石田衣良のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
【2026年60冊目】
異性同士のルームシェア、壁紙から始まり終わる寝室、マンションを買おうとする女、引きこもりの息子と向き合う父親、熟年カップルの恋、本を朗読する愛人、浮気を繰り返し理想を追う人妻、子どもにより世界が変わった妻、マッサージと色恋の天秤、DVに悩む妻――自由の名を冠したタワーマンションに住む不自由な人達の物語。
石田衣良さんの書く短編集は結構好きで、時々手に取ります。これまで読んだ短編集は結構甘めでしたが、今作は御本人もおっしゃっていた通り、ビターめな話が集まってました。一作目の終わり方を見た時が一番びっくりしたかも。これまでの感じでいったら、絶対…ねえ!って笑 良い意味で期待を裏切られた感じでした。
今作の中には恋愛だけではない家族の在り方や生き方に触れる話なんかもあって、ちょっと考えたりしながら読んでいました。ただ、結婚に希望を抱いてる人や、これから結婚しようとしてる人は読まない方がいいかもしれません。未来の展望が暗くなる苦笑
あくまでフィクション。でもどこかでありそうなリアルなお話。ビターを求めているけど、そこまでハードなのはちょっと…という方におすすめです。 -
Posted by ブクログ
IWGP 8作目。
初版が2008年なので読んでるかも、と思いつつ手に取る。
非正規雇用。
その悲惨さが短くまとめられている。
東京じゃなければ、ネカフェに寝泊まりしてまで東京にしがみつかなければ、とかそういう問題じゃない。
働く気があって真面目に働く人のその意欲を掠め取るようなこの制度がクソなんだよ。
当時もニュースでネカフェで寝泊まりする若者が取り上げられていたけど、2008年から現在の2026年。
状況は良くなったか?
賃上げ賃上げ!と、なぜかその権利のない政府が減税も社会保険料も下げる事なく声高に叫び、企業に「人間の価値」を丸投げした挙句、外国人の雇用に前のめり。
そうまでして働く人にその対価を払う事が嫌なんか。
超氷河期世代でもある自身を振り返っても、引く手数多と言われる現在の求人内容への期待値が持てず、子供をこの国で育てる不安ばかりが煽られる。
石田衣良さんの書かれる小説のように、マコトが、キングが真っ直ぐに、時に暗躍しながら壁をぶち壊してくれないもんかな。 -
Posted by ブクログ
追い詰められた人達の最後の一手。ピリオドのその先。
ラストライド→車と妻をかけてるのかなってすごい気になる。自分が助かる道を捨てる事ができるくらい強いのに、なんでここまで追い詰められたのか。
ラストジョブ→確かに犯罪ではあるんだけど…救いっていうのとはまた少し違う気がする。足が悪いから何かが変わるっていうのは偏見だし、誰でも快楽を追う権利はある。彼女は、その権利その物になったのかなって思う。
ラストコール→すごいホラーだった。いきなりノリが変わってびっくり。読み終わってから気付くけど、彼女にとってもラストコール、僕にとってもラストコールになったんだな。一つ思うのは、そういう仕事してたんだから仕方なくない?っていう。
ラストホーム→見える価値ではないものの話。ホームレスになって本当のホームを見つける。フリの爺さんの呼び方が、老人から彼になって、最後彼女になるのがすごい良かった。
ラストドロー→内臓みたいな子いたよね。エンターテインメント性があった。一発逆転の一人勝ち。
ラストシュート→すごい胸糞悪い。途中可哀想な人だな、みたいな同情誘ってるけど全然同情できない。フィリピンっていう地のリアリティ。
ラストバトル→底辺なりの世界があって、底辺なりの光が見える。切ないハッピーエンド。
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Posted by ブクログ
ネタバレ「愛情なんて、別にむずかしいことではまったくない。相手の最期まで、ただいっしょにいればそれでいい。それだけで、愛の最高の境地に達しているのだ。ぼくたちはそれに気づかないから、いつまでも自分が人を愛せる人間かどうか不安に感じるだけなのである。」
好きな人と長く付き合うと、愛せているか、これからずっと愛することができるのかと考えてしまうことがある。このフレーズを読んでいたら、自分の選択も違っていたかもしれない。
自分がもし最愛の人を失ったら、太一と同じように心の中で想い続けるだろう。しかし、太一のような過去を持つ人を不安なく愛することはできないと思う。一生をかけてもその人に劣るのだろうな、と感じてしまうのは私だけだろうか。