石田衣良のレビュー一覧
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ネタバレ社会の弱者の話で、今から約十年ほど前に書かれた話なのに、当時より今の方が切迫した状況にあるのかもしれないと思いました。
『千川フォールアウト・マザー』はシングルで子どもを育てている若い母親がコンサートに行っている間に、運悪く、一人で留守番していた3歳の子供が3階のバルコニーから転落してしまう話。
一人で仕事と子育てを頑張ってきた若い母親ユイが、友達から大好きなアーティストのコンサートに誘われ、行きたいと言う。その間、3歳の子どものことをマコトに見てもらいたいと頼みに来たのだが、マコトもその日は取材があって駄目だった。
どうしても行きたかったユイは子どもの食事を用意し、お昼寝をしている間に出 -
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もう安定の、世相を切り取った風俗(フーゾクではない)小説と言っていいでしょう。
キャッチセールス、ホームレス、出会い系、そして研修制度を悪用した外国人の違法就労問題。
サルやキングも健在で、久しぶりにラジオも活躍。
盗撮及びデジタル加工者として。
しかし、タカシが炎天下ビラまきなどしてはダメだよ。
キングなのだから、そういうことは手下にやらせないと。
最近のタカシは妙に腰が軽くていかん。
今回の白眉は表題作。
途中までは「これは池袋だけではいかんともしがたいよなー」なんて、ちょっと冷めた目で読んでいたけど、マコトの母さんの肝っ玉の太さに脱帽。
それで世の中を変えることは出来ないよ。
でも -
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【水を抱いたことがない人には必要がない物語】
この話を薄っぺらいと言うのは、きっとこれがフィクションだと言える幸せな人なんだろうと思う。私はちょっと前まで水を抱きしめようと四苦八苦していた。彼は水を抱くことを諦めていないようだけど、私は草臥れて手を伸ばすのをやめてしまった。
この作品の官能的なシーンになんの魅力があるだろうか。それこそ私にはわからなかった。ただ、やはりわかりやすくセックスは心の近くにある。確かに様々なデリケートな話題を作中では荒っぽく扱っている。けれどそれこそ作者の強い意思を感じた。あくまでも主観ではあるが、震災に対して、セックスに対してもう少し違ったアプローチをしてもいい -
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ネタバレ今回は同じくらいの長さの短編が4作。
シングルマザーが置かれている過酷な状況「千川フォールアウト・マザー」
集まってボランティアで街のゴミ拾いをする若者たち「池袋クリンナップス」
別れた彼から、恥ずかしい写真をネタに脅迫される「定年ブルドック」
そして表題作「非正規レジスタンス」
最初と最後の作品が、奇しくも社会の底辺から這い上がれない若者たちの姿を描く。
シングルで子どもを育てるのに必要な保育園が足りない。
だから夜子どもがが寝ている間に必死で働き、昼間は家事と育児で毎日が過ぎていく。
身も心も疲れ切ったなかで、ちょっとだけ息抜きをしたその時子どもがけがをしてしまう。
「鬼母」「親の資格 -
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ネタバレシリーズ初期のころに比べたら、残酷な、またはグロテスクな事件はなくなり、日本社会の縮図のような事件がメインとなっている。
今回は振り込め詐欺、キャッチセールス、放火。
社会の閉塞感、学校での疎外感、家庭での圧迫感。
少年たちを取り巻く環境は過酷であっても、どの少年たちも、自分の足で歩きだそうとするところで終わるのがいい。
そして最後の中篇。
表題作は、Gボーイズの内紛がメインなので、割と暴力シーンも多かったけれど、読後感はとてもいい。
それは殺伐とした世界に身を置きながらも、変わることのないマコトとタカシの友情が前面に描かれていたから。
本当に危険なことにはマコトを巻きこみたくないと思う -
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ネタバレこの巻は、話の内容も構成もよかった。
女子高生のスカートの中を盗撮しては、画像を売りさばく小学生。
それを知った高校生が、俺たちも仲間に入れろと言いだし、さらには常識も何も通じないクレイジーな男までが介入してきて…。「灰色のピーターパン」
通り魔に襲われ、一生治らない傷を負わされ夢をあきらめざるを得ない兄。
その仇を取ってくれ。同じ傷を負わせてやってくれとまことに頼む妹。「野獣とリユニオン」
頻発する幼児いたずら事件。
駅前無認可保育園で働くテツオはただ子どもたちをかわいがっているだけなのに、いたずら事件の犯人だと疑われて…。「駅前無認可ガーデン」
3作は、誰の身近にも起こりうる事件。 -
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ネタバレ最高にご都合主義。最後なんてご都合主義の極み。世界は絶対にこんなに幸せじゃない。同じような立場にいる人だったら悲しくなっちゃうかも。自分の境遇に。例えば、自分を不幸だと思ってる独身ガン患者でもこれを読んで幸せな気分になれるのかしら??
でも、何も関係ない人にとっては、それが希望に満ち溢れる未来を想起させてくれそうで良いね。頑張れば、何歳からでも始められるのだ。みんな幸せ。小説の終わった段階ではね。あ、伴さんはあんまし幸せじゃないかも。
こういう身近なテーマだと石田さんは悪くないと思えましたよ。東京dollより良い。
ただ「他人によって、それを欲しいものだと錯覚させられて、自分が