石田衣良のレビュー一覧
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ネタバレ今回は同じくらいの長さの短編が4作。
シングルマザーが置かれている過酷な状況「千川フォールアウト・マザー」
集まってボランティアで街のゴミ拾いをする若者たち「池袋クリンナップス」
別れた彼から、恥ずかしい写真をネタに脅迫される「定年ブルドック」
そして表題作「非正規レジスタンス」
最初と最後の作品が、奇しくも社会の底辺から這い上がれない若者たちの姿を描く。
シングルで子どもを育てるのに必要な保育園が足りない。
だから夜子どもがが寝ている間に必死で働き、昼間は家事と育児で毎日が過ぎていく。
身も心も疲れ切ったなかで、ちょっとだけ息抜きをしたその時子どもがけがをしてしまう。
「鬼母」「親の資格 -
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ネタバレシリーズ初期のころに比べたら、残酷な、またはグロテスクな事件はなくなり、日本社会の縮図のような事件がメインとなっている。
今回は振り込め詐欺、キャッチセールス、放火。
社会の閉塞感、学校での疎外感、家庭での圧迫感。
少年たちを取り巻く環境は過酷であっても、どの少年たちも、自分の足で歩きだそうとするところで終わるのがいい。
そして最後の中篇。
表題作は、Gボーイズの内紛がメインなので、割と暴力シーンも多かったけれど、読後感はとてもいい。
それは殺伐とした世界に身を置きながらも、変わることのないマコトとタカシの友情が前面に描かれていたから。
本当に危険なことにはマコトを巻きこみたくないと思う -
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ネタバレこの巻は、話の内容も構成もよかった。
女子高生のスカートの中を盗撮しては、画像を売りさばく小学生。
それを知った高校生が、俺たちも仲間に入れろと言いだし、さらには常識も何も通じないクレイジーな男までが介入してきて…。「灰色のピーターパン」
通り魔に襲われ、一生治らない傷を負わされ夢をあきらめざるを得ない兄。
その仇を取ってくれ。同じ傷を負わせてやってくれとまことに頼む妹。「野獣とリユニオン」
頻発する幼児いたずら事件。
駅前無認可保育園で働くテツオはただ子どもたちをかわいがっているだけなのに、いたずら事件の犯人だと疑われて…。「駅前無認可ガーデン」
3作は、誰の身近にも起こりうる事件。 -
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ネタバレ最高にご都合主義。最後なんてご都合主義の極み。世界は絶対にこんなに幸せじゃない。同じような立場にいる人だったら悲しくなっちゃうかも。自分の境遇に。例えば、自分を不幸だと思ってる独身ガン患者でもこれを読んで幸せな気分になれるのかしら??
でも、何も関係ない人にとっては、それが希望に満ち溢れる未来を想起させてくれそうで良いね。頑張れば、何歳からでも始められるのだ。みんな幸せ。小説の終わった段階ではね。あ、伴さんはあんまし幸せじゃないかも。
こういう身近なテーマだと石田さんは悪くないと思えましたよ。東京dollより良い。
ただ「他人によって、それを欲しいものだと錯覚させられて、自分が -
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2016年。2/30冊目。
悪性の脳腫瘍を患った瀬野周司が、脳腫瘍の痛みをきっかけに精神だけ200年後の荒廃した世界(日本)を行き来できるようになる。脳腫瘍によって死を待つだけの周司が200年後を救うために様々な壁に立ち向かい、悩みながら乗り越え、成長していく姿が胸を打つ。
以下、好きな言葉。
「仕事にいつか必ずぶつかる壁がある。さいしょは手も足も出なくて苦しいが挑み続けることで必ず越えられるし、越えるとプロと一生続ける自信ができる」
「人間はたくさんのおろかな事をしでかすが、それでも誰もが必死に生きようとしているのは間違いない」
「人間の価値を決めるのは全てを奪われ裸にされたときに自分 -
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ネタバレまだたったの第3弾だというのに、ずいぶん遠くまで来てしまった気がする。
最初から殺人事件とかあったけれども、それは人の心の行き違いとか思惑の捻じれだったりと、事件の引き金を引くのは人の心だったような気がするけど、今回は殺人事件がないのに読んでいてうすら寒く感じるのは、マコトと人のつながりが希薄になってきたような気がするから。
もしかするとマコトは変わっていないのかもしれない。
「西一番街テイクアウト」の香緒に対する態度。
弱いものは徹底して守ってやるってところは、「少年計数機」の頃と変わっていない。
いやむしろ、思わぬキングの優しさにびっくりだったが。
でも「少年計数機」の時の、お互いを思 -
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ネタバレアラサー恋愛短編集。劇的ではない、ほんのりハッピーなお話が多いので爽やかに読めます。寝る前に一編ずつ読むのにも良さそう。
『ふたりの名前』なんにでも所有権を明記する同棲カップルが猫を飼うはなし。
『誰かのウェディング』退屈な結婚式で出逢ったプランナーの恋。
『十一月のつぼみ』花屋で交わされる視線、乾いた日常に潤いを与える存在、捨てることのできない現実の価値。良くも悪くも転びきらない切なさがリアル。
『声を探しに』ポップな印象だけど、琴線に触れる言葉もあった。かわいいカップル。
『昔のボーイフレンド』元サヤに戻る話。
『スローガール』ほんとうの嘘でも、似たのがあったな、文脈を読めない