宮木あや子のレビュー一覧

  • 官能と少女

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    センセーショナルなタイトルで手を出しかねていたのですが「悪意」というキーワードを見かけて手を出すことに。
    確かに「官能」と少女(というか発育不良の女性)の物語です。
    しかし、何とも靭い物語。
    その底には虐げられた、あるいは挫折した人々の切ない愛が流れているようです。

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    2016年06月13日
  • 野良女

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    最高、肩組んで呑みながらこの本について、しゃべりたい。自由でおりこうちゃんがいないけど、スカッと言い来ている。コロナの自粛を吹き飛ばしてくれないかなと思って読んだ。

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    2020年05月20日
  • 花宵道中

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    短編が折り重なる緻密な構成。生きることが、生き抜くことが、その中で、自分を持つことがいかに過酷か。

    「十六夜時雨」での八津と三弥吉の逢瀬と三津の父に関する告白がクライマックスか。最後の「大門切手」の弥吉のけなげさ、勝野のやるせなさも味わい深い。

    読後、「甲斐性」という言葉、「頼もしさ」という言葉がしみじみと思い出されました。

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    2016年06月26日
  • 花宵道中

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    切ない。
    誰もが果たせぬ想いを諦めている。
    貫く女性もいる。
    自分で決めた訳じゃないのに、誰だって幸せになっていいはずなのに。
    看板女郎の桂山のエピソードはなかったけど、一番の売れっ子で呼び出しの位にいても、苦悩はあるんだろう。
    客を選べるとしても、客を取らないでいいわけではない。
    華やかな場面と、すごく暗い場面との対比がくっきりと描かれていて、暗いからこその華やかさなのかな、と感じる。
    何の罪も犯していないのに、囚人のように生きなければならない女郎たち。
    唯一、美しく着飾ることで、明るく笑うことで、きれいな景色を愛でることで、罪人ではないのだと主張しているかのようだ。
    切ない美しさ、儚い豪華

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    2016年03月16日
  • 花宵道中

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    あー、なんか…。

    恋はステキだ、けど
    しちゃいけないって
    自分自身に制約しなきゃいけないなんて…

    そりゃ、つらい。

    個々に想いがあって…
    微妙にずれたり、絡んだり。
    そうやって生きてんだなぁ、って。

    性の表現はなぜか
    エロさは感じにくく、
    それよりも欲の純粋さが伝わる、感じ。
    純粋にいきてみたい、と
    勘違いさせてくれたかも。

    あー、それと
    この頃の、日本って
    生きるってたいへん。
    縛られっぱなしだもんなぁ。

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    2015年12月17日
  • 花宵道中

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    遊女達の儚くも美しい数々の恋愛の話が収録されている短編集で、どの話もあっという間に読み終わった
    R-18文学賞受賞作品だが、女性達が一生懸命恋愛したり、生きている姿に感情移入し、胸が切なくなった。
    一つ一つの話には伏線が張られていて、少しずつ繋がってるので後からなるほどと、納得する場面が多くあった。

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    2015年09月27日
  • サイドストーリーズ

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    読み終えるのが惜しい、
    物語がある。

    もう少し読んでいたい、
    余韻に浸っていたい、
    もしかしたら
    CDの隠しトラックの様に
    どこかに後日談的なものがあるんじゃない?

    と、いつまでも
    本を閉じたり開いていたりして。(^^;

    この本の中では
    >まほろ駅前シリーズと
    >天地明察が
    私の読み終えるのが惜しいリストの中の作品。

    サイドストーリーとして
    <一服広場>をテーマに再び彼らに会えたのは嬉しかった。
    他の作品も面白かったなぁ~
    機会があったら、本編のほうも読んでみたい。

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    2015年08月10日
  • 春狂い

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    個人的にはこういう描写が初めてで新鮮尚且つ斬新でした。
    周りに周って最終的に結びつくって、頭を使いながら読むから何度か戻ったりもしたし、あーこういう事かってなった!
    いやぁ、楽しかった!
    最後は「ふぅ。」って感じで終わりました。

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    2015年07月27日
  • セレモニー黒真珠

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    亡くなったことを、誰かに惜しまれる人と、惜しまれることもなく、気づかれないままの人もいる。でもどちらであってもその人には必ず人生があった。

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    2015年06月12日
  • 花宵道中 6

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    宮木あや子原作『花宵道中』コミック版完結編。
    姐女郎から妹女郎へ、綿々と受け継がれてゆく山田屋の歴史みたいなのが上手くまとまっている。
    今までの五編があるからこそ、実はこの「大門切手編」の切なさが胸にしみる。

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    2015年02月22日
  • 憧憬☆カトマンズ

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    あとがきにもあるようにスカッとするお話でした。
    世の中そんなに上手くいくハズないけれど、ありえない話なんだけど読後感はとてもよかった。
    日常生活に疲れてる方なら楽しくよめるのでは??

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    2015年01月25日
  • 花宵道中 5

    購入済み

    原作をより鮮やかに

    小説の漫画化や映画化の場合、先に原作を活字で読んでいるとどうしても色褪せるのが通常だが、この作品は原作で味わい損ねた世界観や人間味が鮮やかに描かれている、漫画化にしては稀な作品。

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    2014年11月18日
  • 白蝶花

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    第二次世界大戦を生きる2人の女性を題材にした二つの話。
    一人は姉妹で女衒に売られ、一人は知事の家に奉公に上がる。
    どちらも厳しい時代を強かに生きる様子に心打たれます。

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    2014年06月08日
  • 花宵道中

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    ネタバレ

    「間夫(まぶ)がいなけりゃ、この世は闇」っていう
    言葉があるとおり、女郎たちはつらい現実からひと時
    でも救ってくれる愛する男を頼りに生きている。

    「花宵道中」では女郎の朝霧が半次郎という男と恋に
    落ちるが、ありふれた女郎の恋だと思って読んでいる
    と、「青花牡丹」っていうお話で二人に意外な縁が
    あったことがわかる。
    その話を読んだ後では読後感が違ってきますね~
    いやぁ・・・泣けました。

    女しかいない女郎の世界ですから客の取り合いや、
    足の引っ張りあいもあるわけですが、妹女郎の茜が
    初めて客をとるまでの話を描いた「薄羽かげろう」や、
    「雪紐観音」を読むと、こんな世界でも必死に生き抜い
    てやろう

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    2020年08月21日
  • ガラシャ

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    哀しいぐらいの一方通行のお話し。
    人を思うことの切なさが、感じられる。
    狂うぐらい、人のことを思えるってすごい。
    光秀の印象がだいぶ変わった。

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    2013年12月02日
  • 野良女

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    ぶっ飛ばしてる小説だなあ…って思いました。

    一人一人の抱えてる男との事情は、それぞれ重いけど
    小奇麗にして、ちゃんと仕事してさえいれば、
    女って割と大丈夫だよなあと。
    自分も含めてそうなんだよなと思いました。

    ここに描かれてる女たちの言動さえ、若いなあと思う時が自分にも
    来るのでしょうが、その年齢さえ通り越した時の私がこれを読んで
    何を感じるのかにも興味があります。

    私自身は体の関係には全く重きを置かない、というか
    そういうことはつらいこと、という感覚を持ってるので、

    「好きな人はいた方がいいけど、体はね、別に重ねなくてもいいです。
    あっちなみに百合でもないから。私男の方が好き。ストレ

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    2013年08月28日
  • 野良女

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    ネタバレ

    宮木あや子作品は色々読んできたけど、どれも割と綺麗めな感じの官能小説だったので、これを最初読んだ時はびっくりした。

    ここまで来るともう、エロいを通り越してエグい。

    他の作品のような官能描写はあまりなく、代わりに繰り広げられるのは女子トークで語られる赤裸々な下ネタのオンパレード。
    寝た男の数は優に20人を超える女たち5人が、色んな悩みを下ネタとともにぶっちゃける。

    そういうジャンルの女性(性に奔放過ぎる女性)の文化が自分にも周りの友人にもないので、最初はちょっとひいたけど話が進むにつれてどんどん引き込まれていった。

    結局アラサー女の悩みなんて、恋愛と結婚と性と将来の不安と婦人病に集約され

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    2013年06月09日
  • 野良女

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    やーもう、笑った笑った。
    大爆笑というより、「ぷぷぷっ」て感じかな。
    ゲスい笑いを何度繰り返したか。

    女子のセキララ☆ホンネ なーんて帯のついた本は
    鳥肌がたって白けてしまう私なのですが、
    宮木さんの描く女性達は、本当にリアル。
    これ、モデルいるんじゃないの?これ書いちゃって大丈夫なの?ってくらい
    血肉の通った、現代を生きる女性達がこの本の中には描かれています。

    みんなみんな、強くて、弱くて、したたかで、繊細で。
    一人ひとりが、本当に愛しくて可愛い。

    宮木あや子さんの作風は、本当に幅広い。
    今、全作品を一番読んでみたい作家さんです。

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    2013年05月20日
  • セレモニー黒真珠

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    ネタバレ

    「好きな人の葬式と結婚式、出たくないのどっち?」
    このセリフはきつい(笑)。

    いつもながらこの人のキャラクター描写、心理描写、構成の見事さには感服します。
    第一話ではプロポーズされた女の回想シーンが随所に差し込まれてるんだけど、徐々にその回想は1人のものではなく2人の女の記憶だとつまびらかになっていく過程が素晴らしかった。

    そして、『月刊おくやみ』の特集、「全国美坊主図鑑」が気になって仕方がない!

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    2014年03月12日
  • 太陽の庭

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    面白かったー。
    文体も美しくて世界観がきちんとしていて引き込まれた。
    「太陽の庭」では一気に世界が変わり永代院を追い詰める。
    展開もよくラストも納得だった。

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    2014年10月02日