宮木あや子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ宮木さんと言えば校閲ガール!と思って、読み始めたら全然テイスト違ってビックリしたけど、そういやこの人R-18の賞貰ってたな…と納得。
4章に行くまではうーん?って感じだったけれど、少女視点になってからの謎解き感が凄まじかった…!結城と前原先生いい人で良かった…
結城が死ぬのわかってたのに、いい人なのもわかって約束してたのもあって読んでて泣きそうになった。
そして唯一少女に感情を向けなかった前原先生最高すぎる…ミツコと幸せになれよ…の気持ち。
読んでてすごく疲れるお話だったけど、こういうのもたまにはいいかもしれない。
他の人が言っていたようにエログロはある、多少ね! -
Posted by ブクログ
R-18文学賞、吉原の遊女を描く物語‥などの惹句に、邪推する自分がいましたが、どっこい! 薄っぺらな「官能小説」と片付けられない、質の高い文学性あふれる宮木さんのデビュー作でした。
6編で構成される連作短編集で、各編毎に主人公の遊女が変わり、時系列を交錯しながらつながっていきます。それぞれの章がリンクし、伏線が美しく回収される様は、見事な構成力と感じました。
独特な廓・花魁言葉もほぼなく、時代小説特有の古くささも感じさせず、すんなり入り込めます。
遊廓の物語なので、確かに生々しく官能的な描写もありますが、いやらしさを感じさせない綺麗な文章です。むしろ、女性たちの過酷な境遇、懸命さ、 -
Posted by ブクログ
東京の大手企業「明和」に就職した岩手出身の由寿は、閉鎖的な考えが残る母親などに悩まされながらも新しい仕事に一生懸命取り組む。明和ブルガリアヨーグルト五十周年特集のために社員にインタビューすると、制限文字数の10倍は書いてしまい削るのに苦労するなど熱意が伝わり微笑ましかった。由寿を見守る乳酸菌(!?)が語ったり、由寿の推しが、素人が創作した物語の中の擬人化された乳酸菌だったりして、ブルガリアや、ヨーグルトの歴史を学ぶこともできた。
コスプレがばれて居場所を失いそうになっている兄を救うため、これから自分に続いて東京に出たいと考えている後輩たちに道筋をつけるため、「いい子」をやめ、諦めずに言葉にして