石田衣良のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
年齢相応に悩みながらも
からっと明るい未来を夢見られる14歳から
すこしずつ苦みの気配も感じられる16歳。
やはり悩みはあれど初めての経験や
投げやりになれない未来につながっていける
漠然とした無意識の期待が溢れている中
あえておしまいの物語が描かれている気がする。
早かれ遅かれ誰もが迎えるのだけど
それを16歳たちがどう接したらいいのか
どう受け止めるか、祖父母などではなく、身近に
初めて受け止める(小説上の)リアルな最期。
18や20に期待する気持ちもあるけど
「俺たちの旅」で現実に近づきすぎ、飛び越えていく
失望も感じたので、いつまでも読み返せば
「あの頃の僕たち」を思い出させてくれる
永遠のTeenで終わってほしい気持ちもある。 -
Posted by ブクログ
癌で1年後の生存率50%を宣言された俳優のお話し
石田衣良はフェアはエンターテイナーなので、上巻を読み終わった時点で誰とどうなるかといった最終形がある程度予想できた
タイトルがタイトルだし、周りの女性で適任者は限定されるし、後半で新しいキャラが出てくる事も想定しなくていいだろうし
さらに、まったくのバッドエンドにはしないし、終わり方もクライマックスを描き切ってすぱっと終わるのが一番多いパターン
なので、安心して読めた
「40」でも主人公ではないけど癌の話があったり、「マタニティ・グレイ」ではモロに妊娠出産の話だったし、石田衣良にとって全くの新しいテーマというものではない
それでも自分が癌に、または他の病気でも余命がある程度わかった場合を想定するに十分な心づもりができた
僕の場合はどうだろうね?
1年後の生存率が50%かぁ
とりあえず仕事はやめるかな
そんで、やりたい事だけやって過ごす
でも、本当に死ぬまでにやりたい事ってそんなにないかも
本を読むとか、マンガを読むとか(完結してない作品が多いのが気がかり)、映画を見るとか、ゲームをするとか、どうしても余命の中で時間を削ってもしたいことかと聞かれると考えてしまう
となると、何かを残す方にいくかな
日記を書くとか、なにがしかの文章を残そうとするかもね
まぁ、こればっかりはなってみないとわからないからねぇ
ってか、装丁のこの女は誰のイメージよ?
合致する人いなくない? -
Posted by ブクログ
40代のエステ経営者と付き合ってる30代の作詞家が、20代の歌うことが好きな女の子をプロデユースしていく三角関係のお話し
それぞれのパートを唯川恵と石田衣良と佐藤江梨子が書いてるリレー小説
誰がどこを担当した明記はされてないけど、文体と他作品の雰囲気でほぼ確定でよいかと
石田衣良の書く男は典型的なスカしたやつで、若い子の素質に感化されてプリティ・ウーマンするところなんかは「東京DOLL」でやってたし、年上の女性との恋愛も「夜の桃」でやってたよね
なので石田衣良パートはいつもの調子で読めた
官能的な描写もいつもの石田衣良の性癖
ワンパターンなんだよなぁ
唯川恵も仕事に真摯な自立した女性を書きながら、年下の恋人と付き合ってる心理描写はいつも通り
唯川恵は昔結構読んでたんだよね
一番のネックのサトエリ
最初に著者を見た時「ん?佐藤江梨子?サトエリ?同姓同名?あらすじはっと・・・・マジでサトエリだよ、オイオイオイオイ・・・」とか思って
最初の章を読んだ時には「やっぱり文章が他の二人に比べて拙いよなぁ~ 情景描写も心理描写も素人の作文レベルだなぁ」とか思ったけど
終盤にはエリカの成長とともに文章もそんなに違和感なく読めた不思議
この三人でどうやって書いたのかね?
最初に皆でプロットを作った?
それとも完全にリレー形式にした?
だとしても各章の終わり方が次に繋がりやすいトスを上げてるから可能性はあるよね
内容はともかく、素人に毛が生えたような人間を混ぜてこんな形式でちゃんとした小説を作れてしまうなんて、やはり作家さんってすごいなぁ -
Posted by ブクログ
ギャンブルに手を出して人生が狂い、再起をかけて売上金強奪をするものの、金を横取りされてしまう。
こういう小説って、どうやって金を取り返し、どうやって人生を立て直すかが見どころだと思うんだけど、この作品に関して言えば前半の方が面白かった。
どん底の生活を立て直すつもりで強奪したお金を目のまえで横取りされ、さらには強奪先のカジノに身元が割れる。そして一生を裏社会の底辺で過ごさねばならないという契約を迫られ…。
もがこうが流されようが、落ちていくときは落ちていく。
その後の巻き返しも面白くないわけじゃないんだけど、主人公は結局ただのギャンブル好きだったのね。
ギャンブル依存症のような、一生をギャンブルに賭けるような熱が彼にはなくて、それがちょっと物足りなかった。
小峰を見張りつつ彼の手がすけをするのが、関東賛和会羽沢組系氷高組の若きホープ斉藤富士男。通称サル。
そう、これは池袋ウエストゲートパークの外伝なのだ。
本筋に関係ないエピソードにキングがちょっとだけ顔を出すが、マコトは出てこない。
だが、小峰が当事者のくせに意外と醒めているので、これはマコトが主役でもよかったのではないかと思った。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ社会の弱者の話で、今から約十年ほど前に書かれた話なのに、当時より今の方が切迫した状況にあるのかもしれないと思いました。
『千川フォールアウト・マザー』はシングルで子どもを育てている若い母親がコンサートに行っている間に、運悪く、一人で留守番していた3歳の子供が3階のバルコニーから転落してしまう話。
一人で仕事と子育てを頑張ってきた若い母親ユイが、友達から大好きなアーティストのコンサートに誘われ、行きたいと言う。その間、3歳の子どものことをマコトに見てもらいたいと頼みに来たのだが、マコトもその日は取材があって駄目だった。
どうしても行きたかったユイは子どもの食事を用意し、お昼寝をしている間に出かけてしまったのだが…。
そのことが新聞にのり、ユイは世間から非難されてしまいます。二年間休まず仕事と子育てを頑張ってきたのに、たった一日の息抜きさえ贅沢と言われる、胸が痛みます。
弱った彼女の心につけこむ悪い男。それを撃退したのがマコトの母親です。ユイが身も心も崖っぷちなのをみて、「だったら子どもを捨てな」と言う。捨てると言っても一時期涙を呑んで子どもを施設に預け、生活を立て直してから引き取りなさい、ということらしい。
マコトの母親も一時期そうしたことがあったようです。それでも、ちゃんと人の役に立つ男に育っているマコトを頼もしく思い、自分の子育てに安堵していることでしょう。なんだかんだと言いたいことを言い合える親子っていいですよね。
ユイが一日も早く子どもを引き取り、幸せに暮らせるようになってくれればよいなぁと思います。
表題作『非正規レジスタンス』も弱者、派遣労働者の話でした。
足を伸ばして寝ることが出来ず、大切な持ち物はコインロッカーに預けて、日々の派遣労働で何とか生活している、地方から出てきた若者。保険証がないので病気になっても病院に行けない。職場で怪我をしても派遣先が労災を使ってくれない。
そんな労働条件を何とか改善しようというフリーターズユニオンがあるのだが、それに加入している者が次々と襲われてしまう。マコトが知り合ったサトシも襲われて怪我をしてしまった。
サトシのためにも大手派遣会社と闘う決意をしたマコト…。
地方から出てきた者が安定した生活をするためには、やはり安定した収入(職)がないと厳しいと思います。
ですが、なかなか正社員での採用が難しい今の状況では、普通の生活すらも夢なのかもしれません。
なんだか切なくなる話でした。 -
Posted by ブクログ
もう安定の、世相を切り取った風俗(フーゾクではない)小説と言っていいでしょう。
キャッチセールス、ホームレス、出会い系、そして研修制度を悪用した外国人の違法就労問題。
サルやキングも健在で、久しぶりにラジオも活躍。
盗撮及びデジタル加工者として。
しかし、タカシが炎天下ビラまきなどしてはダメだよ。
キングなのだから、そういうことは手下にやらせないと。
最近のタカシは妙に腰が軽くていかん。
今回の白眉は表題作。
途中までは「これは池袋だけではいかんともしがたいよなー」なんて、ちょっと冷めた目で読んでいたけど、マコトの母さんの肝っ玉の太さに脱帽。
それで世の中を変えることは出来ないよ。
でも、そんなことできる人なんて、そうそういない。
必要と思えば、やれることをする。
シンプルで強い人だ。
“生きていることは、人間の抱えるすべての問題に関係を持つことなのかもしれない。”