宮木あや子のレビュー一覧
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イラストが鳩山郁子さん、帯が宝野アリカさん、解説が皆川博子さん、という、とても豪華な、宮木あや子さんの小説です。
解説で、皆川博子さんも書かれていますが、私も、前半の、永代院の楽園(或いは鳥籠)を読んで、映画の『エコール』を思い出しました。
私もやはり、同じ原作から映画化された『ミネハハ』よりも、『エコール』の方が断然好きです。
『ミネハハ』の方は、『エコール』のように、美しく幻想のベールで包んだりはしておらず、全ての謎を剥ぎ取ってしまっているようで、あまり好きではありません。
この小説も、前半は、敢えて描かれない謎が多数ありますが、その謎が、あからさまに書かれていなくても、読んでいる内に -
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ネタバレ第四部「十六夜時雨」の続き。
八津はこのまま吉原にとどまることを決意し、それに三弥吉も付いていくって感じのラストですが、これまで悲恋で終わるものが多かったから、こういうのもいいと思いました。
それにしても、水蓮までも八津、三津の馴染みって、小さな村にこんなに美人がいっぱいってすごいなんて、関係ないことを思ってしまいました(^^ゞ
最後は第五部「雪紐観音」で、緑のお話。
彼女が茜と口をきけなかったときは、ほんとに感じの悪い子かと思ってましたけど、これまでのことがトラウマになってただけなんですね。
八津とは別に自分で門を出て行く緑に、ちょっと希望がみえました。
5巻までがあっという間でした。 -
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ネタバレ前巻の続きの「薄羽蜻蛉」と第三部「青花牡丹」です。
「薄羽蜻蛉」は、平左がああいう人だったのにはびっくり(耳が聞こえなくて話せなくても、目は見えてると思うのだけど・・)しましたが、最後に茜と朝霧がつながって、八津の気持ちとか唐島屋さんの気持ちにしんみりしました。
第三部の「青花牡丹」は、冒頭にドキッとしましたが、朝霧の姉女郎の霧里と弟の東雲のお話。そういえば、第一部に死んじゃた霧里がちょっとだけ出ていたような?と思っていたら、弟の東雲のほほに傷があり、もしかしてって思ってたら、あの朝霧の相手の半次郎が霧里の弟東雲だったと。
京都にいた二人がなぜ吉原に来ることになったのかは、まだ謎ですけど -
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ネタバレ吉原の遊女ものはいくつもありますが、これは結構面白かったです。江戸時代後期とあって、遊女の「ありんす」言葉もなく、よみやすかった。
この巻は第一部の「花宵道中」と第二部の「薄羽蜻蛉」。
なんといっても「花宵道中」の朝霧と半次郎のお話が切ないです。
遊女と知らずに出会った二人が客の席で再会。だけならいいのですが、半次郎の前で客に抱かれるというとんでもない状態で、朝霧がかわいそすぎます。
そのあとの展開も、なんで花魁道中しないで逃げなかったのかは、ちょっと疑問ですけど、ほんとかわいそうなお話でした。
第二部の「薄羽蜻蛉」は、朝霧の妹女郎の八津の妹女郎茜のお話ですが、今のところは水蓮には勝てる -
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有馬から芦屋へと売られた姉妹、菊代と妹の雛代。
雛代へ劣等感を持ち、仲の悪いまま芦屋を離れる菊代。―天人菊
家のために財閥の妾となった如月泉美。
三島章太郎の正妻の長男、吉明と出会って・・・。―凌霄葛
酒田から福岡へ奉公へいく千恵子。彼女が書生と関係を持ち、
身籠ったことで実家に戻れず雛代、菊代の飲み屋を周り子を産む。
奉公先の娘、和江と親しくしていたが裏切ってしまうも
年老いてからの和江からの手紙がから物語が始まる。―乙女椿
和江が千恵子と会わなくなってからの物語。
素直になれなかった、と綴り、喜三郎の面影のある男とも出会う。―雪割草
うわ、あらすじになってない(汗
凌霄葛で「三島」と出 -
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ネタバレ葬儀社で働く人々の日常について考えたことはなかったからとても新鮮だった。
描かれていたのはとても特殊な環境だと思うとけど、少しでも彼らのプライベートが覗けたのは嬉しかった。
しかもハートウォーミングストーリー。
続編が読みたい。
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もう忘れた、と思っていたけど お葬式の御用命は、真心と信頼の旅立ち・セレモニー黒真珠まで--小さな町の葬儀屋「セレモニー黒真珠」を舞台に、シッカリしすぎなアラサー女子・笹島、喪服が以上に似合う悩めるメガネ男子・木崎、どこかワケあり気な新人ハケン女子・妹尾の3人が織り成す、ドラマティック+ハートウォーミングストーリー。連作短編全6作品を収録。解説は、作家の南綾子