石田衣良のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
今まで石田衣良さんの作品を読もうと思ったことはありません。なんとなく、胡散臭さを感じていたからです。でも、3.11以降、原発即撤収!と騒いでいる世論の中、テレビで「いずれはなくす必要はあるかもしれないが、これだけ原発に頼って生活している状況で即なくすということはできないでしょう」などと、すっごく全うなことを言っていて、どんな人なのだろうと思いました。
だから小説ではなくて、エッセイを読んでみました。
確信をついた、内容。
爽やかだけどきれいごとではなくて、どれも納得してしまった。
読んでいるだけで魅力を感じました。
女性もよく見てるな、スゴイな!やっぱ小説家は違うな!と。
もちろん女性だ -
Posted by ブクログ
ネタバレ石田衣良さんのエッセイはR25に掲載されているときから大好きだった。
『空は、今日も、青いか?』というタイトルで文庫化されている。
まず、なんと言っても読みやすい。
偉そうでもなく、独りよがりでもなく、テーマは日常の一部分なのに
ちゃんと読者に対するメッセージ性がある。
何より、その引き出しの多さに驚嘆する。
雑誌や新聞に寄稿したものを集めた本だけれど、
その幅が広い。
雑誌一つとっても、20代・40代向けの女性誌、
同じく各年代の男性誌、スポーツ雑誌に骨董雑誌。
タウン誌。新聞も大衆紙と経済紙。そのほか色々。
どの部分を切り取っても、石田さんのエッセイになっている。
多趣味な方だとは思っ -
Posted by ブクログ
ネタバレ後味が悪いというか。
信じてきたものがことごとく、裏切る話。
主人公純一。この物語は彼が幽霊になり、自分の死体が埋められているところから始まる。
その後、記憶のフラッシュバッグ。生まれたところから始まって、現在の近くまでを走馬灯のように駆け巡るけれど、死の二年前からの記憶がよみがえらない。
自分はいったいなぜ殺されたんだろう。
彼は疑問に思う。
そうして真相を調べにいく。
純一は電気を操れて、声を出せて、実体化もできる。それを駆使してヤクザと戦って、自分の子供を身ごもった恋人を守る。
でもとても悲しい。
優しい物語で、悪人が完全な悪人じゃない。どこかで優しくて、どこかで -
Posted by ブクログ
どんな災厄があっても春になれば桜が咲いて、またこの季節が巡ってきたのかと思う。
毎年新入社員の人を迎え、その度に自分が入社した頃を思い出し、気持ちを新たにする季節。
去年の4月に異動してから新しい部署で楽しく仕事していて、結構大変なミッションなのだけど、それでも何となく心落ち着けて、ある意味会社に入って初めてこんな気持ちで仕事をしている自分に気付く。
平日の起きている時間の大半を会社に捧げ、働くということは生きるということと殆ど同義語みたいな世界を生きてきて、改めて働くとはどういうことかと思う。
自分を高めるため?お金を得るため?家族を養うため?どれもであるけど、簡単には括れない。
今と違って