宮木あや子のレビュー一覧
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久しぶりの再読。やっぱり面白い。
付き合っているのかいないのかよく分からない彼氏との性生活に悩む鑓水、年上社長とお付き合いしている、その社長より実家がお金持ちな朝日、超遠距離恋愛の相手のいい加減さに焦る壺井、確固たる意思を持って殴られている桶川、不倫関係から抜け出せない横山。
アラサー女子たちのあまりのあけすけな表現に、厭らしさなど全く感じず、逆に可笑しくて読みながら思わず声を出して笑ってしまうこともしばしば。
だが全員が受け身ではなくて前向き積極的に今を生きていて、単なるコミカルなだけではなくて自分の生き方や恋愛に悩んだり互いに気を遣い合ったり本気で相手のことを思ったり、そういう友情関係も素敵で設定よりもずっと深く楽しめた。
全体的にはとても軽快、宮木さんらしい表現とユーモアが溢れている。これを男性が読んだらどう感じるのか、引いてしまうかも知れない。
女性にはとても楽しめる前向きな作品だった。 -
Posted by ブクログ
2017/11/06
四編からなる恋愛小説集(そんなキラキラしてない)!
黒い方の宮木さん!
ちょっとグエッとなる(グロくないし然程生々しくない)痛い描写や鬱々しそうな雰囲気や非常にエロry官能的な感じなどなど、明るくないところが良い小説。
喉の奥なら〜や春狂い、官能と少女が好きな私としては得でしかなかったけど、正直んーよく分からんと思う所がちょいちょいあったのが星4の理由。
読解力や想像力の問題かなー。判りそうで判らない感じ。そこもまた良い味の一つなんかしら。
タイトル作のヴィオレッタの尖骨にはあまり気持ちが入らなかったけど、星の王様はワクワクした。安野モヨコが漫画にしそうな雰囲気←思っただけ。
針とトルソーも初見読みの時は切ない…(´・ω・`)と思いつつフルフルした。
そして紫陽花坂はぐいぐい読んでしまった。紫陽花坂と言うから紫色が頭を過るかと思ったら何故だか、ずっと苔の色みたいな深緑が付いて回った。湿気とか黴っぽさ、煙草の煙や夏の情事。むせ返るものばかりじゃね。
紫陽花坂はもう一度丁寧に読み返したい。
改編しまくってるとは言え、これを10代の頃に書いてたなんて…宮木さんやっぱり好き。
個人的にフォー‼︎とテンションが上がったのは紫陽花坂に出てくる学校の美術部がハッパとハシシを所持していた所です。文学部に煙草もそうだけど、バックグラウンドにあるカルチャーが古典的でイイね!
そういう細かい所が面白いのが宮木さんなんじゃろうな。 -
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3短編
表題作 初出 2013「別冊文藝春秋電子増刊」
「針とトルソー」2011幻冬舎文庫『眠らないため息』
「星の王様」書き下ろし
中編
「紫陽花坂」2007新潮社ケータイ文庫
表題作 高校の音楽科の2人の美少女は美術科の美少年の手と足の尖骨に惹かれ、級友の嫉妬で刺された瀕死の美少年から骨をえぐり取ろうとする。
「針とトルソー」卒業したら親の決めた相手と結婚させられる少女は、デザイナーになりたい老舗呉服店の娘と高校の卒業旅行で琵琶湖に行き、自分の代わりに靴を沈める。
「星の王様」娼家で育てられ客を取らされている2人の少女が、女将の死で自分の道を歩いていく。
「紫陽花坂」女子高演劇部に集う不良っぽい少女たちが、惹かれ合う。
どれも耽美的なエロチシズムが盛られている。
「紫陽花坂」が好きだが、プロローグとエピローグはわかりにくく、あまり効果的だとは思えない。
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最新刊通知が来て驚いた。
2017年2月に購入したのに、続編の新刊通知がきて驚いた。
多分既に文庫化された1作目を購入して、2作目は単行本の電子書籍だったんだろうけど、電子書籍だと区別つかないから文庫版も単行本版もシリーズでまとめて欲しかった。
そうでなきゃ、無理にシリーズでまとめなくても良いのに。
青崎有吾の裏染天馬シリーズはそんな感じ。
既に持っているので購入できないまま、続編が薄く表紙だけ表示されているのが悲しい。
電子書籍ならではの事だし、何とか解決してもらえないものだろうか?
内容は面白かったけど、本来の主人公の話ではないので星一つマイナス。
本来ならこれはスピンオフ作品でしょ。 -
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2016年、8冊目は宮木あや子の短編集。6編収録。
今回はネタバレ避けたいので、それぞれの粗筋等は省略します。
コレが「官能か?」と問われると、個人的には「微妙な位置」だと答えざるをえない。もちろん、性的描写、それも、ロリ、ユリ、相互観賞自慰、視姦etc(順不同)と、フェティシュなモノが並んでいる。一方で、コレは代表作(デビュー作)『花宵道中』でも感じたのだが、「男を勃てるため」として機能しないのよ。まぁ、R-18文学賞が「女性のための~」というお冠だからかもしれないけれどね。
全体的に、もっと軽いノリの作品達かと思いきや、少々中だるみはあるものの、ヴァラエティーもあり、興味深い。おかげで、一晩、一気読み。特に「雪の水面」「モンタージュ」(とすると「春眠」も)は良かっただけに、もぅ少し分量欲しかった。
そして最後に、装丁もナイスです。読後表紙を見返すと……(折り込んである部分を開くと更にグッとくる)。 -
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本をめぐる物語というか、本に係わる物語って感じ。
色んなかかわり方があるとは思うけれど、それだけでなく、
本が出来上がるまでに、色んな人が関わっているんだと思ったら
ますます本が愛おしくなります。
アンソロジーは新しい作家さんとの出会いの場である。
ましてや本関連のアンソロジーときたら、期待度大である。
好きなのは、「メアリー・スーを殺して」
話の流れから、どんな結末になるかと思ったら
さすがの乙一氏ですね。
ある意味、予想外で中田氏らしい終わらせ方でした。
ちょっとしたきっかけで、人って変われるんだって思わせる。
これは読後感がよいです(p^_^q)
「砂に埋もれたル・コルビュジエ」
最後に一気にこみ上げてきます。ブワーって来ます。
「ラバーズブック」
ステキ過ぎるお話。周りの人の優しさが素晴らしい(*´◇`*)
原田マハさんと、小路幸也氏の本は、他の作品も読んでみたい。
短編集なのに、大いに楽しませていただきました。 -
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ずっと読みたい本リストに載っていたのですが、やっと読めました。
資産家の娘だけが入れる、岬の学校。
学生証をかざせば、キャッシュレスでブランドものからスイーツまで何でも手に入る。手に入らないのは、情報と自由だけ。読ませる設定で、独自の世界観を描いているのが、さすがです。
耽美な世界に溜息がでそうになりながら、それでいてあまりに閉鎖的な世界に息を詰めながら読み切りました。
宮木さんの本はいろいろと読んできましたが、その中でもこの作品の個性は特に強いですね。リアリティがどうとか、そんなの関係なしに、引き込まれます。
この少女たちの年齢特有の潔癖さとか、視野の狭さとか、美しさとか・・・なんでこうも如実に描けるんでしょう。
当たり前ですが、私にもこんな年齢の頃があって、こんなに美しい世界ではないものの、女子校に通っていたから感じる似たようなにおいみたいなものがありました。
あの頃は、生きにくかったなぁ。
大人になればもっと楽になることもあると今ならわかるけど、当時は常に刹那的で余裕がなく感じていた気がします。
ガラスの結晶に閉じ込めたかのような、この美しくも儚い世界は、今にも壊れそうな危うさを孕んで人を魅了しますね。
既読ですが、再び太陽の庭を読みたくなってしまった。
それにしても、宮木さんは一体なんて世界を作り上げるんだろう。雨の日に読んだせいか、なかなか現実に戻ってこれなかったです。 -
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読む度に惹きこまれる宮木さんの小説。
大正から戦後にかけてを強く、逞しく生き抜いた女性を描いたこの短編集は、読み進めていくにつれ連作短編小説だと気付きます。点と点が線になる。
解説は三浦しをんさんが書かれているのですが、これがまた素晴らしく小説の魅力を伝えていて、ページを閉じるその瞬間まで、むしろ読み終えた後も余韻が残り、幸せでした。
何をもって幸福なのか、不幸なのか。
理不尽なことがない人生なんてない中で、登場する女性たちに、幸せなことも、辛いことも訪れて、それはこの小説に限らず、現実に生きている私たちも同じこと。
全体を通して際立つのは、愛する男性の存在。
そして、女性同士の深い繋がり。
愛する人に出会えたこと、そのこと自体は、女性としてとても幸せなことだと思います。
一方で、その人と離れなくてはいけないことは、どれ程魂がちぎれる痛みでしょうか。まして、戦地に赴く、命が助かるかわからない、それをどうすることもできない無力さは、想像するだけでも居た堪れない。
三浦さんも解説で書かれていましたが、男性同士の友情とはまた違った、女性同士の友情、というのもあるんですよね。
表面上は分かり合えなくても、深いところで繋がっていること。宮木さんの描く女性が好きです。
そして、辛い出来事が起こりながらも、花の名前がつけられたこの短編集は、美しさを置き去りにしない。
「花の匂いに溜息が出た。すぐ外に見える沈丁花が甘酸っぱい香りを部屋の中まで漂わせ、その横の寒緋桜は毒々しいほど鮮やかに花を垂れている。柊南天がひよこみたいに黄色い花をぽつぽつと星のように咲かせ、地面の近くを見れば、鈴蘭水仙が申し訳なさそうに小さな白い花を付けていた」
と、まだまだ続けたくなってしまうけれど、なんて、美しく、素敵な目線を持って世界を見ているんだと思いませんか。
泥に汚れても凛とした花のような、誇り高い美しさを見せてくれるから、泣きたくなる。日本ではもう戦争をしていないけれど、今も世界で戦争をしている国の女性たちは、同じように愛する人を送り出している。
そう思うと、またさらに泣きたくなるのでした。 -
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宮木あや子さんの文章が好きなのだ。早川文庫と言うレーベルも好きで見つけた瞬間購入を決定したのだ。
濃密な女性の心理描写に相変わらず頭がくらくらして、なおかつこの作品は今まで読んだ中ではダントツの性愛描写で。いやタイトルに偽りなしって言っちゃえばそりゃそうなんだけど、いやうん、通勤・通学の読書にはちょっと向かない。
官能小説って読んだことはないのだけれど、こんなにも内面が描かれるものなのかしら。同性愛、小児愛、一般には「異常」と言われる愛の形のその裏の、はたまた隣の、歪んだ、むしろ純粋な感情をまざまざと見せつけられているイメージ。
なんだろう、物語の少女たちは愛されたいと、満たされたいと叫んでいるのだと解釈してもいいのだろうか。ままならないこの世を地獄と思いただ叫んでいるのだろうか、全然わからない。誰かの感想を聞いてみたい。
緑色にも見える灰色の空 という表現が好きだった。