宮木あや子のレビュー一覧
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書店の「書店員が本気でお薦めする本」的な棚で見付けた。ハヤカワJA・この表紙・このタイトルということで、ここで買わなかったら一生読まないだろうと思って購入した。
一般的に「メンヘラ」とカテゴライズされるような少女が出てきて、愛情・性欲といった問題に振り回され傷付く短篇集。
「身の回りに愛すべきものたちがあるのに、なぜ人は、人とのつながりばかりに重きを置くのでしょうか。人の気持ちが手に入ったってそれは目に見えないし、離れてゆくさまだって見えません。勝手に人に愛情を注いでおいて、望んでいた量の愛情がその人から戻ってこなかったからといって流す涙よりも、予約期日を過ぎてしまい、入荷当日お店に -
購入済み
がらりと作風を変えて
この著者の他の作品とはがらりと作風を変えたお仕事小説。
文章力はある作家なので読みやすい。
私としては従来の繊細な作品よりこちらの作風の方が好み。
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短編集。
禁忌を冒した主婦たちの話。
あまり共感は出来なかった。
官能小説なのですが、表現が今ひとつ好きになれなかったです。タイトルのシーンも、思わずウッとなり、目を伏せてしまいました。
最後の過干渉の母の話が不気味で気持ち悪いけれど、一番面白かった。
母の虐待から助け、一緒に家出をしてくれた同級生と再会した主婦。
バイト先の訳あり学生が気になるナチュラル嗜好の主婦。
旅先で出会った純粋無垢な少女が気になる金持ちの老人と結婚した主婦。
夫の愛に満たされているはずなのに、生徒である単身赴任の男に胸をときめかせるピアノ教師。
ヤクザの情婦となった小料理屋で働く主婦。
子離れ出来ず、娘を -
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おもしろかった、ただの短編かなと思ったら人物たちが関連していて、少しずつそれぞれの背景や恋愛が明らかになっていくのがよかった。
みんな登場人物の女性が可愛らしく、どのキャラクターも好き。山田屋のお店の、庶民じみた感じにほっとする。境遇だって待遇だってひどいんだけど夢を売り続けた女性たちの華やかさが救いであり、山田屋には読んでいて愛着がわいた。
もちろん、そんな生活から抜けだせない女たち、惚れた男と一緒に生きながら好きでもない男に抱かれる女たちは辛いんだろうけど、
男の方だって、好きな女がいつも他の男に抱かれているというのは耐えられない葛藤があるんだろうなあと思う。女からしてみれば、仕事な -
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前半は、第一作を思わせる校閲ミステリー仕立てに絡めて、ついに悦子と是永が結ばれるドタバタ・ラブ・ストーリー。後半はあこがれの編集部(ただし、"Lassy" ではなく、そのウェディング向けスピンアウト雑誌 "Lassy noces")に異動したものの、想像とは違う編集の世界に悦子が翻弄される姿を描く。
幸せな結婚を願いつつ、独身のまま Lassy の敏腕編集長として第一戦で活躍する榊原と、一流キャリアウーマンを目指しながら幸せな結婚と子供に恵まれ、第二線の Lassy noces 編集長に甘んじる楠城の二人の女性が、同じく希望の職業と適性が合致しない悦子 -
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ネタバレ表紙買い。宮木あや子作品、初めて読んだ。文章は読みやすいし雰囲気も結構好きだし、他の作品も読んでみようかな。
本の帯に「恋愛小説」って書いてあったけど、恋愛小説とは違うような気がした。恋愛が絡んではいるけど、登場人物同士の心はあんまり通ってない。全部の話に寂しさを感じた。それから、何度か出てくる血の描写が妙に印象に残る。個人的には、この本はエログロ小説。
最初に恋愛小説を期待して読んだからかな、「春眠」がいちばん好きだった。印象のよくない主人公が「モンタージュ」でも再登場したけど、こちらでは良い先生ぶっててシュールだった。最後、ちょっとスカッとしたよね。 -
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これやっぱりモデルはジャニーズかな?と、大抵の人は思うはず。ひとつの事務所に男性アイドルグループがたくさん所属していて、CDデビュー前のグループは既にデビューしている先輩のバックで踊って、コンサートではオリジナルのうちわを振って…という、どこかで聞いたことがある要素がたっぷり。
なのでジャニーズファンの人ならより面白く読めるかも知れない。あるある!って思うことがたくさんありそう。
35歳で既婚でスノーホワイツのファン。というざっくりとした共通点を持った5人の女性の物語。
1章ごとに主役が交代してそれぞれの境遇や人柄などが描かれてゆき、その中で5人が少しずつ出逢ったり紹介したりされたりで繋がっ -
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ネタバレ今作は、悦子と一緒にいろいろと考えながら
読みすすめました。
「がんばれ!悦子!」思わず
そう声をかけたくなる。
そんな読後感です。
天賦の才能と 自分のやりたいことに
ずれがあると気づいた時。
しかしそれは
「自分には願ってもみなかった才能がある」
と気づく瞬間でもあるんですね。
だからこそ。
それは自分の望む方向ではなかったのに
悦子は恋人よりも校閲の仕事を迷わず選んだ。
まだ若い悦子はこれからも悩みつつ
悦子にしか歩けない悦子だけの生き方を
切り拓いてゆくことでしょう。
私は若い頃志した作家にはなれず
なりたくもなかった教師として
30年を過ごしました。
天職…だとはまだ思