石田衣良のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
毎年、秋の彼岸花が咲く時期に出る新刊を読んでいたこのシリーズだが、中古本で読むようになってからは入手時期も思うに任せず、前作はひと月遅れで済んだが、この本は今頃になってしまった。
今回は、俳優のスキャンダルを巡るマスコミを使った攻防、出会いカフェを舞台にした犯罪捜査、オカルトチックに仕上げた監禁事件、ネットで広がるデスゲームが題材。
もはや安定のシリーズは、マコトとタカシ&Gボーイズに任せておけば全て解決(3話目に珍しくマコトだけの話もあったが)だが、ネット社会、格差社会でやっつけるべき敵の姿が見えにくい中、行き着くまでの知恵の絞り出しは結構大変である一方、表面的には『芸能事務所のスケベ社長 -
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3.11からインスピレーションを受けて書いたという200年後と現在を行ったり来たりする脳腫瘍持ちのサラリーマンを描いた壮大なスペクタル作品!
石田衣良っぽくない深さがある!!!
インフルエンザウイルスが全世界に蔓延して世界の9割の人間が死に至る。そこでPCR検査とかしちゃうあたりが、今のコロナも彷彿とさせるような内容になってて、、、これは。近い将来こんな戦争も起きるのでは、、、と。思うくらい、SFなのになんだかリアルで怖いです。。。
ホント。
IWGPを書いてる時くらいに書いた小説なのに、、、今、コロナのこの時期に!これ!!!って思う、むしろリアリティがあってゾッとする内容です。いや、 -
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短編集。半数以上が実話を元にしているとのこと。
●印象的な描写
・人の心の強さは各自ばらばらでらある者には耐えられる衝撃がたやすく別の者の心を砕いてしまうのだ。
・今日子は自分が夜の川に吸いこまれていくように感じた。身体ではなく、心がである。もう別に死にたくはなかった。この流れのまえでは、自分の命も、失恋も、ほんの一滴の水のようなものだった。わたしたちは一滴にとらわれ、一滴を憎み、それでもその一滴からほんの一歩も外にはでられない。それでも、その他大勢の滴たちといっしょに、この川のように流れていかなければならないのだ。生きていることなど、ちいさくてつまらなかった。
・人には立場があって、台詞とい -
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石田衣良の小説のコミカライズで
石田衣良の小説のコミカライズである。小説のコミカライズ作品はセリフが長くなったり、説明文が長くなったりという欠陥がつきものであるが、この作品は原作が電脳物であるにも関わらずうまくその欠点を免れている。逆に電脳物の数字や記号をうまく使っている。
しかしストーリーが込み入っていて今ひとつわかりにくい。 -
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片想いとか、両思いとか、好きとか嫌いとか恋愛のドキドキとかそういうのを全て上から冷静な視点でもって観察して、愛し合うっていう不思議な恋の話。
このお二人。とっても冷静で、見ていてなんとも言えない気持ちになります。
もう、一心不乱に恋愛して、好きだの嫌いだの、浮気しただのなんだのってのを。
ふーん。
と、鼻で笑っていいんじなないのーそれも。的な、なんというか愛とか恋とかなんだとか。もうさ、そういうんじゃないんだよ。ホント。
みたいな達観が、読んでて清々しいわぁ。
盲目的に愛して。苦しくて、嫉妬してとかじゃないの。淡々と愛し続け、そして、そんな自分を冷静に分析し続ける2人が見ていてなん -
購入済み
SFは好きじゃ無いけど…
あまりSF小説は好きじゃないので、著者「石田衣良」というだけで読み始めた事に、最初後悔しました。
でも読み続けるうちに、まるで何年も前から今の新型コロナウィルスの世界的流行を予言するかのようなストーリーに、ずんずんのめり込んでいきました。
最後は、IWGPのような心地よい終わりかたで…、やはり石田衣良氏の著書は好きです。
ただ、やはりSFが好きで無いので星3っにしました。
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Posted by ブクログ
「池袋ウェストゲートパーク」なんかで有名な石田衣良作品。石田作品は初かも。
脳腫瘍で余命数ヶ月の主人公・瀬野周司。
ある時彼は頭痛の末に意識を失い、精神だけが200年後の世界へ飛ぶ。
その世界では“黄魔”という名の生物兵器が蔓延し、人々はそれを避ける為に2kmに及ぶ巨大な塔を建設していた。
塔の上層部には階級の高い人物だけが住むことが出来、下に行くにつれて階級が低いとみなされているのであった。
周司はその世界で「セノ・シュー」という、ブルータワー最上階近くに住む特権階級の人物になっており、
未来の世界の様々な問題を目の当たりにする。。。
いわゆるSFである。
「精神だけ未来へ行っちゃう」な