宮木あや子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ再読しよう…と思ってなかなかかなわなかったけれど、「皆川博子の辺境薔薇館」を手にしたきっかけで再読できました。
わたしはこちらも好き。「雨の塔」はもちろん大好きです。
『永代院』という、世俗から隔離され、とてもとても雲の上で脈々と受け継がれてきた一族を中心に描かれる愛憎と、
後半はそれが崩れ去る展開と…浸りました。
最初の章が源氏物語のようで、としたら永代院は…いづれの御時にか、女御、更衣あまた候ひ給ひける中に……と始めてしまいたくなる。帝、桐壺、光源氏、藤壺、結構近い気がします。
再読して、和琴と泉水も近いんだな、と気づきました。
西の家が島根にあることにようやく気付き、改めて神なんだなぁと。大学があるのも三重県あたりだったら…
特権階級を引きずり下ろすかのごとく滅ぼしたけれど、それは経済に混沌をもたらす引き金に、みたいな幕引きも面白かったです。
正義中毒というか、好奇心で滅ぼされたのは一体どっちだったんでしょうね、という。
それでも、前半の、閉じた世界でもがく少年少女たちの息苦しさと幻のような儚い世界観はさすがでした。
宮木あや子さん、こっちのA面の系統のほうが好きです。校閲ガールシリーズや「婚外恋愛に似たもの」のB面系統も楽しいけれど、たまらなく好きなのはこちら。
皆川博子さんの解説、皆川さんにしか書けない解説だ…としみじみ思います。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ憧れ続けた仕事とは別の仕事で天職が見つかった人達の話
是永は小説家としてプロデビューを果たすというひとつの大きな目標を達成出来てはいるものの、部数の売上が見込めず(恐らく)好きではないモデルの仕事と向き合ってその道に進むことを目指す
一方悦子は物語を通して最終的には校閲が天職だと知り、受け入れたくない気持ちの反面校閲の仕事をしている時は楽しくて仕方がないと思っている
憧れ続けた夢があるなら、自分にとっての天職がそうではなかった時の辛さが相当なものなのは勿論わかるけれど、他に自信を持って天職だと思えたり、周りから求められる仕事が見つかる人は少ない
それに、悦子の周りの人達は本当にいい人達ばかりで、特に校閲部の部長や米岡は一緒に働く同僚としては羨ましいくらいに悦子のことを支えてくれるし気にかけてくれている
そういう職場環境や自分の働きぶりを求めてくれる天職が見つかっただけで悦子は幸せ者だなぁと思う
悦子のことを羨ましいなぁと思う反面、最終的に悦子がこのような決断を下し、周りの人間に恵まれたのは、他でもない悦子自身が人生に妥協をせず目標に向かって歩み続けたからだとも言えるだろう
夢や目標に向かって精一杯努力し目指すことは、必ずしも叶うとは限らない
しかし、精一杯努力し歩んだ道程は違う方向性で報われるし歩み続けた過程が無駄になるとは限らない
悦子のように毎日を一生懸命生きてみたいと思った