石田衣良のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
2016年。2/30冊目。
悪性の脳腫瘍を患った瀬野周司が、脳腫瘍の痛みをきっかけに精神だけ200年後の荒廃した世界(日本)を行き来できるようになる。脳腫瘍によって死を待つだけの周司が200年後を救うために様々な壁に立ち向かい、悩みながら乗り越え、成長していく姿が胸を打つ。
以下、好きな言葉。
「仕事にいつか必ずぶつかる壁がある。さいしょは手も足も出なくて苦しいが挑み続けることで必ず越えられるし、越えるとプロと一生続ける自信ができる」
「人間はたくさんのおろかな事をしでかすが、それでも誰もが必死に生きようとしているのは間違いない」
「人間の価値を決めるのは全てを奪われ裸にされたときに自分 -
Posted by ブクログ
ネタバレまだたったの第3弾だというのに、ずいぶん遠くまで来てしまった気がする。
最初から殺人事件とかあったけれども、それは人の心の行き違いとか思惑の捻じれだったりと、事件の引き金を引くのは人の心だったような気がするけど、今回は殺人事件がないのに読んでいてうすら寒く感じるのは、マコトと人のつながりが希薄になってきたような気がするから。
もしかするとマコトは変わっていないのかもしれない。
「西一番街テイクアウト」の香緒に対する態度。
弱いものは徹底して守ってやるってところは、「少年計数機」の頃と変わっていない。
いやむしろ、思わぬキングの優しさにびっくりだったが。
でも「少年計数機」の時の、お互いを思 -
Posted by ブクログ
ネタバレアラサー恋愛短編集。劇的ではない、ほんのりハッピーなお話が多いので爽やかに読めます。寝る前に一編ずつ読むのにも良さそう。
『ふたりの名前』なんにでも所有権を明記する同棲カップルが猫を飼うはなし。
『誰かのウェディング』退屈な結婚式で出逢ったプランナーの恋。
『十一月のつぼみ』花屋で交わされる視線、乾いた日常に潤いを与える存在、捨てることのできない現実の価値。良くも悪くも転びきらない切なさがリアル。
『声を探しに』ポップな印象だけど、琴線に触れる言葉もあった。かわいいカップル。
『昔のボーイフレンド』元サヤに戻る話。
『スローガール』ほんとうの嘘でも、似たのがあったな、文脈を読めない