あらすじ
殺された社長・堂条をめぐって複雑にもつれあう人間関係。アリスの友人で、堂条の義弟である吉住への疑惑が深まる中、火村は明晰な頭脳を働かせ、真相へと近づいていた! 名探偵の推理が冴える鮮やかな解決編!
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Posted by ブクログ
第3巻(下)を読破。
上巻を読み終えて、すぐさま下巻に取りかかりました。
何者かに殺害されたダリ髭の堂条社長。
いったい誰が彼を殺害したのか、なぜ社長の遺体をわざわざカプセルの中に入れたのか。
私もツイッターで予想やにわか推理をしつつ読んでいたのですが、ひとつもかすりもしなかったなあ。
苦笑
前回のラストでアリスの元同僚さんが刑事さんに連行されてしまいまして。
今回の始まりは彼の供述シーンからで。
社長が愛用していたカプセルって本当に心地いいのかなあ?
なんだかちょっと気になりますね。
今も運用されているのかしらん?
さて、連行された元同僚さんですが、彼は殺害は否定していて。
それ以外の工作(一部除く)は全部彼が行ったことでした。
うーむ、やっと謎が解けると思っていたのに、肝心なところは結局わからずじまい。
さらにはどんどん容疑者が増えていく始末。
凶器が発見され、アリバイがある人に実は偽証の容疑がかかったり、意外な正体とかいろいろ。
本当に読み応えありましたー。
クライマックスらへんではもう予測も推理もせずに夢中で読んでいました。
ああ、そういう発想か、全然思いつかなかった……と思いました。
やっぱり推理小説の感想は書きづらいなあ(;^-^)
ネタバレしちゃうとあれだし、いや、元々ノベルス版で出ているわけだけれど、ビーンズ文庫が初って人もいるだろうし。
あ、そうそう。
飛行場の近くでデートするのが夢だったっていう人がいるんですが、私はノーセンキューです。
ジェット音怖いでしょう((゚Д゚ll))
まあ縁遠い事柄ですけどね!
爆笑
次も楽しみです!
Posted by ブクログ
今回も面白かった。
色んな出来事が重なって事件が複雑化してしまったんですねー。
「ダリの繭」、いいタイトルだと思います。
同じ作品でもビーンズ文庫ならではの挿画が気に入ってます。
Posted by ブクログ
〔吉住〕吉住は悪手を打つ。打ち続ける。ミステリではこういう登場人物が多いが実際は警察に連絡するだけですませそう。
〔堂島秀一〕ダリの真似をしてるのだからエキセントリックな人物かと思っていたら意外に普通な人物。
〔混迷〕「これじゃ火村先生はつらいよ。なかなか真価が発揮できなくて」(p.79)
〔罪と罰問題〕火村が語る。
〔女神像〕伊勢志摩土産にして凶器。販売開始依頼二つ売れた。
〔推理小説〕有栖が小説を書き始めた理由。
〔カナリア〕早くカナリアにエサをやってくれ、とずっと思っていた。
〔靱公園〕鷺尾が火村たちと話した公園。ぼくにとってはちょいちょい行く馴染みの場所です。
〔おまけ〕ビーンズ文庫版下巻には掌編「シュルレアリスムの午後」が収録されている。
Posted by ブクログ
下巻の見どころは、新しい証言や証拠が出るたびに犯人候補がころころと変わり、いったい何が真実で誰が犯人なのかと困惑させる部分だ。
結局は火村がすべてを見通し事件を解決するのだが、1個だけどうしても納得いかない部分がある。それは凶器についた指紋だ。
事件と全く関係のない相馬の指紋が凶器の置物についていたという。警察の鑑定でも間違いないとのこと。だがそれは去年、社員旅行で行った鳥羽の土産物屋で偶然触った際についたということだ。それがぬぐわれず風化せず残っていたというのがそもそも疑わしい。そんなことってあるだろうか。まあいいあったとしよう。
しかしその置物は凶器として使われたのだ。購入した堂条秀一や、持って振りかざして犯行に及んだ長池の指紋はどこへ行ったというのだろうか?
手袋をはめていたなどの記載は一切ない。犯行後に指紋をぬぐったのだとしたら相馬の指紋も消えるよね?という疑問が残る。
これはさすがにずるいミスリードだとしか言えない。しかも相馬の指紋は事件の真相には全く関係なく、ただページを稼ぎ物語を引き延ばすためだけにある挿話でしかないという事実。ううむ
Posted by ブクログ
連行された友人が、警察で語った内容とは?
何がどうそうなるのか、さっぱり分からない状態。
解答を読めば、すべてがぴったり当てはまります。
が、これを分かれと言うのは…。
いやでも現実的に、両者の立場が入れ替わる、のは
ある事ではあります。
何だかこう…救いがあるのような、ないような。
ここに到達するまでに、色々な人の秘密が
一緒に解き明かされてしまっています。
Posted by ブクログ
面白かった!!上下巻に渡る久しぶりの長編ミステリ、読み応えありました〜。個人的にはあとがきもとても良かった。有栖川有栖さんの人柄がとても良さそうで、もっと彼の作品を読んでみようと思いました。
Posted by ブクログ
『ダリの繭』下巻。
複雑に絡み合った謎の糸が、火村の推理によってじょじょに解けていく。果たして、堂条社長を殺したのは誰なのか?
******
事件に関わる人物達が、それぞれの事情で嘘をついていたり黙っていたりするために、「誰が犯人なのか?」が非常に分かりづらくなっているところが面白いです。
この人が怪しいけれど、この人も怪しいような……という繰り返しですね。
それから、謎解きとは別の部分で、アリスと火村の『繭』についても触れているのが、この作品の特徴でしょうか。
誕生日に食事をして祝うほどの仲なのに、お互いに相手を気遣って一歩踏み込まない部分があったり、言わないことがあったり、そういうところもシリーズが進むごとに、少しずつ変化が現れていくのでしょうか。
作家アリスシリーズは長いシリーズなので、気長に読み進めていきたいと思います。
Posted by ブクログ
私も上手く言葉にはできないけれど、繭を持っている。羽化できるか繭の中で死んでしまうかはわからないけれど。
ところどころ古いと感じる物は出てくるが、ストーリー自体は古くなっていなくてその点は素晴らしいと思う。
ストーリーとは関係ないが、カナリアが気になった。
Posted by ブクログ
ダリ繭の愛憎版?新装版?を読んでない人にとっては「書き下ろし」の短編が付いている。わざわざダリ繭の分量を上下に分けたのもこの「書き下ろし」短編を入れるため…だと考えるとあまり怒りは沸きませんよね(言い聞かせ)
Posted by ブクログ
ショップ特典のイラストカードを揃えたくて、上巻と同じショップで購入。出版社のペーパーも付いていて満足である。以前に読んでからこのビーンズ版で読み返すまでに2年ほどの間が空いていたのだが、表紙も変わり挿絵も収録となると違う作品のようにも感じられた。ただ、息苦しくなるような悩ましい読後感は強まるばかりだし、アリスと火村先生の何気ない会話にもやはり胸をつかれる。しっかり目を開いていないといつ転んでもおかしくないような危うさも変わらず、そしてそれがシリーズの魅力のひとつなのだよなあと、途方に暮れた気持ちになった。