宮木あや子のレビュー一覧

  • セレモニー黒真珠

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    葬儀屋を舞台とした6編の連作短編集。
    結構重たかったり、胸が痛くなる描写があるもののすっきり読みやすい。葬儀屋の面々それぞれ個性的で、彼らの仕事に取り組む姿勢に背筋が伸びる。
    笑いあり、涙あり、キュンあり、色々な要素が詰まった一冊でした。

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    2016年03月26日
  • 雨の塔

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    宮木さんの日本語が好き。 あえかな とか初めて現代小説で見かけたのではないだろうか。綺麗で、柔らかで、的確で。すごいなぁ。
    隔絶された大学に住まう、訳ありで裕福な四人の少女たちがたおやかに惹かれあい傷つけあうお話。
    地の文で気になったのは他者の存在感。確かに学校の在り方として人との接触を極力減らすようになっているんだろうなぁ。と読める描写をしているのだけど、それでも不自然なほど他人が細かく描かれない。興味のない人間はいないと同じ、というある意味当然な感覚なんだけど、その中に気遣いと残酷さと自己愛がない交ぜになったような歪みを感じて、なんだか少し怖い。
    愛しいから近づかれたくないみたいな相反する

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    2016年03月23日
  • 喉の奥なら傷ついてもばれない

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    ネタバレ

    すごかったなぁ。嗜虐性が共通して流れていて、母と娘の関係はとくに壮絶でした。最後のサプライズがなかったら、若いひとが読む本だよな・・・(厨二っていうか)とだけ思って終わったかもしれない。

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    2016年05月28日
  • 喉の奥なら傷ついてもばれない

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    「校閲~」からの連続で宮木さん。

    同一人物の書いた作品とは思えない。
    驚いた。
    どちらかというと病んでる人たちのお話。

    振り幅が大きいなぁ。題材は女。
    屈折していて、ねとねとしていて、
    凶暴で狂喜に満ちた心を持つ。
    女以外にこんな生き物はいない。

    本のタイトルの付け方が
    秀逸。

    作品の一文をタイトルに持ってくるなんて
    しかも、この一文はとても心に残る。

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    2016年02月26日
  • 婚外恋愛に似たもの

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    程度の差こそあれ2.5次元の人に嵌るというのはよくあることで、私も好きなアーティストのライブで地方に遠征した経験があるので、彼女達のことがとても身近に感じられた。
    ひととき日常を忘れ、ステージを観て癒されたり元気を貰ったり、ああ、わかる、わかると思える部分があった。
    雅と同じで手が届かないからこそ、いいのかなと個人的には思います。
    宮木さんの言葉のチョイスが面白くて、カトマンズのくだりとか、「おしえろヤッホー」とか思わずくすりと笑える箇所がところどころあった。
    『野良女』ほど下品でもなく、読みやすかった。

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    2016年02月02日
  • セレモニー黒真珠

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    読みやすい作品で、ハートフルなものもある。
    すぐ読破できました。
    葬儀屋さんが舞台の社員とその周りの人々に纏わるストーリー。

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    2015年10月18日
  • ガラシャ

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    登録数800冊目。

    私、時代小説を読むのは好きなのですが
    歴史に疎く名前を聞いても何をした人なのか
    どの時代に生きた人なのかほぼわからず。
    登場人物の数が多いと頭がこんがらがるので
    今回の小説はスポットにあたる人数が少なかったので読みやすかったです。

    明智光秀、織田信長などの有名どころな人たちの話なのも有難かったです。


    史実をもとにしたフィクションなのだろうけれど、
    終わり方は大満足。
    読み終わった後にガラシャと忠興の夫婦仲は良かったと書かれていたが、本当のところはどうだったのだろう。

    明智光秀には都市伝説もたくさんあるし、歴史ってやはり面白いなぁ。

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    2015年10月01日
  • 花宵道中

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    遊郭に生きる、女性の恋愛模様
    同じ女性として、安易に感想をのべることはできない。
    単なる物語として気楽に読めたら良かった。

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    2015年09月12日
  • 野良女

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     タイトルがいいよね。
     野良女。間違いなく逞しい女子しか想像できない。そしてその想像は間違ってない。

     しかしながら、野生ではなく野良なのだ。
     家猫に対する野良猫的な響きもすこし感じてしまう。
     野良女。逞しいけれど少しさみしい。

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    2015年08月14日
  • セレモニー黒真珠

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    「野良女」みたいに、さらっと読みやすかった。設定が重いので敢えて文体を軽くしたのかなという印象でした。
    木崎のキャラが好きだったので、もう少し笹島との絡みを読みたかったのに、恋愛方面もあっさりと軽めで、そこが少し残念でした。
    最後の、中学生のお葬式の話は、甘酸っぱい初恋だとか、郷愁が感じられて、とても良かった。

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    2015年07月03日
  • ガラシャ

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    激しい歴史の渦に巻き込まれ、遠い時代にタイムスリップした心があまりの切なさと苦さで痛いです。

    運命に翻弄されながらも強く優しく生きたガラシャの気高さに圧倒させられます。
    ガラシャに限らず、この時代に生きた人たちは生死が近く、制限が多く、幸せがとても刹那的に見えてそれだけでも苦しいくらい。心の方位磁石を持たないと正気で生き抜くことができない時代ですよね、きっと。

    主君殺しという大罪を負った罪人の娘ながら一人生きながらえている罪、
    産声すらあげさせることなく冷たい赤子を生んだ絶望感、
    いっそ死んでしまえば、いっそ狂ってしまえたらと思いながら日々を送るガラシャの気持ちに寄り添うとこちらまで引きず

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    2015年05月31日
  • 春狂い

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    誰も幸せにはならない、そして少女は決して救われない。でもこの物語を嫌いだとは思いません。そんなお話です。

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    2015年05月18日
  • サイドストーリーズ

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    ダ・ヴィンチ編集部編のサイドストーリーズを読みました。

    姫川玲子シリーズ、榎本径シリーズ、さよならドビュッシー、天地明察、まほろ駅前シリーズなどの登場人物たちの「一服ひろば」を題材にしたサイドストーリー短編集でした。
    元のシリーズも楽しんで読んでいたので、これらの短編もおもしろく読みました。

    12編のうち半分は元のシリーズを読んでいないのですが、これを機会に読んでみたいな、と思いました。

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    2015年05月16日
  • サイドストーリーズ

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    タバコが小道具の12のシリーズのサイドストーリー。
    目的は東直己。久しぶりに「俺」に会えた。
    ちょっと、かっこよく描かれていて残念。ススキノ探偵もいいけれど
    探偵畝原に会いたいよ、書いてくれぃ、と思いを募らせた。
    姫川女史も多田と行天のコンビもDr.新条も、面白かった。
    読んでみたい本がまた増えたよ。罪作りな一冊ね。

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    2015年05月15日
  • サイドストーリーズ

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    ただの番外編の短編集だと思って読んでいたら、やけに煙草と一服ひろばが話に出てくる(--;)でも最後まで読んで納得!JTなんですね(^。^)y-~ このサイドストーリーズに出てくるシリーズは「天地明察」と「まほろ駅前」しか読んでいないけれど、どの話も好みで読破したくなった(^^)♪しかし積読、読みたい本をたくさん抱えているから、シリーズ名を控えておいて暇な時にでも読めたら良いかなと…(^-^;)

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    2015年05月14日
  • 春狂い

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    なんて救いのない物語なのだろう.美しすぎるがゆえに苦難を強いられる少女.来世ではあの少年と結ばれて欲しいと願わずにはいられない.しかし背表紙のあらすじはちょっと難ありだと思うな.あれじゃ低俗な官能小説と勘違いされてしまうだろうに.
    以下あらすじ(背表紙より)
    人を狂わすほどの美しさを内包した一人の少女。父親や男たちの欲望から逃れ女子校に入学するが、教師に襲われ学園を去る。しかし転校先でも同級生からのいじめと教師からの暴行は繰り返され―。やがて少女は安息を求め、教師の前でスカートを捲り言う。「私をあと二年、守ってください」。桜咲く園は、天国か地獄か。十代の絶望を描く美しき青春小説。

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    2015年04月19日
  • セレモニー黒真珠

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    職業系で初めてみた葬儀屋モノ。
    地味目な人物設定と思いきや、それは外見の話だけでなかなかに濃い。
    ホラー、恋愛、家族、切なさ、恐ろしさ、温かさ…
    ショートながらに色んな要素が詰め込まれていながらスッキリおちる良質のエンタメ。

    あとがきを読んでいて宮木さん本人もとても気になった。

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    2015年02月15日
  • 花宵道中 1

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    遊郭の様子をうかがえて、興味心に浸透して、楽しめた1冊でした。ただ、序盤のうちは、詠みづらさを感じて少し不安に思いました。(コマわりなどわかりにくい、誰にスポットをあてたいのかよくわからず落ち着かない。→個人に集中してスポットがあたるようになってから一気に話に入りこめたので安心しました)全体的にも顔の見分けも難しかったです。 絡みのシーンなど、お色気具合のバランスはとても好ましく思いました。(思ったよりも色気があってちょっとドキドキするくらいでした)

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    2014年12月16日
  • 花宵道中 2

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    江戸時代後期、幕府唯一公認の遊廓だった吉原。茜は、美形の船頭である平左に片想い中。しかし、彼は大見世角海老楼の看板遊女・水蓮の恋人だった。時代は、死んだ朝霧の姉女郎・霧里が京都島原で活躍していたころに遡る。

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    2014年11月23日
  • 花宵道中 1

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    江戸時代後期、幕府唯一公認の遊廓だった吉原。遊女の朝霧は、美形の職人である半次郎と出会い、生まれて初めて恋をする。しかし、ふたりの再会は、遊女と客としてだった。そして、朝霧と半次郎は、悲劇の舞台へと落ちていく。

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    2014年11月23日