宮木あや子のレビュー一覧

  • セレモニー黒真珠

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    セレモニー黒真珠という葬儀屋で働くのは、仕事ができる、老け顔のアラサー・笹島、霊の声が聞けるメガネ男子・木崎、アルバイトから社員になった新人・妹尾。
    3人を中心に綴られる、連作短編集。

    故人とのお別れの儀式を手際よく準備する彼らだが、身近な死にまつわるトラブルに巻き込まれたり…それでも暖かく見送る彼らのプロの姿勢に感動。
    誰もを魅了する姿勢や所作の美しさを保つ笹島も、笹島に惚れて守ろうとする木崎も、カッコいい!!
    そしてさりげなく(?)登場するセレモニー黒真珠の社長もカッコいい!!

    校閲ガールに通じる雰囲気を醸し出す、お仕事小説。
    読んだら「明日からもしっかり仕事をしよう」と思えてくる。

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    2017年05月08日
  • 白蝶花

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    読み始める前、それぞれが独立した短編なのかと思っていた。
    その頭で読んでいたので、芸者に売られた菊代姉妹の出てくる「天人菊」、破産して自殺した父のせいで財閥の当主の妾になった如月泉美を主人公とする「凌霄花」が、とてもあっけなく感じた。
    が、どうやらそういう読み方は間違いであるようで。

    一冊の大半を占める分量の「乙女椿」で、それらの因縁がつながっていく。
    太平洋戦争が激化する頃、千恵子が女中として働く先で出会うのが泉美の息子、政吉。
    身ごもったものの実家にもいられなくなった千恵子を助けるのが、菊代と雛代姉妹。
    そうか、そう来るんだ、と驚いた。
    もう一方の主要な筋は、気難しいお嬢様の和江と千恵子

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    2017年04月22日
  • 喉の奥なら傷ついてもばれない

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    病んでるなぁ。かなり。
    でもこういうの結構好きなんだけど
    刺さってくるものはあんまりなかったなぁ
    なんか無理して作ってる感が否めない。

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    2017年04月22日
  • 偏愛小説集 あなたを奪うの。

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    ネタバレ

    大好きな窪美澄さん目当てに買った小説集。
    窪さんの話は、介護されている老婆が、戦時中の刹那的な恋愛体験だけを心の糧にして生きてきて、自分を介護する孫を、女の幸せを知らないと憐れみ、自分の方が女としては幸せだと感じる、という話。
    年老いてもなお、女。
    窪美澄さん、千早茜さん以外は初めての作家さんだったけど、読んでて感じたのは、
    私は女だな、ってこと。
    自分の中の「女」をすごく感じた。
    男の人が読んだらどの女の人も嫌な女に感じるかも。

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    2017年04月21日
  • 泥ぞつもりて

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    陽成、清和、宇多の後宮を舞台にした歴史小説。

    陽成帝の、乳兄弟源益への恋。
    その母、二条の后藤原高子の、多くの男たちとの恋と、その男たちに先立たれる境遇。
    宇多朝を描く「東風吹かば」は、宇多の若き日の、陽成や道真への憧れや心酔が、年を経て変質していく様を描く。

    宮木さんの作品を読むのは、これが初めて。
    ちょっと申し訳ないけど、読みづらかった。
    きっと、こちらがこの時代に、通り一遍の知識しかないからだと思うけど。

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    2017年03月01日
  • 憧憬☆カトマンズ

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    読みやすくて爽快!な内容でした。
    こんなにハッピーだったらいいなぁ~と思えるほどのハッピーエンドだし、とってもポジティブ!

    でも、私はどちらかというと小説ではドロドロとわりと考えさせられる内容や、アンハッピーエンドが好きな方なのかもしれません(笑)物足りなく感じました。

    ・・・ということで、宮木あや子さんの他のクラーイ内容の本も読んでみたいと思っています!

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    2017年02月04日
  • 雨の塔

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    少女といえど女性は女性で、その心理は男である僕には難しいと感じました。
    あらすじ(背表紙より)
    その岬には資産家の娘だけが入れる全寮制の女子大があった。衣服と食べ物は好きなだけ手に入るが、情報と自由は与えられない。そんな陸の孤島で暮らす4人の少女―高校で同性と心中未遂を起こした矢咲、母親に捨てられた小津、妾腹の子である三島、母親のいない都岡。孤独な魂は互いに惹かれあい、嫉妬と執着がそれぞれの運命を狂わせてゆく。胸苦しいほど切なく繊細な、少女たちの物語。

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    2017年03月29日
  • あまいゆびさき

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    幼い頃に出会った真淳と照乃、離れても忘れることができず、女性同士なのに、それはまさに運命の恋だった。境遇の違いや、すれ違う気持ちなど、これが異性との恋愛だったらベタな青春恋愛ものだけど、同性ということ、性的マイノリティの人や引きこもりのオカマが出てくるあたりが面白い。同性に惹かれる葛藤や、スクールカーストなど、もう少し深い方が好みだけど、ライトな分読みやすいとも言える。ただ、全体的にラノベっぽいのに宮木さんらしい艶っぽい表現があったりして、バランスの悪さを感じた。レーベル的にも女性同士の行為の描写なんて珍しいんじゃないかな?主人公2人より奥井が一番好きかも。

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    2016年10月31日
  • 官能と少女

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    オムニバスです
    どの作品も、自分もこの頃こんな事考えてたなとかこんな風に感じてたという事を思い出しました
    ただ当時の私と大きく違うのは自傷という感覚がなかった事です そこが今時かな

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    2016年09月20日
  • 春狂い

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    「官能と少女」に続いて宮木作品二冊目。
    どちらも同じエロとグロ。
    流石に二冊目になるとインパクトは低下。
    他の人の感想を見ても似た様なもの。続けて読む物じゃなさそう。

    そもそもこの作品は読者を意識して書いたものなのか?
    なんだか自分の中に浮かぶドロドロしたイメージをひたすら書き出して行ったという感じがする。
    それが悪いわけではないのですが、当然ついて行けず、置いていかれる人も多いと思う。

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    2016年09月07日
  • 野良女

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    冴えない男ばかり追いかけるアラサー女性たちの短編連作。

    表現が少し下品で性器の話ばかり出てくる。これが普通の感覚みたいにかかれているけれど、少なくともわたしはそうではないし、男性もここに描かれているほど下品でおかしな人ばかりじゃない。

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    2016年07月25日
  • 喉の奥なら傷ついてもばれない

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    つらい。あまり自分にマイナスの感情のストックがないものだから、どうしてもそこまでやる?と思ってしまう。
    元気で前向きな女の子のお話の方が好きです。

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    2016年06月26日
  • 雨の塔

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    岬にある全寮制の女子大に入学した4人の少女たち。そこでは資産家の訳ありの娘たちが生活していて、授業に出るのも出ないのも自由、ダウンタウンと呼ばれるエリアにある店で日用品も好きなだけ手に入るが、家族からの電話や宅配便はチェックされ、外の世界からは孤立している。そんな鳥籠の中のような環境で、 惹かれあい、嫉妬し、少しずつ病んでいく少女たち。濃密で綺麗な文章は堪能できたけど、私にはちょっと少女趣味的な感じがして合わなかった。小道具はお洒落だし、退廃的で耽美な世界が好きな人には楽しめるかと思われます。

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    2016年06月25日
  • 官能と少女

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    ネタバレ

    ☆春眠…飛び立つための翼を持たずに生まれ落ちたのなら、代わりに誰かが与えてはくれなかったのか。ただただ悲しいです。

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    2016年05月31日
  • 春狂い

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    美しすぎるがゆえに、人を狂わす。
    ひとりの少女を取り巻く、
    欲望と狂気が乱れ舞う 青春小説。
    鳥肌立つような、上手い文章がいっぱいあった。
    だけど...エグい。グロい。
    こんな教師っている?こんな家族ってある?
    絶望と残酷さ極限の状況に、
    眉間のシワも、いっぱい寄った。

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    2016年05月16日
  • 雨の塔

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    2016年、18冊目はR-18文学賞のタイトルホルダー、宮木あや子!

    岬の女子大は全寮制。ソコに集まるのは、少々ワケありの資産家の令嬢。そして、今年、入学した新入生の四人も……。

    メイン・キャストの四人、それぞれの設定、少しずつわかってくることは悪くなかった。一方、全体的に(特にクライマックス&オチ)は好みとは少し違った。それでも、この限定世界の空気感は名作(個人的に)『花宵道中』に通じるモノを感じた。

    オッサン向けでないのは、百も承知。ただし、耽美派女子向けと思っていると、足元掬われるかもしれません。

    そして、次なる(?)、『太陽の庭』がソコには控えているのであった。

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    2016年05月13日
  • 官能と少女

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    こういう独特のエロティシズムのある雰囲気はとてもとても好き。
    漫画とかで読めたらまた違った印象だったかもなぁ。

    大学時代にでも読んでたらどっぷり浸かったような気がする。

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    2016年05月03日
  • 春狂い

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    2016年、13冊目は(個人的)名作『花宵道中』以来の宮木あや子。

    その美しさゆえ、欲望と虐めの対象とされた一人の少女。そして、その周りの人々の物語。

    全六章、連作短編のように視点や語り手を変え、時系列を前後させて進んでゆく。

    欲望と暴力の連鎖は苦手な方々も多いだろう。また、背表紙のあらすじや帯で官能を期待すると肩透かしを喰らうコトとなります。

    非常に狭い世界の話で、全体的には良かった。それだけにあの「落とし」は全く好みと違って、もったいない。なので、評価は★★★☆☆。

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    2016年04月19日
  • 喉の奥なら傷ついてもばれない

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    宮木あや子が炸裂しててとても満足の一冊。
    不倫をしている人妻というのがテーマでしたが、描かれている女性の狂気は様々。
    痛くて、苦しくて、一見普通にみえる彼女たちが内に秘める闇はこんなにも深い。
    宮木あや子の麻薬のような筆致でくらくらするほど濃密に融解されていました。
    それぞれの物語に沿わせた比喩も素敵だった。

    「指と首、隠れたところ」はいつかアンソロジーで読んだことあったな。
    あの頃はフーンて感じであっさり読んでしまったのだけれど、なんだか今回は違った。
    不倫したあの日の私はどれほど特別だったか、というその罪の甘美さがたまらなかった。

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    2016年01月26日
  • 太陽の庭

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    こういう閉ざされた空間に身を置き、人間関係が限られていると、相手に対する思いも必然的に強くなりそうだ。
    一人に向けられる愛情も憎しみも、増幅するんじゃないかって。

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    2016年01月24日