石田衣良のレビュー一覧
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終盤まではすごくいい本だと思ってた…東京大空襲という題材を綿密な取材によって包み隠すことなくリアルに再現しながらも石田氏の持ち味である三人の少年の暖かな友情と主人公タケシの淡い恋心を巧みに織り込みながら戦時の日常を描く傑作であるのだと。
しかし悲劇の3月10日、タケシが雨の如く降り注ぐ焼夷弾の直撃を受けるところあたりから頭の中には「?」の雨が降り注ぎながら物語はクライマックスへと突っ走る。
結論を言えばこの手法もありなのかも知れないがそれでも犠牲になられた10万の御魂のことを思えば心境は複雑でやはり問題作であることは間違いないだろう。
伝えて行くためには仕方なしなのか -
Posted by ブクログ
脳腫瘍で余命数ヵ月の周司。痛みで意識がとび目を覚ますとそこは、地上がウイルスに汚染され、塔の上層に住む特権階級の人間と下層や地表で暮らす貧しい人々の間で争いの絶えない200年後の世界だった。時間切れ間近の周司は未来を救うことができるか。
大人向けライトノベル、というか大人が主人公のライトノベルという感じ。面白かったのは面白かったが、ご都合主義な感じも否めない。現代にしても未来にしても、妻の存在がよくわからず、少なくとも現代の妻は、家のためだけに周司の世話をしていたとも思いがたいのだけれど、特にフォローもなく終わった。でも、ココが可愛いから、いいか。 -
Posted by ブクログ
石田衣良の直木賞受賞作『4TEEN』の続編。16歳になった4人の少年の日々が描かれる。正直なところ『4TEEN』を楽しく読んだのは10年以上前なので忘却の彼方だったんだけど、読んでいるうちに空気感がよみがえってきた。
少年たちは輝いている、少女たちよりも。それはたぶん、自分が女性よりも男性のほうが主体的に生きていると思っているから。14歳であっても16歳であっても少年(男性)ならそうだし、将来が未知だからこその希望を抱え、その一方で周りのことを考えたりウジウジ気にしたりしている。この小説ではそんなアンバランスな世代特有の輝きが美しく描かれている。
中の中くらいに自分を評している主人公のテツロー