく(新潮文庫)

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    ネタバレ

    貧しくも心は豊かである2人の生活が微笑ましい。
    少しずつ歪みが生まれてくるが、結局堅志の決断は正しかったのかどうか、私には分からない。
    ただ、勿体無いなぁと思ってしまったのが正直な感想。

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    2023年04月01日
  • 傷つきやすくなった世界で

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    石田衣良さんの日々のエッセイ。ほんとうにここ数年で格差社会とか、分断するような言葉がいつの間にか出て来て。誰が決めたんだろう。息苦しくなるような表現に心が溺れないようしなやかに過ごしていきたいなと改めて思い出させてくれたエッセイです。疲れた時に読み返したい1冊です。

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    2023年03月29日
  • シューカツ!

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     自分の就活の頃とほぼ近い時期に書かれているので、とてもリアルに感じられ当時の苦しみや焦りが蘇った。マスコミ就職を目指す同じ大学の男女7人が就活プロジェクトチームを立ち上げ奮闘する物語。主人公の千晴が普通かつ笑顔が取り柄というだけでぐんぐん面接を勝ち進んでいくが、人間性が光る描写があれば納得できたかな。面接官との相性や運というのもわかるが、最難関という割に順調過ぎるのが腑に落ちない。そしてもう少し他のメンバーにもスポットが当たると良かった。自分を飾らずにありのままで、と言うけれど、難しいよな。

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    2023年03月28日
  • 骨音 池袋ウエストゲートパークIII

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    本シリーズ積読3冊目。

    骨音はドラマスペシャルの原作をシンプルにした感じでしょうか。

    4話目は友人のエディを救えなかったマコトが、自身への無念に駆られている様子もありますが、どこかその無念がエディへの憐れみにシフトしていった感じがあり、少しばかりマコトが切り替えの速い大人になったようにも感じました。

    成長を一端を見せられた気がします。

    個人的には2話目でマコトの母親がついにセリフ付きで活躍する話が印象的でした。

    ドラマでもアニメでも、強い女性でしたが、原作もそのまま。

    子どもを救うため、ヤクザだろうがたじろぐことなく面と向かう姿勢。マコトの母親って感じが言葉でも態度でも示されていま

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    2023年03月25日
  • 約束

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     苦しみから立ち直り再び前を向いて歩き出そうとする人々を描いた短編集。左足を事故で失った息子がダイビングを始める『青いエグジット』、不登校の中学生と廃品回収のおじいさんとの友情描く『夕日へ続く道』に心を揺さぶられた。『天国のベル』も良かった。いかにもフィクションな展開だが、遺された家族が幸せに暮らせるのならこんな奇跡が起きても良いと思う。傷ついたり心が疲れている時に読むのがオススメ。

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    2023年03月25日
  • 少年計数機 池袋ウエストゲートパークII

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    ネタバレ

    振り返り読みです。

    改めて読み返すとこの頃の本シリーズはかなり刺激的な内容だったと思い返されました。

    1,2話はドラマの内容(登場人物に違いはあれど)とニアリーイコールです。
    3話目の銀十字は最近のストーリーに近い疾走感のある内容であっという間に読めました。

    そして締めの4話目。
    昨今ではあまりない、マコトの身近な人の命が失われるセンシティブな内容でした。

    登場人物それぞれに闇があるのもI.W.G.Pの特徴。

    それが色濃く表現されたストーリーに感じました。

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    2023年03月21日
  • 波のうえの魔術師

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    自分が若かった頃読んだ本の再読ブームが来ている。
    当然ながら昔と受ける印象はかなり違うと感じた。

    最初に読んだときはくすぶっている若者の成長譚、あるいは悪事を働いた巨大な銀行を知恵とスキルで手玉にとるクライムサスペンスとして楽しんだものだった。

    同じ小説でも時を経て読んでみると依然面白いのだが、なんともやりきれない感じが残った。
    「罪と罰の非対称性」とでも云うべきか。

    確かこの小説が原作のドラマ「ビッグマネー」では融資つき変額保険を作った張本人(確か原田泰造さんが演じてた気がする)が罰を受けた記憶がある。それがテレビの大衆性ってことなんだろうが、現実はそうは行かない。

    大体罪を犯す者と

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    2023年03月19日
  • 4TEEN

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    思った以上に14歳の少年達の周りには深刻な出来事が多いストーリーだったが、軽快に書かれていることでそこまで暗い気持ちにならずに読めた。

    年相応にピュアでシャイだが仲間思いの彼らの日常が微笑ましかった。

    ★印象的なフレーズ
    誰かが真剣になると、こんなふうに「マジすぎるのはカッコ悪い」回路が働いて話の調子はいつものバランスをとりもどすのだった。

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    2023年03月14日
  • 池袋ウエストゲートパーク

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    文体が新鮮で、ストーリーに合っている。
    ハードボイルドな作品は馴染みがなかったため、最後まで読めるか不安だったが、4つの短編に分かれていたためか、一気に読み通せた。1編目を読んだら、先が気になって、途中からは止まらなくなった。

    自分とは縁遠い世界だけに、知りたいと思わされた。そこが私にとってのこの作品の最大の魅力的なとこ。
    語り手で、リーダーの真島誠。19歳。仲間のために動く姿がかっこいい。こんな人がパートナーだったらどんな人生なんだろう。きっと毎日がヒヤヒヤだろうな。

    自分の性格から考えて、やっぱりこの作品世界の観客で良かったと、読み終わった後しみじみ思った。

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    2023年03月11日
  • 4TEEN

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    14歳の男子4人組の連作小説。各話のテーマは病気や死、DVなど重い内容。にも関わらず、少年達の友情や優しさのおかげで、爽やかな読後感です。
    月島を舞台にしたスタンド バイ ミー
    ですね。
    14歳の想いやセリフを軽いタッチで描ける作者に感服です。
    続編、いつか書いて欲しいですね!

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    2023年02月26日
  • 初めて彼を買った日

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    “性の理想と現実と+α”

    「セックス」。この言葉に、あなたはどんなイメージがあるでしょう。快感、恐怖、理想、羨望、見栄、羞恥、、、。世の中には童貞の男がいて、忘れられない相手を持つ人がいて、特殊な癖を持った人がいて、欲望を満たしたことがない人がいて、、、。そんな人たちを集めた短編集。セックスにまつわる八つの物語。


    ここだから綴れるけど、
    共感することがいっぱいあった。

    セックスに対する恐怖感に近い気持ち。
    経験が少ない人が思うこと。
    逆に経験が豊富でもさらに高みがあること。

    私は、俊介の恐怖心に共感し、
    和也のシチュエーションに憧れ、
    瑞穂の行為をゴールにして進みたいと思った。

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    2023年02月23日
  • 電子の星 池袋ウエストゲートパークIV

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    ラーメンの話から始まって人体損壊の話で終わる本ってなかなか無い。
    扱っている話題は暗くて粘性のあるものばかりだけど、それでもコミック感覚で読めるのがこのシリーズのいい所。とはいえ、最後の電子の星の重さはそれでは片付けられない程度だった。まだ負けてもいない奴は負け犬以下だっていうの、とても良い。

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    2023年02月22日
  • 美丘

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     人物描写がとても魅力的な本だった。美丘以外は主人公も含め凡庸で、特に直美なんて空気レベルで数合わせのようで可哀想だが、美丘は確かにいきいきとしており頁を進めるごとに彼女に惹かれていく太一に共感できる。
     あらすじは、美丘に太一が惹かれていき交際を始めるも、彼女は不治の病に侵されているというありきたりなもの。しかし、ありきたりな設定でこそ著者の力量が試されるもの。結末は予想できても涙が溢れた。戸田恵梨香が出てた若年性アルツハイマーのドラマを観ていた時も感じたが、どんどん自分が自分でなくなっていく恐怖は計り知れない。ちゃんと約束を果たした太一の深い愛情に胸を打たれた。

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    2023年02月17日
  • 池袋ウエストゲートパーク

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    ネタバレ

    題材
    池袋西公園

    テーマ
    社会問題の解決

    最も伝えたかったこと
    池袋のイマ(当時の)

    何が新しいのか
    都心に住む若者の生態

    キャッチコピーは何か
    『今夜、池袋を生きのびろ』

    その他(心に残ったことなど)
    ・軽快な文体と細かく分けられた文章によるリズム感の良さ
    ・短編が進むにつれ、登場人物の輪郭がはっきりとしていった

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    2023年02月13日
  • 6TEEN

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     大人にとってはたったの2年間で大きな変化が起こることは滅多にないが、子どもにとっての2年は大きい。ダイが並の大人でもできない立派な生活を送っているが、父親の死を背負い前向きに生きている様子がとても眩しくかっこいい。テツローは自分では普通と言っているが、ジュンが4人の中では1番普通っぽいと思う。ホームレスのトクさんの話が1番好きだった。人との距離の取り方は死ぬまで一生模索し続けながら生きていくんだろうな。大人になった4人も見てみたいけれど、きっと勝手に幻滅してしまいそうなのでここで我慢しておかなければ。

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    2023年02月11日
  • 清く貧しく美しく(新潮文庫)

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    一気に読みました。心情がとても丁寧に描写されており、登場人物の行動、考え方がよく見て取れました。
    ただ、個人的にはメインの登場人物の生き方にあまり共感できず、、、でした

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    2023年02月07日
  • 池袋ウエストゲートパーク

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    初めは主人公が一人で事件の解決に挑んでいたけど、途中から仲間が増えてチームで互いに協力して事件に潜り込んでいく過程が好きでした。シリーズものらしいのでこれから、その主人公の仲間との共闘が見られるかなと楽しみに次巻も読んでみようと思います。

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    2023年02月04日
  • 逝年

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    ネタバレ

    コールボーイ2作目。
    新しいクラブの発足とオーナーの他界。
    この仕事の深さ、意味合い、生きることをの意義を肌のふれあいの中から感じる作品。素晴らしい。

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    2023年02月02日
  • 清く貧しく美しく(新潮文庫)

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    アラサーのカップルの日常生活を描いた話。世の中に劣等感を2人とも感じており、お互い貶さず褒め合おうとルールを決めていた。僕も年代が近く引け目を感じながら生活しているので、とても勇気づけられた本だった。経済力や年収で人を判断するのではなく、その人自身の正確や人柄を見るべきだと感じた小説であった。

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    2023年01月30日