宮木あや子のレビュー一覧

  • 雨の塔

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    耽美的かつ繊細で濃厚な文章に惹きつけられました。それはある種、純文学のような雰囲気もありました。けれども、百合が嫌いな私にはどうしても受け付けない部分がありました。また、これは私が重苦しい小説が好きなのもあると思いますが、ページ数から想像していた通り設定の割に浅く感じました。

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    2016年01月13日
  • 喉の奥なら傷ついてもばれない

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    女性を描いた短編集。
    不幸な身の上の女性の劇的な話が多い。
    ちょっと毛色の変わった「泥梨の天使」という話が、自分が母親ということもあり、おもしろく読んだ。

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    2015年12月22日
  • 本をめぐる物語 一冊の扉

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    8人の語り手による短編集。
    本を通して見た世界はこんなにも多く、こんなにも刺激的。
    広がる世界の面白さを、あなたに。

    『メアリー・スーを殺して』
    メアリー・スーとは聞きなれない言葉だった。
    一体それは誰?
    この人物は、二次創作における、書き手の願望を一身に背負った自己愛の塊というべき人物。
    つまり、イタいキャラクターであり、ご都合主義的な登場人物ということらしい。
    ありがちな設定だ。
    プロの作家なら、それらを上手く操れるのだろうが、残念ながら多くの書き手はそうではない。
    自分の妄想とありがちな設定と底の浅さが露見する、書いている本人だけが満足できるという代物。
    このことに気づいた主人公、如月ルカは彼女を徹底的に排除すべく努力を開始する。
    それが彼女の扉を開けた瞬間だった。
    好きなことをもっと上手くなりたいと熱望し、自らを客観的に眺め、己と戦った。
    そして彼女はメアリー・スーと再会する。
    その再会は、きっと彼女にとって、大切な瞬間だったことだろう。

    『校閲ガール』
    出版社の校閲部に配属された悦子は、この仕事が好きではなかった。
    好きではなかったが、雑誌編集部に行くために彼女は真面目に、完璧に仕事をしていた。

    今や、素人が好き勝手に情報を配信できる時代。
    しかもその垂れ流す情報の多くはたった一人で書き、他人の目を通さぬまま世界中に発信される。
    だから、変換ミスもおおいし、誤用も多い。
    私も自分の文章を読み直しているかと問われたら、毎回はやっていない、というか、ざっと目を通すだけできっちり訂正をかけてはいない。
    だが、出版物はそうはいかない。
    一応、他人の目が入っているはずなのだ。
    さて、嫌だけど、嫌だから、悦子はきっちり仕事をこなす。
    言葉遣いはなってない、かもしれないが、意味もなく人を批判してくるわけではない。
    ゆとりと言われようが、商売女っぽいと言われようが、その相手にあるだろう思い込みを壊す感じが好きだ。
    実際にこんな人が後輩にいたら面倒だろうが、それはそれで面白いかもしれない。
    ただ、私のような大雑把な人間に校閲が務まるかはかなり怪しげなところだが。

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    2015年11月22日
  • サイドストーリーズ

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    一服ひろばについての、アンソロジー。

    ひとつが30ページ程度なので、読みやすかったです。
    しかし読んだ事がある本が、3冊だけ。
    とはいえ、どれも今現在がどういう状態なのか
    分からないという話はなかったです。

    最後から2番目。
    女って恐ろしい…と思うには十分な話でした。
    確かにこれは恐喝になります。
    こうなった場合、即座にその場を離れるのが鉄則。
    けれどそれを本当に実行できるかと言われると
    多分無理な気もします。

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    2015年11月03日
  • サイドストーリーズ

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    サイドストーリーっていうテーマが面白かった。わたしは本篇を読んだことがあるのが偏食気味なので中田永一さんの百瀬こっちを向いてと、中山千里さんのさよならドピュッシーだけだったのでその二本を読みましたが、ファンにはたまらなく豪華であろうサイドストーリーがたくさんでした。
    大好きなあの小説たちの違う話、もっと読みたいなって思った。

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    2015年09月07日
  • サイドストーリーズ

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    ネタバレ

    【収録作品】「鯨と煙の冒険」中田永一…『百瀬、こっちを向いて。』番外編/「一服ひろばの謎」貴志祐介…「防犯探偵・榎本径」シリーズ番外編/「皇帝の宿」宮木あや子…『校閲ガール』番外編/「街で立ち止まる時」東直己…「ススキノ探偵」シリーズ番外編/「同窓会」垣根涼介…「君たちに明日はない」シリーズ番外編/「心の距離なんて実際の距離にくらべれば、」狗飼恭子…『遠くでずっとそばにいる』番外編/「平和と希望と」中山七里…『さよならドビュッシー』番外編/「ゴロさんのテラス」笹本稜平…『春を背負って』番外編/「雁首仲間」冲方丁…『天地明察』番外編/「落としの玲子」誉田哲也…「姫川玲子」シリーズ番外編/「オレンジの水面」貫井徳郎…『北天の馬たち』番外編/「多田便利軒、探偵業に挑戦する」三浦しをん…「まほろ駅前」シリーズ番外編
    *知っている作品は楽しく読め、知らない作品は本編を読みたくなる。

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    2015年08月21日
  • 白蝶花

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     愛って言うものはそんなに素晴らしいものなのだろうか。
     この本を読むと、女たちはみな、愛のために身を焦がし、生きていく。
     いや、それは素晴らしいとは思うのだけれど、すごいなぁとは思うのだけれど、愛だけでは生きていけないだろうとも思うのだ。
     あるいは、辛い時代であったからこそ、愛のみを頼りに生きるしかなかったのかも知れないのだけれど。

     いや、よく考えると、愛だけで生きてないか。
     最後の短編を読むと、お嬢様のすさまじさにおどろく。やはり気高さというのは尊いものなんだろうか。

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    2015年08月07日
  • セレモニー黒真珠

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    葬儀屋が舞台の連作短編集。
    主人公は、葬儀屋に勤める若者3人。
    それぞれの個性が良く出ていて面白かった。
    ホラー、恋愛、家族愛など、
    幾つものテーマが混ざっているものの、
    ゴチャゴチャ感はなく、読みやすい。

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    2015年06月18日
  • セレモニー黒真珠

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    キャラクターがいい!
    続編があれば読みたい。。

    霊を前面に押し出した
    物語でもよかったかも。。

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    2015年05月27日
  • サイドストーリーズ

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    それぞれの作品の番外編というか、タイトル通りサイドストーリーを集めた短編集です。
    読んだことがあるのもちらほら。
    名前だけ知ってて、気になってはいるけど〜というシリーズも結構収録されていて、良いきっかけになりました。

    中田永一はやっぱり面白かった。脇役だった彼がいい味だしてます。
    あとは中谷七里も。音楽シリーズしか読んでないけど、他にもいろいろミステリ出してるし、これを読む限りそっちも良さそうですね。

    初めてのものだと、「校閲ガール」「君たちに明日はない」「北天の馬たち」「まほろ駅前」が読みやすくて惹かれました。
    ぜひそのうち本編を読んでみたいとおもいます。

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    2015年07月01日
  • セレモニー黒真珠

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    ネタバレ

    6編からなる、連作短編集。
    29歳なのに、42歳くらいに見える笹島、物腰や動作がすばらしく美しい。
    21歳なのに、35歳くらいにしか見えない、老け具合と落ち着き具合が評価されている妹尾。
    年相応だけど、異常なくらい喪服の似合う木崎。
    この3人を中心に物語は展開していく。

    人のお葬式が絡んでくるので、暗くなりがちな話題なのに、登場人物の人間性の良さで、お互いに助けられて、前を向いていくところがさっぱりとした読後感になりました。
    セレモニー黒真珠という名前や本の装丁が素敵なのも、イメージをとっても素敵に上げてます。
    ただ、社長がやっぱり老け顔で、「干からびたマンドラゴラ」みたい・・・ってどんな顔?マンドラゴラ知らないから、全然想像できませんでした(^^ゞ
    妹尾のが幸せになる短編含めた続編が出たらとっても嬉しいかも(^_-)-☆

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    2015年03月21日
  • 婚外恋愛に似たもの

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    最初はなんだこれと思ったけど、読み進めていくうちにあっという間に読んだ。
    文章自体読みやすいので、スラスラと読める。   他人から見たらなんでも持っているように見える人でも、何かが足りず何かを埋めたいと思うんだなーと思った。
    環境の全く違う女性達がアイドルを通して交流していく様は面白かったし、最後は爽やかでなんか「いいじゃーん」と思った。

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    2015年02月26日
  • 婚外恋愛に似たもの

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    宮木さんの文章が好き。なんでこんなにスラスラ読めるんだろ。女性の格差社会を表してる。自分の存在意義を見出そうと踠いている5人の女性たちの赤裸々な話。

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    2015年02月16日
  • 野良女

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    ダメ男っぷりに笑っていたが、不倫の末、妊娠して自殺未遂する話にはちょっとひいた。けれど、きちんと他の登場人物がダメだと諭していたのが救われた。

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    2014年11月21日
  • 野良女

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    アラサー女子の連作短編集。宮木さんの作品は「花宵道中」に続いて2作目なのですが、花宵とあまりにも違う作風に引き出しが多いと感動するしかない。
    肉食系女子の逞しさと、おかしさ、は感じたけど、30歳間近の女性の揺れ方みたいなものは、あまり感じないかな。
    彼女たちのキャラクターよりも、彼女たちが付き合う個性が豊かすぎる男性たち、及びその性癖の方が印象に残ったかな……。

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    2014年11月14日
  • 本をめぐる物語 一冊の扉

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    最近お気に入りの中田永一さん、宮下奈都さん、宮木あや子さん等の作品が含まれた短篇集だったため、迷わず手に取りました。

    やはり中田永一さんはおもしろかった!
    朱野帰子さんの作品は初めてでしたが、他の作品も読んでみたいと感じました。

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    2014年10月13日
  • 本をめぐる物語 一冊の扉

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    タイトル通り、本にまつわる短編のアンソロジー。
    中田永一の作品が読みたかったのと、他の作家が著作を読んだことのない名前ばかりだったので、新規開拓のため読みました。
    表紙のイラストを見るに若い読者がターゲットかと思いましたが、話のキーとなる本は二次創作の同人誌から戦争に関わるものや官能小説まであり、全体として不思議な一冊。
    お目当ての中田永一「メアリー・スーを殺して」に関しては、メアリースーという言葉は知っていましたので、オタク趣味で中高生の時分そういった部活に所属こそしなかったものの周囲に部員の友人がたくさんいた自分としては、なんかもう胃が痛かったです。創作活動は簡単なことじゃないぞという内容を十代でデビューした著者が書いたんだから、なんだかな、という感じ。あと乙一の描く女子は何故「実は美人」ばかりなんだろう。わざとやっているんだろうけど、メアリースーそのもの。男子は等身大に見えるキャラクターが多いのに。まさか、女の子は誰だって本当は可愛いのよ、という考えの持ち主なのか?男子の実態は女である私には想像するしかない部分も大きいので、等身大と感じるのが間違いなだけなのかもしれない。
    他の作品に関しては、言葉選びや運びが面白かった小手鞠るい「ページの角の折れた本」、言い回しは好みではないが頭の中にはっきり風景の浮かぶ描写とストーリーが良かった小路幸也「ラバーズブック」、キャラクターが立っていて爽快な宮木あや子「校閲ガール」が気に入りました。それぞれ他の著作も読んでみようと思う。「校閲ガール」は連作短編集になる予定とあるので既に出ているのかな。

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    2014年10月04日
  • 本をめぐる物語 一冊の扉

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    本をテーマとしたアンソロジー。

    それぞれ「本」「読書」に対するアプローチが様々なので、飽きずに楽しんで読みました。

    中田永一「メアリー・スーを殺して」は、オタク趣味の少女が二次創作小説を書くようになるが、いわゆる『メアリー・スー』(ファンが二次創作の中に登場させた自己投影したキャラクターのこと)に悩まされ・・・という話。
    小説を書くことで現実と向き合った結果、小説から離れてしまった少女が、世界を広げていったその先でまた小説と出会うという、本好きにはたまらない素敵なお話でした。

    小路幸也「ラバーズ・ブック」はノスタルジックな雰囲気が印象的。
    この世界観でもっと続きを読んでみたい。

    宮下奈都「旅立ちの日に」は短いけれど好感の持てる話だったし、
    原田マハ「砂に埋れたル・コルビュジェ」も整理されていない感情を
    うまく表現している、センスが感じられるお話でした。

    他の作品を読んでみたい作家が増えてしまうので、アンソロジーは困ります。

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    2014年09月29日
  • 本をめぐる物語 一冊の扉

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    二作目の「栞は夢を見る」はSFっぽいけれど、この作品は現実的でどの話もあり得そうで面白かった(^^)ほとんど読んだことのある作家さんだったので読みやすかった!一番好きなのは宮下奈都さんの「旅立ちの日に」かな♪「校閲ガール」も読みたい本の一冊です(^^)

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    2014年09月01日
  • 雨の塔

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    ネタバレ

    空の上をもとめて、地球の描く輪郭に向かって透明な球を投げ上げる。なんとか最高点が最外側まで届いても、その軌跡は地球の正円とちがってひどく急で、二つの焦点どうしが離れた楕円にしかならない。幾度も幾度も、丹念に投げ上げ空の上ばかり見つめすぎて、この世界はよりいっそう閉ざされていってしまった。塔の中に閉じ込められた四人の少女たちの営みには、そのような、みずからの執念でみずからを追い込んでいくような、世界が滅びても同じ動きをし続けるまばたきしないロボットのような、滑らかでぎこちない一心不乱さを感じる。
    矢咲のように、都岡のように、塔を出て行くことはけっきょくできるのだ。それまでと方向をたがえたとき、透明な球は空にひびを入れる。ひびの外にある当たり前の日々のことは、この物語では語られない。語る価値を持たない。塔でみずからを完結させた小津だけが、塔の中で終わることを許される。

    閉ざされた世界をつくることは、作家にとって、きっとオルゴール細工みたいなものなのじゃないかしら、と想像する。そのできばえは飛翔よりもむしろ緻密さに重きを置かれるように感じる。

    ーーー

    ”いつか、は、ない。
    私たちには、今、しかない。”

    このような切迫感は、まだ私にものこっている。

    ーーー

    矢咲は、本当に追いかけるべきだった。
    過ちで喪った側か、引き留められずいってしまった側か、自分に近いのはどちらだろう。渾然となって舌の上が苦い。

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    2014年06月24日