石田衣良のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
『 読み落としてますか』
うーん。簡単なお涙頂戴ではないのはわかるのだけど、少しだけ、ほんの少しだけ残念だった。どんなラストを迎えても、こういった話はどうにでもできるのだけど、あまりにも綺麗すぎるのではないか。
そして、私はいやらしく疑ってしまうのだ。これは、病気と戦い真実の愛を見つけた男の話ではなく。出産がいかに素晴らしいかということを誇示するためだけのCMではないかと。
子供名前について最後描写があっただろうか?他にも沢山取り残しの物語があったように思う。広げた風呂敷を綺麗にたためとは言いたくはないが、少なくとも私はなにも感じなかった。 -
Posted by ブクログ
『白んだ空とスズメの鳴き声、そして空っぽのコーヒーカップ』
実に石田衣良らしい作品だ。主人公をなんとなく、石田衣良本人に重ねて読んでしまうのは、実際の彼もユーモアに溢れそしてどんなことを考えて様々なことへ思いを巡らせているのかを私が知っているからだろうか。50も遠に超えた人に向かって半分も生きていない私が彼と呼ぶのもおかしい話だが、私の中での石田衣良とはこの主人公の当馬そのものでその当馬もまた私にとって彼と呼ぶことがしっくりときた。
この作品をまだ私は前半しか読んでいないわけだが、今の時点で書けることだけ書いておく。いつも通りしっかりと風刺がきき、そしてさりげなく業界への敬意と呼んでいいのかわからないが、読み手に嫌味にならないように光の当たらない裏側を読ませてくれる。大袈裟でなく真実を嘘に隠してそっと差し出してくれるのが石田衣良だった。
努力とは人に見えた時点でおしまいだと私の友人はいった。ああ、その通りだと思った。だから、お客さんである私たちはベニアで張りぼての裏側の舞台なんて知らない。多分知らない方がいいのだろう。だけど、そっと石田衣良は教えてくれる。決して、侮辱しない程度に、同情を誘わないさりげなさで。そういった所が私は好きなのだ。
これから、どう当馬が病気と向き合っていくのかわからない。それでも、きっと簡単なお涙頂戴で終わるはずがない。だってこの作者は石田衣良なのだから。また目が覚めたら新しい1ページを開こうと思う。早く夜よ、明けろ。 -
Posted by ブクログ
雑誌編集の女性とフリーカメラマンの夫婦が子供を生む話し
この主人公の女、ムカつくな
言ってることはわかるんだけど、ぐだぐだ言うならさっさとそうしろ!とか、オマエがそう思うんんならそうなんだろうな、お前の中だけではな!と言いたくなる
読んでるうちに、何というか女性のしょうもない愚痴を聞いてる気になってきた
そして何より、自分の妻の妊娠・出産持のアレやこれやらが思い出されてとても辛い
もう、妊婦はそれまでの人とは全く異なる別の人という認識くらいに思っておいた方がいいのかもね
特に主人公へのムカつきポイントは
切迫早産の人は偉くて、つわりで苦しんでるヤンキーはゴミクズみたいに思ってるように感じられたとこ
どっちも自分の意志で妊娠して継続してるんだからそんなに変わんねーよと思う
自分も最初は子供いらないとか言ってたのに、自分の中の感情の変化で他者を平気で卑下するような人間、好きになれぬよ
でもまぁ、男の側からしてみたら、奥さんが妊娠した時の地雷を踏まないために読んでおいた方がいい本かも -
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ネタバレ石田衣良さんのは初めて読みました。てゆうかおっさんなのね。イメージでは黒木瞳だったんだけど、裏切られました。もうむり。しゅうかつできない。
描写がとてもきれいで、現代の世界を書いているのに、とてもよく似た別の世界を書いているようにも見える。すごく透き通った水晶のようなイメージ。それは主人公と自分の状況があまりにも違うからかもしんないけどね。
主人公は、誤解を恐れずに言うなら、僕がこうなりたいと思うような人でした。それは理想というわけではなくて、ただ単純に彼の状況、能力、環境がウラヤマシイという意味かもしれません。
個人的にはあっさり系の描写に、肉感たっぷりな印象を受けて、実はこの本はあまり好きではありません。なんというか、ミスマッチに感じるのか単純に気持ち悪いのか、あまり覚えてないんですけどね。読んだのちょい前だし。
でも衣良さんの本は読んでみようという気になりました。次は40を読みます。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ今までは短編3本と中編1本という配分でしたが、今回はほぼ同じ長さの短編が4本。
マコトと池袋に住む人たちの心の触れ合いがあってこその物語だとずっと思ってきたし、今も思っている。
今回はそう意味では面白くなってしかるべきはずなんだけど、あんまり面白くなかったな。
マコトが「自分はたいしたことがない」という度に、事件をうまく解決するマコトの姿とマコトの自己認識が乖離していってしまう。
高卒で、学生時代は落ちこぼれで、そこそこケンカに強くて、クラシックや現代建築に造詣が深くて、女の子にもてないと言いながら近寄ってくる女の子には「自分を大事にしろよ」と諭して追い返す。
鼻持ちならないよね、マコト。
その彼が、短編で、事件に関わった人たちと接触しても、どうも上っ面だけにしか感じられない。
「俺は、自分では何もできないやつなんだ!」と言いながら、海賊王を目指しているやつと、いったい何が違うんだろう。
グロテスクなシーンがなかったのはよかったけれど、全体的に薄っぺらい話だったような気がした。
時代を切り取るって難しい。
切り取っただけではだめなんだ。
切り取ったものになにがしかの視点や思想を加えなければ、それはただの情報の垂れ流しになってしまう。
そんなことを思った。