石田衣良のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
IWGP最新作(注:文庫。2019年11月時点)。
気軽に楽しむエンタテイメント。
愛すべきワンパターン♪
【滝野川炎上ドライバー】
虐待された子供は、長じてから我が子を虐待…。
こんなシチュエーションを読んでも
「またこのパターンかよ」
とありふれたおハナシとしか感じられなくなってしまう現実社会が、やるせない。
【上池袋ドラッグマザー】
池袋の氷の王 の温度が下がる瞬間を読むのは、いつだって心地よい。母子家庭の悲劇に立ち上がるだなんて…王も人の子だってことね。
【東池袋スピリチュアル】
ゼロワンがこんなにも深く話に関わるのは、初めてだね。
嫌がらせ行為は部の先走りだったらしいけれど -
Posted by ブクログ
IWGPシリーズはすべて既読で他にも石田衣良さんの本は何冊か(4・5冊?)読んでる。
今回コンプリートガイドが出たということで、熱が再燃して購入。
結論からいうと面白かった!ファンなら買って損はない。十数年前に活字倶楽部のインタビューでも読んだのだが、石田衣良の執筆スタイルや着想、IWGPの裏話が聞けて興味深い。「小説を書くなら30代半ばはちょうどいい」の言葉に励まされる物書き志望も多いのでは?
石田衣良は私の中で東野圭吾と同じジャンルに入る。言ってみればスカしたおじさん枠なのだが、フラットな姿勢が楽ちん。
辻村深月との対談も楽しく読んだ。彼女の本は3・4冊程度しか読んでないが、ミーハー全開で -
Posted by ブクログ
池袋ウエストゲートパーク外伝。キングとなる前、高校時代の誠とタカシの冒険の話。
IWGPの読者にはクールでなにがあっても動じないキングの印象が強いが、まだ可愛い頃のタカシのギャップにびっくり。誠とじゃれあって冗談を言うところなんて普通のバカっぽい(失礼)高校生で微笑ましい。
高校時代の誠は現在とほぼギャップがないが、この頃から国語の成績はよくコラムニストの片鱗を覗かせている。懐かしのドーベルマン山井もちょこっと友情出演していて嬉しい。
しかし矛盾点もある。タカシには伝説的な兄がいたという設定だが、Gボーイズの先代って無認可ガーデンをやってるシンジさんじゃなかったの?とか、そんな凄い兄がいたの -
Posted by ブクログ
バーン・ダウン・ザ・ハウス
自宅を放火した少年の話。少年が釈放されてから、池袋で連続放火事件が起こる。その自宅を放火した少年との出会い。その家族との関わり。土地のヤクザとGボーイズタカシとの関わり。少年を犯罪者ではなく、ひとりの人間として扱うマコト。そして、いつも通り事件を解決するマコト。最後に少年が「マコトさんのような大人になりたい」。泣かせるセリフだ。
要町テレフォンマン
あまり思い入れはないが、セコイ犯人と騙された人達の話。振り込め詐欺の一団と足抜けしたいヤツ。そいつがマコトに足抜けの手助けを求めてくる。そこにタカシ、サルと言ったお馴染みのメンバーが絡み事件を解決する話。
詐欺師のヴィー -
Posted by ブクログ
2019/07/01
カイとミノリは互いに結婚もしないし恋愛もしないけど
唯一無二の存在として共に生きてきた。
幼い頃から特別で、すべてを隠さず、やがては性生活すら教え合い、二人だけの関係は誰も侵せない強固なものとなる。
信頼 正直 オネスティはこの作品ではカイとミノリの二人だけのための言葉だ。
結婚でしばられてなれあってダメになるなら一緒にならない。
けど特別でいようという二人は、伴侶を別に連れても変わらず
ここはきっと女性には描けないと思った。
誠実な裏切りだから。
カイとミノリはいつか交わるだろうと思ったが、とうとう最後まで、そしてこれからも決して体を重ねることはないだろう。
た -
Posted by ブクログ
ネタバレ目次
・西池第二スクールギャラリー
・ユーチューバー@芸術劇場
・立教通り整形シンジゲート
・西一番街ブラックバイト
ユーチューバーや整形依存症など、相変わらず現代の闇を切りとるのが上手い。
しかしそれはもう、池袋だけの問題ではなくなっている。
日本全体が閉塞感に押しつぶされそうになりながらあがいていて、弱者にそのツケを払わせようとしているかのよう。
今の子どもたちが憧れる職業、ユーチューバー。
撮影しているか、編集しているか、企画を練っている。
一日の自分の時間のほぼすべてをそれに捧げて、ようやくユーチューバーとして食べていけるようになったころ、運営から報酬額を一方的に切り下げられる。