宮木あや子のレビュー一覧
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購入済み
原作をより鮮やかに
小説の漫画化や映画化の場合、先に原作を活字で読んでいるとどうしても色褪せるのが通常だが、この作品は原作で味わい損ねた世界観や人間味が鮮やかに描かれている、漫画化にしては稀な作品。
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ネタバレ「間夫(まぶ)がいなけりゃ、この世は闇」っていう
言葉があるとおり、女郎たちはつらい現実からひと時
でも救ってくれる愛する男を頼りに生きている。
「花宵道中」では女郎の朝霧が半次郎という男と恋に
落ちるが、ありふれた女郎の恋だと思って読んでいる
と、「青花牡丹」っていうお話で二人に意外な縁が
あったことがわかる。
その話を読んだ後では読後感が違ってきますね~
いやぁ・・・泣けました。
女しかいない女郎の世界ですから客の取り合いや、
足の引っ張りあいもあるわけですが、妹女郎の茜が
初めて客をとるまでの話を描いた「薄羽かげろう」や、
「雪紐観音」を読むと、こんな世界でも必死に生き抜い
てやろう -
Posted by ブクログ
ぶっ飛ばしてる小説だなあ…って思いました。
一人一人の抱えてる男との事情は、それぞれ重いけど
小奇麗にして、ちゃんと仕事してさえいれば、
女って割と大丈夫だよなあと。
自分も含めてそうなんだよなと思いました。
ここに描かれてる女たちの言動さえ、若いなあと思う時が自分にも
来るのでしょうが、その年齢さえ通り越した時の私がこれを読んで
何を感じるのかにも興味があります。
私自身は体の関係には全く重きを置かない、というか
そういうことはつらいこと、という感覚を持ってるので、
「好きな人はいた方がいいけど、体はね、別に重ねなくてもいいです。
あっちなみに百合でもないから。私男の方が好き。ストレ -
Posted by ブクログ
ネタバレ宮木あや子作品は色々読んできたけど、どれも割と綺麗めな感じの官能小説だったので、これを最初読んだ時はびっくりした。
ここまで来るともう、エロいを通り越してエグい。
他の作品のような官能描写はあまりなく、代わりに繰り広げられるのは女子トークで語られる赤裸々な下ネタのオンパレード。
寝た男の数は優に20人を超える女たち5人が、色んな悩みを下ネタとともにぶっちゃける。
そういうジャンルの女性(性に奔放過ぎる女性)の文化が自分にも周りの友人にもないので、最初はちょっとひいたけど話が進むにつれてどんどん引き込まれていった。
結局アラサー女の悩みなんて、恋愛と結婚と性と将来の不安と婦人病に集約され -
Posted by ブクログ
ネタバレ第三部「青花牡丹」の最後と第四部「十六夜時雨」です。
第三部「青花牡丹」は、江戸に着いた半次郎が霧里とは結局会えなかったというところから第一部につながって、朝霧との出会いが半次郎側から描かれていて、束の間ちょっとほんわりしました。
で、やっぱり朝霧と吉田屋の件ですが、あのとき彼はあんなことを回想していたのかぁと、ちょっとドキドキ。第一部を読んだときとは全然違う展開で、吉田屋を殺したのは、朝霧への仕打ちではなく、姉を抱いた父への復讐だったと。そのあとは描かれていないのですが、結末は第一部と同じだし、これでよかったなと思いました。
第四部「十六夜時雨」は、八津のお話。髪結いの三弥吉との話です -
Posted by ブクログ
ネタバレ第三部「青花牡丹」で、霧里のお話。
京都から吉原にきた経緯や妹女郎の朝霧との出会いの話はいいのだけど、驚いたのは、吉田屋との関係。霧里と吉田屋は実の親子っていうことは、東雲=半次郎と吉田屋もってことですよね。
うーん、半次郎が吉田屋を殺した理由が微妙になってきたかも。
一方、まだ京都にいた半次郎は腕を折られて、染め物ができなくなり、仕事もクビに。その腕を折るということを依頼したのが、かわいらしい顔したええとこのお嬢様って。いくら半次郎と結婚したかったとしてもやってはいかんことですね。しかもそれを半次郎にきかれるって・・・。
そのあとは、ちょっとキレちゃってますけど、ここからやっと半次郎が江