石田衣良のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
先日読んだ最新のIWGPの話の外伝とでもいいましょうか。
真島誠の親友、池袋Gボーイズのキング「タカシ」の物語です。
いつものように誠の語り口調で始まる物語ですが、
時代は今から遡ること20年ほど前にさかのぼります。
誠とタカシが高校2年生の頃のこと。
当時池袋の街をうろつく不良少年たちをとりまとめようと
紛争していたのは、タカシの兄タケルでした。
腕っ節も強く人望も厚かったタケルは、
徐々にその地位を確定的なものとし、
ライバルだった、新宿チームや埼玉チームとの抗争に備えていました。
そんなとき、タカシと誠が、
興味本位でのぞいた「オレオレ詐欺」の会社グループからねらわれ、
それを助けようとしたタケルの身に悲劇がおこります。
池袋のボスと言わずに、池袋のキングと呼ぶタカシ。
アラサーになっても、冷酷で非情といわれる存在ですが、
そうなるには、そうなるだけの理由があった、というわけです。
誠との友情もこのころから固く結ばれ、
「池袋ウエストゲートパーク」の根源はこのころにあったのだと、
深く深く納得する作品でした。
社会的な問題もストーリーの中に組み込まれ、
警察では対処できない、若者の心の傷も巧みに描かれていました。
10代の誠とアラサーの誠の社会を見る視線が
余り変わっていないのが気になりましたが・・・。
誠が早熟だったのか、成長していないのか、
どっちかなのでしょうね。(笑) -
Posted by ブクログ
山形の工場で派遣切りされた若者4人が歩いて東京を目指すうちにどんどん有名になっていくロードムービーのお話し
最初はそれぞれのキャラの見分けがつきにくいけど、慣れてくるとかなり性格と特徴が異なった4人
それぞれがありのままでチームに必要な要素を持っているあたり、フィクションながらうまく出来てるよな~と思ってしまう
派遣切りについての社会的問題についてはどうなんだろね?
小泉さんの政策のせいなんだろうけど、日本全体の景気で言ったらあの時は多少は上向きだったわけで、完全に否定はできない
ただ、その企業の儲けのしわ寄せが派遣でしか働けなくなった世代というわけで
ただ、派遣社員とはいっても能力のある人なら正社員にもなれるだろうし、それなりのところに就職できたはずなんだけど、個人の資質と社会情勢はまぁ別物なわけで・・・
とりあえず、山形を歩いている時の沿岸の描写はありありと目に浮かぶ
車とか電車でしか知らないけど、片側は山で片側は暗い色した海という風景が延々と続く様とか
あと、新潟のラフォーレネタとか、やはり実際に住んでた地方が出てくるとあるあるネタでつい喜んでしまう
4人がどんどん有名になっていく課程にはリアリティを感じる
メディアってやつぁそんなもんだからねぇ -
Posted by ブクログ
IWGPシリーズ第1期完結10巻目。つぎのステージで、また会おう。と言うからには第2期があるらしい。実は次の巻が既に出ているのだが、設定がどう変わっているのか心配だ。今回、氷の王様と言われてきたあの安藤崇が4話中2度も恋愛絡み!マコトにも本気で付き合う相手が出来たようだし先が楽しみだ。年収二百万円でも幸せだと思わせてくれるお伽話のような一人語り、次回もまたいい夢を見せて欲しい。
p30
おれが四畳半のCDライブラリーから選んだのは、レオス・ヤナーチェクの「ないしょの手紙」だ。なんだか大ベストセラーの冒頭に「シンフォニエッタ」のファンファーレが鳴ったらしく、いきなり有名になってしまったが、ヤナーチェクはチェコ東部モラヴィア出身の地味な作曲家だ。
(1Q84)
p116
なあ、あんただって、年収が二百万円なら、英雄になりたいとは思わないだろ。
大切なのは革命じゃなく、初任給から老後のための貯金を始めることなのだ。 -
Posted by ブクログ
ネタバレIWGPというだけで、懐かしくなってしまうのだが、今回は青春編でマコトとタカシの高校時代、しかも「キング誕生」ときた。これにはもう、書店で手に取ったときからどきどき…。好きな人の過去を、そっと覗き見るかのようなときめきを覚えた。
相変わらずのマコトの独特な語り口調、何が起こるのか最初に知らされてしまい、それはやめてよと思いつつ引き込まれていく。
氷のキングになる前のタカシには、確かに都立高校に通ういち男子生徒という、笑顔と泣き顔の時代があったのだ。ほとんどもう、子どもを見守る親の気持ちで読んでしまった。
余談になるが、作者はコピーライターをしていただけあって、タイトルや登場人物のたて方が上手い。中でもこのシリーズは、デビュー作のシリーズということもあり、どのキャラクターも際立っていて、愉快なほど生き生きと踊っている。作者自身も、楽しんで書いている様子がうかがえる。