石田衣良のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「娼年」を再読してこちらの本を続けて読む。
前回の最後にクラブが解散。
これからの見通しもつかず、リョウはこれからどのように生きていくのか。
前作で十分成長を遂げてしまったリョウ。
今作では歳に似合わぬ責任を負わされることになる。
クラブの再開、新人の発掘、そして自分自身の商品価値の引き上げ。
何もかもが愛する人のためならば、ぐずぐずいってはいられない。
トランスジェンダーのアユムの登場はあるものの、前作ほどのインパクトはなく、前作を一貫して貫く優しさのようなものも薄まってしまっている感じ。それはおそらくメグミのせいだと思う。
赦すというのが許される場合とそうでないと時があるのかな。
赦 -
Posted by ブクログ
契約社員として働いていた山形の工場を、解雇された若者4人。
他にやることもないし。という軽い気持ちで、山形から歩き始める。世の中は、変わらず日々が過ぎているはずだけど、4人の毎日はゆっくり、だけど確実に変わっていく。
自分と向き合う時間。
周りの人と向き合う時間。
これからの事をゆっくり考える時間。
石田衣良さんがあとがきでこう言っている。
「ぼくは二十代の十年間を棒に振ることを決心した。「明日のマーチ」のなかには、何度も空の描写がでてくる。その青さも、雲の様子も、夕日の赤さも、すべてあのころぼくが見上げていたものだ。」
周りが当たり前に日々を過ごしているとき、その歯車から外れたり、すご