宮木あや子のレビュー一覧

  • 花宵道中

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    切ないお話でした。
    江戸吉原で、恋に泣いて、思いを遂げられないまま死んでいった若い遊女たち。
    宮木あや子さんの美しい日本語が散りばめられていて、景色としても鮮やかです。
    親が子どもを売るとか、年季明けとか身受けとか、そんな時代があったことは映画やドラマで知っていても、この小説を読んで(フィクションではあっても)、初めてかなりリアルに知らされた感じです。娘を持つ身としては切なすぎです。

    特に冒頭の朝霧のストーリーが印象深かった。
    映画になっているようですが、見ないと思いす

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    2016年07月14日
  • 雨の塔

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    それぞれ事情がある4人の美しい少女。
    人里離れた岬にある全寮制の女子校で出会い‥
    端正な文章で淡々と描かれるムードのある世界です。

    大変な資産家の娘だけが入ることの出来る特殊な学校。
    学生証をかざすだけで、広大な敷地内にあるテーマパークのような店でブランド物の洋服も流行のスイーツも手に入れられるが、出て行くことは出来ず、新聞もテレビもない。
    自由と情報はないのです。
    卒業すれば、どこの大学の卒業証書も手に入れられるという。
    提携している高校では「島流し」と称されていました。

    財閥の愛人の娘・三島敦子は、小柄で長い黒髪。
    愛人の娘の中では早くから三島翁に認知され、可愛がられてきたが、学校はこ

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    2014年11月08日
  • 花宵道中 6

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    6巻が出ているとは知らなかった。
    見つけて、即、購入。
    【大門切手編】たしか、原作では、文庫化にあたり、付け加えられたのではなかったか(?)。
    コレはこのコミックに軍配が上がったかな?
    今回も原作の名台詞はそのままに上手く仕上げてると思う。
    ラスト近くが少々、急ぎ足な感がなきにしもあらずだが……。
    そしてオーラス前は、まるで、カーテンコール。コレもコミックならでは。
    当然、今から、1巻から、通して再読しますよ!
    終わるまでは寝れないな。
    そして、原作も近いうちに再読せねば。

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    2014年10月28日
  • 雨の塔

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    この世の果てにある岬の学園。最新のファッションも、パティシエのスイーツも、何でも手に入るが情報は遮断された、豪奢な島流し。様々な事情を抱えた資産家の令嬢たち。

    グミベア。焼きたてのバナナマフィン。パフスリーブのベビードール。イチゴの指輪。桃の香りのシャンプー。ジンジャースパイス入りの甘い紅茶。シャコ貝の灰皿。

    同性と心中未遂を起こした矢咲、母に捨てられた小津、妾腹の子 三島、三島に捕らわれている都岡。

    外界と隔離されたラプンツェルの塔で、独占欲と満たされない想いの行き着く先は…。

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    2014年09月05日
  • 花宵道中 1

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    「さくらん」然り、花魁ものは女が好きな題材。華やかな衣装に包まれて、花街で人気を競い合う成り上がり物語がどうにも好きです。
    八津と三津の顔の描き分けが出来ておらず、「誰?」と毎回なってしまうのが玉に瑕ですが、絵の感じも全体的に好き。

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    2014年08月08日
  • セレモニー黒真珠

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    町の小さな葬儀屋「セレモニー黒真珠」。そこで働く男女たちと、彼女たちとかかわり合う人々とのおかしくも哀しくもあるエピソードを連ねた連作短編集です。

    ざくざくとしたさっぱりした筆致で、語り慣れた男女のあれこれとともに葬儀という場であらわになる人の本性や企みを描いていきます。

    さっぱりとした描写や表現ながら書かれている内容はけっこうエグく、容赦がないと感じる部分もあります。「白真珠」の元恋人の一言はひどすぎる…。

    けれどどんな醜悪な人間の姿を見ていても、しゃきしゃき働く黒真珠の面々を見ていれば、人生捨てたものじゃないかも?と思わせてくれる、前向きさを得ることができます。

    さくっと楽しめた一

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    2014年07月07日
  • 太陽の庭

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    『雨の塔』と双璧をなす、ともその続編とも言える1冊。
    第1章の「野薔薇」を読んだ段階では、「源氏物語の現代版か?」と思ったが、そんなありふれた物語ではなかった。

    『雨の塔』では謎のままに終わった“岬の学校”の正体が明らかになる。
    読みながらずっと『雨の塔』より前の話なのか後の話なのか考えていたが、結局は同時代の物語だったことがラストで分かる。
    終幕に向かう展開が非常に現代的だな―と思ったら、刊行からまだ1年と少ししか経っていなかった。納得。

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    2014年07月06日
  • セレモニー黒真珠

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    小さな町の葬儀屋「セレモニー黒真珠」が舞台。男前!?なアラサー女子、喪服が異常に似合う悩める眼鏡男子、訳ありな雰囲気の新人女子を中心とした物語。

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    2015年01月03日
  • 太陽の庭

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    神と崇められる影の組織、永代院。
    日本の中にあるとは思えない、法律を無視したその不思議な成り立ちが面白いです。
    そしてその中で生きる人たちの葛藤、
    また一般市民が上流階級に抱く、憧れや妬み、、、
    お互いの理解不足によってすれ違い、命を脅かすほど人を傷つけてしまう恐ろしさが、とても切ないです。

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    2014年06月08日
  • 泥ぞつもりて

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    女の目からみる平安。
    女はいつも待つ身。

    うわー!難しかった!
    でも、凍れる涙が特に良かった。
    面白かった。

    高子に好感を持ってなかった、
    泥ぞつもりてから、
    凍れる涙を読んだら一気に高子に好感をもった。

    最後は結構きついなと思う内容だったけど、
    それぞれの人々の想いが交錯し読んでいて
    夢中になってしまった。

    宮木さん、初読みだったと思うけど、
    こんな文章を書く人なんだなぁと。
    女心をさらっと書ける人なんだなぁ。
    他の作品も読んでみたい。

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    2014年06月07日
  • 野良女

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    常々思っている友人づきあいは四人組がちょどいい、という考えを後押ししてくれる本。小説としても友人というのは四人がちょうどいいのんだろうか。ばらばらな恋愛観の友人四人組の話で、恋人に何を求めているのかいろいろな考え方がしれて面白かった。

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    2014年05月20日
  • 白蝶花

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    戦前~戦後の婦人解放も儘ならなかった時代を生きた5人のヒロイン達を4つの花の名に題した連作短編。
    花宵道中に引けを取らないぐらい官能的…。
    情婦、妾、女中、令嬢、立場も環境も異なる女性達の儚くも情熱的な純愛物語が最後1つに繋がった時は鳥肌が立ちました。
    それでもやっぱり戦争物は泣いてしまう。
    女だって必死に戦ってきたんだ…と。

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    2014年05月16日
  • 白蝶花

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    小説だな、と思う部分もあるけど小説だから良いのだ。そんな謎結論。

    男と時代に翻弄される女性達のお話。
    どの女も強い。泣いてるけど、みんな強い。
    思い返してみると誰も生きることを諦めていないのがすごい。
    そんなにも愛した男はいい男だったのだろうか。
    文にすると
    どの愛も短い。
    当たり前のことだけど読んでる側とと彼女達の時間の長さは全く違う。支えになり得る充分な時間をかけていると思う。
    でも、読んでる私から見ると短い。愛は時間の長短ではないと思うけど。もうちょっと恋愛してても良かったかな。
    それを許さない時代だったのだろうけども。

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    2014年05月11日
  • 太陽の庭

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    約2年前に読んだ『雨の塔』は、
    面白くはあったがピンとこなかった。
    でも、今回の『太陽の庭』を読んで、
    (リンクしていることを知らずに読んだが)
    あ~そういうことだったのか、と納得。
    浮世離れした耽美な世界が広がる。

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    2014年03月07日
  • 白蝶花

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    激動の時代に生きた、5人の女性の物語。

    境遇がまったく違うのに、何らかの関わり合いをもって全員が繋がっていく。
    最後の章は蛇足に感じた。
    和江お嬢様は老いてもなお気高く、潔癖なお嬢様気質のままでいてほしかった。

    「雨の塔」に関係する人物が出てくるので、できれば先にこちらを読んだ方がいいかもしれない。

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    2014年02月22日
  • 密やかな口づけ

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    宮木あや子さんの作品が入っているので、買ってみました。

    女性作家の書く官能小説は、変にねちっこかったり、興ざめするようなところがなく、きっちりと書かれている感じのするのが、良いところかな・・・。

    男性の描くそういったシーンは、女性からすると、流れとか色々と都合が良すぎて、「ないわー」と、あきれてしまう事がしばしばあるのですが、女性が描くものは、そこに至るまでの過程や心情がしっかりとしている上に、同性なので、「さすがわかっていらっしゃる、そうなのよねー」と、納得出来ます。

    このアンソロジーも、宮木あや子さんは勿論、どれも良かったのですが、一番好きなのは、吉川トリコさんの『ポルノ姫』です。

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    2014年02月09日
  • ガラシャ

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    明智光秀の娘である細川ガラシャの話。ガラシャの心の移り変わりや、それぞれの人物の心理描写、関係がとてもリアルだ。
    2014/2/5

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    2014年02月08日
  • ガラシャ

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    ☆4.0
    明智光秀の娘 玉子=細川ガラシャの史実を絡めたフィクション。
    とても面白く読み進められた。
    光秀や幽斎の苦悩、忠興の幼稚さ。
    名だたる戦国武将とはいえ、ただの人なのだと思わされた。
    糸や玉子が無事に天主様の元へたどり着けたことを願う。

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    2014年02月06日
  • 野良女

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    今どき女子の真の姿を、赤裸々に語った作品でした。
    物語は大学を卒業した女子5人の私生活から成り立っています。
    女ならば誰しもが感じている悩み、悲しみ、苦しみをコメディタッチで描かれておりとても読みやすく、絶対に共感間違いなしの作品。
    今を生きる女子必見です。

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    2013年11月12日
  • 野良女

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    なんてあけすけな本なんだろう。
    世の女子はみな、こんな会話をしているのだろうかも自分も女なのに驚いた。
    それぞれに悩みがあり、軸がありなんだか元気がでた

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    2013年10月09日