石田衣良のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ【2024年74冊目】
カジノで借金を作ってしまった小峰は、カジノの売上を強奪する一味に加わり、あっさりと1億円4千万円を強奪することに成功する。だが、思わぬ裏切りから金を奪われ、人が死んだあげく、カジノの元締めである氷高組に身元がバレてしまう。一生奴隷宣言を下された小峰は、売上を奪還することを約束し、翌日から池袋の街を走り回ることに。池袋ウエストゲートパーク番外編。
番外編ということで、小峰という映像ディレクターが主役で、誠はでてきませんでしたが、小峰の相棒としてサルが出てきて大活躍でした。タカシもちょっと出てきたのでニッコリするなどしました。
タイトルの「赤・黒」はカジノのルーレットを -
Posted by ブクログ
シリーズ第17弾。
今回のネタはP活、ぶつかり男、ウーバー系配達員、炎上案件。
常に社会情勢を題材に扱ってきたシリーズだが、本作ではコロナ禍においてより顕著に表れてきた事案だ。
ウエストゲートパークの二期からは大人の解決策が大半になってきたのは、少しばかり個人的には物足りなさが否めないかな。一期の頃のGボーイズは戦闘スタイル全開だったが、本作の東日本連合との折衝は完全に大人の組織のそれだ。
とは言え、誰しもが接し日常に溢れる題材は一考に値する。
正義という大義名分のもとに根拠なき断罪を続け、悦に入る輩たち。
それは見た目にはごく普通の人間だ。
-
Posted by ブクログ
「何か用事がないとデートもできないの」
ー七回目のデート
男が抱くだけでなく、女も男を抱くのだ。それだけのことに新鮮な驚きがある。
ーノッキン・オン・ヘブンズ・ドア
英彰は美伊南とセックスをしていた。現在まで続いてきた生命の鎖の一番最後のひとつの輪に連なった気がした。美伊南と一緒にリズムを合わせて動きながら、考えてみる。命のチェーンの輪っかのひとつ。ちいさなループ。しわくちゃにねじれた二重螺旋。一本の管をとおるたくさんの虫。
ただの棒のような存在として前後に動き、それ以外のなにごとも考えなくていい。その不自由さが英彰という男を、生まれて初めて解放してくれた。
ーノッキン・オン・ヘブンズ・ド -