石田衣良のレビュー一覧
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就職浪人中の白戸は、謎の老人が声をかけられ、月給30万で秘書になるように依頼される。仕事は、新聞の経済欄を毎日チェックすることと、口座を持つまつば銀行の株価を調べること。そのうち、株の値動きがなんとなくわかっていくようになるのだが…。
少し前に読んだ、宇宙人が株価を云々という話と、話の導入部分がほぼ同じ(変な少女が出てこないけど)で、素人株小説って、みんな似たりよったりのプロットになるのだろうか。さすがに年季が違うだけあり、結構読める内容になっているのが、あちらとの違い。
まつば銀行の株を調べ上げていくことで、何かを企んでいるし、企んでいることを隠さないため、起こることを予想したりはできるが、文章の積み上げが丁寧なため、理解がしやすい。
一方で、ヤクザなどの「飛び道具」が使われている割にはあまり効果的ではなかったのが残念。必要だったのかなあ。
最後はまたこう、カタルシスを用意してあるので、単純に株の話で終わらせなかったのは好感。
ただ、石田衣良の作品にありがちな、登場人物が薄っぺらく、感情移入がしにくいのも事実で、主人公格が2人に絞られているため散漫ではないが、相変わらずのめり込めないのだな。
最終的に、起伏の少ない読みやすい話だったなあという薄い感想しか残っていない。割と頑張って書かれているはずなんだがなあ。もったいない。 -
Posted by ブクログ
45歳の奥山雅人は、ネット広告をあつかう「デジタルマウンテン」という会社の経営者であり、友人たち四人と共同出資してダイニング・バー「EAT A PEACH」を立ちあげます。12年連れ添った妻の比沙子への愛情も擦り切れることなく、夫婦仲は比較的うまくいっています。また、彼には藤森麻衣佳という34歳の愛人がおり、彼女も雅人との現在の関係に満足しています。
社会的にも成功をおさめ、妻と愛人との関係にも不満のない日々を送る雅人でしたが、ウェブ・デザインの仕事を手がける、早水千映という25歳の契約社員が彼の会社にやってきたところから、雅人の人生の歯車が狂いはじめます。千映は雅人にとって、いわゆる「肌が合う」女性でした。彼女とのセックスに溺れていく雅人のもとに、千映の父親の孝太郎が現われて金をせびり出し、やがて雅人は妻を失い、愛人をうしなうことなります。
「肌が合う」女性との出会いによって中年の男の運命に大きな変化が訪れるというテーマは、渡辺淳一の『失楽園』と変わるところがありません。おそらく、著者の小説のなかでは出来が良くないほうに分類される気がします。ただ、どこまでも「性愛」を描くことに終始している渡辺の本にくらべると、中年になっても男の「どうしようもなさ」は変わらない、という伏流らしきものが描かれているぶん、本書のほうが優れているように思います。ラスト・シーンで、一人になってしまった雅人が、たまたま出会った少し蓮っ葉な若い女性を誘うくだりには、「ホント、コイツはいい年してしようがないな」と笑い出したくなるような、カラッとした雰囲気があって、個人的にはけっして嫌いではありませんが、ここは評価が分かれるところでもあるでしょう。 -
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ネタバレ池袋のトラブルシューター、マコトの活躍を描くこのシリーズも14作目。
持ち込まれたトラブルを、培ってきた人脈を駆使して鮮やかに解決します。時には“痛み分け”になるような時もありますが、世の中、白黒はっきりしていることの方が少ないので、その方が現実的に思えます。
今回も、ネット上で盛り上がっているデスゲームの管理人を追う『七つの試練』、億ションの最上階に響く謎の音の正体を突きとめる『幽霊ペントハウス』、首を絞めるという変態プレイを好む客に困っている出会いカフェからの依頼を受けた『鏡のむこうのストラングラー』等、Gボーイズのキング、タカシの手を借りながら解決していきます。
一番印象に残ったのは、タカシの親友で、俳優の鳴海一輝がスキャンダルに巻き込まれた話『泥だらけの星』です。
遊びの写真を撮られたことで困った立場になった一輝をどうやって救うのか、どうやったらダメージが少なくすむのかマコトも悩みます。
結局、無傷での解決は難しく、一輝はCMを失います。
でも、俳優さえ続けられればいいという一輝、落ちても這い上がる強さを持っています。
その姿に元気をもらえました。