石田衣良のレビュー一覧

  • 赤・黒(ルージュ・ノワール) 池袋ウエストゲートパーク外伝

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    【2024年74冊目】
    カジノで借金を作ってしまった小峰は、カジノの売上を強奪する一味に加わり、あっさりと1億円4千万円を強奪することに成功する。だが、思わぬ裏切りから金を奪われ、人が死んだあげく、カジノの元締めである氷高組に身元がバレてしまう。一生奴隷宣言を下された小峰は、売上を奪還することを約束し、翌日から池袋の街を走り回ることに。池袋ウエストゲートパーク番外編。

    番外編ということで、小峰という映像ディレクターが主役で、誠はでてきませんでしたが、小峰の相棒としてサルが出てきて大活躍でした。タカシもちょっと出てきたのでニッコリするなどしました。

    タイトルの「赤・黒」はカジノのルーレットを

    0
    2024年04月03日
  • 炎上フェニックス 池袋ウエストゲートパーク17

    Posted by ブクログ


    シリーズ第17弾。
    今回のネタはP活、ぶつかり男、ウーバー系配達員、炎上案件。
    常に社会情勢を題材に扱ってきたシリーズだが、本作ではコロナ禍においてより顕著に表れてきた事案だ。

    ウエストゲートパークの二期からは大人の解決策が大半になってきたのは、少しばかり個人的には物足りなさが否めないかな。一期の頃のGボーイズは戦闘スタイル全開だったが、本作の東日本連合との折衝は完全に大人の組織のそれだ。

    とは言え、誰しもが接し日常に溢れる題材は一考に値する。

    正義という大義名分のもとに根拠なき断罪を続け、悦に入る輩たち。
    それは見た目にはごく普通の人間だ。

    0
    2024年03月25日
  • 眠れぬ真珠

    Posted by ブクログ

    45才の版画家の咲世子と28才の素樹の恋愛小説。

    「アーティストにとって年を取るということはどういうことか」という問いに対して
    「いい面と悪い面がある。いいのは、自分にはできないことが、はっきりわかることかな」
    という回答が印象に残った。

    若いうちは何者にでもなれる代わりに何者でもない事に焦っていた気がする。年を取ると自分にはできないことが分かる、つまり出来ることも明確になり自分というものが確立されていく。

    そういうことを考えながら読み終わりました。本筋とはずれてるけど。

    0
    2024年03月20日
  • LAST

    Posted by ブクログ

    人生崖っぷち。ギリギリまで追い詰められた人達の短編集。
    多額の借金を抱えた人達が、どうにもならなくなり一線を超える話が多い。
    それぞれが悲惨で、救いがあったりなかったり。コール、シュートが後味が悪かった。

    0
    2024年03月17日
  • 骨音 池袋ウエストゲートパークIII

    Posted by ブクログ

    IWGP第三弾!

    切なかったり、ドキドキしたりと楽しめた。
    シリーズはまだまだ続くので、のんびりと楽しもう。

    骨音は気持ち悪かったな。

    西一番街は、結構好き。
    子供のために頑張るところ良いのね。キングもそう言うところあって好き。

    キミドリは、こういう仕組みは、上手くやればちゃんと出来るのにね。

    西口ミッドサマーは、切なさもあるね。
    ドラッグか…。
    そう出来ない方法はあるはずなのにね。

    0
    2024年03月08日
  • 4TEEN

    Posted by ブクログ

    直木賞受賞作。
    ストーリーはどれも良くできていて、飽きることはなかった。
    ただ、ちょいちょい出てくる下ネタはちょっと気持ち悪いし、クサイ台詞も多くて辟易したので星3つが限界かな。
    石田衣良は余韻を残すのが巧い作家だなぁと改めて思った作品。
    「大華火の夜に」「空色の自転車」が好き。

    0
    2024年03月06日
  • 4TEEN

    Posted by ブクログ

    男子中学生ど真ん中な青春小説。
    平成のギラついた東京の雰囲気が懐かしい。
    短編っぽい話が続く連作もので一話ずつしっかりと完結するので読みやすい。
    心理描写がリアルだが自分が中学2年生だった頃はもっとプライドとか羞恥心とかそういったものが強かったように思う。

    0
    2024年03月05日
  • 初めて彼を買った日

    Posted by ブクログ

    「何か用事がないとデートもできないの」
    ー七回目のデート

    男が抱くだけでなく、女も男を抱くのだ。それだけのことに新鮮な驚きがある。
    ーノッキン・オン・ヘブンズ・ドア

    英彰は美伊南とセックスをしていた。現在まで続いてきた生命の鎖の一番最後のひとつの輪に連なった気がした。美伊南と一緒にリズムを合わせて動きながら、考えてみる。命のチェーンの輪っかのひとつ。ちいさなループ。しわくちゃにねじれた二重螺旋。一本の管をとおるたくさんの虫。
    ただの棒のような存在として前後に動き、それ以外のなにごとも考えなくていい。その不自由さが英彰という男を、生まれて初めて解放してくれた。
    ーノッキン・オン・ヘブンズ・ド

    0
    2024年03月05日
  • 愛がいない部屋

    Posted by ブクログ

    フリーマーケットで見つけ、石田衣良さんの本を読んだことがなかったので買うことにしました。

    最近読んだ短編小説は、最後まで読むと実はすべてつながっていて…というものに多くふれていたので、今回のようなそれぞれ独立した作品を読むのもよいなと思いました。(舞台は神楽坂の高層マンションで共通。)

    それぞれの主人公に共感できることがあったり、なかったりして、愛ってなんだろうと考えさせられる作品でした。

    0
    2024年03月03日
  • 爽年

    Posted by ブクログ

    娼年シリーズの完結編は、ハッピーエンドだった。現実離れしているけど、これで良いのだとも思えた。なんかやってる事はけっこう生々しいのだけれど、石田衣良さんの筆力で、とても美しい世界に見えた。人間の欲望に限界はないんじゃないかな…
    テクニックばかりを上達させようと必死な男性陣は、sexについて真面目に考える領くんを、少し見習った方が良いと思った。

    0
    2024年03月02日
  • こどものころにみた夢

    Posted by ブクログ

    評価が低いのは、帯の文言がまったくの羊頭狗肉だったからです。「5分で読めて、暖かい気持ちに」って。全然暖かい気持ちになんかなりませんよ。作家陣も抗議していいんじゃないか。まあそこを期待して購入した訳じゃないんだけど。

    内容はよかったです。不条理さ、うっすらと漂う気持ち悪さ(あるいは気持ちよさ)、尻切れとんぼの読後感、などなどいかにも夢の話だという気がして、一編読んだあとよく眠れる気がしました。お話と自分の夢の境目が曖昧になるようで。

    0
    2024年02月27日
  • 夜の桃

    Posted by ブクログ

    昔読んだのであまり覚えていないけど、唯一覚えているのが結構エロかったこと…
    当時、満員電車の中で本を読むことが多かったので後ろの人に見られていたら…と思ったら本を開けなくなってしまった思い出(笑)

    0
    2024年02月26日
  • 娼年

    Posted by ブクログ

    20代前半に読んだときの評価。
    その頃、この作品を読んでとても視野が広がった!現実でもきっとこんな世界があるんだろうな、と。

    今読むとまた感じ方が違うのかもしれない。
    今度また読んでみよう☺︎

    0
    2024年02月26日
  • 獣たちのコロシアム 池袋ウエストゲートパーク16

    Posted by ブクログ


    シリーズ第一16弾

    マコトもシリーズ途中まで歳を重ねてきていたが、いよいよ歳は取らない設定に。
    それはそれで良い。

    さて、本作も社会ナタを盛り込み
    中年の追いやり部屋、ラブホ強盗、新手詐欺、幼児虐待

    表題でもある獣たちのコロシアム
    ダークウェブ上に幼児虐待の動画を投稿する集団を潰す回

    世の中には変態を越すド底辺の変態がいる
    ネット社会の弊害が叫ばれて久しいが、改めて恐ろしさを痛感する

    終章のキングの台詞を読むと、ついにキングタカシも引退が近いか?

    0
    2024年02月23日
  • カンタ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    カンタと燿司の絆に何度も感動しました。
    まさに魂の双子。
    2人が一緒に居るから何でも乗り越えられる。
    最後の最後までハラハラしましたが、ラストに2人の絆がさらに感じられました。
    でも後半の会社や株の話より、前半の2人の学生時代の話の方が私は好みでした。

    0
    2024年02月22日
  • 愛がいない部屋

    Posted by ブクログ

    全く内容と関係ないけれど、一冊の本の中に、自分の名前と、夫の名前と、彼の名前が出てきて、なんかびっくりした。

    0
    2024年02月11日
  • 炎上フェニックス 池袋ウエストゲートパーク17

    Posted by ブクログ

    コロナの中の社会をテーマにした話。グローバルリングのぶつかり男の近所のバーさんとの繋がりみたいなのは良かったけど、全体として浅い印象。

    0
    2024年01月30日
  • 4TEEN

    Posted by ブクログ

    中学時代にあんまりザ青春みたいなものを味わっていないせいか、これまで中学生の物語にはあまり興味はなかった。しかし、この本を読むと、人間関係の残酷さ、大人の世界へのピュアな好奇心、といったような小学生でも高校生でもない、中学生らしさ、といったものは確かに存在するのだなと実感した。自分はこの本の主人公たちのような刺激的な冒険、体験をしていないけれど、中学生ってそういえばこんなだったな、と随所に思い出させてくれる、そんな憧憬を味わわせてくれた一冊。

    0
    2024年01月28日
  • 逝年

    Posted by ブクログ

    娼年の続編。

    相変わらず性の描写に美しさを感じるような文章は作者の美学か。

    少し物語のペースが速くてもう少しじっくり展開しても良かったかとも思う。

    最後のリョウと静香の交わりは感染の危険があるとはいえ、生々し過ぎて少し心にグッとくるものが無かった。

    大人の恋愛を描かしたらこの人の右に出るものはいないのではないか。

    それ程変なエロさが無く描写が美しい。

    0
    2024年01月26日
  • 再生

    Posted by ブクログ

    再生をテーマにした十二の短編。
    解説の中村さんが言っている「ささやかとも思える奇跡」というのがピッタリな物語ばかりでした。

    0
    2024年01月22日