宮木あや子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
一部で話題になったという同名の原作のコミカライズ。
原作を読んだことがないので、比較できず、単純にコミックスとしての評価のみです。
同じ見世の花魁を主人公にそれぞれのストーリーを見せていくようです。
第一話は遊女朝霧とお祭りで運命の様に出会った半次郎。一度きりの出会いと思っていたはずが、再会を果たした二人。しかし皮肉にも、その場所は、朝霧の大口客で酒が入ると癖が悪いと評判の客の座敷。案の定、半次郎の見ている前で、淫らな辱めを受ける朝霧。だがしかし、それでも二人の思いは通じあうが、待っていたのは悲しい結末だった。半次郎の狂気性が良いです。遊女が主人公の話ではあるけれど、半次郎のことをもっと知りたいと思わせるくらい、ストーリーに引き込まれます。
第二話は、まだ座敷に上がる前の見習いの少女の物語です。本格的に遊女になることへの不安、見かけるだけのほのかな恋、ライバルとの関係で見せつけられる待遇差と様々な側面から襲ってくる出来個ごとに、劣等感と惨めさを感じている茜。たまたま街で、思いを寄せる男を見かけるが、それは彼が大見世の看板遊女と逢引する場面だった。以下次号。先輩の遊女たちほどに割り切れず、かといって自分は廓の中の人間であることを忘れられるはずもない少女のふんな気持ちをに引き込まれます。 -
Posted by ブクログ
吾輩はブルがガリア菌パート、朋太子由寿の
お仕事パート、由寿が推すネット小説パート
が並行して進んでいるのでなかなか読むのが
大変だった。阪神・淡路大震災の時の話は
私自身まだ学生だったので深いところまでは
知らなかった事を改めてこの作品で読んで
当時を思い出しました。たしかにああいう
状況で行動力を持って出来る範囲でできる
ことができる人ってすごいなと作品とは
関係ないところですごいと思いました。
ネット小説の投稿者の招待や由寿の兄の話、
いとこの話などいろいろと話題に尽きない
展開で三つのパートで読みにくかったけど
楽しく読めました。
そしてスーパーに行くとあのヨーグルトを
いつも以上に見つけてしまうのは
この本の狙いどころだったんだろうなぁ~ -
Posted by ブクログ
宮木あや子さんの作品は今回が初読みでしたが、タイトルの通り官能的な描写が多々ありつつも、単なる性愛を描くだけではない、どこか翳がさすような仄暗い空気感に圧倒されました。気になって調べてみたところ、こうした美しさと不穏さが同居する独特の世界観こそが、作家さんの真骨頂なのだと知り、納得しました。
収録されているのは六つの短編。ジャンルとしては恋愛小説の括りだそうですが、いわゆる「純愛」と呼べるものはひとつもなく(捉え方によっては純愛なのかもしれませんが……)、どれも背筋が寒くなるような怖さを兼ね備えた関係ばかりが描かれています。
各話ともに、謎が解明されないまま、あるいはラストが判明しないまま幕を閉じるため、読み終えた後には少しモヤモヤとした余韻が残るかもしれません。しかし、その「割り切れなさ」こそが、人間の内面に潜む割り切れない感情をそのまま映し出しているようで、本作の持つ毒のある魅力なのだと感じます。
万人受けする美談ではありません。ですが、言葉の端々に宿る棘や、逃れられない愛の歪みを堪能したいとき、これほど深く沈み込める作品も珍しいのではないでしょうか。