石田衣良のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ若くてして成功した、ゲーム作りの天才であるMGと、
彼が見つけたモデルのヨリ。この二人を中心に進んでいく
恋愛小説です。
ゲームのヒットによって得た莫大なお金を持つMGには、
ギラギラした出世欲のようなものはありません。
もともと、良いゲームを作ればそれでいい、というような人のようです。
なので、ある意味で、やぼったい生活臭のない、夢のような生活の中の
おとぎ話のような恋愛がそこにあります。
おとぎ話と言ったって、小学生が読むような話ではなくて、
ちゃんとセックスが行われていて、それが官能的に読者の心を喚起したりもする。
面白い小説でした。
僕はどっちかというと、「文学」と呼んだ方がしっく -
Posted by ブクログ
IWGPシリーズのすごいところは表題作以外もそれぞれにしっかり魅力があるところだと改めて思った。
そして本書のラストを飾る表題作は、
久々のGボーイズ内戦もので、本書全体の構成としてはとても懐かしくこれぞIWGPと思うものだった。
だけど、表題作の中身を読んでいくとあきらかに違うことと変わらないものがあると感じた。
昔と違うのはマコトもタカシも年を取っているということ。
とくにマコトの大局を見据えれている感じや池袋内での立ち位置に関しては何年か経ったということがひしひしと感じる。
それをここで如実に表現しているのがすごいと思う。
変わらないものはとくにキング・タカシのカリスマ性である。
かっこ -
Posted by ブクログ
ダーク、ダーク、ダーク!!
読後感悪いよー(´д`)
とは言え、文章にのめり込ませるのは流石。
一気読みしてしまった。
借金で首が回らなくなった人たちの話だけど、
人間ってここまで追い込まれると表に居続けることは難しくなるんだなーと単純に感じた。
堕ちるのって、一瞬。
実は今当たり前だと思っている生活って、氷上のものなのかもと思ったらゾッとしました。
あ、作者本人も書いてあるけど、今銀行であんな方法で現金出金できないから!
10年ちょい前の話だけど、逆にそれがまかり通った時代があることに驚いたわ…。
ま、色々考えさせられたけど、個人的にはやっぱり最後は明るい未来が期待できるような話しが好き -
Posted by ブクログ
ネタバレSFだから仕方無いのだろうけれど、状況説明がくどいのに想像しづらく、また連載作品なので度々おなじ説明が入るのが煩わしかった。
話の内容的には、物語中盤には未来を救う可能性を掴むのに、主人公が全くその事を気にもせず何ら活かせないまま多数の被害者を出して絶望しているのが共感出来ない。
いくら普通の人間とはいえ、40半ばで某有名会社で働いているのだから交渉術なり持ってるだろうと。
やっと後半になって、どうしよう?→覚えよう→2万4千ちょっとある→無理→裸体で覚えよう というのは強引すぎるような。
CD-ROMで渡されていて、舞台は現在地と変わらないのだったら、穴に埋めるとか、研究施設に隠しておく -
Posted by ブクログ
★×3。本当はこれ以上かもしれないし、以下かもしれないけど×3しか付けれない。
やっぱり読後に幸せになれる作品が好きだから。
結末は最初に提示されるので分かっている。どうしてそうなってしまったのかが書き綴られている作品。
改めて考えると、結論はあんなに短いんですよね。短いと言うかあの短文に集約される現実。実際は、あの短文に辿り着くまでに沢山の事があった訳で、それこそ本1冊分(笑)人の人生なんて日常に埋没してしまう小さな事なんでしょうね。
そういう意味で石田衣良らしい力技な作品な気がします。
不条理な事に理由なんてなくて、不条理は不条理なままで、何も変わらない。変えられるのは気持ちだけ…なはず