石田衣良のレビュー一覧

  • 空は、今日も、青いか?

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    石田衣良さんのエッセイ。
    若者への言葉。優しく語りかけてくれる。
    いくつか時代を感じる内容だったが、なるほどなと思うこともあった。

    未熟な自分に刺さった言葉。
    ・人がうらやむような成功はしなくてもいい。
    けれど、世のなかの厳しい風雨をしのげる、自分だけの心地いい場所をつくろう。そのためにぼくに必要なのは、そこそこの生活資金とたくさんの本だった。
    ・金というのは、ただ物欲や享楽のために(もちろん、それも大事だけれど)つかうものではなく、自分が支持するもの、共感をもつものにつかうべきなのだ。
    ・自分のもつアイディアやセンスを自由に表現できるフィールドこそ、ほんとうの意味で自分の仕事なのだ。

    温水ゆかりさんの解説もよかった。
    ・『空は今日も青いか?』ではなく、『空は、今日も、青いか?』と三ヶ所に区切られているのは、"まあ、こんな混沌とした世の中だけど、あせらずゆっくりやろうよ"という、深呼吸の勧めのように思える。勇気と智恵は、呼吸の浅い濁った精神からは生まれない。

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    2023年01月05日
  • 愛がいない部屋

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    高層マンションに住む、愛のいなくなった恋人たちをテーマにした短編集。何かが始まったり終わったりする予感がするところでどの話も終わってしまうから、なにか大きな感情を感じたい人にとっては物足りないかもしれないけど、停滞した淀みが流れ出す瞬間はちょっと気持ち良い。

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    2022年12月26日
  • 本からはじまる物語

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    本に纏わるアンソロジー。
    お馴染みの作家さんは、なるほど作家さんらしいお話だし、はじめての作家さんの話はなかなか新鮮だ。

    梨木香歩さんの「本棚にならぶ」がとても衝撃的で印象が強かった。なんだか、私もこんな風になっていく気がしないでもないと。怖いよりもなぜか納得してしまうのだ。

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    2022年12月25日
  • こどものころにみた夢

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    各小説家の夢を覗いているような本。

    夢では、めちゃくちゃな展開や風景が不自然じゃないのよね。

    あの現実と夢の境目が分からないような浮遊感が色々なお話に盛り込まれて、共感しつつ読める部分もあった。

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    2022年12月24日
  • 少年計数機 池袋ウエストゲートパークII

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    池袋ウエストゲートパーク。通称『I.W.G.P』
    果物屋兼コピーライターの主人公マコトが、池袋で起こるいざこざを独自の方法で解決していく話、シリーズもの。

    今作少年計数機は、その二作目にあたる。爽やかな語り口で、すらすらと読める内容。池袋の街を本当に歩いているかのように描いてしまうのは作者の力量。見事というしかない。出てくる端役達にも細かな描写がされており、池袋という街で本当に彼らが生きているような気がしてしまう。

    面白くスラスラ読めたけど、何か心に残った言葉があったわけではない。けどもいつか、ふらりと池袋に寄った時には、この話を思い出すに違いない。

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    2022年12月13日
  • こどものころにみた夢

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    感想
    夢を物語ることの楽しさ。子供の頃は誰でも行っていたのに今はしなくなってしまった。楽しさと朗らかさを覚えながらもどこか郷愁を感じてしまう。

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    2022年12月07日
  • コンカツ?

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    ネタバレ

    岡部智香
    自動車メーカー広告部勤務。二十九歳。男の腕の稲妻のような静脈は昔から大好物。彩野、沙都子の三人で共同生活。

    小竹彩野
    清涼飲料メーカー企画部勤務。二十九歳。今どきめずらしいAAAカップ。身長は公称百七十三センチ。実際は百七十五ある。智香とは大学時代から十年来のつきあい。

    森沙都子
    総合商社秘書室勤務。バツイチの三十二歳。大学のテニスサークルの先輩。意外なほどおくてで、男性には尻ごみしがちなタイプ。

    中崎結有
    フリーランスのグラフィックデザイナー。二十七歳。智香が主催する合コンの最終兵器。身長は百五十五センチ。あちこちの男のところを泊まり歩いて暮らしている。智香達と共同生活をする。

    黒谷早矢人
    智香とは同じ大学の同じ経済学部。附属高校のころけら有名な遊び人。卒業後は親のコネで広告代理店に潜りこんだ。

    高瀬紀之
    早矢人が中学のころに入っていたボーイスカウトのときの友達。総合商社の五島物産勤務。三十歳。身長百八十三センチ。

    瑠璃
    早矢人の恋人。

    合コン相手
    赤メガネ宮崎良弘
    三十二歳。住宅メーカーの営業。
    黒パンク
    大神浩志地方公務員。
    ヨーダ
    小柄で童顔なのに妙に顔に小皺が多い若年寄。
    偽空間プロデューサー
    リーダー格の妙に遊びなれた風の日焼けした男。

    嶋田由紀
    お見合いパーティーを運営しているエンジェルズ・ギフトの代表。沙都子の友達。

    お見合いパーティー
    塚原容子
    黒ニット。
    宮元絵美莉
    ピンクのドレス。
    朝野哲雄
    三十四歳。公務員。
    増本芳郎
    三十六歳。実家の仕事を手伝っている。
    丸山敦
    四十一歳。公認会計士。
    春日彰信
    三十四。プログラマー。

    津田佳子
    智香が高校三年の時の同じクラス。新婦。

    沢崎由香利
    智香が高校三年の時の同じクラスで当時は親友だった。佳子の結婚式に参加。短大の家政科を卒業し、小さな不動産会社で事務をしている。

    五島物産との合コン
    沼木孝実
    すこしいじわるそうな横分け。頭のおかしな博士。
    横田貴俊
    ちょっとふくよか。賄賂をもらう議員秘書。

    早川麗美香
    智香と同じ広告部で五歳年下の後輩。

    麗美香との合コン
    大杉
    額がひどく広くて、生え際がU字型に残っている。

    岡部弓子
    智香の母。

    岡部浩太郎
    智香の父。三年前に工作機械メーカーを定年退職している。

    笑香
    智香の妹。二十八歳。結婚と同時に仕事を辞め、子供をひとり産んでいる。

    藤代晃
    結有が仕事をもらっているデザイン事務所の社長。

    杏美
    保育士。二十二歳。高瀬の彼女。

    関口博美
    浩太郎の浮気相手。五十二歳。ご主人を長わずらいで亡くした。昔会社でいっしょに仕事をしていた。

    村崎聡美
    沙都子の職場の友人。三十四歳。

    お見合いパーティー
    立花義彦
    一部上場の輸送機器メーカー資材部。三十四歳。

    西田あずさ
    人気急上昇中の女優。二十一歳。

    池本建都
    コピーライター。早矢人と同じ大学で三歳年下の後輩。

    五十嵐啓
    あずさが所属しているスターライズ・プロダクションのマネージャー。バツイチ。三十五歳。

    上田小百合
    智香の大学時代の友人。卒業後は就職せずに大学院に進学し、行動経済学で博士号をとった。

    橋本
    弓子の彼氏。

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    2022年11月23日
  • 獣たちのコロシアム 池袋ウエストゲートパーク16

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    IWGPシリーズ第16弾

    第一話
    冴えないおじさんが何故か未来の自分が重なる
    仕事ってなんだろうと考えさせれる
    第二話
    若さの暴走を止められないのは現代だから
    第三話
    優しい言葉には棘がある。気をつけよう
    第四話(表題)
    胸糞悪い話。こんなんゴロゴロあるんだろうな
    勧善懲悪がなかったら辛すぎる話だな。

    予備校時代に通った池袋
    たった一年だけど身近に感じるられるから毎回読んでしまう。次巻も楽しみだな

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    2022年11月14日
  • マタニティ・グレイ

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    ネタバレ

    仕事に生きる女が出産を通じて成長する話。すごいなー、お母さんになるって本当にすごい。出産のシーンとか痛みの表現がリアルで驚いた。(といってもわたしは出産未経験)絆に涙した作品でした。

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    2022年11月05日
  • オネスティ

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    ネタバレ

    カイの奥さんとミノリの旦那さんミノリのことを大切に思っていた人がかわいそうだと思った
    でも2人の関係性も綺麗だなと思った
    自分がいいならそれが1番の選択であるという考えもあるけど人を深く傷つけたり人の人生に大きな影響を与えたりもする
    なにが正解かわからないなあ

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    2022年11月05日
  • 約束

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    何度も言わせてもらうが、現実はそう上手くいくはずがない。確かに泣ける話だが、それは単にそういうシチュエーションは現実で起こりうるので、別に説得力があるわけではない。特に天国のベルとハートストーンとか、あまりも好都合、そんなに簡単なら人は苦労しない。
    解説の中石田の筆力を絶賛したが、確かに時々セリフは上手くて閃いた感じがする。ただ安定的ではなく、荒技とは言えない。特に中年男性の心理描写はわりと生々しいものの、女性を描くのは適当で、影のような感じでしかない。
    良かったのは1位冬のライダーと2位の青のエグジッド、後者の方の結末はあっけないが。

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    2022年11月05日
  • 獣たちのコロシアム 池袋ウエストゲートパーク16

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    ネタバレ


    生き物って不景気になったくらいじゃ変わらないよ

    北口ラブホ・バンディッツ より



    おれたちの生活はどこまでがリアルで、どこからがフェイクなのだろうか。

    うちは二十代はめずらしい。

    獣たちのコロシアム より



    時空がねじれる第16作。
    解説にもありましたが、ある意味では、サザエさんやドラえもん、クレヨンしんちゃんのように、歳を取らないコンセプトでいくようです。
    ストリートにおいて、イリーガルな相手にイリーガルな方法論がどれだけ通用するのか。表題作のテーマは、記憶に新しい事件を彷彿とさせる内容であるものの、時代を切り取ることに長けた本シリーズは、それであるが故、構造批判や破壊には届かないようにも感じました。もちろんそれを目的としているわけでなくても、です。
    可もなく不可もなく。星2つや星4つをつけにくいシリーズでもあります。『骨音』や『電子の星』にあったひりつくような焦燥感は半減。

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    2022年10月31日
  • 獣たちのコロシアム 池袋ウエストゲートパーク16

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    このシリーズ、文庫でもXVIか。本棚に登録しているのは13冊だけど、その前から読んでるから、ホントに長い付き合いだよね。

    「タピオカミルクティの夢」
    この話が書かれた頃に追い出し部屋の話題なんかあったかな。ずーっと昔からそういうのはあったから、まあ、いいんだけど、そこに追いやられていた中年サラリーマンが追い出し部屋での1日が終わった後、当時流行ったタピオカミルクティのスタンドで働く話。
    たとえ会社で評価されなくても立派な人物、人生を有意義に生きている人はいるもので、おっさんの働きぶりを評価いただくのは嬉しいし、こういうきっかけだけどあんな風に父と息子が話が出来るものいいね。
    タピオカブームが去った今、おっさんのお店がどうなっているか気になる。

    「北口ラブホ・バンディッツ」
    1位が新宿、2位が池袋、渋谷が3位、と。大阪だとどうなるんだろうね?
    相変わらずタカシは強ぇえな。

    「バースデイコールの甘い罠」
    バースデイコール詐欺って、こんな手口もあるんだね。餌をまいて回収するまで結構な手間ヒマ掛かると思うけど、金額はデカいかな。
    思った通りの展開だったが、ああまでしても目が覚めないとは恋する女性は不憫だ。

    「獣たちのコロシアム」
    児童虐待マニアって…、本当に胸糞悪くなる話で読み進めるのが辛かった。
    この話に限らずこの巻ではゼロワンが大活躍だったが、その声が悲しみに濡れるなんて、なぁ。
    ケダモノたちを相手にジリジリと嵌めていきあっさり潰しはしたものの、後味は苦く、ただ、ミズキが変わっていけたのが救い。

    終章、タカシがマコトを花見に誘う何気ない会話だが、これがコロナが流行り始めて何もかもが制限された頃だと思い知れば、書かれた当時以上に色々なことを思える情景になった。

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    2022年10月29日
  • 電子の星 池袋ウエストゲートパークIV

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    電子の星が重すぎてそれ以外の話の感想を書く気にならない…IWGP史上1番重かった…そろそろ誠が死なないか心配になってくる

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    2022年10月12日
  • 七つの試練 池袋ウエストゲートパークXIV

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    14シリーズ目、もう20年以上、長瀬や窪塚も44歳なのに、今だに二人のイメージは剥がれない。すごい作品。映像化されてないのに、いつまでもイメージで映像化できる。もうどんなテーマでも対応可能。あの当時映像化を考えた人がすごいのか。年月関係なく上書きされない作品。すごすぎやろ〜

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    2022年09月21日
  • REVERSE リバース

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    本書を読み進める中で、有川浩さんのレインツリーの国を思い出しました
    どちらも、メールを通したラブストーリー
    今時の恋愛ってwebやmailがきっかけになっていることも多いのかな
    本書の入れ替わりですが、あっちがこっちで こっちがあっちだったから上手く収まったけど、どちらか一方だけだったらどうなっていたんでしょうね

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    2022年09月17日
  • 40 翼ふたたび

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    人生も半ばを迎えた男達が織り成す物語。

    少し話が端折り気味な感はあるが、読後感は清々しいものを感じる。

    気が付けば40歳まで後10年と少し。
    自分はこれからどんな物語に出会っていくのだろう。

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    2022年09月13日
  • 眠れぬ真珠

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    これまでの石田衣良とはまた違う作風、というよりもあなた男性でしたっけと聞きたくなってしまった。

    内容はオーソドックスな恋愛ものだが、描かれる女性像や人生観がなかなか。

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    2022年09月13日
  • 獣たちのコロシアム 池袋ウエストゲートパーク16

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    さくっと読めるウエストゲートパークシリーズの最新文庫本。児童虐待の最後の章が酷かった。キングもマコトもサザエさんのように歳をとらないでずっと活躍してほしい。

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    2022年09月13日
  • スローグッドバイ

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    比喩表現の美しさ、文章のテンポ。文章力でいえば、石田衣良さんは作家さんのなかでもトップレベルだと(個人的には)思う。

    特に短編だと洗練されていて、引き締まった無駄のない文章は読んでいて本当に惚れ惚れする。

    ちょっと大人な物語であるものの、登場人物たちに共感できる点が多く、楽しかったり悲しかったり寂しかったり、さまざまな感情を一冊の小説のなかで感じることができた。

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    2022年09月09日