石田衣良のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
石田衣良の直木賞受賞作『4TEEN』の続編。16歳になった4人の少年の日々が描かれる。正直なところ『4TEEN』を楽しく読んだのは10年以上前なので忘却の彼方だったんだけど、読んでいるうちに空気感がよみがえってきた。
少年たちは輝いている、少女たちよりも。それはたぶん、自分が女性よりも男性のほうが主体的に生きていると思っているから。14歳であっても16歳であっても少年(男性)ならそうだし、将来が未知だからこその希望を抱え、その一方で周りのことを考えたりウジウジ気にしたりしている。この小説ではそんなアンバランスな世代特有の輝きが美しく描かれている。
中の中くらいに自分を評している主人公のテツローだけど、友達からも女の子からも一目置かれる存在だし、いろいろ変化がある日々を送っている。自分が16歳の頃って、いまとなっては何をしていたのか記憶にないような思い出す気にもならないようなどーでもいい日々だった気がするんだけど、それとは大違いでうらやましい。
エンタメ小説だし、しかも口当たりのいい小説がお得意な石田衣良の手によるものだからすいすい読める。東京育ちだからか石田衣良が投影されているのか、テツローはそつがなくスマート(過ぎ)である意味クール(過ぎ)。現実世界のアイテムが文中に散りばめられているんだけど、このスマートさがフィクションっぽさを醸している。現実にこんな都内在住の16歳の少年なんていないよね、きっと。 -
Posted by ブクログ
石田衣良さんの想像力創造力ってすごい。。。男性が書いたと思えぬこのお話。どうやったら、ここまで詳細なリアル妊婦が描けるのだろうか。
ただ、どうでも良いところかもしれないけれど気になったのは、カフェイン摂取をとても気にしているような人が妊娠中に果たしてお祝いとかの場でも飲酒を何回もするのだろうか、、、。なんで、その描写必要だったのかなぁ、、、。カフェインレス云々の表現がなければ気にならなかったのかもしれないけれど、、、。
話の始めにここまで子供が欲しくないと言っていた人物が本当にここまで心境を変える事が出来るのだろうか(誰もが思うかもしれないが、始めの主人公はやたらイライラさせられるレベルに子供を嫌っている)。ただ、妊婦と一言で言っても人によって千差万別、こういう人も実際にいるのかもしれない。
主人公以外にも不妊治療をしている人や、流産など、妊娠出産とは切り離せない問題をスルーせず描かれていて良かったと思う。 -
Posted by ブクログ
石田衣良の短編集。短編集はあまり読まなかった。一つの話を長く深く読みたいから。
しかし、最近忙しくちょっとした隙間に読むことができる短編集がとても良い。当たり前のことだが、自分の時間によって読みたい本も変わる。
石田衣良の本は読んだことはなかった。
読んでいて思ったのは情景の描写がとても繊細であること。
主人公が、子供から大人まで様々な状況なので読む年齢や状況によってどの話が好きか分かれそうである。
好きな作品はこの3つ。
私が最も涙腺を緩くしたものはハートストーンだ。ありがちな展開でもあるが、そこがいい。大どんでん返しがないからこそ、小説の少しのリアルに胸を締め付けられる。
青いエグジットも良かった。リアルに近い感じがする。五体満足で一生を終える人ばかりではない、出世街道まっしぐらの人ばかりではない、そんな誰にでも起こりうる人生の事柄。マイナスに感じることの中でそれが交互に組み合わさり人の原動力にもなるんだと思わされた。
この父謙太郎はリストラ研修にいかされているが、人間性はとても立派で覚悟のある人と感じた。
天国のベルはリアルからは遠いところがある。ありえないファンタジーはあまり好きではないが、この作品はそうだといいなと思わされた。夫の不倫事故で夫を失った主人公と夫と離婚協議中の2人は学生時代なら仲良くなってなかったかもしれない。人の縁は不思議なもので、決して善の感情ばかりで仲良くなるわけではないし、負の感情で結びついて関係性を築くこともあるなと思った。