石田衣良のレビュー一覧
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本から遠のいて久しい。ふと本に戻ろうと思った矢先に目に入ったのがこれ。読書再開にはもってこいの一冊。本作はシリーズ13作目。池袋を舞台にマコトが活躍するのはいつも通りだが何か物足りなさを感じた。それはきっと,焦りだとか葛藤のようなもの。それだけマコトも大人になったということだろうか・・・それはそれでちょっと寂しい。
あらすじ(背表紙より)
真冬の池袋で、超高給短期バイトの情報が駆けめぐる。たった半日で報酬は10万円以上。怪しすぎる誘惑に浮き足立つ若者たち。隠された目的は何なのか。そして、募集に使われた闇サイトの運営をめぐり、マコトのもとにはある財団から依頼が持ちこまれる―。表題作ほか3篇収録、 -
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IWGPシリーズも13巻目。
いつもお彼岸の頃に読んでたけど、中古本屋で買うようになって、今年はひと月ズレた。
今回取り上げられるのは、子どもへの虐待、覚醒剤、エセ霊感商法、振込詐欺。
これまでも、良からぬ世相を切り取って、それに対する批評を加えてきたこのシリーズだが、今回はそれぞれの話の冒頭で、『ご清潔な人の道から、わずかでもはずれてしまえば、数の力を頼りにした恐怖のバッシングが待っている』とか『ニッポンの中年はいったいどうなってるんだろう』てな文章があって、取り上げたテーマ以外でも、今の息苦しい時代の色んな事象に対して、石田衣良、これまでになく憤っているもが良く分かる。その気持ちには全く -
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マコトの母ちゃんはやっぱりかっこいい!
千川フォールアウト・マザー
マコトのおかんの話。シングルマザーが立ち直るためにおかんが一肌脱ぐ話。真島家の生い立ちが語られて、それと重ね合わせるように物語が進行する。カッコいい!
池袋クリンナップス
珍しくキングからマコトへの仕事の依頼が舞い込む。ボランティア団体のリーダーが誘拐にあう。当然の成り行きとして身代金の要求となるが、警察には届けずに解決しようとするのは解せない。
定年ブルドッグ
またしてもタカシからの依頼。元カレに脅される女性の話。
ここに出てくる元刑事のかっこいい活躍と女性に相対するときの優しさのギャップがいい。
非正規レジスタンス
非正 -
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最新刊。安心・安定のIWGP。
なんか読んでいて思ったのは、IWGPのマコトはゲゲゲの鬼太郎の現代版じゃないかな、なんて思ったり。
池袋という都会なんだけどどこか混沌とした場所に住んでいて、困った人の依頼があって動き、仲間と共に個人の悩みを解決する。なんかどこかに居そうな感じが鬼太郎っぽいなぁ。
というわけで今回も児童虐待やスピリチュアルやドラッグや求人サイトやら色々と取り揃えていて盛沢山。あ、そうそう。怪しげなカード詐欺もあったか。
マコトとタカシが居れば大丈夫って安心感がすごいなぁ。久々にサルとかジョナサンに居座る情報屋が出てきて懐かしくも嬉しい。
アニメ化だというけれども変なヒロインは -
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終盤まではすごくいい本だと思ってた…東京大空襲という題材を綿密な取材によって包み隠すことなくリアルに再現しながらも石田氏の持ち味である三人の少年の暖かな友情と主人公タケシの淡い恋心を巧みに織り込みながら戦時の日常を描く傑作であるのだと。
しかし悲劇の3月10日、タケシが雨の如く降り注ぐ焼夷弾の直撃を受けるところあたりから頭の中には「?」の雨が降り注ぎながら物語はクライマックスへと突っ走る。
結論を言えばこの手法もありなのかも知れないがそれでも犠牲になられた10万の御魂のことを思えば心境は複雑でやはり問題作であることは間違いないだろう。
伝えて行くためには仕方なしなのか -
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脳腫瘍で余命数ヵ月の周司。痛みで意識がとび目を覚ますとそこは、地上がウイルスに汚染され、塔の上層に住む特権階級の人間と下層や地表で暮らす貧しい人々の間で争いの絶えない200年後の世界だった。時間切れ間近の周司は未来を救うことができるか。
大人向けライトノベル、というか大人が主人公のライトノベルという感じ。面白かったのは面白かったが、ご都合主義な感じも否めない。現代にしても未来にしても、妻の存在がよくわからず、少なくとも現代の妻は、家のためだけに周司の世話をしていたとも思いがたいのだけれど、特にフォローもなく終わった。でも、ココが可愛いから、いいか。