宮木あや子のレビュー一覧

  • 雨の塔

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    好き。
    匂いがしてくる小説だった。
    タバコの匂い、マフィンの匂い、インスタントコーヒーの匂い、雨の匂い、桃のシャンプーの匂い、潮の匂い、終わりの匂い。

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    2025年10月01日
  • 官能と少女

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    少女からかけ離れる代わりに折り合いが付けられるようになった寂しさがそのままの状態である。共感するけれど通り過ぎた道を振り返るような封じ込めた願いを思い出すような感覚。「一人きりでは、迷子になることもできなかった」って…泣いちゃいそうになるなあ。

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    2025年09月01日
  • ガラシャ

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    ネタバレ

    なんで最後に幽斎パートなんて挟むん?
    と思ってたけど最後のコレがやりたかったんだな。別になくても良かったけど、あったほうが読後感は爽やか。

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    2025年08月08日
  • 喉の奥なら傷ついてもばれない

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    いびつな愛の形しか知らない女性に関するストーリーの短編集。

    特に最後の「泥梨の天使」はホラーだった。娘を誰よりも愛し、表面上は娘の安全健康を願うよき母として振る舞いながら、全ての行動を監視、コントロールしようとする。スマホの電話やチャット履歴は全て把握し、母が不要と思うレース付きのパンツや化粧品は全て知らない間に捨てられる。
    全てその行動を正当化する心の声が読めるのも怖い。

    何か愛なのか、愛の名の下に相手に押し付けているものがないか怖くなる。

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    2025年08月03日
  • 手のひらの楽園(新潮文庫)

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    高校2年生の女の子の1年間を描いたもの。
    家族のことや友人関係、将来のこと、また彼女にとってかなり衝撃的な事実が明らかになったりする。
    だが、決してその出来事をドラマティックに描くことなく、あくまでもそれに対峙する少女の心境に主眼がおかれ進んでいく。そこがとても良かった。
    きらきらが描かれなくても、結果的に「青春」を読んだ感じはしっかりと残っている。

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    2025年06月14日
  • 憧憬☆カトマンズ

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    ネタバレ

    野良女の鑓水が出てきた!テンション上がったわ!さらにあのキャラたちまで!おお!
    会話のテンションの高さと、地の文の冷静さの対比が宮木あや子らしい。

    p.145恋愛するときってそれを忘れがちだ。相手を大切にすること。大切にされることばかりを考えていると、人はいろいろと見失う。

    格言。効いた。

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    2025年06月07日
  • 校閲ガール ア・ラ・モード

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    今回は校閲ガールのまわりのガールと
    ウーマン、ボーイ達6人のサイドストーリ。
    なので残念ながら校閲ガールの出番が少ない。
    これはやってしまった!と思いきや
    予想に反して、物語にグイグイ惹き寄せられてしまった。まるで悦子に何かで引っ張られているように。

    どの話もクスッと笑えるところがあるだけでなく、登場人物の日々の仕事の悩みや意外な過去に驚かされたり、そんな思いがあったんだと違う一面を見せられることにより、魅力が増し親近感や愛着がわいてきます。
    一番驚かされたのは悦子の上司で部長の茸原
    ことエリンギ。あのエリンギが?
    普段温厚そうなエリンギがサスペンスあり、
    ロマンスありと小説のような恋愛をし

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    2025年06月05日
  • 雨の塔

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    ネタバレ

    お金持ちの家庭の子だけが入学できる孤島の大学。
    ドラマにできそうな話。
    とりあえず設定が富豪過ぎて共感できる部分は少ない。
    女子校の経験はないのだけど
    こんな世界もあるのだろうか。
    1人の友達を独占したくなるようなそんな気持ちは
    理解できるかな。
    結末はどうなるのか気になったけど
    全部が不幸になるわけではなかったのが救い。

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    2025年05月24日
  • 官能と少女

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    嘘であってほしいって
    願いながら読んでしまった。
    本だし作り物なのは解っているけどね。

    官能な表現は下品じゃなく
    下衆だけどその中にも美しさも
    感じられるような文体で
    すごい表現だなって思った。

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    2025年05月21日
  • あまいゆびさき

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    あらすじを読んだ時、光のところにいてねみたいな話かなあと読み出したら全然違うけどめちゃくちゃ面白くてすぐ読み終わってしまった…笑
    同性愛とか、家族問題とか色々な事に触れてる作品。後味はとても良き。タイトル回収してるう…そして奥井。最高すぎる。
    奥井が本当にいいキャラすぎて、奥井と絡むとみんなおもしろくなるからホントみんな奥井目当てに読んで欲しい笑
    もしこの作品気になってて読むの迷ってる人いて、たまたまわたしの感想に巡り会えた人がいたら読んで損無いから、奥井のために読んで欲しい。そのくらいいいキャラだった笑

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    2025年04月29日
  • 校閲ガール

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    比喩と隠喩がスッキリ頭に入る。
    頭が良くなる気がする。
    出版業界や校閲という仕事について少しだけ知れた。

    軽蔑には憧れが含まれている。
    手の届く夢なんて夢じゃない。

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    2025年05月04日
  • ヴィオレッタの尖骨

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    ネタバレ

    短編4つ、しかし言葉の濃度が高い。
    だから読むのにパワーが必要。
    多分テーマは半身、2つで1つ。
    でも静かで美しいから、読んでいても辛くない。星の王様が1番好きかも。
    ヴィオレッタの尖骨
    大人に押さえつけられ世界に出られない少女2人。綺麗な少年。少年の尖った骨に心奪われ、欲しがる2人。歪んでるけど、歪みがないと交わらなかった3人というのは皮肉。人数は違うけど女の子同士が親密だからか、雨の塔を思い出した。
    針とトルソー
    ふしだらでバカ
    天橋立のように地味な場所って微妙にディスっててワロタ。卒業旅行としては大人しめだよね。
    地の文に括弧書きが多い宮木作品は何となく気持ちを軽くして読める。楽しそうな

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    2025年03月09日
  • 校閲ガール ア・ラ・モード

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    楽しかった!こんな人達いないとは思うけど、ほんとに楽しいお話でした。
    キッパリ痛いとこ言うだけではなく、無理ない設定、業界知識、上手くできてるなーと思いました。
    1冊目と続けて読まれる事を強くお勧めします!!少し忘れてた私はこれから1冊目を読み直します。楽しみです!

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    2025年02月26日
  • 帝国の女

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    ネタバレ

    宮木あや子さんのお仕事小説は、テレビ業界でもヒリヒリと冴え渡っていました。
    バリバリとお仕事して悩む、シスターフッド。面白かったです。

    各々の事情で崩れる事があっても、仕事だ!働く!!と立ってる彼女たちの格好良さ。言わないでおく、が出来るようになるのはそれまで公私ともにいろいろ経験されてきたからだろうな、としみじみしてしまいます。
    体力で無理ができなくなってる年齢だというのがリアルでした。
    昨今なにかとテレビ局は渦中にいますが、このお話読んでても、タレントやスタッフが外されたり飛んだりはあっても「テレビ業界や局自体が揺らぐ」という時代が来るとは想像できないよなぁ…とつくづく。
    約10年前のこ

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    2025年02月18日
  • 校閲ガール

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    ドラマやってたのは知っていて。でも作者が宮木あや子さんだったとは!花宵道中好きだったからまさかの再会。こういうのも書かれるのね。脳内石原さとみで再生されるけ読めて人生こうやってアグレッシブに生きたいなとテンポよくサクサク読めた。続編も読んでいこう。

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    2025年02月16日
  • 雨の塔

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    女性(学生)4人の繊細で脆く拗れる心理描写が細かい作品だと思いました。
    うまく説明できないですが「女のこういうところが面倒くさい」みたいな人間関係が、美しく表現されていて、そのギャップに怖さも感じました。

    作中のほとんどが4人のうちの誰かのシーンとなりますが、語り手が頻繁に変わります。
    誰が誰の話をしてるのか混乱してしまいました。
    現実の人間関係も誰が何を考えてるのかわからないですし「あの人はこういう人だと思ってたのに話してみたら違った」みたいな感じになり、何回も前のページに戻って確認しながら読み進めました。

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    2025年02月08日
  • 令和ブルガリアヨーグルト

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    妄想の乳酸菌たちの擬人化はよく分からなかったけど、自分の一途な行動が、少しは周りを変えているんだ。^_^、と言う自覚を持った時に人って変われるんだねー。一度も行ったことないし知り合いもいないけど、ぜひ彼の国に行ってみたくなったよ。

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    2025年02月04日
  • 校閲ガール

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     正直、軽い読み物と侮っていた。予想以上に面白い。校閲という仕事を題材にするに当たって如何に広汎に亘る取材と調査を著者が行ったのか、想像するに余りある。日本語学のみならずファッションから宗教、歴史まで一体如何程の抽斗を備えているのだろうか。それでいて筋は筋でちゃんと読ませる。文句無しの佳作である。

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    2025年02月04日
  • 花宵道中

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    大河ドラマを見て久しぶりに手に取る。
    そういうシーンもしっかりと描写されていて官能小説といえばそのとおりだけど、遊女たちの心のうちの描写の細かさに、胸をうたれた。
    みんながみんな、苦しい、つらいと思っているわけではない。
    「十六夜時雨」で、朝霧が客の男に啖呵を切る姿は粋だ。
    十把一絡げに「遊女」を描くのではなく、それぞれの人生を見つめ、作中では語られない生い立ちも見つめる作者の眼差しを感じた。

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    2025年01月21日
  • 校閲ガール

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    読みやすくて面白くて一気に読めた。

    やりたくない仕事はあるけど、必要のない仕事はないのかな?
    やりたいことへの熱意を持ち続けることと、今持ってる仕事を大切にすることの両立は難しいけれど、やっていかないといけないな、と感じた。

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    2025年01月18日