宮木あや子のレビュー一覧
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本の話だから、まあ予想がつくけど、と侮っていたら、結構いけた。凸凹はあるが。今まで読んだことのなかった作家のものが新鮮でよかった。この作家、読んでみようかという気にさせる。
中田永一「メアリー・スーを殺して」この小説自体がメアリー・スーぽいがなあ。
宮下奈都「旅立ちの日に」期待したけどねえ。手抜き。
原田マハ「砂に埋もれたル・コルビュジェ」ピンと来ない。
小手鞠るい「ページの角の折れた本」さすが元詩人だけあって、描写が美しい。物語もいい。
朱野帰子「初めて本を作るあなたがすべきこと」察してちゃんの夫への対応に苦労する主人公が面白い。
沢木まひろ「時田風音の受難」官能小説家と編集者との対峙に笑ってしまう。
小路幸也「ラバーズブック」アメリカをピックアップトラックで一人旅する小説家の気持ちいい話。
宮木あや子「校閲ガール」主人公の口の悪さが最高。 -
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パワフル。面白かったです。
ここに出てくる女性たち、皆問題を抱えまくっているけれど、むしゃくしゃした気持ちを友人とお酒と下話で盛り上がってワーッと発散してるのが楽しそうでした。
結構しんどいエピソードばかりですが、言葉のセンスが凄くて笑ってしまいました。日茎平均とかかなり酷い。
桶川さんと横山さんには幸せになって欲しい…鑓水さんも。桶川さんの話に1番笑いました。髪を切って重めのショートにして、目が腫れてたので眼帯をして仕事してたら、エヴァヲタにロックオンされるの面白すぎです。プラグスーツ着せられて「私が死んでもかわりはいるもの」って言わされまくる…でも、エヴァとガンダムは社会人としての教養ってわかるな。。
横山さんの話が1番つらかったけれど、持つべきものは友人だなと思いました。「愛して野良ルーム」は良い締めくくりで、逞しいなと思いました。わたしもゆらゆらしながらも、強く生きたいです。 -
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これまでにも、何人もの作家のによる清少納言や中宮定子を読んできた。
自分の中ではやはり田辺聖子さんの『むかし・あけぼの』の存在が大きい。
そこでは歴史の流れ、政権の力関係が詳細に描かれていた。
田辺作品と比べると、こちらではぐっと登場人物を絞り込み、政争はごく簡単に迫害者道長の影を指すのみ。
行成も公任も斉信も登場しない。
敵と味方がくっきり書き分けられる。
紫式部や中宮彰子がこうもわかりやすい悪役になってしまうのには抵抗がある。
一条天皇の登場シーンも、ごくわずか。
その代わり、定子と清少納言の絆はもちろん、定子と妹の淑景舎の君、原子との仲睦まじさや、同僚の宰相の君との友情などが細やかに描かれる。
元夫、則光がなかなか格好良く登場するのも特徴的。
定子の物語は、どうしても最初に絶頂期が描かれ、どんどん寂しく、悲しくなっていく。
しかし、定子の死が「脚の間からの出血がいつまでも止まらず」と、生々しく書かれたのは他に知らない。
定子亡き後の登華殿の庭での、宰相の君とのラストシーンは悲しくも感動的だ。 -
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4作品の連作小説です。最初の主人公は、外資系IT企業に務める29歳の派遣OLです。できる派遣OLですが、バカでも授業料さえ払えば入学も卒業もできるユーラシア大学出身です。音楽オタクで不倫をしていますが、新しい恋が始まります。親友の中尾ちゃんは派遣会社の営業です。ちょっとスリリングな展開になりますが、中尾ちゃんにも恋が始まります。3作目でハプニングを経て後藤ちゃんと中尾ちゃんの恋が進展します。4作目は後藤ちゃんの同僚でスイーツ女子を装う下町チャキチャキのパティが主人公です。お仕事や社会の嫌な部分もありますが、最終的にはハッピーになる恋愛お仕事小説です。
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書店の「書店員が本気でお薦めする本」的な棚で見付けた。ハヤカワJA・この表紙・このタイトルということで、ここで買わなかったら一生読まないだろうと思って購入した。
一般的に「メンヘラ」とカテゴライズされるような少女が出てきて、愛情・性欲といった問題に振り回され傷付く短篇集。
「身の回りに愛すべきものたちがあるのに、なぜ人は、人とのつながりばかりに重きを置くのでしょうか。人の気持ちが手に入ったってそれは目に見えないし、離れてゆくさまだって見えません。勝手に人に愛情を注いでおいて、望んでいた量の愛情がその人から戻ってこなかったからといって流す涙よりも、予約期日を過ぎてしまい、入荷当日お店にいったらもうそのお洋服は完売、という状況で流す涙のほうが、よこしまな願望がない分、ずっと綺麗です。」(p.26)など、まぁそういう考えもあるよね、それもアリだよね、と思うような、登場人物独自のフィルターから世間を解釈する描写が多い。
ただし、ごくごく普通の解釈を受け入れてうまくやっていければ人生イージーなのもまた真実で、普通の解釈を受け入れるために自分を加工できるか、それとも加工を諦めて茨の道を傷付きながら進むのか。茨の道を進む人はどうすれば救われるのだろうか。
この物語の少女たちは、恐らくはその容姿のせいなのか、歪んだ性の対象と見られてしまい、世間から見たら歪んだ愛情を抱くようになってしまう。メンヘラは騙しやすいなんて暴言を何かで見たけれど、不安定な道を生きる、ましてや若い人とくれば、そりゃまあ崩れやすいだろう。
相手に悪意がなかったとしても、短篇『春眠』『モンタージュ』の少女と教師のように、関わり方の難しさもある。少女側からすればとんでもない極悪人なんだけど、フツーの世界に無理矢理引っ張ろうとする教師も、それはそれで一つの正解なんだろうし。
タイトルにも含まれる「官能」だが、これはこれで良かったと思う。コンクパールの描写とかすごかったし、他のシーンは物語のどうしようもない悲しさも相まって非常に良かった。こういう悲しいエロさ、何と表現したら良いのだろう。 -
購入済み
がらりと作風を変えて
この著者の他の作品とはがらりと作風を変えたお仕事小説。
文章力はある作家なので読みやすい。
私としては従来の繊細な作品よりこちらの作風の方が好み。