石田衣良のレビュー一覧
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ネタバレ『東口ラーメンライン』Gボーイズを引退したツインタワー兄弟が経営するラーメン屋・七生を妨害する悪意。バイトの小動物少女あずみの秘密。比較的凡庸平和。
『ワルツ・フォー・ベビー』5年前の池袋で死んだ中野のギャング長を悼む父。元嫁と幼い息子、なぞの妊婦。中野ギャングが口を閉ざす、彼の死をめぐる本当のわけ。
『黒いフードの夜』十五歳で売春するサワーのしがらみ。マコトの下した精神的罰に、暴力よりも過酷であると評したキングの言葉は意味深。
『電子の星』SMクラブの解体ビデオに出演した友人の弔い戦で負け犬に昇格する田舎少年。あいかわらずGボーイズの手口があざやか。 -
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ネタバレ『スカウトマン・ブルース』スカウトのプロ・タイチに焦がれて風俗スカウトの罠にはまるしのぶ。本部長代行のサル、偉い人だったんだ。。吉岡刑事との信頼関係もますますあったかい。キングとボーイズたちは相変わらずスマートに暴力的ですてき。結構えぐい裏社会の事件だけど、春先の景色とマコトの友情が印象的。軽めで結構すき。
『伝説の星』過去のスター歌手・タカを不動産詐欺の罪から救ったつもりがちゃっかりだまされていたはなし。数十年後の自分に思いを馳せてタカの新曲に心動かされるマコト、ちょっとセンチメンタルである。いろんな人種が入れ替り立ち替り事件を持ち込むこのシリーズだけど、破天荒の先輩、という立ち位置は初めて -
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33歳独身男3人組が彼女に振られ、大学の先輩がエステのモテ男養成コース特待生として講義するお話し
文章と展開は安心の石田衣良クオリティ
その分、他の小説同様に偏った描写や意見もあり
セクシャリティに関しては特にそう
独身男性で女心がわからんという人には、確かに参考になるお話しかもね
独身・既婚かかわらず、異性に対して好印象を与えるのは自分にとってプラスになるし
その方法が特別な事ではなく、当たり前ののことを再認識して実行するだけなところもよい
小説だからフィクションだと侮らない気持ちが肝要
自分のサイズに合ったオーソドックスな服、ちょっと背伸びした教養、相手の話を聞く姿勢、途切れない会話
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未成年者による殺人事件が題材。
主人公は犯人の兄。
犯罪を犯してしまった者の家族の感情を取り上げているのが僕には新鮮でした。
ただ途中から、
かなり物語チック(完全なフィクション、エンターテイメントと言い換えれる)になるのでリアリティは薄れます。
僕にはそっちの方が良かったので、
読み易かったし単純にミステリーとして楽しめました。
心に残った台詞は
『愛とは相手を支配することだから』
言葉だけ見ると有り得ないし気持ちが悪いけど、
でも実際、僕から見るとそんな関係のカップルや夫婦、
親子がたくさん居るから引っかかったんだと思う。
(本人達がどう思ってるかは別の話。)
とにかく、なかなか読 -
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人生で追い込まれた人達が撃つ、最後の反撃を描いた物語。
『反撃』と言ってもそれが必ずしも正義では無いし、
現状をひっくり返すものばかりじゃない。
例えるなら『線香花火』。
火玉がポトリと落ちる寸前に一度だけバチッと爆ぜる事がある。
それは。とても美しかったり力強かったりする。
しかし、ポトリと落ちる事は避けれない。
この作品はそんな最後のバチッを描いている物語の短編集です。
よく知らないですが、
こういう小説もフィクションと言えどリアリティを持たすために取材をして、
事実を参考に書いてる事が多々あると思います。
そう考えると世の中には僕の知らない世界がまだまだあるンだと知らされました。
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ネタバレ装丁がとても綺麗ですよね。
そこにまず惹かれました。
現代版『人間失格』と解説にありましたが……
そうでもないかな??というのが率直な感想です。
魅力的な3人の女性の間をフラフラする成功者の男の物語。
女性陣はとっても魅力的に描かれているのですが
肝心の中心となる主人公の男の魅力がイマイチ伝わらない。
仕事で成功していて、ハンサムで、セックスが上手くて……ってのはわかるんだけど、どうしてここまで女にモテるのか?
単に金と見た目で女をいいようにしてるだけに見えました。個人的な意見ですが……。
千映がいくら運命の女だとか肌の合う相手と言われても
中年になって二十歳以上も年下の女の子と
そ -
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これはかなり面白くて読み応えもあった!!
池袋ウェストゲートパークの『外伝』て書いてるし、
マコトも出て来ないらしいし、
パッと見た感じだとIWGPの魅力のひとつである
『ストーリーテラー的な文章』では無かったので読む気が起きなかったのですが、
読みたい本がなくなったのでなんとなく手に取りました。
すると見事に期待は裏切られ、
途中から夢中になって読みました。
とりあえず、本当に『外伝』でした。
マコトは全く出て来ないし、
キングとGボーイズには、ちょっとした仕事を依頼するだけ。
唯一、サルがこの作品の主人公とガッツリ関わる感じです。
IWGPシリーズ以外の石田衣良の小説に興味がなかった -
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先日読んだ最新のIWGPの話の外伝とでもいいましょうか。
真島誠の親友、池袋Gボーイズのキング「タカシ」の物語です。
いつものように誠の語り口調で始まる物語ですが、
時代は今から遡ること20年ほど前にさかのぼります。
誠とタカシが高校2年生の頃のこと。
当時池袋の街をうろつく不良少年たちをとりまとめようと
紛争していたのは、タカシの兄タケルでした。
腕っ節も強く人望も厚かったタケルは、
徐々にその地位を確定的なものとし、
ライバルだった、新宿チームや埼玉チームとの抗争に備えていました。
そんなとき、タカシと誠が、
興味本位でのぞいた「オレオレ詐欺」の会社グループからねらわれ、
それを助けよ