有栖川有栖のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
学生アリスと作家アリスとノンシリーズで単行本未収録のものをまとめた短編集。
冒頭から久々の江神さんの登場に歓喜。火村とアリスが永遠34歳で令和の世を生きているように、江神さんたちも永遠大学生で今の世を生きているのだろうか。
「推理研VSパズル研」頭が悪すぎるので江神さんの答えがいまいち理解できなかった。悲しい。
シリーズファン的には懐かしの面々に会えて確かに垂涎の1冊ではあるのですが、ひとつひとつのストーリーはどうも精彩を欠いていた印象でした。この作品で学生アリスや作家アリスを知った方はぜひそれぞれのシリーズの第一作目から読んでみてほしい。 -
Posted by ブクログ
タイトルに惹かれて、読む順番をすっ飛ばしてしまった。
お店にまつわるタイプの違う5つの短編が楽しめる。
『ショーウィンドウを砕く』
大好きな倒叙作品。やっぱり圧倒的にこの作品が好みだった。
日常に普通に溶け込んで暮らしているサイコパスの心情が描かれていて、なるほど、こういう心理なのかもと興味深かった。
「自分だけが真相を握っている」という犯人の歪んだ余裕の描写が秀逸で、確かに犯人側の心理としてはそんな感覚なのかもしれないと妙にしっくりきた。
『燈火堂の奇禍』
『乱鴉の島』(他作品)の登場人物の名前が出てきてニヤリ。
『潮騒理髪店』
メインの謎解きよりも、理髪店の店主に散髪してもらう火村先生とのやり取りや、ノスタルジックな空気感がとても良かった。
店主の巧みな技は、読んでいても爽快で心地良い。潮騒の聴こえる理髪店なんて行ってみたいな。
東川篤哉さんの文庫版解説もユニークでとても面白かった。
読後感がさらに楽しくなる解説だった。
電子書籍にも解説を付けてくれて嬉しい。
体調不良で本が読めなかったけど、有栖川作品だとやっぱり面白いし落ち着く。
色々あって電子書籍を買ったこと自体もすっかり忘れていて、久しぶりの火村先生。
お気に入りの作家は制覇したくなって、つい続けて読んでしまうタイプだけど、こうして間を空けて再会する火村先生は、また新鮮な気持ちで楽しめた。
★3.5 -
Posted by ブクログ
BRUTUSの「怖いもの見たさ特集」で取り上げられていたので、てっきりホラー小説だと思って読んだら怪談小説だった。ホラーと呼べるのは、表題作くらいかな。
正直、怪談小説はホラー小説の1ジャンルくらいにしか思っていなかったので、なんだかあまり怖くないなぁと思いながら読み切ってしまったのだけど、あとがきで著者が怪談小説とホラー小説の違いを説明してくれていて、自分の認識の誤りに気づけた。
怪談は、ただ怖がらせるだけのものではない。奇奇妙なもの・幻想的なものを描くものだったり、もの寂しさや切なさを味わうものだったりする。『ばけばけ』での怪談の描かれ方がそうだったな、と思い出す。
ホラー小説だと思って読むと拍子抜けしてしまうかもしれない(でも角川ホラー文庫じゃなくて角川文庫の時点で気づくべきだった)けど、奇譚だと思って読めばしっくり来る。そんな作品だった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ登場人物17人?!いや多い多い……と思いながらも頑張って読み進め、紹介や導入がしばらく続き「マーダー・ゲーム」がようやく出てきたのは67ページ。
このゲームの最中に誰か死ぬのか?と思ったりもしたけど、そういった事もなく読みはしっかり外れました!
と思っていたら夜が明けて1名が消え、からの大噴火。
噴火に関する描写は文字だけでもしっかり怖い。。。
その後は一夜毎に人が消えてくわけだけど、そもそも!!!
なんであんな危険な状況で各自好き勝手動き回るかね?!殺してくれと言ってるようなもんでは……?!
と内心ドン引きしつつ、
でもあんな状況下なのに誰も発狂したり暴れたり泣き喚いたりしないの凄いな偉いな。とも思ったり。
大の大人でも恐怖でおかしくなる状況ではあるから。
アリスにお兄さんいたのかとか思ってたら、大事な証拠らしきものを隠蔽し始めて、おいおい、、、。と好感度ダダ下がり。なんだこいつ?人が死んでるんだぞ何してんの?
カメラのフィルム抜かれたのも、序盤ならまだしもあのタイミングでは警戒しとくべきだよなぁ。とかちょっと思ったけど、そういうのも第三者視点だから言える事だよね。二十歳そこそこの学生たちがあんなに落ち着いていられるだけすごいよな。
本筋とズレるけど、会って数日しか経ってない女子に対して、アリスの異様なまでの執着が怖い通り越して気持ち悪い。信仰?崇拝?ちょっと異常なほど心酔していてゾワゾワする。
今際の際かもしれない時に「最後の時には一緒にいたい」はまだしも「この世で最後に愛した人の顔」はさすがに、、、
「闇の中、理代の霊気(オーラ)が僕をしっかりと導いた。」とか、色々過剰……若さもあるだろうけど、アリスの性分もあるのかな。そもそも両思い確定演出すらないのに、一人でここまで盛り上がれるのはちょっと普通じゃないよな……。
あと序盤からずっっっと思ってたんだけど江神さん好きです。
特にアリスが理代の行動やナイフの事を隠していた事実を知った時の江神さんの態度はなんかすごくよかった。余裕あるなぁーと。
後半、いよいよヤバいかもって時にアリスが
「江神さん、短いおつきあいでしたけど本当に楽しかったですよ。部長に会えただけであの大学に入った甲斐がありました」
と言い出し
「まだそれを聞くのは早いな」と江神さんが返すあたりの二人のやりとりもなんかいい。アリスちょいちょい面白くていいキャラしてる。
江神さんの謎解きから犯人の自白あたりは、いろんな意味でちょっとしんどい。
雑に言ったら三人に揶揄われたってだけのことで、いとも簡単に人殺すなよ。と。
確かにそれを機に山を降りてしまった彼女が運悪く亡くなってしまったと(思い込んだと)しても、そんなぽんぽん殺すか普通?どういう心理??と思ったけど、
間接的に、最愛の人がその揶揄いきっかけで(結果的に)死んだと思ってしまったら行き場のない思いや、やり切れなさが振り切ってしまったのかなぁ?もちろん揶揄ったことはよくなっただろうけど、擁護するみたいだけど悪質なイジメや犯罪を犯したわけではないわけで、殺された側からしたらちょっとたまんないよなと…。
てかサリーは残念なことに実際亡くなってしまっていたけれど、もし生きてたらどうすんのよ……。取り返し付かなさすぎでしょうが。
そんな理由でいくらなんでも殺すの…か…?という戸惑いと非難の気持ちが明確にあるのに、
内臓破裂でもう長くはないかもって時の謎解きに、自分の命が長くない事を悟ったかのように息も絶え絶えに自白する痛々しい姿はちょっと見るのもしんどく、悪あがきもなく潔く認めるどころか江神さんに清々しく降参し始めるからなんかなんとも言えない気持ちになってくる、、、!
「江神さん」「月の、せいじゃ、ないよ。真夏の、照りつける、陽の下で、俺は、サリーの、ナイフを、手に入れて、人殺しの、機会を、窺ってたんだ。月の、せいになんか、する気、ない。」
とか言ってるあたりではなんかもうこっちが泣きそうになってしまい感情迷子。
とはいえいくらなんでもやり過ぎだよなと思っていたらアリスが
「聞いたばかりの彼の告白の意味を、果たして自分が理解したのかどうか、定かではない。それしきのことで三人もの人間の生命を奪えるものだらうか、という想いを心のどこかに留めたまま、僕は彼の物語をそこまま受け入れた。」って言ってて、そうだよな、そう思うよな…と。
シンプルに動機に納得も共感もできないのかも。理解はまぁ、本人が言うならそうなんだろうな、くらい。
ほんでしつこいようだけど、どいつもこいつも会って数日でそこまで相手にのめり込めるか?!?!という部分だけ最後まで引っかかりました。
シリーズ2作目読むのも楽しみ! -
Posted by ブクログ
ネタバレパロディから超短編まで盛りだくさんの短編集!
様々な媒体で発表された作品をまとめたもの。著者も述べているようにまさに見本市のような。しかし新本格の作家だからか、ちょっと皮肉を効かせて後味苦めな話の方が著者っぽいと思った。
「線路の国のアリス」あのアリスを有栖川有栖が書くとこうなる。アリスの行動力は原作通り。
「未来人F」もしかして、と思ったがやはり江戸川乱歩アンソロジーだった。メタなところが著者っぽい。
「本と謎の日々」読んだ覚えがあると思ったら、その通りだった。大崎梢アンソロジーだからか、大崎梢っぽい。このメンバーの別の話も読んでみたい。
「こうして誰もいなくなった」表題作。もちろん「そして誰もいなくなった」を下敷きにしている。元を知っているとなるほどそうきたか。それにしてもむちゃくちゃな探偵のキャラクターがいっそ気持ちいい。また出てきてほしい。 -
Posted by ブクログ
今や大御所感もある有栖川有栖のデビュー作。
今頃読んでる笑。
平成のエラリークイーンという触れ込みだったと思うが、クイーンをそんなに読んでないのでよく分からない。この物語が論理的かと言われるとそうでもない気がするが・・
フーダニットの部分はそれなりに鮮やかな謎解きなのだが、いかんせん動機が弱いと言うか不可解。僕には理解できない。大傑作とは言えないと思うが、デビュー作と思えば大したものかもしれない。
有栖川有栖と僕はほぼ同世代なので、物語で描かれている大学生のキャンプでのノリは良く分かる。懐かしさでいっぱいになった。この感じを味わえただけでもよかった。