宮木あや子のレビュー一覧
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めちゃくちゃ読みやすくて面白かった。
主人公の悦子はやたらと口が悪くて決していい性格ではないのに別に鼻につくこともなく…むしろ誰に何思われてもいいくらいの物言いは読んでてスカッとする。
テンポもいいから悲観的にもならへんし…
相手がどれだけ大御所の作家でも部長でも(部長のことエリンギ呼ばわりしてるしな)他部署の目上の人でも態度が変わらんのもいいな。
実際にいたら友達になりたいかも。
そしてただただ失礼な小娘ってわけでもなくて仕事はちゃんと完璧にするし興味のあることややりたい事への情熱も凄いし魅力的な人間やと思う!出た大学は決して良くはなくても頭の回転も早くて記憶力ずば抜けてるし。
そういう -
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校閲ガールシリーズ第二弾。第一弾に登場したキャラクターたちのサイドストーリー。
人生ままならないことが多い。でもみんなどこかしら折り合いつけて生きている。
そんなことを考えさせられた、充実の短編集だった。
米岡さんの章で、“表現したい人は増えている、でもその表現に興味をもつ人は減っている”という行があり、
藤岩さんの章では、“源氏物語や森鴎外のようには今の文学は残らない”という行があって、
文学に詳しいわけではなく、エンタメとして楽しむ単なる本好きではあるのだけど、考えさせられる。
登場人物たちの毒のあるセリフと、考えさせられるところと、これまでに読んだ宮木あや子さんの作品は、そのギャッ -
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ドラマから。
開いた瞬間思ったのは、なんて読みやすい文書!!
という感動。
ドラマはだいぶ設定変えて来ているんだなぁというのに最初は慣れなかった。
悦子は新卒入社だし。森尾は同期だし。受付嬢は勿論セシルでは無いし(笑)何より藤岩さんが校閲じゃなくて編集者で悦子の同期なこと!(笑)あと是永のキャラが完全違う。
最初はドラマとの間違い探しのような感じがしたが、読んでいけば小説の世界にすぐに入り込めました。
ただ、ドラマから入ると、話が散らかったまましっくり終わらないんだなっという印象が出ました。勿論、ドラマで起こるような事が起こるのだけど、ドラマはそれにだいぶ加筆しているしドラマらしい盛り上がり -
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東京の大手企業「明和」に就職した岩手出身の由寿は、閉鎖的な考えが残る母親などに悩まされながらも新しい仕事に一生懸命取り組む。明和ブルガリアヨーグルト五十周年特集のために社員にインタビューすると、制限文字数の10倍は書いてしまい削るのに苦労するなど熱意が伝わり微笑ましかった。由寿を見守る乳酸菌(!?)が語ったり、由寿の推しが、素人が創作した物語の中の擬人化された乳酸菌だったりして、ブルガリアや、ヨーグルトの歴史を学ぶこともできた。
コスプレがばれて居場所を失いそうになっている兄を救うため、これから自分に続いて東京に出たいと考えている後輩たちに道筋をつけるため、「いい子」をやめ、諦めずに言葉にして -
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あなたは次の五人のうち、どの人に自分を重ね合わせますか?
① 『何においても、上から三番目の人生を送ってきた』
②『私はずっと一番目の人生を送ってきた』
③ 『ずっと下から三番目の人生を送ってきた』
④ 『特に自分の意思を持たない凡庸な女』
⑤ 『物心ついたころからデブでブス』
さて、いかがでしょうか?自分のことを、”⑤”とはなかなかに言い難いような気もしますが、かと言って、”②”のように言い切るのもそれはそれで勇気がいることだと思います。しかし、人の人生は多種多様です。頂点に立つ人がいれば、それを仰ぎ眺める人もいる、そしてその間に無数の人の -
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あなたは、会いたくないと思っていた人に『とうとう会っちまったか』という思いをしたことはないでしょうか?
人はそれぞれの人生の中で輝く瞬間があるように思います。神童と言われた過去があった、中学の部活動で華やかな青春を生きた、そして何らか光が当たる時代を生きた…人によってそんな瞬間はそれぞれだと思います。もしかしたら、現在がそんな時代にあたるという方もいらっしゃるかもしれません。
一方で、人生山あり谷ありと言われる通り、輝く瞬間は永続しないものでもあります。輝きが眩しければ眩しいほどに、その後に来る落ち込みは暗く澱んだものになりかねません。一方で輝いていた時代と、そうでない時代の人間関係という -
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あなたは、自分の『葬儀』に何を望みますか?
人はいつか死を迎えます。人が生物である限りそんな未来は誰にも必ず訪れます。昨今、”エンディングノート”という言葉を聞くようになりました。人が亡くなる前に遺される人に対して要望を伝えるための書類と定義もされる”エンディングノート”。そんな書類には、自分がこの世で最後の瞬間を飾る葬儀のことも記すことができます。
しかし、私たち日本人は”縁起が悪い”という言葉と共に、死にまつわる事ごとを口にすることを避ける傾向にあります。そんな結果論の先に、遺された者が『「人が死んだ」という事実に動転』する中に『膨大な情報からひとつの葬儀屋を選ぶ』必要が生じてしまいま -
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かなり好き。特に斜線堂有紀さんの「選挙に絶対行きたくない家のソファーで食べて寝て映画観たい」、南木義隆さんの「魔術師の恋その他の物語(Love of the bewitcher and other stories.)」、宮木あや子「エリアンタス・ロバートソン」の三編が好き。心中したり不幸になったりしない、でも社会的な背景も踏まえた百合小説で好感度が高い。百合小説というよりビアン小説と言ってもいいなもしれない。わたしはふわふわした王道女子高生百合にどうしてもハマれないたちなのでこういうのはとても趣味に合うし、日々異性愛前提の社会に生きていると心が救われる気持ちになる。