有栖川有栖のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
この時代って携帯電話も普及してないしWEB検索が当然でもないし固定電話の番号は割とすぐ覚えられる脳してたんだよなあって・・そんな昔じゃないはずなのにめちゃくちゃ遠い日に思えてしまって、本編と全然関係ないんだがそういうとこにはあ〜〜って溜息つきながら読んでました。
そして海のある奈良というものを知らなかったのでもうずっと普通に奈良だと思ってたせいか真相はそこまで驚くこともなく(小浜のあれこれは面白かった)、犯人も奴さんしかいないよなーだったのに、やっぱりスルスル読めて楽しいんですよね!!なにこの魅力!!!
あとあれだ、火村がなんか抱えてるのはもうバレバレなわけだけどそれが少し顕在化したのもおお!だったし、それに対してアリスがもう受け止める準備できてんねんでとひたすら待ってるのにもああ!だったのでなるほど。2人の掛け合い楽しいなあ楽しいなあって思ってたけどそれがもう一段深くなった感じですにょほほ。
明け方ちょっと起きてたの匂わせたあたりがずっこいというか優しいというか。
いやーーー気になる!!! -
Posted by ブクログ
猫をテーマにしたアンソロジー短編集ですね。
人気作家7人が、謎と企みに満ちた短編を綴ります。
目次
世界を取り戻す 村上由佳
女か猫か 有栖川有栖
50万の猫と7センチ 阿倍智里
双胎の爪 長岡弘樹
名前がありすぎる カツセマサヒコ
猫とビデオテープ 嶋津輝
幸せなシモベ 望月舞衣
阿倍智里さんがエッセイで猫との生活を描いた作品で、それ以外はフィクションの短編なのだけど、猫が脇役扱いなので、ちょっと残念です。
長岡弘樹さんと望月舞衣さんはさすがに短編の名手ですね。有栖川さんは、学生アリスで久しぶりに江神さんがでてきますが、精彩に欠けてましたね!
題名に惹かれましたが、もうひとつと云うところでした(=゚ω゚=) -
Posted by ブクログ
ネタバレインド倶楽部の謎
前世は昨日、現世は今日、来世は明日。そう思えたら火村先生の苦しみも少しは楽になるかな。
いろんな角度の“前世”が出てくる。
インド倶楽部のメンバーが信じている“前世”、生きながらにして“前世”を持ってしまった女性…
効率的なので、警察は動機を基に捜査する。でも火村先生は違う角度から推理していくというのが面白い。
たしかに、動機の部分って犯人特定への近道だし、それがわかるとスッキリする。
弦田さんが自白したとき、動機について描かれていなかったから、早く先を読んで、なんでこの人が殺人をしなければならなかったのか、を知りたかった。人は、原因を知りたい欲があるんだな。
(弦田さんが自白するところまでお昼休みに読んで、続きは仕事が終わってから、と決めたら、仕事頑張れたよ!)
毎回事件にタイトルを付けているアリス。
今回のインドでの前世を持つものの集まりは、《インド倶楽部》と名付けた。タイトルは『インド倶楽部の謎』。(倶楽部って漢字、絶妙にダサくて好き。わたしも〇〇倶楽部作りたい)
AからZの本格ミステリをこのシリーズで書いていきたい、とあとがきにあって、ぜひ、AからZの本格ミステリをこのシリーズで読みたい、と思った(需要と供給の一致)。
カレーが随所に出てきて、食べたくなったので今夜はカレーです。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ初めて読んだ火村シリーズは「乱烏の島」だった。こういう本格密室ものを書く人だと思っていたし、最近絵画を題材にしたタイトルが目につくので、気になっていた『ダリの繭』が文庫になったので楽しみに読んだ。
有栖川有栖さんはちょっと親しみを感じる大阪弁の人で、最近は上町台地の七坂を書いた「幻坂」がある(まだ積んでいるが)だからか火村助教授も相棒のアリスさんも親しみがある。
タイトルは、ダリに心酔している宝飾会社の社長が使っている、リフレッシュ装置のエポジウム溶液が入ったフロートカプセルを繭にたとえたもの。それは鉄の器にも繭にも見える。
その社長が、六甲にある六麓荘の別荘でカプセルの中で浮かんで死んだ。額に傷があり他殺だった。狭い容器には開閉口があり、使うときは蓋を引き上げて出入りするが狭い。
側の脱衣籠は空だった。その上奇怪なことに世間に知られているダリ髭がさっぱり剃り落とされていた。
創設者の父よりも経営手腕の優れた現社長がテナントを増やして会社を拡大してきた。ダリに心酔するあまり鼻の下にひげを蓄え両端は固めて跳ね上げて、それをトレードマークにしている有名人だった。別荘はダリの模写やレリーフで飾り、仕事を離れると付き合い下手で終末は別荘で一人静かに過ごすことが多かった。
社長が長男だったが、三人の兄弟は皆母親が違っていた。
次男は副社長で店を手伝い三男は広告会社にいた。
三男は姓が違っていたので、付き合いがあるアリスも宝飾店とのつながりを知らなかった。兄弟はそれぞれ仕事も順調で資産もあり、兄を殺す動機は薄かった。
独身の社長は秘書の鷲尾優子を愛していたがプロポーズの機会がなく、優子の方は仕事上の付き合いと割り切っていた。
しかし二人の関係は周りがやきもきして見守っていた。
だが勝手な勘繰り以上のことはよくわからず、事情聴取ということで優子の線を当たり始めたところ、彼女は社内の宝石デザイナーと婚約して間もなく結婚する予定だったことがわかる。
火村とアリスは科捜研の調べで殺人現場はリビングで、遺体をカプセルまで運び衣類は処分したことを知る。
しかし、それなら犯人はどうやって見とがめられずに来て帰っていったか疑問が残る。
なくなっていた二足の靴と凶器の人形が、道筋の河原に捨てられていた。
火村が見ると凶器になったできの悪い人形の眼に、歪なパールがはめ込んであった。社員旅行の折に土産物屋で買った者がいたそうだ。しかし彼は人形を自宅にそのまま飾ってあった。人形は二体あった。
回りの人たちはみな曰くがありそうだがアリバイがあり、遺産相続がらみというありふれた原因は兄弟ともになく、恋敵の仕業でもなく、といって決して自殺ではない。凶行時間に別荘に来ていた三男がカプセルに入っていたが、彼も入るのは二度目でタイマ―がいつもより長い50分にセットされていた。その間に凶行が行われたと思われる。彼は音を聞いていない。
多分血に染まっていただろう衣類は?
火村は終盤まで混乱していた。
一体だれがなぜどこでどうやったのか。
手がかりは血に染まった衣類か、それはどこにあるのか。
人形から出た指紋は?
読みやすいが謎は取っ組みにくい。
火村さんの手引きで終盤になって一気にケリが付いてしまったが。そこまでのこんがらがったストーリーは面白い。地理がよくわかるのもいい。
謎解きは楽しいし、火村助教授とアリス、二人の関係がほほえましいので次作も楽しみ。 -
Posted by ブクログ
ネタバレフィールドワーク!
火村英生シリーズ読破への道。
Huluドラマ版を観たはずなのに、犯人を忘れていた。
なんてありがたい記憶力の無さ!
ドラマ版は火村先生も“悪夢を見る部屋”に泊まっていたような…?
文庫版あとがきに、ドラマで火村先生の悪夢が描かれたことから今作の着想を得た、と書かれていて、こういう相乗効果のようなものはとても素敵だしどんどん盛り上がると嬉しい!(呪術廻戦の宿儺戦もアニメ版の影響を大いに受けていると書かれていた。)
たしかに、ドラマ版火村先生の悪夢のシーンはとても印象的でよくおぼえている。今作の舞台の森は、落雷するくらいの豪雨もあったし、ドラマ版火村先生の悪夢に出てくるような薄暗い湿った森なのかも。
少ない情報から細かく犯行の状況を推理できる火村先生は鋭い観察力を持っているなあ(いまさら)。推理したストーリーで犯人を追い詰めてしまうんだからかっこいい。もちろん毒矢となったアリスの言葉も。
動機を無視して考える、と宣言しているとおり、すみずみまで動機について描かれているわけではないので、語られていないことが多い。そこは少し物足りなく感じてしまうかも?
本当に好きなので何度でも言いますが、今作も火村先生とアリスふたりのやり取りが最高に心地よいです!
それだけでなく、アリスの独特な皮肉交じりの言い回しも多くて、面白かった。メモらずにはいられない!
…ということで、メモしたお気に入りの言い回したち↓
“ありあわせのものをフル活用して名前のつけようがない料理を作り、自らその責任を取った。”
“現実はいいよな。どんな出鱈目をやらかしてもリアリティがない、と叱られることがない。出鱈目ばかりやらかしているくせしやがって。”