石田衣良のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ妻に自殺で先立たれた夫、結婚を意識していた恋人に突然別れを告げられた女性、権威ある仕事に一生懸命取り組んでいたらリストラを言い渡された父…
こういった困る出来事って、突然訪れるものなんだと思う。
でも、そんなにすぐには這いあがれないから、苦しい。
だけど、悲しみはいつまでも続かない。気づかないくらいの光が差し込む時は、必ず来る。
そんな一瞬を取り出したのが、この本だと思う。
恋愛や家族のテーマもあるけど、ADHDなどの発達障害、金融危機をはじめとした経済的な問題など、時代に応じたテーマが選ばれている。
ほんの少し、心が前向きになれる一冊。 -
Posted by ブクログ
久しぶりに読んだIWGPシリーズ、第8弾
発行は2010年9月とあって、
小説の中の事件もなんだか現代そのもので生々しかった。
●千川フォールアウト・マザー
シングルマザーがおちりやすい幼児虐待と風俗への落とし穴の関係がよく描かれていた。
●池袋クリンナップス
ゴミ拾いボランティアの青年とお金持ちの父親との誘拐劇
●定年ブルドック
しつこい元カレの脅迫から、同僚の娘を守ろうとする定年警察官。そのしぶといブルドック並みの強さに真島誠もビックリ。
●非正規レジスタンス
派遣会社に登録し、日払いの稼ぎで、ネットカフェに寝泊まりしている若者たち。明日はどうなるのかもわからないその日暮ら -
Posted by ブクログ
小説家の父と子、2人の日常のお話。
小説家・青田耕平は、
期待はされど、なかなかブレイクしない。
年は40才(ほど)。
妻に先立たれ、男手一つで10才のカケルを育てている。
一つの大きな謎だとか事件にそって描かれているのではなく、
あくまでも主軸は2人の日常。
モデルは完全に石田衣良本人。
同期の作家たちも、もしかしたらあの人?
と思いながら読んだり。
直木賞ならぬ、直本賞にノミネートされ、苦悩する、作家の姿。
奥さんも…
リアルすぎて、
どうしても石田衣良として読んでしまうから、
ちょっと自分のことよく言い過ぎでないか?
ただの願望?
とかつい思ってしまう。
作中にも出てくるように、 -
Posted by ブクログ
チッチが超人です。
一人で暮らしを支えて、子育てもきちんとして…(ごはんをしっかり作っているだけでもすごい!)
子どものいない私ですが、仕事がたてこむとごはんも適当になり、旦那さんに申し訳ない私としては、尊敬以外のなにものでもない…
そして、青田さんの周囲の人がみんなあたたかくてほっこりします。
私の大好きな本たちは、こんなあたたかい人たちにつくられているんだなあ。となんか嬉しくなる。
落ち込みと立ち直りが交互にやってくる感じ、なんだかリアルです。私もそういうとこあるなあ。
なんだかにっこりしたり、しんみりしたり、ほろりときたり、さらりと読めるけどいい本でした。